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【矛盾だらけの人間の謎を解く?】「生物の本質」(7)まず生物には細胞構造、自己保存・自己増殖(再生産)性、動的平衡という3つの特性があるという。特に我々人間は、自己保存性を強く再認識すべきと云える。実はこの特性が、数々の矛盾という現象を生じる源泉であり、今回はここにスポットを与えて見ることにする。さて、生物には固体、集団を問わずあらゆるレベルにおいてこの自己保存性がある。具体的に云うと、生きていくために自分の身は自分で守り、子孫を残そうという生命基本の当たり前な特性である。例えば、ある種類の猿のオスは子連れの猿のメスのところに行って、子猿を全部殺し、自分の子をつくろうとする。メス猿も子孫を残すために、子猿を殺したオス猿に向かって発情するという。ライオンやその他の動物も同じである。人間だけは違うと考えている輩、特に女性の方は多いと思うが、それこそ思い違いなのである。人間の感覚からすれば、この行為はおぞましく非情にも思えるが、偽りざる自然界の自己保存性の一面なのである。この話を聞いて、眉間に皺を作った方もいると思うが、実は人間とて他の動物と本質は同じなのであり、貴方の中に存在しているし、妻子や友人の中にも存在している本能でもある。でもさらに「そんなことは俺には絶対ない!」という方もおられるかもしれないので、次に具体例を挙げてみよう。では、まずは身近で些細な出来事から証明してみよう。実は近頃話題になっている「マタハラ」があるが、これもその延長上であると小生は思う。「マタハラ」とは、一体何のことなのか?マタ(股)とハラ(腹)だから、おそらく「セクハラ」(セクシャルハラスメント=Sexual Harassment)と少なからず関係が深いと考えた輩も多いことだろう。この「マタハラ」とは、「マタニティ-・ハラスメント」(Maternity Harassment)の略で、妊婦のための嫌がらせ行為をさすものである。ま・「セクハラ」とそう遠くない親戚みたいなものかもしれない。両方の行為とも、男女雇用機会均等法という法律で特に少子化の現状から最近は法的に禁止され、特に解雇や降格等の行き過ぎた行為については固く禁じ、罰則も付加されている。実は厚生省も本年11月12日、「マタハラ」について初の調査結果を発表した。具体的に云うと、「マタハラ」とは、働く女性が妊娠や出産をきっかけに、職場で精神的・肉体的な嫌がらせを受けたり、それを理由とした解雇や雇止めで不利益を被ったりするなど、不当な扱いを意味する言葉なのである。2014年新語にもなった。まず11月12日厚生省発表の調査結果概要(6500社25才~44才女性)を見てみよう。「マタハラ経験者」:派遣社員48.7% 正社員21.8%(内容)1.迷惑・辞めたら 47.3%2.雇止め 21.3%3.解雇 20.5%4.賞与不利益算定 17.1%5.退職の強要や非社員への転換を強要 15.9%(実施者)1.直接の上司(男) 19.1%2.役員(男) 15.2%3.直接の上司(女) 11.1%4.同僚や部下(女) 9.3%この件で小生の恥を話すが、20年ほど前のサラリ-マンの時代、当時はどこの会社でも女性が結婚すれば退社するのが原則であった。そして、女性が婚約すれば周囲から「いつ辞めるの?」と当たり前に声を掛けたものだ。ましてや、職場結婚したりして女性が職場に残れば、更に厳しい圧力が周囲から架かったものだ。未婚の若い男性からすると、可能性のある新しい女性を期待するし、職場の責任者も従来のように残業や休日出勤をさせれなくなったり、中には確かに結婚すると急に仕事の効率が落ちる女性もいたりする。そんな周りの大勢を受けて、上から下まで誰でもが「いつ辞めるの?」という空気が必然的に出来ていた。小生も当然「いつやめるの?」とこの言葉を、該当者には挨拶のように乱発していた。明らかに「マタハラ」行為であった。さて、今日そんな「マタハラ」を職場で実行した人でも、乗り物の中で赤ちゃんが背負ったご婦人やお腹の大きな妊婦さんが目の前に立てば、きっとや席を譲るだろう。でもそんな優しい人でも、ひとたび生存競争の厳しい職場という環境の中に入ると、人間は本能的となり、精神的・肉体的に弱いものに嫌がらせ?をしたりするのである。例えば、部下に6ヵ月の妊婦が居たとする。当然、大きなお腹を抱えて、ノタノタとしているので邪魔で仕方ないと思う。そしてある日、「今日Yさんはいないね?どうしたのかね?」「エ-!。また休み?この忙しい時に!産婦人科病院だって?こまるな~!。 半人前め! できたら早く辞めて欲しいな! 」・・・・という具合である。このように同じ人間がまるで違った行動を取るようになる訳だ。これが「マタハラ」であり、我々人間の本来の本当の姿なのである。「マタハラ」はその具体的な表れに過ぎないといえる。これこそ、先述のサルを例にとった「自己保存性」の表れなのである。人間とて所詮、猿から進化した動物に過ぎない証明ともいえる。その他にも、他人の失敗や不成功を望んだり、喜んだり、一方成功を妬んだりする。古来から「子は鎹」「子は何よりの宝」と言われるように、両親や家族にとって子供は将来を委ねる宝である。だから、誕生を心から祝福し、孫などには目に入れても痛くないなどという表現もある。また、親戚や近所部落においても、直系のものほどではないが、表面上は子供の誕生を祝ったりする。しかし、両親以外の心の中の本質と言えば、焼もちの心が必ず誰にでも、どこかにある筈である。特に体格や頭脳など我が子より優れていたりすると、嫉妬したり、その子に何か不幸のことがあればニヤとしたり、期待することすらある。その感情は、親戚から部落、郡、県、国、民族、肌の色、と広がっていく。そして宗教や主義、哲学、文化文明と拡大していくのである。人類は長い進化の中で、人間が共同して生活する集団社会において、トラブルを出来るだけ起さないように、規則基準を創り、それらを改善しながら、本来の本質を実は隠しているに過ぎない訳である。宗教、哲学、主義、文化文明もそのために誕生したものと言えよう。自分はそう考えない、違う言う方も入るかも知れないが、それこそ偽りで、人間社会を複雑怪奇にしている原因でもあろう。現代における国家間、民族間、宗教間の争いなどは、すべてその延長上にある。これまでの歴史は絶えずそれを繰り返してきたといえる。すなわち、全ての争いは、宗教や主義、哲学、文化では解決しないことの証明である。では一体我々は、どうしたらよいのだろう?幸いなことに、私たち現代人は科学の恩恵によって自己保存性というカラクリを、生物学から学ぶことが出来ている。このカラクリ(仕組み)を知り、自覚し、それに基づいて行動することによって未来は開けるということである。振り返れば、人類は7百万年前の直立二足歩行以来、奇跡的に今日まで生き残ってきた。我々は全て奇跡の中で存在しているが、自ら起す戦争で破滅を免れてきたのも奇跡である。特に、核を保持してから核戦争を回避してきたのも、まさに奇跡である。しかし、今我々人類は核兵器1万発を保持するに至り、絶体絶命の絶壁に立って震えている子犬である。これから先に、少しでも生き延びようと望むなら、まず足元を見ることである。例えば、意識的にあらゆる集団を仲間と考えて、まずこの核兵器を捨てることである。続いて武器を全て廃棄し、戦いそのものを放棄すると同時に、人間自体の母体である生態系を保全するよう最大限の努力をすべきである。それが奇跡的な命を与えられ、科学の恩恵によって自己保存性というカラクリを生物学から学んだ我々の果たすべき役割なのであると思う。「後から生まれるものたちのために!」「いつか生まれる君のために!」そして、「すべてはつながっている」のだから!!!(了)
2015年11月30日
