おしゃれ手紙

2019.03.14
XML
テーマ: 読書(8636)
カテゴリ: 読書
花のれん ■吉本興行の祖、吉本せいの物語
もっともっとわろてんか! 
大阪を「笑いの王国」にした女の傑作細腕繁盛一代記!


船場に嫁いだ多加は頼りない夫を立ててよく働くが、夫は寄席道楽に耽って店を潰す。
いっそ道楽を本業にという多加の勧めで場末の寄席を買った夫は、借財を残したまま妾宅で死亡する。
多加のなりふりかまわぬ金儲けが始まった。
金貸しの老婆に取入り、師匠たちの背中まで拭い、ライバルの寄席のお茶子頭を引抜く──。
大阪商人のど根性に徹した女興業師の生涯を描く直木賞受賞作。

 山崎豊子の「花のれん」は、林真理子の推薦があった。
下衆の極み ■に下記のようにある。

「山崎豊子さんの『花のれん』を、今、朝ドラにしたらすっごく面白いと思いますよ。(略)」と言い続けてきたのである。
(略)「花のれん」は愛読書で、何回読み返したかわからない。
大坂の呉服屋のご寮人さんが寄席を始め、やがて日本一の興行師になるまでを描いたものである。
まあ、その面白いこと。
息つかせぬエピソードの数々。
まあ、読んでみなはれ。
「芸人は生もん」ということで、若手をバンバン鍛え、うまく懐柔している。

 本当に息もつかせぬエピソードの数々で、流石、吉本興行の祖である。
多加=吉本せいのありとあらゆる努力。
下駄●小銭貸のきん婆さんを風呂で待ち構えて、少しずつ近づき背中を流すなどして取り入る。

●冷やし飴を小屋の前で売り、通行人にも売る。
みかん
●客の残した蜜柑の皮を集めて乾かし、炭俵に入れて、道修町の薬問屋に卸した。
一晩に炭俵二俵分の蜜柑の皮が集まって、百匁が三銭で売れた。



●四橋の交差点のトイレに隠れて、真打の師匠を待ち、偶然会ったように声を掛け、祝儀を渡す。
髪飾り●競争相手の紅梅亭のお茶子頭を策略を持って引き抜いた。

●漫才が流行り始めると、家風呂をやめ、銭湯に行った。
銭湯で、昼風呂に入っている時、エンタツの噂を聞き、すぐ家に帰り、その足でエンタツが出ている神戸まで行った。
 興行師として成功した、多可だが、女性としては、決して幸福だったとは思えない。

夫は、多可が29歳の時に、妾の家で死んでしまった。
まだ、30にもならない多可は、嫁入りの際に持って来た白い喪服を着る。
白い喪服は、「一生、二夫にまみえず」という証だ。

男性なら、妻が亡くなって、一年もすれば、後妻を迎えるのに、女だからと再婚もできない時代だった。
 朝ドラ「わろてんか」では、夫の他に、伊能栞(いのうしおり)役で高橋一生が出てくる。
彼は、お金持ちの紳士的な役どころ。


「花のれん」の中には、多可に思いを寄せる伊藤友衛(ともえ)という金持ちの紳士が出てくる。

多可も伊藤友衛(ともえ)に心を寄せながら、どうすることも出来ない。

これ以外でも、エンタツや春団治、安来節などのエピソードがてんこ盛りである。

大阪の地理が好きな私は、船場や天満の大阪の地名を読みながら
「ああ、あそこ・・・」と楽しんだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・
バナー ボタン

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
・・・・・・・・・・・・・・・・





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2019.03.15 14:10:51
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Favorite Blog

曼殊院 燃える New! 歩楽styleさん

体感治安の悪化 New! 七詩さん

イチョウの大木、サ… New! 隠居人はせじぃさん

ピースボートからの… New! maki5417さん

najimuiさんのクリス… New! miho726さん

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: