私訳・源氏物語

ホール・クロック

　時計が好きです。　それが高じて、２５年ほど前に２メートルを超す高さの「ホール・クロック」を買いました。ムーブメントはドイツ・ウルゴス社製の８日巻きです。　どういう仕掛けで動くのかはわかりませんが、錘がみっつ付いていて、振り子の動きで錘が降りてくるのです。　だいたい一週間で下まで降りてくるので、８日目には鎖を引いて錘を上げなくてはなりません。錘が降りきってしまうと、時計は止まってしまいます。　正時と１５分ごとに、それぞれ違ったメロディーのチャイム（ウエストミンスター・チャイム）が鳴りますが、優雅で上品なうつくしい音色で、気に障らないのです。もちろんサイレントにすることもできますが、チャイムを止めると、居間がしんとして、物足りない雰囲気になってしまいます。　　豪華な家具も装飾品もない我が家ですが、日当たりのよさとこのホール・クロックが何よりの自慢です。