【矛盾だらけの人間の謎を解く?】「生物の本質」(6)近年、人間の生活から発生している地球温暖化などの問題、爆発的に増えた人口に対する食糧問題、それらを満たすために行う人類の諸対策は、すべて地球環境を大きく変化させる要因となって来てしまっている。一昔前、車社会到来での世論は、地球環境問題を冷却に使うフロンがオゾン層の破壊を招く等、小生に言わすとほとんど小手先の施策で誤魔化してきた。次に温暖化が更に顕著になるとその原因は、化石燃料から発生する温室ガスである炭酸ガスやメタンガス等となり、焼畑農業への批判や、大規模に発生さす工場ばかりが非難の槍先に上がったが、実際は車や飛行機、家庭やオフィスの冷暖房の方が圧倒的に影響が大きかった筈だ。不思議とそちらへの批判の声は、あまり聞こえてこなかった。続いて大掛かりな石炭や石油・ガスの発電は批判の対象となったが、原子力はこの方面では優等生のように扱われたていたが、実際には熱効率のすこぶる悪い分、海水や大気をどんどん加熱していたわけである。また、今日世界では凡そ500基も稼働する原発で、約2割の電力を補っているが、熱効率は化石燃料発電の三分の一程度であり、これを加味すると、地球環境への負荷は同等であり、むしろ主犯格だと小生は考えている。従って、原発が温暖化の救世子と考えるのは大きな間違いであろう。もうひとつ、人類が地球環境に大きな影響を与えるものがある。それは大規模となった戦争のやり方、特に今後の核による戦争である。この面ではささやかながら人類も多少努力が見られ、国際法によって核戦争を規制する方向に舵を取りだした。既に、生物・化学兵器や地雷、クラスタ-爆弾は国際法で禁止に持ち込んだ。それと冷戦以降核兵器開発競争で核実験が繰り返され、それにより大きな環境変化を体験したことから地下、大気圏を問わず、大規模な核兵器実験は禁止されている。しかし、その一番の環境破壊兵器である核兵器そのものの廃絶については、核保有国(=主に第二次世界大戦戦勝国)の強い抵抗で、縷々として進んでいない。また、その方向づけをする世界万民が頼りにしたい国連も、大きな大きな矛盾を抱えたままである。そのひとつが、第二次世界大戦の勝利国(米、ソ連、英、仏、中)だけが常任理事国となり、絶対的権利を有す拒否権が与えられ、おまけに、核兵器保有まで許されていることである。他の国、例えば非核保有国のイランが持とうとすると、世界中から経済制裁始めあらゆる制裁が科せられる。そんな制裁の間を縫って、インドやパキスタン、イスラエルは核兵器を強引に保持してしまった。また北朝鮮に至っては、厳しい制裁を受けながらも核兵器を一方的に開発、遂には保有してしまった。核兵器を持つことがそれほど重大な権力を持つことなら、持たない国は実に愚かな国ということにもなる。さらに国連の矛盾は前述したように、敗戦国のドイツと日本は未だに法律上敵国扱いなのである。 世界の誰の目から見ても、例へ小学生から見ても、これらは明らかに「いじめ行為」であり、行っていることとやっていることがアンバランスで、現状の人間社会の大きな矛盾なのである。それはそのまま人間の持つ様々な矛盾の、根であり影でもある。さて国連関係での矛盾の話はまだある。先刻11月3日行われた軍縮問題を扱う国連総会第一委員会でも、唯一被爆国の日本から提出された議案は、賛成8割の156票で可決されたものゝ、中国、北朝鮮、ロシアの3ヶ国は反対し、米、英、仏、イラン、それにお隣の韓国は棄権した。今回の日本の提案は、「第二次世界大戦の終結と原爆投下から70年を迎えたことを機に、世界の指導者らに、被爆地訪問を訴える内容」が含まれていた。尚、昨年この種類の議案で共同提案した米英については、今回核兵器の非人道的を強く訴えた非保有国の姿勢に、態度を硬化させ棄権に回ってしまったといわれている。 問題の提案は、オ-ストラリアから提出されていて「核兵器の禁止や廃絶に向けた法的枠組みへの努力を誓う決議」というもので、非核保有国など128ヶ国は賛成で採決された。内容の概要は、NPT(核不拡散条約)生物・化学兵器や地雷、クラスタ-爆弾と同様に、核兵器を国際法で禁止すべきだと、従来より一歩踏み込んだもので、「核兵器の法的禁止」についてであった。当然、米国など核保有国は全て、法的禁止に断固反対の姿勢を示した。ところで、さらなる矛盾は、我が国日本の態度である。この「核兵器の法的禁止」について唯一の被爆国でありながら驚くことに棄権してしまったのだ。理由は米国の「核の傘」に居ると為政者達が判断しているからである。このように国連とは、世界の誰もが理想の姿を描くが、行われていることはドロドロした矛盾だらけの幼稚なものである。