2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
全30件 (30件中 1-30件目)
1
A氏:昨日(29日)の新聞で「公害防止 惜しむ投資・相次ぐ環境不祥事」という記事が大きく掲載されていた。 次の5つの企業が載っていたが、いずれも大手だね。・神戸製作所加古川製鉄所・JFEスチール東日本製鉄所千葉地区・昭和電工千葉営業所・不二サッシ千葉工場・出光興産愛知製作所 いずれも規制値以上の汚染物を排出していたのに、データを意図的にごまかしていた。 これに対して梅田麗沢大教授のコメントがあり、環境認証のISO14001を取得しているのに、これに対する背信行為ということが書いてあった。 このISO14001とは何かね?私:これは例のパロマでISO9001が話題になったね。 ISO(アイエスオー)というのは、国際標準化機構の略からきているが、ISO9001は、企業の品質に関する管理のやり方を決めた規格だね。 ISO9001は品質だが、ISO14001は、企業の環境についての管理の仕組みを決めた規格だ。 この5つの事業所はみなISO14001の認証を得ているね。 だから、問題なんだね。A氏:そうするとISO14001の認証を取得しているということは、環境に関する管理の仕組みが規格の要求通りだということが認められたということかね。私:そういうことだね。 公的に登録された第三者審査機関によって、審査を受け、それで認められる。 マネジメントシステムの審査だから、施設の点検をしたりするのでなく、書類のチェックが中心だがね。 この点、誤解されやすい。 2000年に、荏原製作所藤沢工場のダイオキシンの工場外河川に垂れ流し問題があったね。 原因はダイオキシンの排出パイプを通常の工場の雨水の排水パイプに接続間違いをしたミスが原因だったらしい。 荏原製作所はISO14001を取得しており、かつ、審査機関が審査していた。 だから、審査機関にも責任があると追及する誤解もあったようだね。 「審査員が配水管の接続をきちんと審査していなかったのか」とかね。 マネジメントシステム審査はそういう審査はしない。A氏:今、問題になっている5つの事業所はいずれもデータをごまかしていて、汚染物の排出は決められた範囲以下であるとしている点がバクロされた点が共通しているね。 これは技術的な問題でなく、管理、すなわち、マネジメントの問題だね。私:その通りだね。 ISO14001のマネジメントシステム要求では、法令などの順守を管理するため、定期的に社内で評価を行うように要求している。 それにシステムが決められた通り動いているかを内部の人が客観的に監査する内部監査も定期的にするように義務づけているね。 そのようなシステムがあることを審査されパスしているはずだよ。A氏:ところがそれがやっていなかったことになるね。 これでは、ISO14001の認証は意味があったのかになるね。私:これは例のパロマの事故でもふれたが、ISO9001をとっていても品質のスキャンダルが絶えないと同様に、ISO14001も認証してもこの新聞記事のようにスキャンダルが絶えない。A氏:新聞はこのスキャンダルの原因はコストダウン要求が厳しいので環境投資を惜しむからだと書いているね。 神戸製鋼加古川製鉄所やJFE千葉地区の水質検査も担当者は一人だけと言っているね。私:俺は違うと思うね。 担当者が多忙だからデータをごまかしていたわけではないね。 測定はちゃんとやっていたのに、わざわざ手間をかけてデータを書くのだから多忙は理由にならないね。 管理するほうも生産するほうも関心がないだけだよ。 ISO14001を認証するにはコンサルタント料や審査費用にかなり金がかかっている。 そうやって、ISO14001を認証しているのだから、トップが環境方針を出してマネジメントをしっかりやっているはずなんだよ。 トップが環境設備に投資を惜しむというのはおかしいね。 多忙と同様に言い訳だね。 JR西日本の尼崎事故では安全投資を怠っていたが、利益は十分あり、金はあったよ。 同じだよ。 新聞の取材が言い訳にまるめこまれているようだね。A氏:それにしても、26日の朝日の夕刊のトップニュースは東電のダムの計測データが意図的に虚偽報告されていたことだ。 こんな報道が連日だね。 よくこうもあちこち虚偽報告が出るね。 例の耐震偽装もそうだしね。 社会保険庁も民間も同じだね。私:タウンミーティングの「やらせ」も一種のごまかしだよ。 いじめによる自殺の報告だって各教育委員会でゼロとしていたのも意図的な虚偽報告だよ。 県の裏金だってカラ出張など虚偽の出費で作ったものだね。A氏:日本全国、ゴマカシがまかり通る。 ゴマカシがばれると「忙しい」「返せばいいだろう」「すみません」で終わりだね。 どんどん「美しい日本」から離れていくようだね。 安部首相もたいへんだね。私:格差問題同様、日本はこの十年で大きく変わってきたのかね。 人心の荒廃は市場原理主義の副作用として一般に指摘されているが、そのせいかね。 根が深いようだね。
2006.11.30
コメント(1)
私:昨日(28日)の朝日新聞で編集委員の星浩氏が「政態拝見」欄で、「『やらせ』で露呈・深刻な劣化」として官僚の質の低下問題としてコメントしているね。 しかし、ヤラセは民間企業でもよくあることだよ。A氏:君のいう「民でできることは官へ」だね。私:ちょっと、ケースが違うかもしれないが、以前は、大手の株主総会には会社の部課長 連中が委任状をもらった形で出席していたと思うよ。 一株でも持っている社員はもちろん出席だね。 そして議長賛成の発言と拍手をする役だね。 しかし、そこに総会屋が登場する。 それを避けるために、裏取引にまで発展する。 あるいは、各社、総会を同じ日時にあわせるようにするとかね。A氏:法律がきびしくなったから、裏取引を断わると総会でもめるね。 例のソニーは大賀社長のとき、大変な株式総会となって有名だったね。 しかし、社長は堂々と対応した。 しかし、いまだに時々、総会屋との裏取引で捕まる例が後を絶たないね。私:一体、タウンミーティングという発想はどこからきたのかね。 大体、カタカナ語は危ないね。 小泉さんのときは174回やったというが、金をかけてどういう効果があったのかね。 参考になる意見があったのかね。 そっちのほうが問題だよ。 どのくらい金をかけて、ねらい通りの効果があったのか評価すべきだよ。 税金を使っているんだからね。 企画力があったのかね。 マスコミもそれをあまり追及していないね。 非難しているだけだね。A氏:なんだか、事前の根回しなしでやったら、労組員らが大勢押しかけ、政府批判ばかりが噴出したことがあったからだという。私:だって、それは簡単に企画段階で予想されることだろう? そういう反対意見を聞き、大臣がそれを説得することにタウンミーティングの意味があるのじゃないの? 別に株主総会のように多数決で採決する場でないのだから、ラフでもいいミーティングなはずだよ。 独裁国家は満場一致だが、民主国家は反対意見に寛容なはずだよ。 しかし、出席する大臣も大臣だね。 「今日は反対意見が少ないね。やらせではないの?」くらい言える大臣でないとタウンミーティングに出席する資格はないね。A氏:俺がいた会社では大きな工場が地方に5つあったが、社長がときどき、現場視察に来るんだ。 最初、社長が来るときは前日に掃除していたんだよ。 当日、きれいな工場を見て社長が「昨日、掃除したな。」と笑いながら工場を歩いていたよ。 そして、とんでもない工場の裏をのぞきこんで乱雑になっている場所を見つけたりして喜んでいたね。 結局、そういうバタバタした掃除は意味がないんで、日常活動にすべきだということでやめたがね。私:企業だと経営は必死だからね。 そういうセンスがトップに求められるね。 大臣が官僚の心理を読めないのは大人のセンスがないとしかいいようがないね。 社会保険庁のごまかしだって、民間出身の長官が官僚のごまかしを予測できなかったのは問題だよ。 民間だって、社員はデータをごまかすんだからね。 そういう社員を扱ってきたんだからね。 結局、タウンミーティング問題で明快な原因がマスコミでは不明だね。 官僚だけでなく、マスコミも取材の質が劣化しているのではないの?
