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第25話 いのち宿るとき温かく、細い、唯の身体からは鼓動まで伝わっている。浩次は、唯の背中に廻した腕の力を抜いた。目の前にいる彼女は、唯にそっくりだ。それは、確かに間違いのないこと・・・けれど、やはり何かが違う。喜びの涙は、乾いてしまっていたけれどいま、新たな涙が浩次の瞼に湛えきれず、あふれて頬を伝う、落ちてゆく・・・唐突に、唯のかたちをした人形の肩が小刻みにほんのわずかの間、震えた・・・(ん、?)浩次の、心が動く。つい、今しがたまで、冷めようとしていた想いがふたたび、熱を帯びてきた、彼の中で、それは人の知識では、計りしることのできないいのちあるものに与えられた、感性としか説明のつかない、同じいのちを持つものと者との間に通い合う、言葉ができる、はるかむかしよりいのちあるものに具わっていた、意思の疎通としか言えない浩次はその能力を、自ら知らずに使っている唯の身体から少しだけ離れ、彼女の表情を読み取ろうとしていた。(表情?やはり人形だと、認識したばかりなのに・・・)彼は、これ以上は無理といえるほど、大きく目を見開いたつぶらな瞳が、大好きだった長い睫毛が、濡れている!名前を呼ぼうとした浩次の口が、開きかけたまま留まった! 「浩次・・・ねえ、あなたなのね・・・」「唯、? そうなのか?」唯は溢れる涙を、長い指で拭いながら、頷いた・・・(そんな・・・ことが・・・)浩次のこころを読み取ったのか、唯の手が震えながら彼の手をとる「マネキンにかけられた、魔法がとけるように、浩次、いま、わたしの命が降りてきたの、ただ、あなたに・・あなたに会いたい、そのためだけに、会いにきたわ・・・」 唯の想いは、このうたのようだと思うのです、 完 最後までお読み頂けて、ありがとうございます 一日一回有効です
2012.11.19
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↓のように投稿した私に、市川拓司さまは、その日の内に、お返事を下さったのです。投稿者:マトリックスA 投稿日:12年11月13日(Tue) 02時49分40秒 >今回は「雨の季節」ではなく「夕焼け」がキーワードですたいへん失礼しました、ごめんなさい。今、もう一度読み返したら、きれいな夕焼けと鉄塔の画像のすぐ下、というか冒頭部分でした。画像に見とれていて、言い訳です、すいません。映画で観れたらどんなに素晴らしいでしょう!小説の中で、どんなふうに描かれているのでしょうか。待ち遠しいです。 ↓ 市川拓司さまからの、お返事 投稿者:tac 投稿日:12年11月13日(Tue) 13時30分36秒 今、もう一度読み返したら、きれいな夕焼けと鉄塔の画像のすぐ下--いえいえ、順序的には、マトリックスAさんの書き込みを受けての、モノローグの言葉です。あの写真が回答のつもりでした。だから、見落としではありませんよ。またモノローグ更新しました。ぼくの小説は、まずは映像ありきなんですよね。きっちりとしたイメージが頭の中に在って、それをテキストに落としていく。ゼーバルトみたいに写真を自分で撮って、それを挿画のように本に差し込んでいくっていうのもありなのかもしれません。ネットで最初に「VOICE」を発表したときのように。 このように、tacさんこと、市川拓司さまは1ファンにさえ、心くばりをしてくださる、やさしい方なのです。5年前くらいからアドバイスを頂いていますが、その優しさに変わりはありません。tacさんの優しさが、世界中に広まったならば、どんなに素晴らしいことでしょう!実際に、市川作品はすでに、イタリア、フランス、ベトナム、中国などで翻訳され親しまれています。 人を愛するということ、優しい気持ちで接するということ、言葉を大事にするということ、 tacさんの作品には、それらすべてがちりばめられている。そんなふうに思います。みなさんも、一度、市川拓司の世界に触れてみませんか。 クリックしていただけたら嬉しいです。1日1回有効です。
2012.11.15
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※お詫び:動画を埋め込む際に、皆様より頂いた、貴重なコメントが削除されてしまいました。幸い、バックアップしてありましたので、当方で書き込みさせていただきました。本文はそのままですが、発信は全て私、マトリックスAになっております。こうこさんが知らせてくださり、たった今、このお知らせを書いています。大変紛らわしくてすいません m(__)m お詫びして、訂正いたします。 ―― マトリックスA 人は人を求める。 友情を求め、その相手に出会えたならば、大切に思い、友達となる。 異性を求め、その相手に出会えたならば、大切に想い、恋人になる。胸の中には、一本のキャンドルがあって、恋に落ちると灯が点るようにできている。灯が消えなければ、胸はどんどん熱くなる。やがて胸を焦がし、愛となり、2人は結ばれる。 結ばれて、そのまま「永久に続け」と願うけれど、必ず別れはやってくる。それでも、ひとたび点された胸のキャンドルは、消えてしまう、ということはないのだが・・・愛する人から、「おはよう」の返事がもらえなくなった時、人は写真に話しかけるようになる。 21世紀初頭に大きく進歩した、ロボット工学は、2070年に起きた「太平洋アジア大震災」の直後、さらなる進歩を遂げる事になる。 震災の人的被害により、極端に低下した労働力を解消するため、政府はロボット工学の研究開発チームを立ち上げ、災害復旧のための緊急措置として特例予算を計上した。潤沢な資金と、研究開発スタッフの献身的な努力が結実し、「災害救助用ロボット」が完成した。それは、人が中に入って運転する仕組みで、そのパワーは電柱を一本、持ち上げて運ぶことができ、細密作業能力は、毛布で赤ん坊を包むことが可能、上出来である。 あれから80年を経た今、浩次の目の前にいる、アンドロイドの唯は、ドアを開けて中に入り、ドアを閉める動作、近づく浩次の方へ差し出す手の動き、そのすべての仕草が唯そのものだった。浩次はその一部始終を見守っていたのだ。切なさは止めどもなく・・・心で抱きしめていても、浩次の想いは止まらない。差し出された両手をつかみ、引き寄せる浩次、そしてついに・・・そう、ついに、だ・・・唯の身体は、浩次の両腕と、その胸に抱きしめられた。 浩次の想いが伝わる曲だと思うのです・・・ 応援のクリックお願い致します どちらも、1日1回有効です
2012.11.07
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