その中今春ようやく「核兵器の法的禁止」が初めて本格的に議論されたことは、誠に喜ばしいことであった。しかし、これには深刻で差し迫った大問題が裏にはあるからである。実は昨今、世界の核弾頭の9割を持つ米ロの核軍縮が長い間停滞しているからだ。そしてそんな中、世界情勢は深刻さを増し、例えばウクライナに発した野火は、ロシアのクレミヤ統合となり、そして更に近頃、中東の春以降混迷の続く中、イスラム国の勢力拡大と、非情なテロ行為は、今秋フランス首都パリ にも及んだ。そして、イスラム国のテロ行為には宗教、民族問題、主義なども複雑に絡み、先日はトルコ戦闘機がイスラム国空爆に参加したロシア爆撃機を、領海侵犯を理由に撃ち落とす事態にまで発展している。この人間の本質的な様々な矛盾については、最新のコンピュタ-でも簡単には解けないだろう。これでは、人類はまた近々戦争を始め、最終的には人類滅亡だけではなく、地球環境そのものに致命的な核戦争に突入して、地球環境そのものを破滅させる可能性すらある。どうしてこんな様々な矛盾が生じ、その混沌とする中で人類は、今日もあくせく生きているのだろうか?今回はその根元に迫ってみる必要がある。それには、まず生物の本質を知る必要がある。人間とて生物の一種類に過ぎない。それを少し高度な思考を持った人間が、創り上げてきた宗教や哲学、主義主張、それらから成る諸文化文明。それにより、自分だけ、我々だけ、そして人間だけが特別だという間違った意識が底辺にあるからだと思う。そこから解決しようとするために、問題は益々複雑化してしまう訳だ。この絡んだ糸を解くためにはまず、生物の本質を知ることである。(つづく)
2015年11月28日
【矛盾だらけの人間の謎を解く?】「生物の本質」(5)さて、猿人には数多くの種類がいたという。その中で大きく分けると、顔のかたちが頑丈な猿人と華奢な猿人がいたようだ。頑丈型猿人は顎や奥歯が大きく、頭部まで筋肉が隆々としていた、華奢型は筋肉が弱く奥歯も小さいのが特徴だった。ではどちらが生き残り、どちらが絶滅したかというと、以外にも華奢型猿人が生き残り、頑丈型猿人は絶滅してしまった。理由は当時の環境で、この時代アフリカは乾燥しており、柔らかく栄養価の高い果実が実る場所は限られていた。そのため頑丈型猿人は、栄養価の低い野生のイネ科の植物を沢山食べねばならなかった。栄養価の低い食べ物から必要なエネルギ-、特にタンパク質を得るためには、ほとんどの時間を食べることに費やすることになる。そんな時華奢型猿人は、顎の形態や歯の減り具合などから肉を食べることを覚えたようである。肉という栄養価の高い食べ物を摂るようになった華奢型猿人は、一日中食べ続ける必要がなくなり時間的余裕が出来てきた。そのため、食べること以外に頭を使うことで脳が発達し、次なる進化の段階を登り始めたのである。そして新たな環境変化が起こった時、華奢型猿人は対応できたのだが、頑丈型猿人は対応できずに絶滅してしまったと考えられる。地球には現代まで、多様な生物が出現しては絶滅するという過程を繰り返してきた。そんな過程を経て人類を含む各種生物が形成されてきたこと自体、実に摩訶不思議なことであり驚愕に値する。そして今地球上に存在する人類や他の生物も、刻々と変化する環境に上手く応ずることで生き残ってきただけに過ぎないともいえる訳だ。従って人類だけが特別な生命だと考えたり、神に選ばれたる優秀な種と考えるのは、人類だけの実に勝手な思考に過ぎない訳なのだ。ただ近年困ったことに、違ってきたのは、その基本である生態系環境が人類の生き方次第で変わってしまうほどに、強い影響を持ってきてしまったことである。かつて西欧で、十字軍とイスラム軍が戦争をしたとして、どちらが勝とう負けようが、生態系にはたいして大きな影響はなかった。日本でいえば、徳川幕府が滅びようが官軍が勝とうが、日本の気象には関係なかった訳だ。言うなれば人間の勝手に考える宗教や哲学が変わろうが、地球の根幹をなす生態系には殆ど関係ない話であった。しかし、第二次世界大戦以後、昨今の急速に工業化の進んだ文明社会に至った人類社会の進化は、地球環境に影響を与える力を持つまでに至ってしまっていることである。人類の考え方次第で、地球の運命が左右される時代になってきたと言っても過言でない。(つづく)