2006.11.29
コメント(2)
![]()
A氏:君が格差問題に知的興味を持ち出したのは、2006.09.14の日記からだね。私:そうだね。 朝日新聞が8月末から毎日のように大手企業の社内請負問題を一面で扱っている記事を読んでいるうちに、君がいうように半分が非正社員だというのを知ってビックリし、知的興味が湧いたんだよ。 俺が現場にいた頃は、臨時とかいう非正社員はせいぜい、1割か2割くらいだったからね。 それが常識になっていたからね。 だから、この数年間に何が起きたのか疑問になんだったんだよ。 この「悪夢のサイクル」の最初で、内橋氏が「今日明日では、変化が見えないが、十年とかいう期間を経ると“変わった”と感ずるのではないか」とあるがまさにその通りだね。 この本の中のいろいろなデータは格差問題などこの10年くらいで日本が“変わった”事実を突きつけているね。 格差問題の知的街道の一つの到達点だね。A氏:この知的街道は「労働投入のゆがみ」と格差問題、偽装請負問題と格差問題、「黒字亡国」と金融植民地化、偽装請負、イグナシオ・ラモネ著杉村等訳「グローバリゼーション新自由主義批判事典」作品社刊、偽装請負問題と経営、内橋克人著「もう一つの日本は可能だ」とたどってきたね。私:それでこの本に到達したというわけだ。 内橋氏は、格差問題は基本的にネオリベラリズム(新自由主義・市場原理主義)の政策が原因としており、その代表的な教祖としてフリードマン教授をあげているね。 だから、この考えで政策を実行した国、例えば、チリーなども格差問題が発生しているという。 彼のグループはシカゴ大学を中心としたので、その教えを信奉する人たちを「シカゴ・ボーイズ」という。 内橋氏は、竹中平蔵氏は日本のシカゴ・ボーイズだという。 フリードマン教授は11月16日に94才で死去したが、今週の日経ビジネスでは竹中平蔵氏が追悼のエッセイを書いているし、ウオールストリートジャーナルの「故フリードマン博士の功績」という記事も紹介しているね。 もっとも、この追悼エッセイでは、竹中氏は「もし、『フリードマン氏の思想は小泉改革にも直接的な影響を与えたか』と問われればそれにはノーと答えるでしょう」とあり、内橋氏の意見とは合わないようだね。A氏:内橋氏は、政府の力をもっと持つべきだという考えかね。私:それは市場原理主義のように市場にすべてをまかせるのでなく、人間尊重を中心において多少の規制はしつつ市場をうまく使いこなして経済成長もしていくという考えだね。 社会主義のような強い国家権力に頼る道でもない。 第三の道を提言している。 内橋氏は、フィンランドをその第三の道を進んでいる国として紹介している。A氏:そういえば、最近はあまり企業のトラブルが多いので規制が強化されている面もあるね。 内橋氏は、すでに10年ほど前に「規制緩和という悪夢」という本を出して格差問題の発生などいろいろ予測したが、ほぼ当たっているね。私:それはアメリカのレーガン時代にとった規制緩和の結果が、すでにアメリカでは問題として出ていたので、同じ現象を日本の規制緩和で予測できたと言っているね。A氏:アメリカの有名な航空業界の路線の参入・退出、運賃の規制撤廃があるね。 たしか1978年からかね。私:結局は、新規参入組みで成功したのは1社で、他はほとんどが倒産し、市場を制したのは既存の大手航空会社で、従業員は賃金ダウンと不安定雇用となった。 しかも、運賃は高くなっているという。 だから、ヨーロッパでは航空の規制緩和をすべきかは大論争になって慎重だという。 小泉政権でとった政策は、まったく、レーガン政策の真似だね。 しかし、まだ、農業、教育など規制緩和は進んでいるね。 教育再生会議がスタートしたがそれは公的教育に市場原理の導入だね。A氏:安部首相は、「教育バウチャー制」の導入を目指しているようだね。私:「教育バウチャー制」は、フリードマンが公教育の場に市場原理を導入するためのシステムだ。 すでにアメリカ、イギリスでは実施中で結果は出ていて、それは学校格差が激しくなり、教育格差の階層化はいっそうすすんでいるという。A氏:だから、教育再生会議でも反対論が多く、難航が予測されているんだね。私:なんせ、国際的な貿易の決済には8兆円の金があればいいのに、世界を歩いている投機マネーは300兆円あるという。 このマネーが投機をもとめ、規制を緩和させ、市場化させ、その結果、世界の多くの人を格差に追いやっているという。 この本の題名のサイクルとは、このマネー投機のサイクルが十年くらいのサイクルでいろいろな国に行ったり来たりして、マネーは儲けるが一般民衆は次第に荒廃していくという。 それがあるときは、株価を押し上げ、あるときは他に逃げて株価をさげる。 世界が一部の人の一種の賭博場になっているんかね。 金持ちがマネーを賭けて楽しんでいるだけならいいが、格差拡大、治安の悪化、地域の荒廃などと犠牲は一般のマネーなき民衆にシワヨセだね。 儲けるのはマネー支配者かね。 格差はさらに拡大するね。 まさにマネー支配による新しい植民地戦争だね。 格差の拡大は、すでに世界的な規模になっているんだね。A氏:もっともアパレル大手のワールド、パートや契約社員計5000人を正社員へという明るいニュースもあるがね。私:税制も新しく税制調査会が始まり、本間氏が新会長となったね。 企業減税は、赤字で税金を払っていない企業は7割近いというからあまり効果がないのではといわれている。 しかも税金を払っているのはほとんど、大手だから、格差で苦しんでいる中小企業にはあまり影響がないとも言われているね。 企業減税をしてもっと経済を活性化して、税収入を増やすか、それとも格差を是正するかの「二兎」を追うことになるのかね。 アメリカもレーガン時代に企業減税をして経済を活性化したというが、それは減税効果でなくリストラとIT景気だという見方もあるね。 アメリカは依然として財政は厳しいね。A氏:二兎を追う者、一兎も得ずとならないようにしなくてはね。私:市場原理主義はさらに進むのだろか。 ブレーキがかかるのだろうか。 今朝の新聞では、ベネズエラ大統領選で社会事業政策をとり貧困層に根強い人気があり反米のチャスベ大統領が再選されそうだという。 南米では90年代の新自由主義経済(市場原理主義)による貧富の格差拡大などの反省から、福祉優先の左派、中道左派政権が次々と登場し、チャスベ大統領は最強硬派だというね。 日本はどうなるのだろうかね。
2006.11.28
コメント(2)
私:このシリーズ1回目、2回目に続き、7巻から9巻で、主として戦争と兵器に関する話だね。 まず、日本人は世界史的にも稀にみる職人を重要視する民族だという。 物づくりが尊重されるんだね。 最初は、埴輪に見る程度の芸術品しか作る技術がなかったのに、仏教伝来とともに、彫刻、仏像、建築の技術にショックを受け、それを吸収し、さらに日本独自の技術まで発展する。 そして鉄砲伝来だ。 これもあっという間に、その生産が戦国時代の日本国中に短期間で広まる。 当時のイギリスが描いた世界地図にそれぞれの土地の人の絵が描かれているが、日本人の絵では肩に鉄砲を担いでいる。A氏:しかし、徳川幕府で武器の研究は衰えるね。私:だから、幕末でのペリーの来日は蒸気船の技術がショックだった。 薩摩、佐賀、宇和島の3つの藩がすぐに真似をし出す。A氏:日露戦争では西洋に負けないくらいの兵器は作り出すんだね。私:ところが、日本は第1次世界大戦の経験がないから、日露戦争以降、武器があまり発達していないんだね。 第1次世界大戦は、まさに戦争は大量殺人となるね。 戦車、飛行機、トラックなど、ガソリンが必要となり、弾丸・弾薬などは大量浪費となる。 ところが司馬氏がNHKの日本軍の中国での昭和期の活動フィルムを見ると、大隊の移動は隊長が馬で歩兵は歩いているね。 トラックが出てこない。A氏:要するに、日本は昭和の戦争に基本的に日露戦争と同じレベルの武器でのぞんだ訳だね。私:司馬氏は、参謀本部は幼年学校から士官学校、陸大と秀才コースを経た人材からなっている。 それが、こんな武器で戦争はできないと真剣に考えていないのが理解できないという。A氏:司馬氏の「昭和の魔法」だね。私:戦後、司馬氏はそれが疑問で参謀本部の幹部の生き残りの人にインタビューしたが納得した返事は得られなかったという。 そういう問題意識がなかったしかいいようがないという。A氏:やはり謎か? しかし、それで戦死した多くの人はたまらないね。私:司馬氏は幕末に活躍した西郷や坂本竜馬らは、今、東大の試験を受けたら落ちるだろうという。 彼らは秀才ではないという。 明治政府の初代総理大臣の伊藤博文などは日露戦争の開戦には積極的でなかったらしい。負けると思っていたから、開戦となると自ら一兵卒になっても戦うと言っていたというね。 それなのに、昭和では参謀本部は秀才ばかりだからと信じてしまったのかね。 日本はヒットラーがいなかったから、「魔法」の説明が難しいんだね。 司馬氏は、東条大将は町内会会長レベルの能力しかないと厳しいね。 いずれにせよ、「魔法」はまだ謎だね。
2006.11.27
コメント(0)
![]()
私:この本は例の山口組旧五菱会系ヤミ金融グループによるマネーロンダリングをあつかったものだ。A氏:あぁ、2003年にスイスの銀行で梶山というヤミ金融の帝王の個人口座51億円が凍結された事件だね。私:これはマネーロンダリング街道に関係するが、ヤミ金融のぼろ儲けは、格差問題を生んだ新自由主義も背景にあるね。 いずれにせよ、マネーロンダリング一般論でなく、この事件に絞ったせいか、素人でもその手口が非常に分かりやすく理解できるね。 同時に、欧米では、すでにいろいろな手が打たれていることや、日本もこれを契機に遅ればせながら、立法も進んでいるようだね。A氏:日本のヤミ金融はバブル崩壊とともに急成長するんだね。 金に困った人を食い物にするわけだ。 そして、その違法利益を隠すためのマネーロンダリングの必要となるんだね。 しかし、日本から国外に送金するときは制限があるんだろう? 二重三重の監視があるのをどうやってそれを潜って送るのかね。私:中心になるのは、割引金融債だね。 一万円から五千万円まであるという。A氏:例の政治家の金丸氏が多額の政治資金を隠していたのも割引債だったね。私:株と違い無記名で買えるので脱税した資金を隠すのに使われてきた。 今は、チェックが厳しいらしいがね。 まず、現金を割引債に変える。A氏:なるほど。私:ここでクレディ・スイス香港銀行が登場する。 これは実はプライベートバンクだね。 ライブドアも使っていた銀行だ。 この銀行がスタンダード・チャータード銀行東京支店へ「何月何日何時に割引債の現物10億円を持った山根という我々の代理人が日本証券代行に向う」という指示が出る。 そして持ち込まれる割引債の証券番号や山根の身元確認のパスポート番号も指示される。 山根は違法行為の共犯だ。 連絡を受けたスタンダード・チャータード銀行東京支店は「クレディ・スイス香港銀行からの依頼で割引債を換金してほしい」とそのまま、日本証券代行会社に要請し、換金した金はスタンダード・チャータード銀行東京支店に送金してもらうように伝える。A氏:なるほど、まず、段取りがあるわけか。私:山根は指定された通り、日本証券代行の窓口に行き、連絡した通りの番号の割引債を預ける。 日本証券代行は、その割引債を発行元の金融機関に持ち込み、換金された現金はスタンダード・チャータード銀行東京支店に送金される。 その後、スタンダード・チャータード銀行東京支店からクレディ・スイス香港の口座に入金される。 ここで海を渡る。 