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2023年07月31日

プリゴジン氏の後継者は、アンドレイ・トロシェフ氏？

テーマ：大統領(32)

カテゴリ：ロシア、ソ連

　6月27日、ロシアで反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏がベラルーシに入ったことが報じられた。

　同日、プーチン大統領は、モスクワのクレムリンで軍や治安機関の関係者を集め「あなたたちは祖国を動乱から救い、事実上、内戦となるのを阻止した」と述べた。

　ワグネルのの反乱を“内戦”とし、国内の動揺を抑え、軍や治安当局の引き締めはかった。

　引き続き行われた軍人らとの会合で、プーチン氏は国がワグネルに資金提供していたことを明らかにしたと報じられた。

　ロシアで民間軍事会社は法律で禁じられている。プーチン大統領は、マスコミに「ワグネルは存在しない。民間軍事会社は法的に存在しない」と語っている。
　　　　　

　プリゴジン氏最大の誤算は、国民の人気がプーチンン大統領に迫るほど高まったことかもしれない。ふがいない国防軍への反乱で、自身の人気がプーチン大統領の脅威となってしまったからだ。

　6月29日、プーチン氏はワグネルの後継候補にアンドレイ・トロシェフ氏を指名した。ワグネルによるロシア軍幹部に対する反乱が終わって以降、同社の幹部戦闘員とトップのエフゲニー・プリゴジン氏との間にくさびを打ち込んだ。

　6月29日、ロシアの独立系メディアの「ベル」は、プリゴジン氏の企業グループのメディア部門がロシア銀行大株主のユーリー・コワルチュク氏所有のメディア・グループに引き継がれる可能性が高いと報じた。プリゴジン氏が経営する企業グループについて解体する動きとみられている。

ワグネル後継候補は〝プリゴジンを売った男〟

 プーチン氏に「反乱情報」流したトロシェフ氏 

「ポーランド侵攻」も示唆

2023年7月24日　zakzak by夕刊フジ

　ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の反乱から1カ月が経過した。創設者のプリゴジン氏には「粛清説」や「生存説」など情報が錯綜（さくそう）するが、プーチン大統領が新たなトップ候補として名指ししたアンドレイ・トロシェフ氏をめぐっては、プリゴジン氏を裏切り、反乱情報を政府側に流したと報じられた。ワグネルは「ポーランド侵攻」を示唆するなど新たな動きも出ているが、組織は分裂含みだ。

　露紙コメルサントは、反乱収束後の6月29日、プーチン氏がクレムリン（大統領府）でプリゴジン氏らワグネル幹部35人と会談した際、司令官の一人で内務省出身のトロシェフ大佐を新たなワグネルのトップとし、ロシア軍に編入することを提案したという。

　「白髪」の異名を持つトロシェフ氏はワグネルの創設メンバーの１人で、ロイターなどによると、1980年代にアフガニスタン侵攻に従軍し、「赤星勲章」を受けた。ソ連崩壊後は北カフカス地方での軍歴があるほか、内務省傘下の特殊部隊で勤務した経験を持つとされる。ワグネルでは「参謀長」として、シリア内戦に関与し、「ロシア連邦英雄」の勲章を受けたが、欧州連合（EU）の制裁対象になっている。

　ロシアの人権団体「グラグ・ネット」によると、ワグネルの副官だったトロシェフ氏は、反乱の際にプリゴジン氏を裏切る形で連邦保安局（FSB）や国防省に内部情報を流し、反乱への参加を自発的に拒否したことで、プーチン氏の支持を得たという。

　ロシアの外交・安全保障に詳しい笹川平和財団の畔蒜（あびる）泰助主任研究員は「いち早くプーチン政権に忠誠を誓い、信頼を獲得したのだろう。プーチン氏は、プリゴジンを排除しつつ、現場のオペレーションを知っているトロシェフ氏の重用を考えているのではないか」とみる。

　ワグネルの戦闘員約2万5000人のうち、1万人程度が隣国ベラルーシに駐留しているとみられる。ルカシェンコ大統領は23日にプーチン氏と会談した際、同国内の戦闘員が、西のポーランドに「行きたがっている」と述べ、欧米を牽制（けんせい）した。ワグネルは今後どうなるのか。

部隊は分裂含み

　畔蒜氏は「ワグネルはロシア軍や政府が手を染められない極秘の作戦に従事してきただけに、今回の騒動でワグネルが政府の傘下にあると公然と示したことはデメリットだ。また、ワグネルの幹部や戦闘員にプリゴジン氏に同調した人物もいるだけに内部にわだかまりも残る。政府の傘下に入る戦闘員とベラルーシなど海外で活動する戦闘員で棲み分けするか、別の組織に分裂する契機もはらんでおり、今後、プーチン氏も扱いに困る局面が来るかもしれない」と分析した。

　　―　　引用終わり　　―

　アンドレイ・トロシェフ氏はロシア軍の退役大佐で、ワグネルの創設メンバーの一人でワグネルの執行役員。

　トロシェフ氏は1953年4月、旧ソ連のレニングラードに生まれた。

　チェチェン紛争やアフガン紛争で従軍した経験を持つ。

　アフガン紛争での軍務が評価され、ソ連の勲章「赤星勲章」を二つ授与された。チェチェンに関しても複数の勲章が授与された。

　シリア内戦でアサド政権側に立ち、トロシェフ氏がワグネルの作戦の参謀長の役割を務めた。

　死亡説も流れるプリゴジン氏について、英・BBCはロシア・テレグラムに7月19日にベラルーシにいるプリゴジン氏の動画が投稿されたことを報じた。

 「ワグネル」プリゴジン氏、ベラルーシの基地に滞在か 

テレグラム映像

2023年7月20日

ローラ・ゴッジ、BBCヴェリファイ（検証チーム）、BBCニュース　

　ロシアの雇い兵組織「ワグネル」の創設者エフゲニー・プリゴジン氏がベラルーシにいることを示しているとみられる映像が19日、メッセージアプリ「テレグラム」のワグネル関連チャンネルに投稿された。

　6月末にワグネルがロシアで反乱を起こして以来、プリゴジン氏の映像が出てきたのはこれが初めてとみられる。

　映像の中でプリゴジン氏は、戦闘員らを歓迎するとともに、ウクライナでの前線の状況は「不名誉」だと語っている。また、ワグネルが後日、戦闘に再参加する可能性を示した。

　　―　　引用終わり　　―

　プリゴジン氏の消息を世界が求めている。現れるのは影（シルエット）ばかり。

　7月19日、SNSの動画に登場。

プリゴジン氏とみられる人物

 動画で「新たな道・アフリカに向かう」

2023/07/20　讀賣新聞オンライン

　ロシアで反乱を起こした民間軍事会社「ワグネル」系列のSNSは19日、創設者エフゲニー・プリゴジン氏が戦闘員を前に演説する様子だとする動画を投稿した。プリゴジン氏とみられる人物が「我々はしばらくベラルーシに滞在することを決めた」と宣言し、ロシアのウクライナ侵略作戦の現状を「我々が参加する必要のない恥ずべきものだ」と批判した。

　動画は約6分間で、撮影日時や場所は不明だ。薄暗い中でプリゴジン氏本人かどうかは判然としない。仮にプリゴジン氏であれば、発言が伝えられたのは7月3日以来となる。

　　―　　引用終わり　　―

　反乱後、国内の人気を高まったと報じられたプリゴジン氏の人気も短期間で急落。プーチン大統領はほっとしたことだろう。ショイグ国防相は人気がないのでプーチン大統領は重宝しているに違いない。新たな獅子身中の虫は、元SPのゾロトフ国家親衛隊（旧内務省軍）隊長か。

プリゴジン氏の支持率急落 

反乱１カ月、プーチン氏ほぼ無傷

―ロシア

2023年07月23日　JIJI.COM

　　…　　（略）　　…

　政権と一線を画す独立系世論調査機関レバダ・センターが今月１日までに、約1000人に「反乱後のイメージの変化」を尋ねたところ、プーチン氏は改善（19％）が悪化（10％）を上回った。対照的にプリゴジン氏は悪化（36％）が改善（5％）に比べて顕著で、批判の矛先を向けたショイグ国防相よりも人気を落とす結果となった。

　レバダ・センターが6月29日に公表した調査でも、プリゴジン氏の支持率は反乱前後で58％から29％に急落。捜査終結など政権の対応は甘いと言われるが、そもそも影響力の低下が甚だしいのが実情だ。

　プリゴジン氏は6月24日の南部ロストフナドヌー撤退時、歓声を上げる市民に取り囲まれたが、この光景に民意は反映されていないことになる。

◇元SPに存在感

　逆に存在感を増しているのは、国家親衛隊（旧内務省軍）のゾロトフ隊長だ。プーチン氏の元警護官（SP）で、旧ソ連国家保安委員会（KGB）出身。ワグネルの反乱後、プーチン氏が6月27日にクレムリン（大統領府）で軍・治安機関を集めて事態掌握をアピールした際、ゾロトフ氏がテレビカメラの前で経緯や対応を説明した。

　プーチン氏が6月29日、やはりクレムリンでプリゴジン氏やワグネル戦闘員と極秘会談した際も、軍・国防省は遠ざけられ、ゾロトフ氏が同席したと仏紙リベラシオンが伝えている。

　16年に創設された国家親衛隊は、主に反体制派のデモ鎮圧を担ってきた。今回の反乱では、ワグネルがモスクワに向けて行軍するのを防げなかった反省点もある。ただ、政権はゾロトフ氏の責任を追及せず。逆に、国家親衛隊を強化すべく戦車を配備する法案が19日に下院で可決された。

　　―　　引用終わり　　―

　ロシアに限らず、世界の歴史上、独裁者の№2の多くが消されてきた。

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