2015年11月27日
【矛盾だらけの人間の謎を解く?】「生物の本質」(4)人類学者の話だと、人類の歴史は今から約700万年前、アフリカに生息していた猿人に遡ると云う。この猿人は極めて猿に近いが、頭蓋にある大後頭孔という孔が、下方を向いており、これが直立二足歩行をしていたことを証明しており、人間としての進化はここから始まったとみられている。200万年以前の人類の化石はアフリカでしか発見されておらず、従って最初の人類がアフリカで誕生したことが今では定説となっている。人類変化の原因と理由は、何らかの地球環境の変化で森林が縮小し、食物が減少するなどの理由によって、木々が減少するなど環境が大きく変化した中で起こった。その結果猿人の祖先は、環境変化に順応して直立二足歩行をするようになったと考えられている訳だ。人類は直立二足歩行をすることで、まず手の自由を獲得した。その結果、口ではなく手で物を掴んで道具として使い、さらに道具自体も作ることが出来るようになった。これが脳を刺激しさらに発達させ、人類をもっと複雑な道具を作製し、使用できるようになった。そういう中で文化に欠かせない言語も生まれて行った。人類の進化の過程を、脳の容量、顔の変化、体の大きさなどで見て行くと、大きく4段階に分類することができるという。猿人、原人、旧人、新人である。猿人はサヘラントロプスやアウストラロピテクスが代表例だ。猿人の脳は、ゴリラやチンパ-ジ-と同じ500ミリリットル程度しかない。200万年前に誕生した原人は1000ミリリットルに増加した。さらにネアンデルタ-人を含む旧人となると1500ミリリットルとなり、現代人(新人)並みとなった。旧人と新人の違いは、旧人の頭部は額が後ろに傾斜していて、新人は前頭部が丸いことだ。猿人の頃、大きく出っ張っていた顎は、脳が大きくなるに従い次第に小さくなっていった。また、使う道具も猿人の頃使っていた打製石器が原人、旧人と時を経るにつれて次第に高度な石器になっていった。直立二足歩行を開始した猿人に始まり、新人ホモ・サピエンスの誕生に至るまでは、そういう幾つもの過程があり、考古学的な証拠品からも証明されている。そしてアフリカで誕生した人類は、いつの頃からかアフリカを出て世界に広がって行った。20年ほど前の学説では、平均身長125センチ前後だった猿人が遠くまで移動するのは難しと考えられていた。ところが最近の研究で、猿人に近い初期の原人の化石が西アジア(東欧)のジョ-ジア共和国で発見され、以前より早い段階からアフリカを出ていたことが分かってきた。その後アフリカでホモ・サビエンスにまで進化した人類が、今から10万年以前より、相次いでアフリカを出るようになり、アジア、ヨ-ロッパへと移住・拡散を繰り返しながら、先に出た旧人を滅ぼし、あるいは交雑して行ったと考えられるという。さて、今私たちに一番大切なのは、今一緒にこの地球に生きているという共通意識の問題である。私たちは、肌の色が白いか黄色か黒くあろうが、また体型や目の色が違う民族であろが、宗教や主義主張が異なる者であろうが、そして大統領であろうが庶民であろうが、金持ちであろうが貧乏であろうが、同じ先祖を持つ親戚同士であり、そして同じ今の時を生き合うホモ・サビエンスの、所詮一匹に過ぎないということである。その時とて、多くてたった80年という短期間の話なのである。(つづく)
2015年11月24日
【矛盾だらけの人間の謎を解く?】「生物の本質」(3)第一次世界大戦の反省の元に、1920(大正9)年、国際連盟が創設された。しかし、当時その実体は幼稚なもので、一方的に戦勝国の有利なものとなっていた。付け加えておくと、現在の国連も当時を基本としているため、残念ながら本質的には大して変わっていない。そのひとつが、国連条項には敵国条項というものがある。第二次世界大戦後70年経過しても、未だに日本とドイツは敵国として認定されていたりする。そのため、様々な矛盾を抱えたまま世界は混沌とした中でかろうじて平和を保っていると云ってよいだろう。