ここで通常の海外送金との大きな違いは、クレディ・スイス香港からの依頼という形をとることで、日々多額の資金をやり取りしている外資系銀行同士の取引の一部に隠れてしまい、個人名がかくれてしまうことだ。A氏:なるほど、そこで大量の金を海外に送金できるのか。 無記名の割引債から始まり、外資系銀行の送金に混じるから、個人名は出てこないね。私:このプランはクレディ・スイス香港の神保が考え、あらかじめ彼はクレディ・スイス香港に梶山の口座を作っておくわけだ。 そこに膨大な金額が続々と送金される。 なかには、直接、荷物として割引債を持ち込んで日本から香港に渡ったものもあるという。 もちろん、違法だが。A氏:よほど、梶山には金がたまっていたんだね。 ヤミ金融で自殺者も出るというのにね。 一方では大儲けだ。私:アメリカでも2003年に日本の情報で捜査当局が水面下で、梶山が米国でヤミ金融の収益をマネーロンダリングしている可能性があるとして捜査していた。 そしたら、梶山が米国内で約2万五千ドルの高級腕時計を現金で一括払いしていることを突き止める。 一万ドル以上の現金を持ち込む場合は当局への報告が求められているがその報告はないし、送金の記録もなかった。 結局、2つつの口座が違反として凍結される。A氏:こうなると世界的だね。私:それに梶山はアメリカのラスベガスのカジノではVIPだったという。 掛け金も大きい。 実はカジノには預託金制度というのがあり、日本にあるカジノの会社名義の貸金庫に2百万ドル預けた。 この受領証はアメリカのカジノに送られるので日本国内には記録が残らない。 しかし、この枠内でアメリカではドルを使える。 捜査当局がアメリカからの情報で東京の貸金庫に行ったら、百ドル札が隙間なくつまっていたという。 もう一箇所あったが、梶山の逮捕直後、誰かが運び出していたという。 巨大な利益の金の最終的な行方は混沌としているらしい。A氏:これだけの国際的なマネーロンダリングを摘発するには、日本の捜査当局ははじめての経験だっただろうね。 警察もグローバル化の波をかぶったわけだ。私:しかし、これだけのマネーロンダリングの計画をしたクレディ・スイス香港の神保は、東京地裁では無罪だったという。 検察が控訴しているというが、日本の法律や司法はこういう犯罪にはまだ甘いんだね。 しかし、これは氷山の一角で、日本はマネーロンダリング王国だというね。
2006.11.26
コメント(0)
A氏:昨日、テレビの「大田総理---秘書田中」の番組でいじめ問題を扱っていたね。私:俺もみたよ。 最近、マスコミのいじめの扱いはすごいね。 朝日新聞は一面で毎日、交替でいろんな人がいじめで呼びかけているね。A氏:俺も読んでいるが、いじめられている者に対するものから、いじめている者に対する呼びかけなどいろいろあるね。 いじめられている者に対しては、いじめから逃げて避けるべきだという意見から、毅然とすべきというのもあるね。私:どれも自殺は絶対してはいけないというのは共通しているね。 しかし、自殺となると、次元が異なってくるように思うね。 思春期というのは自殺願望が強いからね。A氏:自殺というのはいじめに対して学校を変えると同じように、逃げじゃないの? 人生からの逃避だね。 死んだら楽になるか、別の世界に飛び込める幻想を見ているのではないの? やはり逃げる心理は危険だと思うね。私:テレビで自殺まで考えた生徒のことを先生が体験談で言っていたが、自殺するような子は視野が狭くなっていて、それしか考えなくなっているらしいね。 「ブタブタと言われていじめられている」子に対して「ブタで結構だ」と言い返せというと視野が広がって、自殺願望が消えたという。A氏:発想の転換、拡大だね。私:森鴎外に寒山拾得という有名な坊主の話がある。 頭痛で困っていた高級官僚がいた。 まぁ、一種のノイローゼだろうね。 僧が来て簡単な方法で直してやるという。 僧は椀になみなみと水を入れ、これをこぼさないように持つ。 官吏が水がこぼれないかと注意が椀に集中する。 その瞬間、僧は官吏にフット息を吐きつける。 官吏はハッとして途端に頭痛が治ったという話だよ。A氏:同じように自殺も自分を追い込んでいるんだね。 だから、大人が追い込むとますます、追い込まれるんじゃないかね。 ちょっと客観視できるといいんだがね。 自分とは別に広大な未知の世界があることを知ることとかね。 スポーツをするとか、世界旅行に連れて行くとか。感動できる芸術品を見るとか。 あるいは、家を「頭のいい子の家」に改造するとかね。私:俺もこの番組でいうように「いじめをなくそう」という仰々しいキャンペーンは意味がないと思うね。 老人の日みたいに、その日だけキャンペーンをするような感じだね。 いじめに限定せず、家庭や学校での日常の子どもとの接し方のほうに焦点を合わせるべきだよ。 「いじめをなくそう」では、具体的な活動は出てこないものね。
2006.11.25
コメント(2)
![]()
A氏:最近、銀行がうるさいね。私:何かあったのかね。A氏:俺は10年ほど前に定年でやめてから個人会社を作った。 そのとき法人名で口座を作ったんだよ。 ところが、途中で銀行を変えたんだ。 最初の銀行は保険だけの出金だけだったせいか、休眠会社だと疑われたみたいだね。 営業活動をしている証明、例えば法人税の納付証明を出せとかいう。私:粉飾決算やマネーロンダリングにペイパー・カンパニーが登場するけれど、最近、銀行も厳しくなっている。そのせいかね。A氏:郵貯も限度額を超えるとすぐに訂正を求めにくる。 最近、個人だって架空口座は厳しいので、過去の口座だって再チェックするだろうね。 俺にはそれほどの金はないから問題ないがね。私:この本は格差街道とマネーロンダリング街道に並行している本だね。 カネボウ、一時ITの花形企業といわれたメディア・リンクス、そして少しだけれどライブドアの粉飾決算の詳細なテクニックにふれているね。 いずれも崩壊の運命をたどったね。 ペイパー・カンパニーはよく登場するね。 すさまじいね。 株の操作も恐ろしいね。 裏を知ると下手に株に手を出せないね。A氏:これらの企業は上場企業だから、粉飾決算には公認会計士が関係するね。私:この本では会計事務所の問題もあげているね。 3つの例とも、会計事務所とのなれあいがあったからね。 カネボウでは大手の監査法人の中央青山の業務停止2ヶ月があったね。A氏:アメリカのエンロン事件では、老舗で有名なアンダーセン会計事務所が崩壊するね。 約八万五千人の会計士がいたという。私:ライブドアでは例の粉飾のために作ったと言われる投資事業組合に関連していた外国 名の会社を取材するが、香港の会社はカンバンだけ。 スイスの出資者は所在不明。 タックスヘイブンで有名なイギリス領バージン諸島まで登場するね。 ある人関係者は、 「ライブドアはノリで新しいゲームをやっている感じだった。 彼らは専門家の意見を聞いてハイ、ハイという感じで、あまり考えもせず、その場その場でやっていた」 という。 だから、これらのネットワークが持つ違法性について、ホリエモンや宮内らの理解度は低かったのではないかというね。 それに反してカネボウ事件の関係者で起訴された2人の保釈金は500万円と、800万円とつつましいね。A氏:社長や重役であったにせよ、平凡な一サラリーマンなんだね。私:メディア・リンクスの場合は、IT産業の特徴か、実に粉飾決算が複雑怪奇だね。 同業者間の架空循環取引が粉飾のもとになる。A氏:IT業というのは、製造業と違って実体の物がないから監査も難しいだろうね。私:それにこのメディア・リンクスの場合は、あやしげな地下人脈が動いている。 それはいろいろな企業を食い物にしてすさまじいね。 株式市場にはこういう地下水のような世界もあるんだね。 著者が言っているが粉飾決算はほとんどの場合、損益計算書の期間損益を実態よりよく見せることだという。 しかし、それはどこかで埋め合わせないといけいない。A氏:それは銀行だろう?私:そうだね。 「粉飾の原資」でカネボウもメディア・リンクスも銀行からだった。 ところがライブドアだけ違う。 借入金でなく一般株主から広く集めた小口資金だ。 自社株の売却代金だ。 ライブドア株を購入していたのは何も知らない個人投資家だ。 株式市場を食い物にした犯罪だという点で新しい粉飾だと言えるね。A氏:「悪魔のサイクル」は止まらないのだろうかね。私:著者は、資本主義は少しずつ修正しながら進むしかないと言っているようだ。
2006.11.24
コメント(0)
![]()
私:内橋氏の最新刊「悪魔のサイクル」を読む前に、迂回して3年前に発刊したこの本を図書館から借りて読んだよ。A氏:この知的街道は格差街道だね。 偽装請負からはじまったね。 最近、テレビでも、筑紫哲哉NEWS23での三分の一は非正社員特集とか、報道ステーションの携帯電話での日雇い(デジタル日雇い)特集とか、クローズアップ現代での派遣社員の労災隠し、など集中的に扱い出したね。 この数年で労働形態が変わってきたね。私:この本の題名から、内橋氏が俺の日記でふれたフランスのATTACやトービン税のことを念頭において書いたのではないかと思ったんだが、読んだらずばり的中したね。 この本の最初からそれにふれていて、日本でも今のような市場万能主義による日本でなく、「もうひとつの日本は可能だ」としているね。A氏:3年前だと、まだ、日本は不良債権問題や株価低迷で経済がまだ回復基調でない頃だね。私:既得権の創造的な破壊だというが、政官一体の既得権は破壊すべきだが、重要なことは「環境」という既得権や「労働基本権」「社会保障」という既得権まで破壊したことだろいう。 その破壊の上に強者が支配でき、弱者が増加するという。A氏:そこで3年後には大企業や金融業には利益が出て経済は回復するようにみえるが、一方、賃金格差の拡大、低賃金化、労働条件の悪化、中小企業の経営悪化が出現することになる。 いざなぎ景気を超える景気だというが、いざなぎ景気と基本的に違うのは賃金が低下していることだね。 格差拡大景気、リストラ景気だという。私:この徹底的な市場主義の教祖はアメリカのフリードマン教授だが、面白いエピソードが紹介されているね。 1965年にイギリスのポンドを空売りしたいと教授はある銀行に行った。 巨大な投機利益が期待できるからだ。 ところが銀行のデスクは「われわれは紳士(ジェントルマン)だからそういうことはやらない」と断わった。 フリードマンは怒って帰ってきて「資本主義の世界では儲かるときに儲けるのがジェントルマンだ」と言ったという。 アメリカの銀行には銀行法の規制があって、投機という反社会的な行動やプロジェクトに貸し付けてはならないという条項があるのだという。 フリードマンが主張する規制撤廃というのは、そういう規制撤廃のほうが狙いだったわけだね。A氏:そのフリードマン氏は、先日の11月16日、94才で亡くなったね。 ところで、今月号(12月号)の文藝春秋で有名なヘッジフアンドの帝王・ジョージ・ソロスの対談があるが、ブッシュ大統領の「民でできることは民へ」という政策は間違いだと言っているね。 あらゆるものを民でできるからといって民に委譲すれば、格差は広がる一方となり、社会の不安定は増すばかりだという。 アメリカでは利益を上げるためであれば、あらゆる手段が認められるという過剰なまでの利益優先、株主重視の心理が蔓延。 その結果、金融スキャンダルの発生、市場の信頼喪失という事態が起きているという。 ソロス氏はホリエモンや村上氏を手元に置き、本当の意味の慈善事業家として育てれば、大いに活躍できる投資家として期待できるとしているね。私:エンロンは電力の自由化がきっかけだね。 日本でもオリックスがエンロンと提携するが、その同盟軍が日本電力市場に参入することなくエンロンの崩壊とともに消える。 2002年には、金融市場スキャンダルはエンロン、ワールドコムと続出するね。 これで例の企業に悪評のSOX法の登場だね。 俺は、これは意味がないと思っているね。 俺の現場経験から失敗は明らかだと思うね。 特にその内部統制のやり方だね。 企業で働く人々を奴隷のように監視する方法だと思うね。 「もうひとつの道」である人間尊重への解決ではないね。A氏:アメリカではその後「もう一つの道」での成功例はあるの?私:アイスクリームで成功したバーモント州のベン&ジェリー社の物語をあげている。 今、日本ではセブン・イレブンでも販売されているという。 利益追求を最優先していない。 原料は大企業の利益追求型大規模農業のパワーになぎ倒されていく零細な地域農民を守るためにそこから調達する。A氏:日本でももっと地域を活性化する方向でその行くべき道をさぐるべきだね。私:この本では、批判ばかりでなく、いくつかの期待できる日本の事例を示しているね。それが今度、「悪魔のサイクル」で内橋氏はどのように論じているか、知的興味が湧くね。
