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2011年04月10日

こだまでしょうか　詩人　金子みすゞ

テーマ：今日どんな本をよみましたか?(91751)

カテゴリ：生活、家族、仕事

　「大丈夫」っていう。

　「漏れてない？」っていうと、
　「漏れてない」っていう。

　「安全？」っていうと、
　「安全」っていう。

　そうして、あとでこわくなって、
　「本当はちょっと漏れてる？」っていうと、
　「ちょっと漏れてる」っていう。

　いいえ、えだのです。

　「これ、食べても問題ない？」って言うと
　「問題ない」って言う。

　「コレ飲んでも大丈夫？」って言うと
　「大丈夫」って言う。

　そうして後で心配になって
　「食べれるの？」って聞くと
　「食べれない」って言う。

　こだまでしょうか？いいえ　えだのです

えだの版のパロディがいかに多くても、金子みすゞの作品は忘れられない。

　ひと際優れた作品のみがパロディの対象となりうる。

【送料無料】わたしと小鳥とすずと

　ACのCMに登場する『こだまでしょうか』という詩は、1903年山口県長門市仙崎生まれの童謡詩人、金子みすゞの作品。

　うち続く悲運の中、1930年、26歳で服毒自殺した作者の詩とは思えないほど、現代の日本人の心に静かに、穏やかにしみわたる。

　金子みすゞの詩は長らく忘れられていたが、岩波文庫『日本童謡集』の「大漁」を読んだ児童文学者、矢崎節夫氏らの16年にわたる努力で遺稿が探索された。

　1984年『わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集』が出版され、幅広く有名になり、再評価の動きが高まった。

　東日本大震災は3月11日。

　多くの日本人の傷ついた心を癒すかのような登場に因縁を感じる。

金子みすヾの世界歌の旅ー楽譜集「みんなを好きに」

大漁

　朝焼け小焼だ
　大漁だ
　大羽鰮（いわし）の
　大漁だ。

　浜は祭りの
　ようだけど
　海のなかでは
　何万の
　鰮のとむらい
　するだろう

こだまでしょうか

　「遊ぼう」っていうと
　「遊ぼう」っていう。

　「ばか」っていうと
　「ばか」っていう。

　「もう遊ばない」っていうと
　「遊ばない」っていう。

　そうして、あとで
　さみしくなって、

　「ごめんね」っていうと
　「ごめんね」っていう。

　こだまでしょうか、
　いいえ、誰でも。