さて、第一次世界大戦で当時勝利国となった、イギリス連合側に着いた日本は、中国でドイツと闘い勝利を収めたため、勝利国側で占められていた常任理事国に名を連ねることとなった。また敗戦国ドイツには領土の割譲と、膨大な賠償金を制裁したため、戦後のドイツは大きな苦境に陥り、ゲルマン民族の不満はやがてヒットラ-を頂点とするファシズム帝国をつくる原因となってしまった。日本は、ロシア革命や、第一次世界大戦後の混乱で空白となったアジア、特に中国に重点を置く政策がとられた。1931年満州事変を契機に、中国に一気に進攻するかたちとなった。。しかしこの一連の行為に国連は調査団を派遣し、その結果日本国の撤退を求める報告書が国連に提出された。それに基づき続いて1933(大正8)年2月24日、国連総会で、日本国の中国からの撤退と中国の統治権の議案の採決があった。結果は賛成42、反対1、棄権1であった。これを不服とし反対票を投じた日本は、松岡洋右の脱退声明を残し全員退席し、真っ直ぐらに第二次世界大戦に進むのであった。国連を無視したドイツとは1936年11月日独防共協定を結び、その後イタリアと三国同盟を結び、連合国軍と第二次世界大戦を戦い、最終的には敗れ去ったのである。第二次世界大戦の犠牲者は戦死・行方不明者5千万人とされているが、巻き込まれた諸外国の民間人を加え、更にヒトラ-によるユダヤ人迫害による犠牲者や、スタ-リンの行った制裁による犠牲者等を加えると、天文学的数字になると云われている。これも70年前行われた人類史上の事実であり、人類はたった一世紀の間に2度に亘る大虐殺を経験したのである。第二次世界大戦は第一次世界大戦から更に科学技術の進歩による新兵器が数多く開発された。特に空からの攻撃は、戦場を一気に拡大させ、庶民を巻き込む大規模の無差別な殺戮の場となって行った。そして、最終的には原爆というとてつもない殺戮兵器、化け物を人類は造りだしてしまった。それが、世界中には1万発も実践体制にあり、地上から、空中から、深海からいつでも発射できるようシステムが構築されている。そしてこのシステムはドミノと同じで、一発の核兵器が使用されれば、あとは誰も止めることができない。ところで、少なくとも第一次大戦前までは、人間は命を尊び、神々から一番に愛されたと思われた立場から、以後 はお互いに殺し合ったら止まらない、一番野蛮で卑劣な生命に進化してしまったわけである。確かに戦争は一面で科学文明を急速に進化させた。車や電車、船、飛行機など、ほとんどのあらゆるものが戦争から生まれた副産物であることは確かなことである。コンピュ-タ-だって情報戦争のスパイ活動から開発されたものである。それらが人類に多くの豊かさをもたらしてくれたことも事実である。今や人類は、戦争で得たその技術を基に、深海や宇宙にまで夢を繋いでいる。 しかし一方で進化しないまま留まっているものもある。民族意識や宗教や哲学、主義主張など価値観に係る心の問題である。そこに理解や妥協点が見つからない場合、生命としての自己保存の本能に簡単に火がついてしまうのだ。以前は取っ組み合いの喧嘩の果てに、打撲ぐらいで済んだことだが、今は桁外れの優れた武器がある。その武器の操作は、実に単純化され、押すか引くかでことは足りる訳だ。老人でも、女性でも、そして子どもであっても可能である。更に、それらの武器は原理が分からなくとも、製作等が出来なくても、金さえあれば誰でも簡単に手に入る。相手の人格や家族のことや、能力や技能や心のあやなど一切評価もされず、抹殺だけが最終目的である。 今の人類は例えるとすると、球に乗ってバランスを取るサーカスのピエロと言ってよいだろう。その手には、落とせば割れる血の色をしたワイン入りのグラスを持っている訳だ。そのワインこそ、核兵器なのである。これこそ、「こぇえ!」話なのであるが、人類は見えない霊やお化けを怖がるくせに、この現実は怖がらない。人間とは実に楽観的に造られている摩訶不思議な動物であるとつくづく思う。ところで紛争や戦争の原因を追究していくと、最終的にはどちらが利益か不利益かの問題に行きつく。世界にはテロだけは違うという見方もあるが、手法が少し違うだけで他の動物から見れば、これとて同類同根のものと云える。要は人間のどちらが利益か不利益の問題に過ぎない。主義主張の違いや宗教問題とて、一歩離れた動物から見れば、同じなのである。 では果たして、我々人間だけが、我々が考えているように特別なのだろうか?もしかすると、いつの間にか人間だけが特別なものと勘違いして、進化してしまったのではないだろうか?まずは、進化の歴史から見て行ってみよう。(つづく)
2015年11月21日
【矛盾だらけの人間の謎を解く?】「生物の本質」(2)人類はその歴史の中で、実に多くの種同士の殺戮を繰り返し、特に1914~1918年に国レベルで行われた第一次世界大戦では、死者992万人、負傷者2122万人、行方不明者775万人とも云われる大きな犠牲を払った。当時の世界は多くの国が王政を引く覇権国家の形態をとり、各国とも世界に新たな植民地支配を広げ、その優越を競っていた。それに伴って産業革命が起こり、戦争も従来の方法から様変わりしたため、この戦争では多くの国を巻き込み、犠牲者も一気に膨れ上がってしまった。当時ほとんどの人は、この戦争は半年もすれば終わると、実に楽観的に考えていた。従来伝統の騎兵を中心に大砲や銃で争う戦い方なら、恐らくそうであったろう。しかし、工業化の特に進んだドイツ軍は優秀な兵器を開発しており、特に優れた機関銃は群を抜いた威力があった。それに対抗するためには国境に長い塹壕が造られ、戦場は持久戦となって行った。そして戦車が登場し、戦闘用飛行機や毒ガス、生物兵器等大量殺戮のための新兵器が次々に生まれ、その結果4年間も続いた戦争は、民間人も巻き込んだ天文学的な犠牲者を出す、残酷な殺戮の歴史を刻んだのだった。これは、たった100年前の人類が行った紛れもない実話なのである。(つづく)
2015年11月17日
【矛盾だらけの人間の謎を解く?】「生物の本質」(1)一作日の11月14日、フランスの首都パリで、またまた悲しい殺戮事件が起こった。イスラム過激派と思われる集団が、自爆テロを起し巻き添えで多くの人を殺傷させ、また場所を変えた劇場では武装した集団が人質を取り、警察との銃撃戦に発展、犯人と思われる7人全員は、自爆あるいは射殺されたものの、132人の死者と300人を超える負傷者が出た模様である。IS(イスラム国)の犯行と確認され、フランスがシリア国内のIS拠点への空爆に抗議・対抗したものとみられてる。これに対し、仏政府は戦争行為に等しいと抗議し、IS拠点に対し15日空爆を強化した。今日の世界は、中東で、ウクライナを含む西アジアやアフリカで、そして今回西欧の中心フランスのパリでも、相変わらず生臭い人間同士の殺戮による業火が繰り広げられている。なぜ地球上で一番賢い筈の人類が、虫けらでも決してやらない非情で大掛かりな殺戮を繰り返すのだろう。そんな矛盾だらけの危険極まりない人類が、第二次世界大戦をきっかけに、原子爆弾という究極の破壊兵器を持ってしまった。そして広島、長崎に2発も投下され、その桁違いの破壊力を見せつけられた一億玉砕の精神を拠り所に闘っていた日本も、遂に降伏したのだった。幸いにもそれらの兵器は、破壊力が甚大過ぎる故に、それ以降の戦争紛争に使われることはなかった。しかし、キュ-バ危機には、米国すら核戦争を覚悟した一歩手前の危険な領域まで入ったと云われている。今の世界の平和は、氷山を支える一片の氷の塊でかろうじて支え、維持されていると云っても過言でない。そしてその起動ボタンは、10本にも満たない大国の指導者の指先に握られているわけだ。正に我々は、そんなアンバランスの「奇跡の中の奇跡の中」にいるのである。すなわち、この氷山は、約1万発の核兵器で成り立っており、一発のボタンを誰かが押せば、後はドミノ崩しのように崩れ落ちて行くのである。従ってこれを全部取り除かない限り、人類滅亡の危機は決して我々の周辺から去らないわけだ。その方法が果たしてあるのだろうか?その鍵を見つけない限り、いつの日にか人類は必ずや滅び去るであろう!今回はその人類最大の壁に挑んでみよう!(つづく)
2015年11月16日