2006.11.23
コメント(0)
私:このNHKのビデオを今、6巻まで続けてみたよ。 半分まできた。 今までで知的興味をひかれたのは、教育勅語と軍人勅諭だね。A氏:戦時中、学校には奉安殿があったが、あの中には天皇・皇后の写真と教育勅語があったんだね。私:俺のうちの4畳半の居間の欄間には戦時中、天皇・皇后の写真が額縁に入れてかざってあったよ。 明治憲法は明治22年発布だが、その精神的な柱として教育勅語が翌明治23年に発布されるんだね。 これを書いたのは元田永孚という人でもとは朱子学の学者だね。A氏:朱子学は君の小島慶三著「戊辰戦争から西南戦争へ」の日記にあるように、王政復古のイデオロギーになるんだね。私:憲法を作った伊藤博文はあまり朱子学的な内容を好まなかったようだがね。 朱子学は徳川幕府が儒学としてとりいれるが、日本ではあまりイデオロギー化しなかったようだね。 しかし、韓国は国が狭いから朱子学は徹底されたようだ。A氏:こないだスポーツ選手のバラエティ番組を見ていたら、韓国の選手が年長者に対して礼儀正しいということをいろいろなスポーツで日本選手が体験したことを述べていたが、その伝統が未だに定着しているんだね。私:逆に、問題もあるね。 俺は製造業の仕事で韓国にいったが、仕事の改善になると話が抽象化するんだね。 いわゆる神学論争的になるんだね。 風が吹くと桶屋がもうかるような議論になる。 5W2Hの技術論にならない。 司馬氏が言っていたが、朱子学はものすごく理屈っぽいそうだね。 韓国人が一神教のキリスト教信者が多いとか、デモで他国の国旗を焼くとかいう日本と異なる性格は朱子学からきているのかね。 今の北朝鮮の体質も日本の軍国主義同様、朱子学の伝統と将軍様崇拝の習合かね。A氏:その点、一般の日本人はおとなしいね。私:軍国主義は司馬氏は「昭和の悪夢」と言っているが、山本七平氏は「呪縛」といっているね。 山本氏は、この呪縛のもとである尊王思想は、朱子学と日本の伝統とが習合してできた日本史上の一時的な一つの思想にすぎないとして、そう考えれば「呪縛」は解けるといっている。 今の北朝鮮も朝鮮の歴史では悪夢の一時代かもしれないね。 興味があるのは、司馬氏は中国の朱子学は「孝」が中心の家族主義で「公」がないとしている。 天皇がない。 だから、役人の汚職が絶えない。 清のときはひどくて、官吏をやると3代は食えると言われたという。 これはある意味でアジア的な特徴だという。A氏:中国政府は今も役人の汚職には悩んでいるね。 朱子学からくる伝統なんだね。私:司馬氏は、多少皮肉っぽく、戦後の日本人は、天皇の押さえがなくなったのかアジア的になったと言っているね。 この司馬さんの予言は当たったね。 司馬さんがなくなってから、日本の役人の裏金、天下り、官製談合など、中国の清の時代にもどったように役人の道義の退廃だらけだね。A氏:ところで、明治憲法より軍人勅諭のほうが早く発布されているのではないの?私:明治15年だね。 西南戦争の後なんだね。 最初は軍国主義的な意味はまったくなかった。 そこに深い意味があるんだね。 明治維新は革命だが、歓迎されたものでなかった。 大名や武士は特に版籍奉還、廃藩置県、士族の廃止などで反対がすさまじかった。 商人たちは大名への債権は棒引きされて恨んでいる。 だから、下級武士の大久保利通は天皇を大義名分でかつぎだすしかなかった。 第一、大久保と西郷は薩摩藩主の島津久光からも裏切り者と言われていたんだからね。A氏:しかし、同志である西郷が士族にかつがれ、明治10年に西南戦争になるね。私:大久保は西南戦争には勝ったが、また、いつ、反乱があるかもしれない。 まだ、明治政府は不安定だったんだね。 そこで、軍隊は天皇の軍隊であるということを明らかにしたのが軍人勅諭なんだね。 ところが、憲法が後から出るので、軍人勅諭が先だから格が上だとなる。 大正、昭和と一人歩きし出す。A氏:統制権につながるんだね。 近衛公も嘆いていたね。私:軍人勅諭には、軍人は政治に関係してならないとあるんだが、軍部は都合のいいところだけとるんだね。 後でわかるんだが、統帥権には陸軍では立派な裏マニュアルがあり、幹部は皆持っていたという。 これには、戦時は参謀本部が国民の統治権を持つと書いてあるという。 天皇より上なんだ。 終戦時、このマニュアルは占領前に軍部があわてて焼却したというが、まぎれて残ったのがあり、それを司馬氏はテレビで示していたよ。A氏:国家として異常状態だったんだね。 北朝鮮にそれを見るような気がするね。私:司馬氏は、日本の帝国主義はなんだったのかと疑問を持つね。 イギリスの帝国主義とまったく違う。 イギリスがよいというわけではないが、イギリスの帝国主義は産業革命で拡大した商品の販路としてアジアにくる。 一応、国家的な損得勘定はある。 ところが日本の帝国主義はただ、拡大するだけの単細胞思考だ。 売る製品などない。 日韓併合など、韓国人の恨みを買うだけで、なんの国益にならない行動だったと司馬氏はいう。 ものごとには、反発があるという戦略的な発想が皆無だという。A氏:戦えば必ず勝つという単細胞発想だからね。私:それが満州、中国と拡大する。 日本軍人は上に行くほど、そういう世界的なものの見方が昭和になってからなくなったと司馬氏はいう。A氏:近衛公が手を焼いたのも分かるね。私:だから、あの本では東条はサイパン島玉砕で意気消沈すると、夜、一人で夜道を徘徊したとあるね。 負け方を知らない。 うろつくだけだ。 司馬氏の昭和への道はまだ続く。 後、6巻ある。 昭和の悪夢の謎は解けるだろうか。 しかし、司馬氏がなくなって今年で10年。 今、日本は司馬氏が予見した役人の退廃の氾濫のほうが悪夢だね。
2006.11.22
コメント(0)
![]()
私:11月16日のクローズアップ現代で、国谷女史がイーストウッドにインタビューしていたね。 メインの話題は「父親たちの星条旗」だったね。A氏:俺も見たよ。 ところどころ、「父親たちの星条旗」や「硫黄島からの手紙」の映画シーンが出てきたね。私:インタビューでは最初、「父親たちの星条旗」だけで終わる予定が、相手の日本軍に興味を持ち、日本側からの「硫黄島からの手紙」を作ることになったと言っているね。A氏:それで日本に来て硫黄島の生き残りの日本兵への取材もしたのだね。私:戦争に悲惨さを描くのに成功しているようだが、俺は日本軍の捕虜となるのは恥であるという考えはイーストウッドに理解できたのか疑問だね。 戦陣訓を書いた東条はピストル自殺をし損ねているしね。 それをどう描くのだろうか。 武士道のいさぎよさと言うのは、負けは負けといて潔く認めることではないのかね。 剣道でも負けるときは「参りました」といさぎよく認めるではないか。 負けると知りながら傷が深くなるまで戦うことのほうが潔くないのではないの?A氏:戦友の食糧を奪ってでも生き延びることじゃないの? 口減らしのために、敵に損害を与えないムダなバンザイ攻撃を強制することではないのでないの? NHKの「硫黄島玉砕」ではアメリカ兵はそのばかばかしい考えを批判しているね。 その時点では日本兵の抵抗の戦術的な効果はあまりなかったのではないのかね。 サイパンから日本本土を空襲し、途中、硫黄島に降りたB29はかなり早くからいたのではないの?私:栗林中将の最後の突撃で生き残ったものは降伏すべきだったのかもね。 気をつけないとまた悲壮感で戦争の美化になりそうだね。 日本軍を支配した悪夢は何だったのか、戦陣訓の意味はなんだったのか、イーストウッドのインタビューでは、そこまで突っ込んでいなかったが、彼はどのように扱うのか楽しみだね。 司馬遼太郎は、昭和はじめの20年は、日本史では異常なもので、他の国の歴史ではないかと思われるくらいであると言っている。 特に、後半の昭和10年から20年までは異常な時期としている。 その中心は統帥権だ。 それの歴史的な理由をイーストウッドは理解できるだろうか。 さらに司馬遼太郎の雑談シリーズで聞いてみようと思う。
2006.11.21
コメント(3)
![]()
私:俺の知的街道の一つに誤訳追求の旅があるね。 チャンドラーの訳を読んでどうもスッキリしない点を原書で確認してきた。A氏:「大いなる眠り」のドライスキンとネクタイの謎解きは面白かったよ。 「待っている」では翻訳した3人の比較までしたね。 俺の「ダビンチ・コード」の訳の疑問も文庫本の上巻1、上巻2、上巻3、中・下巻にわけて扱ったね。私:この知的街道をたどっているうちに、図書館でこの本にぶつかった。 3年前の発刊だね。 著者は75才位の人だが、商社経験で海外経験が豊富なので、誤訳の指摘も幅広いね。 日本推理作家協会賞も受賞している。 ミステリ作家エド・マックベインと親交もあるという。 経験が豊かなせいか、まず、訳を読んでいて論理的におかしいということから英語の原文に当たるというやり方だね。 立花隆の「ぼくはこんな本を読んできた」の引用として「翻訳は誤訳、悪訳が極めて多い。翻訳書でよくわからない部分に出会ったら、自分の頭を疑うより、誤訳でないかとまず疑ってみよ」とあるね。私: この本では、二百くらいの誤訳を指摘しているが、これだけミステリの訳で誤訳が多いと翻訳本を買うのに躊躇するね。A氏:チャンドラーや「ダビンチ・コード」についても指摘はあったの?私:この本は「ダビンチ・コード」以前の刊行だから、それはないね。 この本では訳者の個人名はほとんど明らかにしていない。 本の名前も明らかでないのが多い。 気を使っているのだろうが、チャンドラーの誤訳だけは本の題名と訳者の名前が明らかになっているね。 指摘が数箇所くらいあったね。A氏:君の指摘した分はあったかね。私:なかったね。「大いなる眠り」では誤訳ではないが、スターウッド将軍の日本語が老人臭く「――ものじゃ」「――ですわい」「――くだされ」とあるが、これは日本語としてもおかしいという批評だね。 これは訳したのもかなり古いからね。A氏:たしかにかなり古い時代の言い方だね。私:「大いなる眠り」では博打の負けの支払いの約束手形のことを書いた手紙で「貴殿のご名誉を保持せられるため」とあるのが誤訳とのこと。 英語はyou might wish them honored. Respectfully, A.G.Geiger.だ。 このhonorは、名誉の意味でなく、手形や小切手の支払いに応ずるという意味で「支払いをしてくれる」という訳になるという。 