私訳・源氏物語
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上海は中国でも北京に継ぐ大都会です。 街中は高層マンションや近代的な高層ビルが立ち並び、デパートに一歩入るとフレグランスの香りが溢れ、その品揃えは日本と変わらない豊かさです。 しかし空気が濁っているせいでしょうか、私にはどこか薄汚れた感じがしました。 きらびやかな光に溢れたデパートも隅々は埃だらけでしたし、洋式トイレも不潔でした。 外灘に立ち並ぶ古い石造りのビル群は、どことなく横浜に似てしゃれた雰囲気がありましたが、金属的な輝きを放つ高層ビルの間に挟まって、くすんでいました。 宿泊したホテルは5つ星でしたが、フロント横のアニバーサリー・ショップに入ると、女性店員がガムを噛みながら私に近づき、日本人であることがわかると、印鑑用の石の値段の他に「刻印代金」を不当に要求してきました。 決定打は、南京路から小路に入ったところで「ところてん」のような麺類を売っていた小さなお店でした。カップにその半透明でやや太めの麺を入れ、そこにスープを注ぐようです。スープのお鍋を覗いたところ、白っぽい濁った液体とともに数本の短い髪の毛が沸きあがってきたのです。 上海が衛生的で洗練された近代都市となるには、まだまだ時間がかかるように思いました。
January 28, 2008