【広がる傾斜マンション問題】(5)「近い将来、姨捨山は再現されるかも?」姨捨制度は、昔信濃の国にあった有名な実話である。年老いて働けない年寄りは、大切な食糧の単なる穀つぶしに過ぎないため、或る年を過ぎた老人は山奥に捨てる厳しい掟があった。日本ばかりでなく、エスキモ-の世界でも同じような風習があったという。年老いて役立たずになった老人は、進んで吹雪の草原に消えていく掟である。その機会は何日も猟がなく、食料不足が続き、明らかに家族(集団)の足手まといとなった時である。吹雪く雪原に、飢えた白クマの鳴き声が聞こえ、家族(集団)が白クマの危険に曝された時だという。その時に、自分の身を挺して白クマの餌になり、集団を救う意味も兼ねているのだという。これらの話は、特に高い年金や高度な医療制度に守られ、海外旅行を謳歌している日本の一部老人達には耳の痛い話である。その年金の原資は、昔せっせと積立したとは云え、実のところ実態は殆ど若いものからピンハネした金である。特に医療費についは、ほとんどが現役の労働者(経営者含む)からのものである。1000兆円の借金は、社会保障給付金の増加と深い比例の関係があり、このまま手をこまねいていれば、やがては国家破綻が確実とされている。では実態はどうだろうか?先刻、2013年度のその方面の報告が出されたので紹介する。【2013年度社会保障給付110兆円】(10月23日、国立社会保障人口問題研究所発表)2013年度に年金や医療、介護などに支払われた「社会保障給付費」は110兆6566億円。高齢化の影響で前年度より1兆6556億円(1.5%)増加し初めて110兆円を超えた。統計を取り始めた1950年から63年間過去最高を更新し続けている。社会保障給付費は国民一人当たり86万9300円で前年比1万4500円(1.7%)増えた。(内訳)1.年金54兆6085億円(1.2%増加)2.医療35兆3548億円(2.1%増加)3.福祉その他(介護、生活保護、子育て)20兆6933億円(1.5%増加)介護8兆7879億円(4.7%)給付費に施設整備(約15兆円)などを加えた「社会支出」は114兆1356億円(1.4%増加)国民総生産(GDP)比では0.09ポイント減少して23.63%→若干GDPが増加したため?年金や介護の「高齢」向けが0.01ポイント増加して11.31%児童手当など子育てに使う「家族」向けは0.06ポイント減の1.25%主要5ヶ国(米・英・独・仏・スウェ-デン)の2011年度GDP比の比較では、高齢者向けは仏に(12.17%)に続いて高いが、家族(子育て)向けは(1.25%)は、米国(0.72%)に次いで2番目に低い。更に、スウェ-デン(3.46%)や仏(2.85%)に比べると劣る。スウェ-デンやフランスは児童手当や育児休業手当などが手厚く、少子化対策が成功している。両国の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数の比率)は2であるが日本は1.42。将来の人口を維持できる水準とされる2.07には遠く及ばない。安倍政権の新3本の矢の一つが「希望修正率1.8」を2020年代半ばに実現することが目標だ。掻い摘んで云うと、114兆円1356億円が社会保障給付に使われており、GDPの実に23.63%に相当する。諸外国と比べて、老人には手厚いが将来を託す児童などには極端に薄い。団塊の世代の定年により更に高齢化は進み、これに伴う年金給付や医療・介護給付は増加する一方である。この数字を見ると、絶望的でため息しか出てこない。安倍総理は新三本の矢、すなわち新杭で、この傾いたマンション問題を正して日本の土台を直すとおっしゃるが、 果たして、そう上手くいくだろうか?ヒットラ-がまだ生きていたなら、手っ取り早く老人は集められてガス室行きかも知れないし、スタ-リンならシベリア送りなのかも知れない。それほどこの問題の解決は、難しいのである。「老兵はただ消えるのみ!」と恰好よくはいかない訳だ。せめて、我々老人達は、姨捨山の時代のことに少しは心に馳せて、できたら日々健康年齢を意識し、たまには手近なところの道路掃除でも、すべきかもしれない。トホホ・・・・
2015年11月13日
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