それにRespectfullyを「後略」と訳しているが、これは「敬具」のことだという。A氏:honorは辞書をひくと、「手形やクレジットカードを受け取る、決済する」という意味があるね。 これは著者のように商社にいた人にはピンとくる言葉だね。 Respectfullyは後略という訳は辞書にも出てこないね。私:誤訳ではないが、日本語の使い方で原文の意味が違ってとられる例を紹介している。 次の例は、俺は読んでいないが、チャンドラーの「高い窓」を訳した田中小実昌氏と清水俊二氏の同じ箇所を訳した文の比較だよ。 マーロウを訪ねてきた男がマーロウを見て言う場面だ。 田中訳「すこし失望したな。きたない爪をした、ゴリラみたいな男だと思ったのに―」 清水訳「少々あてがはずれたよ。もっと指の爪がよごれた男だろうと思っていた」A氏:読者が受けるマーロウのイメージがまったく異なるね。 英語の原文は一つなのに―――。私:田中氏はマーロウに「おれ」と言わせ、清水氏は「私」だという。 そこで例の「待っている」は3人の訳者がいるので、その視点で調べてみたら、井上訳は女性に向って言うときは「あたし」、男性には「おれ」 稲葉訳は女性には「わたし」男には「おれ」 清水訳も同じように女性には「わたし」男には「おれ」と使い分けているね。A氏:女性にはやさしいというトニーの姿勢が出ている訳だね。私:原作者に多少責任がある誤訳もあるという。 チャンドラーは銃にはあまりくわしくないという。 「さらば愛しき人よ」で病院に監禁され、麻酔をうたれたマーロウが意識をとりもどし、医師の部屋で医師の銃のマガジンを自分の銃に充填するシーンがあるが、マガジン自体、銃による互換性があまりないのでこれは疑問だという。 なお、このシーンでは英文の数行が訳されていないことを指摘している。 かなりの量だね。A氏:清水氏の訳には字幕専門家でいう「はしょり」が多い感じだね。「長いお別れ」で中村保男氏に指摘されているし、「待っている」でも君が指摘しているね。私:「大いなる眠り」の双葉氏の訳では「銃身には『オーエンからカーメンへ』と彫った小さな丸い銀の札がはめられていた」という訳があるが、銃身は鉄で硬いから銀の札ははめ込められないはず。 英文を見ると銃身でなくbutt(台尻)であったという。A氏:台座なら木製が多いから銀の札ははめこめられるね。私:次はチャンドラーの清水訳の「湖の女」からだ。 これも俺は読んでいないね。 銃の細かい説明がある。 「三十八口径に四四口径用のフレームをとりつけたもの」という訳だが英文では逆。 シャッツにボタンをつけるのでなく、ボタンにシャッツをつけるような訳になるという。 また、訳の「四五口径なみの威力があって、狙いはより正確だ」は正しくは「四五口径のように反動が大きく、しかも四五口径以上の有効射程をもつ凶悪の武器」だという。 英語はIt was a .38 &W, on a frame, a wicked weapon with a kick like a .45 and much greater effective range.だ。A氏:wicked (凶悪)、with a kick(反動)とgreater effective range(有効射程)が訳されていないね。 また清水訳の「はしょり」かね。私:これはチャンドラーではないが、次の英語はどう思う? What the hell you think this is? Howard Johnson’s? 訳は「ここをどこだと思っているんだい?ハワード・ジョンソン邸か?」 ところが、ハワード・ジョンソンはアイスクリーム・パーラーやレストランのチェーンだという。 そういう知識を知らないと正確な訳はできないね。 まぁ、翻訳も大変だね。 著者はあとがきで翻訳はおそろしい、そんな仕事はひとさまにお願いしようと言っている。 それにしても、著者は最後に日本語自体の乱れを心配していたね。 翻訳の問題も結局日本語の論理的な組立ての問題かね。 いずれにせよ、翻訳者本人も論理的によく理解できない日本語で出版すると、誤訳になるんだろうね。
2006.11.20
コメント(0)
![]()
私:帯に「できる子は、子ども部屋では勉強しない」とあるように、ある意味でショッキングな内容だね。A氏:そういえば、こないだ「できる子を育てる住宅」の例として、テレビで新しいマンションを紹介していたのを見た記憶があるね。 この本はそのハウツーものかね。私:全然違うね。 一種の日本文化論だね。 奥が深い。 著者が最初、有名中学合格者の自宅を調査したのは、できる子はどういう部屋で勉強しているかという目的ではないんだね。 日本のよき住宅文化が、核家族が進むために、今の日本から消え去ろうとしているのではないかということからの調査で、まったく「中学受験」とは関係ない動機からだと言う。 そして核家族の代表的例として子ども部屋で子どもが一生懸命勉強しているような家を選んだという。A氏:そうしたら、意外なことに子ども部屋で鉢巻をして受験勉強をしている姿が見られなかったという発見になるわけだね。 例の奈良の放火事件のように、子どもを勉強部屋に押し込めるのは最悪のパターンなんだね。私:共通していたのは、子どもは遊牧民のようにいろいろな部屋で勉強しており、特に皆のいる居間のテーブル(ちゃぶ台)で勉強しているケースが多いという。 子ども部屋もあるし、机もあるがほとんど使われていないという。A氏:家の使い方が解放的なんだね。 それは日本住宅の伝統でもあるね。私:俺も団地で核家族を持ったが、子どもが小学校に入ったとき、当時、きちんとした勉強机が盛んに宣伝されていたね。 俺は、勉強は「ちゃぶ台」でやればいいので、個人の机など要らないと言っていたら、会社の同僚に変人だと言われたよ。 当時は皆、親があこがれて買ったものだね。 しょうがないから俺も買ったよ。 俺たち世代の小学校時代は食事するちゃぶ台で勉強したけれどもね。 机を持ったのは中学か高校になってからじゃないかな。A氏:欧米の住宅は個人主義だから個室だね。 日本はそれにあこがれ、戦後、子ども部屋を作ったんだろうが、その意味では成功していないんだね。 むしろ、カギがついた子ども部屋は少年少女の非行の温床にすらなってきたようだね。 欧米風に住宅の形を変えたら、逆に自分たちの深い文化に気がついたということかね。 高くついた国民的な実験だったね。 「さざえさん」の家の文化が伝統なんだね。 キリスト教も信教自由になっても韓国と違い、日本では普及が極端に少ないのと似ているね。 何か根底に変化にしっくりこない日本の伝統文化があるんだね。私: この本には「頭のよい子が育つ家」に変える10ヶ条をあげているが、その第一条が「子ども部屋を孤立しないようにしよう」だよ。A氏:テレビでやっていたモデルハウスも壁は透明なものが多かったね。 視線が開放的だね。 それに家族のコミュニケーションを豊かにするという配慮が見られたね。 その意味では「頭のよい子」というのは、「勉強のできる子」とちょっと違って、もっと深い意味があるようだね。私:筑波大付属駒場中学に入学したF君が居間のテーブルの地球儀を引き寄せ、父親に「昔のソ連は今いくつの国に分かれたか」と質問しているシーンの記事がある。 父親は正確に答えられない。 子どもは国の名前をあげ15だと正解を言う。A氏:小学校なのに驚いたね。 ところが、教育再生審議会の初会合である委員が中学校の地理の教科書を示して「この教科書で世界の国を教えているのはアメリカ、フランス、マレーシアの三ヵ国だけだ」と言ったら、安部総理はじめ委員の人はのけぞっていたと言うね。 この学力の格差は何かね。私:一方で公立の学力は低下しているのかもしれないね。 例の高校の地歴の必修漏れも高校だけではないようだし、受験だけの問題でもないみたいだね。「勉強のできる子」と「頭のよい子」は違うようだね。 教養力の差かな。 とにかく、この本は知的街道としては、孫の教育街道にあるとともに日本文化の伝承街道にもつながるね。 教育基本法ではないが壊れつつある日本の住宅文化の優れている伝統を見直すべきかね。
2006.11.19
コメント(3)
私:君がこの前言っていた「すみません。今後はしっかりやります」で終わりだという儀式の例がまた出たね。 一昨日の16日、例の流れるプールの死亡事故を出した、ふじみ野市長と幹部が例の儀式の通り頭を下げている写真が出ていたね。 事故からもう半年近くたつが市職員が書類送検されたからだね。A氏:埼玉県警が市職員と管理業者計6人を業務上過失致死容疑で書類送検されたんだね。 そのお詫びだね。 一方、ふじみ野市は事故調査委員会の調査報告書を出しているね。 インターネットでざっと読んだよ。私:どういう内容だった?A氏:君のこないだの日記での「対策型」「原因追及型」をいう考えが頭にあったのでそういう見方で読んだよ。 だめだね。 対策型だね。私:何故だろうね?A氏:このプールの管理を直接していた業者の協力を得られなかったので、アルバイトな どの従業員などの聞き込み調査もできなかったという。 関係書類も警察に提出したので調査不十分なようだね。私:なんで、請負した管理会社は原因追及に非協力的だったのかね。 非協力的だったですまさないで、非協力の原因追及もすべきだよ。A氏:この報告書では理由は分からないね。 管理会社は警察の捜査で不利になると思ったのかね。 できるだけ自分の罪を軽くしようとして、真実の追及を犠牲にしていたのかね。 君の言う「免責」が必要だったのかもね。私:対策は?A氏:要するに、「今後、安全管理をしっかりやります」だね。 君の言う典型的な「対策型」だよ。私:書類送検の理由は次の3つくらいかね。 市は指導要綱に沿ってプールを管理する義務があるのに委託業者の指導を怠った。 最終的に請け負った「京明」は、ふたが外れた時点で遊泳を中止させるなどの事故回避策を取らなかった。 元請の「太陽」は「京明」に対する安全管理の指導を怠った。 いずれも警察は容疑事実を証明するが、それだけだね。 なんで指導を怠ったのか。 なんで遊泳を中止させなかったのか。 なんで「太陽」は「京明」に安全管理の指導を怠ったのか。 その徹底的な根本原因の追及はなしかね。 再現テレビドラマのようにね。 しかし、マスコミもあまり関心がないようだね。 これもたけしの言う儀式パターンで流れて終わりかね。
2006.11.18
コメント(0)
![]()
