おしゃれ手紙

2012.08.26
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カテゴリ: 父の麦わら帽子

日曜日でも休みではなかった頃の父母達は、お盆は、しっかりと休んだ。
「墓参り」という口実で、実家に帰る人も多くいた。

うちの家の前の「ふーちゃん」というおばさんもその一人。
毎年、お盆には、岡山市内の実家に帰った。
そして、家に帰ってくる時には、必ず、油の入った一升瓶を2本持って帰った。

ふーちゃんの実家は、岡山で、食べ物商売をしていた。
天婦羅など、揚げ物を作るから、大量にてんぷら油を使った。
けれども、何回も使うと、カラッとした天婦羅があがらなくなる。


母は、一合瓶を持って行って、その油を買った。
それだけあれば、充分だった。
天婦羅などしないし、卵焼きだって、めったにしない。
散らし寿司の錦糸玉子も特別な日だけ。

ナスビとピーマンの味噌炒めなど、用途は限られていた。
だから、一合瓶で一年間使える。

ふーちゃんの実家も、喜んで持って帰らす。
ふーちゃんは、それを村で売って、小銭を稼ぐ。
うちも、市販より安い、てんぷら油が手に入る。

みんな貧しかったから、喜んで使った。

こうして、油を捨てることなく使い切った。


先日の伯母の葬式には、よる年なみには勝てず、来ていなかった。

■2005.08.17に書いたものですが、再度アップします。
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昔 ◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。
★2012年8月26日 *父の麦わら帽子:目次*







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Last updated  2012.08.27 18:13:56
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