私:こういう著者のメッセージが明確で強い本は読みやすいね。A氏:この本は近衛文麿の生涯を書いた本だね。 彼は戦争犯罪人の容疑で逮捕の日に青酸カリで自殺するんだね。私:天皇はこれを聞いて「近衛は弱い」と言われたそうだ。 一般的に近衛公は政治の上層部にあり期待された人なのに、決断力がなく、あいまいなまま、日本を戦争に追い込んだと言われ、自殺してもあまりよいことは言われなかったようだ。 この本は、それに反論するもので近衛の苦労とそれなりの決断を明確に記述しているね。 強いメッセージを発している。A氏:近衛公は第三次近衛内閣総理として日米戦争は避けたいと思っていて、中国から日本軍を撤退するという譲歩をしてまでも、アメリカと戦争にならないように交渉するという考えを持っていたんだが、東条とやりあって蹴られるんだね。 軍は統帥権があるからね。 そこで昭和16年9月に総辞職。 それを受けて東条内閣の登場となる。 これが太平洋戦争開戦内閣だね。私:最初、勝ち続けていた日本軍も1年たたずに負け出すね。 この本によると最初、東条もなかなか強気だったが、サイパン島の陥落はショックだったようだね。 一部の人から東条暗殺の話まで出る。 しかし、東条の専制的な統治はすごいね。 反対しそうな人は即、戦線に飛ばされる。 しかし、昭和19年7月、ついに東条内閣が崩壊する。A氏:この辺から終戦までのことは、この知的街道ですでに「終戦外史」、「暗闘:スターリン、トルーマンと日本降伏」、「天皇の戦争責任」のところでふれたこととダブルようだね。 私:この本で新しく興味があったのは、ソ連の動きだよ。 昭和3年に張作霖の爆殺事件が起こる。 これは関東軍の策謀のようであったが、近年、モスクワの情報でこれに関する事件はソ連側スパイの謀略によって動かされていたことがイギリスの調査で、事件から70年余たったところで明らかになったという。 ところが2005年に発行された「マオ」という本では「張作霖爆殺は一般的に日本軍が実行したとされているが、ソ連情報機関の資料から最近明らかになったところによると、実際にはスターリンの命令にもとづいてナウム・エイティンゴン(後にトロッキー暗殺に関与した人物)が計画し、日本軍の仕業に見せかけたものだ」という。 著者は確実な証拠を得ていないが確度は高いという。A氏:当時の中国は戦国時代みたいで、かつ、それぞれのバックにイギリス・アメリカあり、対するソ連ありで謀略がうずまく大陸だったから、謀略になれない日本軍はうまく手玉に取られていたようだね。まだ、未知の部分が多いね。 安部首相が、「後世の歴史家の評価に待つ」というのも一理あるね。私:この「マオ」によると昭和7年の上海事件も日本に対するスターリンの陰謀だという。 そうなるとこれまでの昭和史はすべて書き変えられるべきくらいの迫力あるものだという。A氏:昭和16年にはゾルゲのスパイ事件が発覚するが、ソ連には日本の上層部の動きは筒抜けだったんだね。私:とにかく当時の中国大陸はいろいろな勢力があり、ばらばらだったんだね。 この本では、戦後だが1980年の「総評資料頒布会」の興味ある記録を紹介している。 それは当時の社会党佐々木副委員長が訪中し、毛沢東との会見の記録だ。 毛沢東は概略次のようなことを言っている。 「日本の友人たちは皇軍が中国を侵略し申し訳ないというが、私はいいえと言いました。 もし、皇軍が中国の大半を占領していなかったなら、中国人は団結して戦えなかったし、中国共産党も権力を奪取できなかったでしょう。日本軍国主義は中国に大きな利益をもたらしました。 おかげで中国人民は権力を奪取しました。 この点で私と謝罪するあなたの間には意見の相違があります」 日中戦争のとき、毛沢東の敵は蒋介石国民党であった。 毛沢東は「敵の敵は味方」という戦略であったわけだね。A氏:それほど、当時の中国事情は敵味方入り混じり混沌としていたということだね。 ところで日米開戦に反対で、総辞職までした近衛公が何故、A級戦犯として逮捕されるのかね。私:この本ではGHQにいたノーマンと友人都留重人が関係しているとしている。 二人はマルクス主義者だ。 戦後、日本の共産主義化を恐れて動き出した近衛公を排除しようとしたためだとこの本は説明しているね。 ノーマンは天皇廃止論者だったという。 ノーマンは後にアメリカでソ連スパイの容疑をかけられるが、エジプト大使に赴任したときカイロで謎の投身自殺をする。 これも今後の歴史家の検討課題だね。A氏:近衛公はやはり統帥権にやられたのかね。私:近衛公の戦後の手記によると 「日本の憲法はイギリスの憲法と根本的に違う。 殊に統帥権は政府に全然権限なく、政府と統帥部の両方を押さえられるのは天皇だけである。 それをイギリス流の運用では戦時には困ることが多い。 これは日米交渉で痛感された」 というようなことを書いているという。 確かにこの本を読むと、平和主義の天皇が重要なポイントで的確なアドバイスをしていることが詳しくわかる。 かなり強いアドバイスもあるね。 しかし、近衛公の手記のように天皇が親政という立場で、もう一押ししていたら、日本、いや世界の歴史は大きく変わっていたかもしれない感じがしたね。 歴史にイフはないけれどーー。
2006.11.17
コメント(1)
A氏:昨日、君と話題になった11月11日(土)の「たけしの日本教育白書」で俺も後で気になったことを一点思い出したよ。 石原慎太郎、久米宏が出ていた箇所だよ。私:なんだね?A氏:たけしが言っていたことなんだが、いろいろな企業や官庁のスキャンダルで、会見があるんだが、お偉い人が並んで頭を下げるシーンのことだよ。 これが共通していて、その儀式が終わるとそれですべて終わるというような流れがあるということなんだよ。 企業も違うし、官庁も違うし、トラブルの内容も違うんだが、謝り方とそれで終わりの流れが見事に一致しているんだね。 最近では学校もそうだね。 あれって、本当の問題点はかくすやり方ではないの?私:そういう傾向はあるだろうね。 マスコミも後はあまりおっかけない。 俺の製造業の体験でもそうだね。 昔、現場にいた頃、製品不良がお客で発見される。 クレームとなる。 お客に謝りに行くとき今後の対策を示し、二度とこのような不良品は出しませんという。 俺は、それはいいとして、何故、その不良品を出したかの原因を徹底的に追及すべだと言っていたね。 それをある部長が「君の考えは原因追及型で、われわれは対策型だ」と言っていたことがある。A氏:しかし、原因があるから不良品が出るんじゃないの? 対策はその原因をつぶすことではないの?私:単純に言えばそうだね。 ところがいい大人が「過去はごめんなさい。これからしっかりやります。」というパターンが多いんだね。 先の部長の「対策型」とはそういう意味だね。 ところが「対策型」で進むとまた不良が出てクレームとなるケースが多いんだ。 対策になっていない。 要するに、徹底的に原因を追及していないので、本当の原因がつぶれていないか、対策が形式的な精神論になっていることが多いんだね。A氏:そういえば、今、思い出したんだが、JR西日本の尼崎事故だって、いまだに真の原因はわからない部分が多いね。私:「日勤教育」などいう一種の「大人のいじめ」が安全を守る運転手に対して堂々とまかり通っていたんだからね。 何故「大人のいじめ」をしたのか原因追及もあいまいだね。 まずいと言われるとすぐにやめるだけだ。 信念を持ってやっていないせいだろうね。 笠原運転手は「日勤教育」で20通の反省文を書いているが、一体、反省文の量と運転技術の向上とどういう関係にあったのかね。 彼は反省文で「起きた事象は包み隠さず、ありのままを報告する」「速度が速いと感じたら早めの追加ブレーキで停止位置の確保に努めます」と書いている。 しかし、事故当日はオーバーランを隠すように車掌に頼んでいるし、スピードは出すだね。 反省文との因果関係は追及したのかね。A氏:なるほどね。 「日勤教育」は今ないそうだが、やめるのも早いが同時に過去の責任は消えるね。 そして、徹底的に遺族に謝るが、原因追及の徹底はないね。 そして慰霊祭はきちんとやっている。 例の社会保険庁の納入率のごまかし問題もすみませんだね。 県庁の裏金もすみませんだろうね。 返済するか戒告処分などで終わりだね。A氏:社会保険庁は何故、ウソの報告をしたのか? おそらく「民間から来た長官は気がつかないだろうから、ごまかしておこう」という連中が悪知恵を考えたんだろうね。 長官はそれが誰かを把握したのかね。 そして、なんでそういう悪知恵を考え出したのかという原因も把握したのかね。 民間から官庁に来たとき、そういう官庁の裏の抵抗を予想して、戦地に乗り込む戦略を持っていたのかね。 予想した戦略がないとするとその原因は何なのかね。私:カラ出張、カラ残業、サクラなどは民間では昔からやっているが、公共機関である官庁も民間のマネをしているのかね。 「民でできることは民で」ではなく「官でも民でやっているごまかしは官で」だね。 まさに、官の民営化だね。 昨日の日記ではないが、建前もくずれ、人間のギラギラした金銭欲だけが当り前というケツをまくった本音が建前になってしまったのが原因かね。 「金がすべてだ」という新自由主義的グローバリズムの建前と本音に真因があるのかね。わからんね。 「金がすべてではない」というほうがかえって恥ずかしくなっているのかね。A氏:それにしても履修問題やいじめ問題で校長が自殺して例があるが、相当、追い詰められた事情は分かるが、真の原因がわからなくなるね。私:だから、アメリカでは免責があって、罰は加えないから本当の事実を言えとなるんだね。 しかし、日本では免責しても謝れだからムリかね。 やっぱり原因をきちんと過去にさかのぼって明らかにすることが必要だよ。 そうでないといつまでたっても繰り返すよ。 テレビで御偉方がすみませんと頭を下げ、これからしっかりやりますといったら、これは危険だと感ずることがまず第一だね。
2006.11.16
コメント(0)
私:11月11日(土)の「たけしの日本教育白書」は長くて、チョコチョコ見るだけだったが、面白い点が2点、知的興味を引いたよ。A氏:俺も全部ではないがつい見ていたが、特に気になったことはなかったね。私:二点のうち一点は、イギリスの合宿のパブリックスクールで行っているエリート教育を紹介していたときのたけしのコメントだね。A氏:パブリックスクールの教育は、ジェントルマン育成教育だね。 ここではいじめは考えられないだろうね。私:これに対して、たけしが「彼らジェントルマンは東洋を植民地化し、中国にアヘンを流し、残虐な行為を密かにした。」というようなことを例の毒舌で言っていたね。 生放送だから、モロに出たね。A氏:なるほど、彼らしい毒舌だね。 君の日記でもイギリス人のいやらしさはふれているね。 本音だね。私:「父親たちの星条旗」の原作になっている「硫黄島の星条旗」では日本兵はヨーロッパの戦場では考えられないような卑怯な戦い方をしたとある。 欧州での戦争と違うという。 例えば、衛生兵は赤十字マークをしているから敵でも撃たないというルールがある。 それを日本兵は守らない。 勝つためにはあらゆる手段が正当化されると批判的だ。A氏:訳者はあとがきでそれは原爆を落としたりしたアメリカでもあったことだと書いているね。 君の日記でも残虐行為はどっちもどっちだとあるね。 もっとも日露戦争では、戦闘途中で休戦があり、その間、戦死した死体を引き取るという紳士協定があったようだがね。私:もう一点は、爆笑問題の大田が言ったことで、たけしの毒舌漫才のすごさは建前の裏にある本音を表に出したことだという。 それを、建前を基本にして育った大田世代は新鮮に映ったという。 問題は、今はその建前すらなくなって育った世代ではないかという指摘だ。A氏:なるほど、鋭い指摘だね。 金の余裕はあるのに、給食費すら払わない親がいて、ぼかしでテレビの取材にも応じていたが、建前からくる「恥」すらなくなったね。 ギラギラした自己中心の損得だね。私:その親が「義務教育だから給食費はただでいいんだ」という一見論理的な説明をしていたが、義務教育の義務は親の義務でもあるのにね。 無知を恥としない。 わめいているだけだね。 こういう論理で生きている親はどうして生まれ育ったのかね。 知的興味が湧くよ。 マスコミはインタビューするだけでなく、それを突っ込むべきだよ。 取材するほうも浅いね。A氏:ある人がこういう人は自分の5メートル範囲の世界の損得だけで動いていると言ったが、名言だね。 歴史も地理も社会のひろがりの意識もない。 幼児を衝動的に殺すのも同じだね。私:どうして日本はこういう国のかたちになったのかね。 どうも美しくないね。
2006.11.15
コメント(0)
A氏:君の風邪はどうだい?私:峠を越したようだね。 咳と痰がひどかったが、頻度が減ってきたね。しかし、異常にしつこいね。 熱は出ないんだね。 ようやく軽いウオーキングを開始したよ。A氏:お孫さんが最初風邪をひいたのでは?私:こないだ遊びに来たときは、まれに軽く咳をすることがあるが、ほとんどなくなったね。 相変わらず元気はいいね。 ところが驚いたことに、孫の組は23名くらいだと思ったが、なんと最近、出席者が9名まで落ちたという。 保育園では風邪をひいた子は預かりを断わられたところもあるという。A氏:かなり風邪がはやっているんだね。 そういえば、俺の孫は地方にいるんだが、聞くところによるとそっちもはやっているらしいね。 症状も熱がないが咳が出るらしく似ているね。 全国的な傾向かね。私:皮肉だね。A氏:何が? 私:9名だと先生の面倒見がいいせいか、孫は幼稚園生活がますます楽しくなっているようだね。A氏:それにしても、早く終息してほしいね。私:気候の変化が異常になっているのかね。 今日は温度は上がるが、明日からまた、下がるらしい。 アップダウンだね。
2006.11.14
コメント(0)
私:このビデオの12巻セットは買ってきちんとみていないまま、棚にしまってあったんで、敗戦責任知的街道の重要な宿場として、この機会にきちんとみようとおもってね。A氏:この街道は長いね。私:「積読(つんどく)」でなく「積視聴(つんビデオ)」かね。 十年くらい前に買ったのだろうが正確な記憶がないね。 とりあえず、第1巻から見出した。A氏:20年位前にNHK教育テレビで放送をしていたのをちょこちょこ見ていた記憶があるよ。 司馬さんがカメラに向って一人語りかける番組だったね。私:司馬さんは書くこともすごかったが、語りも説得性があり独特だね。 司馬さんも、山本七平さん、会田さん同様、若いときに戦争を体験した世代だ。 司馬さんは群馬県の佐野市で戦車隊員として敗戦を迎えている。 当時、司馬さんが上官に「アメリカ軍が本土上陸してきたとき、佐野から東京に戦車隊は進まなければならないが、道路は避難してくる日本人の民衆で混んでいるので、容易に移動できない」と言ったら、上官は「ひき殺していけ」と言ったという。 それで、国民を守る軍隊がなんで国民を平気で殺すのか疑問を持ったという有名な話があるね。A氏:沖縄戦で日本軍が市民を犠牲にしたということで、本土に反感をもっている人もいるが、本土決戦になっていたら同じように軍が民間人をかなり犠牲にしていただろうね。私:司馬さんは、ノモンハン事件を例にして、なんでこんなばかばかしい戦争をしたのか、日本人はもともとこんなバカで民族であったのかというね。 そのノモンハンの反省なしで、太平洋戦争はその2年後に始まる。 そして、結論的には大正の末から昭和の敗戦まで、日本人は魔法の世界にとりこまれた日本史上でも特異な時代だとしている。 司馬さんはその魔法のカギを解きたいと言っているね。 それがこのビデオシリーズだ。A氏:司馬さんはノモンハン事件を小説で書くことを期待されていたのではないの?私:何度もチャレンジして、調査もしたらしいね。 戦争中は満州に居たんだしね。 しかし、魔法の謎が明快に解けないためか書けないまま亡くなってしまったね。 戦後、司馬さんはノモンハンの参謀だった人に取材のため、長時間インタビューしたらしい が、話がかみあわないんだそうだ。 話が平面的でツルツルしてつかみどころがないのに、多弁だったという。A氏:英語力同様に説得性ある表現力がないのかね。 日本の参謀には自分の信念というものがないのだね。私:敗戦を迎えたときアメリカ占領軍が来ても右翼も抵抗しなかった。 むしろ、開放された感じであったという。 すなわち、昭和のはじめは軍の権力に日本は占領されていたのだと司馬さんはいう。 言論も抑圧されていた。A氏:適切な説明だね。 小学生の俺も、敗戦という悲しい感情よりも実感はホッとした開放感があったね。私:司馬さんは、この軍国支配の原因に例の「統帥権」をあげている。 明治憲法は基本的に三権分立の近代憲法だが、11条に「天皇が陸・海軍を統帥する」とある。 この一条を軍は曲解して、三権の上に軍をもってきてしまった。A氏:そして参謀が勝手に国を動かすことになるわけだ。 本当に国のためでなく、自己保身のために。 しかし、今の九条も解釈論でいつの間にか世界有数の軍事力を持つのと似ているね。私:司馬さんは、この軍国主義的なイデオロギーはさらに明治維新にあると指摘しているね。A氏:君が明治維新の水戸学でふれていたね。私:それまでの儒学に対して中国の儒教は宋のときにイデオロギー化したようなんだね。 これが幕末の「尊王攘夷」のイデオロギーにつながるようだ。 朱子学だね。 日本では「廃仏毀釈」までいくね。A氏:韓国も朱子学の影響が深いというが、だから、過激なデモなんかあるのかね。 未だに、年長を重んじる伝統が残っているという。私:中国のほうは朱子学は清の時代には衰えるんだね。 清は満州族で夷荻の国だから、正統性がなかったからかね。 ところで、明治維新を中心に推進した日本人は、韓国と違い、「攘夷」を捨てて「尊王」を推進した。A氏:「尊王」すなわち、王政復古だね。私:しかし、司馬さんは明治政府を作った人は現実な対応をせざるを得なかったが、それらの人が明治末期に次第に亡くなって、官僚政治になってから、イデオロギー化しておかしくなってきたというね。 これからの司馬史観の展開が知的興味を湧かせるね。 敗戦責任知的街道の大きな宿場になりそうだね。
2006.11.13
コメント(0)
私:今、朝日新聞夕刊で「私の教育再生」という連載記事が月曜日からはじまっているね。 2回目の夕刊ではあのハンガリー人で大道芸人のピ-ター・フランクルさんの意見が載っているね。 ここで小学生の英語問題にふれている。A氏:俺も読んだ。 ピーター・フランクルさんは数学で有名だが、言葉も11ヶ国語できるというではないの。 日本語もうまい。私:その彼が「小学生からの英語教育については、そんなに急ぐ必要はない」と言っているね。A氏:日本人の英語ができない最大の理由は、日本語ができないことだと言っているね。私:自分の考えを相手にわかりやすく、簡単な言葉で説明する能力があれば、どの外国語もある程度短期間でかなりのレベルまでできるようになると言っているね。 日本人は日本語でも人前で話すのが苦手だから、英語ができないのは当り前だという。A氏:これは君のI am appleの日記でのマイク・ピーターセン氏の意見と同じだね。 彼は日本の大学で英作文の授業をしているが、学生の書く英文を読むと日本語の文章力さえも確立していないように思えるというのがあったね。 どうも、ネイティブの人は日本人の英語問題を日本語表現力と結びつけているケースが多いようだね。私:大体、日本語の表現は、自分の主張をあまり表に出さないようにできているからね。 欧米人が日本人に「君個人の意見はどうなの?」とよく聞くというが、彼らには、それが不思議に思えるんだね。 そうなるとI am appleでもいいのかもね。 I(アイ)を先に持ってこようとする意識があるからね。A氏:顔は同じ東洋人だが、韓国や中国人は英語の習得は早いのではないの?だって、自己主張が激しいようだから。私:それが反日デモの日本国旗や小泉さんの人形を焼くような激しさに通ずるのかね。 日本人がおとなしいのは、国民性かね。A氏:でも、最近は皆、自己を主張しているのではないの?私:ただ、ここでいう自己主張は論理的な主張を意味するね。 相手にわかりやすく口に出して言え、かつ、内容がフェアでないと本当の自己主張とは言わないのではないかね。 ただ、どなったり、愚痴ったりの八つ当たり調ではピーター・フランクルさんの言う自己主張にならないのかもしれないね。
2006.11.12
コメント(2)
![]()
私:文藝春秋11月号で紹介されていたので、図書館で借りて読んだよ。 東京裁判の開廷前史ともいうべきで、期待していた東京裁判の中味が中心ではないね。 本論の予備知識としていいかもしれないね。 最近、いろいろ出てくる資料を基にした最新の情報に基づいているようだ。 上下2巻だが薄いし、スラスラ読めたよ。A氏:天皇の戦争責任追及は裁判前から除外されたのかね。私:これはアメリカ側、特にマッカーサーの最初からの前提だね。 占領政策の一環としてとった政治的な配慮があるし、それを裏付けるものもあるしね。 最初、オーストラリアは天皇責任を追及すべきとしてきたんだがね。A氏:オーストラリアは何故追及しようとしたのかね。私:天皇が個人的には平和主義的な思想の持ち主であることは、理解できるが正式に戦争開始を認可した責任は免れないという考えだ。 しかし、イギリスもマッカーサーと同じ「天皇道具論」なので多数で押し切られる。 イギリスは長い間の植民地政治の経験で占領後の日本の扱いもなれていたのだろうね。A氏:ソ連は天皇に批判的だろうね。私:ところが、意外にもスターリンは東京裁判がはじまるときは、天皇不追訴だったんだね。 この謎は明らかでないが、日本共産党の野坂参三の助言があったからではないかという。A氏:例のスパイだった人かね。 ところで天皇は、日本は立憲君主制だから内閣で決まったことに拒否権がないと言いながら、終戦は天皇の意思で決まった。 だから、開戦も拒否できたという理屈があるのではないかね。私:これについては、「昭和天皇独白録」があり、ここで天皇は仮に開戦の決定を拒否したら国内は大内乱となりクーデターが起こり、数倍もの犠牲者を出すことになったかもしれないとあるという。A氏:なるほど、しかたがなかったということかね。私:この本の上巻は、木戸幸一や陸軍の怪物と言われる田中隆吉による情報で戦争犯罪人の候補が絞られる経過が書いてあるね。 そして、いろいろな紆余曲折をへて最終的に28名となる。 映画「東京裁判」では、被告席が28個あったから28人だというナレーションがあったというがこれはウソだという。A氏:いわゆるA級戦犯だね。私:ところが、この本で勉強したんだが、28人以外のA級戦犯容疑者が50人くらいいたんだね。 阿部晋三首相の祖父である、岸信介首相はこの50人に含まれていた。 だから、A級戦犯の裁判は第二次、第三次と続くはずだったんだ。 それが、第1次で終り、最終的にこの約50人のA級戦犯容疑者は釈放になる。A氏:何故?私:一つは最初の28名の裁判に時間がかかりすぎて、第二次まで手が回らなかったこと。 GHQ内で「ヒットラー」と言われたドイツ生まれの徹底した反共主義者ウィロビー少将が釈放するように運動したのがからんでいる。 彼は、日本の再軍備のプランを持っており、東京裁判には最初から好意をもっていなかった。 イギリスも裁判なしでA級戦犯容疑者を長期間拘束することには反対で、これ以上の極東裁判を行うことに消極的であったようだ。A氏:ウィロビー少将は君の日記で辻参謀の戦争犯罪を免除したアメリカ将校として登場するね。私:意外だったのは、ウィロビー少将は右翼の児玉誉士夫と笹川良一については釈放に慎重論だったということだね。 いずれにせよ、東京裁判は竜頭蛇尾に終わったことになる。A氏:その意味で、ドイツのニュルンベルク裁判は、日本よりも徹底して行われたようだね。 その点、ドイツはすっきりとしているね。私:それとこの本であげているのは、日本が中国本土の戦争で行った細菌戦、毒ガス戦の免責だね。 免責理由として、この問題を告発すると第二次大戦以降の米軍の作戦計画をしばることになるからだという。A氏:とにかく、七三一部隊の免責は有名だね。私:ドイツで人体実験を行った医者たちは、米軍によって裁判されているという。 東京裁判の中味をもっと知りたいものだね。 膨大な書類らしいがね。
2006.11.11
コメント(0)
![]()
私:明治維新街道の1つとしてこの本を図書館で借りて読んだ。 この著者は、薩長を中心とした官軍と幕府との内戦である戊辰戦争(1868年)から、日本最後の内戦と言われる西南戦争(1877年)の10年間を明治維新ととらえているね。A氏:たった十年で政治体制を欧米の圧力に対応して作ったというのはすごいね。 反対も多く、内戦は避けられなかったわけだ。私:幕府も政治力、経済力、軍事力が低下しているから、国内の押さえがきかなくなる。そこへ諸外国の開国の要求が来る。 開国か攘夷かもめる。 そして、最後の将軍慶喜のときに、薩長は天皇バックアップの大義名分を得て、錦の御旗により幕府を征討する。A氏:薩長は神道がからむ王政復古をうまく使ったわけだね。私:慶喜は水戸の出だから、もともと日本は万世一系の天皇をいただいた神の国であるという水戸学を叩き込まれていたというから、天皇の軍隊とは戦うつもりはなかったわけだね。A氏:幕末で何故、この万世一系の天皇という思想が強く生まれるのかね。私:儒学の朱子学の影響らしい。 最初、天皇は中国人だという考えも出た。 いわゆる支配者の支配の正統性を問題にする。 正統だから支配者に忠節を尽くすことになる。 幕府は忠節を尽くすに足る正統性があるかとなる。 幕府は天皇から征夷大将軍として認められているから正統性がある。 しかし、それは代替可能な正統性である。 天皇の正統性は、万世一系の皇室に支えられている。 その天皇の正統性は天照大神から受け継いでいるとなる。A氏:朱子学の正統性から神道につながるね。私:幕末に攘夷か開国かもめたときに、幕府は天皇のお墨付きを求めたね。 天皇を省みず、勝手に日本を統制してきた幕府が、幕末では自力で国を当時できなくなっていることを示してしまうね。 戊辰戦争は北海道の五稜郭の戦いを最後に2年で終わる。A氏:これで大名の領土と領民が天皇に返還されることになるね。 日本が1つの国家となるわけだ。私:興味があるのは、こういう一連の改革の裏に、日本は神の国であるという天皇の神格化をねらったような国民の思想統制も行われる。 国家神道だね。A氏:神道は神仏分離とつながり、3年後に廃仏毀釈に展開するんだね。私:次に廃藩置県が実施される。 第二の王政復古といわれる大事業だ。 天皇のお墨付きも得る。 この辺の政府の活動は、大久保利通、木戸孝允、西郷隆盛、岩倉具視のようなリーダーの独断的なものだね。 それで中央の官職を改革する。A氏:廃藩置県のほうは案外あっさりと成功するんだね。私:そして政府の体制が固まるが、王政復古的なものを廃して、近代的なものになる。 このとき、国家神道的なものは後退するのだろうね。 ところが、次の改革は、大久保、岩倉が明治4年からの2年間、欧米訪問をした留守に行われるんだね。A氏:たしか、欧米視察にいくは大久保と岩倉らだね。 留守番は江藤、西郷などだね。私:これらの動きは権力争いだけでなく、江藤、板垣は共和制的な考えを持つのに対して、大久保、木戸は立憲君主制を考えていたように考えも対立していたのだね。 とにかく、留守の2年間でさらに大改革が実施される。 封建的身分制度、差別の撤廃、帯刀の義務廃止、士族の解消、徴兵令、土地制度の改革、地租改正、学制改革などで、ほとんどの明治の改革を留守派の人々によって行われた。 外国視察派は帰国して頭にきた。A氏:西郷隆盛が征韓論で参議の辞表を出すのが、外国視察派が帰ってからの明治6年だね。私:外国視察派は内政の充実を優先するという考えだが、西郷、江藤は外を固めるという政策の違いと言われるが、やはり、外国視察派と留守番派との権力争いの面もあろうね。 西郷が中央を去ったことで、外国視察派の岩倉―大久保のラインが確立し、明治維新体制は確立する。A氏:士族の反乱である西南戦争で政権争いが終わることになるんだね。私:明治10年の西南戦争の後、明治22年に明治憲法が発布されるね。 明治近代国家のスタートだね。 内部の権力争いもあったが、急速な改革でなんとか植民地化を免れた。 明治維新をさっと復習するにはいい本だね。
2006.11.10
コメント(0)
![]()
私:昨日、静岡のほうに用事があって、日帰りしたよ。 お昼頃、富士駅を通過したが、富士山が裾野まできれいに見えたよ。 雲ひとつなく、見事な富士だったね。A氏:雪はどうだったね?私:五合目くらいまで雪をかぶっていたね。 ところで、一昨日から三分の一くらい読んでいたので、往復の車中と、家に帰ってからの時間をかけて、この本を読了したよ。 英語の題名が映画と同じの「父親たちの星条旗:Flags of our fathers」だね。 文庫本だが、600頁近い力作だね。 著者は最初、いろいろな出版社にあたったそうだが、断わられ、ようやく出版したら、たちまちベストセラーになったというね。A氏:11月6日の朝日の夕刊に沢木耕太郎氏の映画「父親たちの星条旗」の映画評があったが、ここで例の星条旗を掲げるシーンは「ヤラセ」だと書いているね。私:俺もこの映画評は読んだが、ちょっと原作とは感じが違うね。 1945年2月23日朝にアメリカ偵察隊が摺鉢山によじ登って最初にあげた旗があるんだね。 ところがこの旗は記念に持ち帰ることになり、もっと大きい旗に代えることになった。 ちょうど、別なグループが電話線とバッテリーを持って頂上に行くんで、そのグループが代わりの大きな旗を持ってまた登る。 23日の昼頃、頂上に着く。 そして旗を取り替える。 このときの写真が有名になったんだね。A氏:じゃ、最初の旗の写真はないの?私:別な軍のカメラマンが撮っているんだね。 この本に掲載されているが、構図としてはありきたりの記念写真だね。 そのカメラマンは撮影して山を降りる。 代わりの旗をもってきたグループに、AP通信のカメラマンのローゼンソールがついてきて、旗を交換しているところを撮ったんだね。 だから、ローゼンソールの写真は最初の旗を立てるシーンではないんだね。 しかし、このローゼンソールの写真はご承知のように実にダイナミックだね。 A氏:なるほど、ちょっとした時間差だね。私:フィルムはグアム島で現像され、プリントされた。 グアム島のAP通信のフォト・エディターがこのローゼンソールが撮ったプリントを見て「空前の写真だ」として電送写真でアメリカに送った。 翌2月25日日曜の各紙のトップにこの写真が掲載される。 こうして、大変な反響を生む写真となったわけだ。 撮った本人もそんなに有名になるとは思ってもいなかったようだ。 この「かわりの旗」は強風によって3週間くらいでボロボロになったという。A氏:意図的な「ヤラセ」というより、受け取ったほうの思い違いだね。私:俺は映画を見ていないので、原作との違いはわからないが、沢木氏の朝日の記事では映画と原作の構成がちょっと違うような気がするね。 この本は、この「第二の旗」を掲げた6人の人生を中心に描いている。 20章からなっているが、4分の1が6人の父母から始まる家族の歴史を描いている。 アメリカも貧しい時代があったんだね。 そして、硫黄島への準備とその戦いになる。 この写真の6名はヒーローとなり、3名は戦死するが、残り3名はルーズベルト大統領の考えで戦時債を集めるためのツアーの宣伝役として使われる。 目標は140億ドル。 アメリカの1946年度政府予算の4分の1に等しいという。A氏:結果はどうだったの?私:263億ドルの国債が買われたというから、大成功だったんだね。 しかし、若い3人のその後の人生は様々だね。 一人はインディアンで、酒におぼれ、1959年32才で酔って凍死。 もう一人は心臓発作により職場で1979年54才で死ぬ。 人気に持ち上げられたり、忘れられたりのローラーコースターのような人生を送る。 著者の父親(看護兵)は葬儀屋で成功するが1994年70才で心臓発作でなくなる。 人気を避け、落ち着いた人生を送るA氏:硫黄島のことを語ることをしなかったという著者の父親だね。私:ジャーナリストからの取材には居留守を使って会わない。 著者はこの本を書くために、多くの硫黄島の戦士に体験談を聞いたが、皆、話したがらなかったという。 これは硫黄島で生き残った日本人と全く同じだね。 太平洋戦争最大の激戦だったという硫黄島の戦争は終わっても長く尾を引いているんだね。 その体験をすでに80才を越えている当時の兵士たちが墓場に持っていくことを嫌い、75才のクリント・イーストウッドは映画に残そうとしたのだろうか。 それにしても沢木氏の映画評だとこの原作を先に理解してから映画を見たほうがいいようだね。
2006.11.09
コメント(0)
![]()
私:これは昨日の「明治国家と宗教」に次いで読んだ本だ。 明治維新と神道街道で選んだ。 これも専門書でかなりかたい本だね。 図書館で借りたが、これもとばし読みだね。 歴史的な順序だと、この本を先に読むべきだね。 最初、廃仏毀釈が幕末から明治初期にあり、この後「明治国家と宗教」へとつながるね。A氏:すると「邪教/殉教の明治:廃仏毀釈と近代仏教」は神道と仏教の関係、「明治国家と宗教」はキリスト教との問題がからむ、明治後半の宗教問題を扱っていることになるかね。私:江戸幕府時代は言わば仏教と儒教が中心だったんだが、これらの学者は次第に神道に傾く。 明治天皇の前の孝明天皇は、仏式の葬儀による最後の天皇であったという。 それまでは仏式による葬式だったんだね。 そして、明治天皇即位の3ヵ月後に行われた孝明天皇の3回忌の法要は新たに考案された神道儀礼にそって行われた。 その頃までには、皇室の典礼から仏教的な要素はほぼ払拭されたという。A氏:それが賢所の祭礼として今も継続しているわけだね。私:だから、これは明治維新で「創られた伝統」だね。 幕末から日本は万世に続いた皇室をいただく神の国であるという復古思想が盛んになるね。 特に、水戸学はその先端を切っており、水戸藩では神社の支配下に民衆が置かれる。 一村一社で氏子制度となる。A氏:氏子か。 俺たちの子供の頃、よく聞いた言葉だが、その後、使われなくなったのですっかり忘れていたよ。 なつかいしね。私:水戸藩ではそれと同時に廃仏毀釈が盛んに行われる。 要するに、明治初期に仏教が迫害されたのは、仏教が老衰状態の幕府と結託した「旧弊」とみなされたためなんだね。 しかし、これは一時的なもので、仏教側も反省し、この運動は短期間で消滅する。 日本における仏教の長い歴史的な役割を無視することはできなかったのだろうね。 明治初期の政府は、まだ、国会開催前だからかなり政治的な決定は少数の幹部で独裁的に行われていた。 彼らはこの天皇崇拝を彼らの崇拝に転化することを利用したのだろうね。A氏:水戸黄門の印籠か。 それに国際的な条約不平等に対しては、「明治国家と宗教」にあるように、あまり、狂信的な宗教を国教とすることは好ましくなかったのではないの?私:そうだろうね。 それに、神道は宗教でないという考えがあるんだね。 この本の後半は、廃仏毀釈でかなりの損害をこうむった仏教がその後、近代仏教として回復していく姿を描いているね。 しかし、俺の興味はこの明治の神道が、いかにして昭和の狂信的な皇室神道になったかだね。A氏:近代国家は政教分離を重視するが、神道は宗教でないという明治での扱いがすでに問題の種を抱えていたのかもしれないね。私:明治は遠くて近いね。
2006.11.08
コメント(0)
![]()
私:専門書だからかたい本だね。 1999年出版。 図書館で借りた。 最近の軽い新書版を読んでいると、こういう厚みのある本を読むのは疲れるね。 専門書だから、大体の意味だけつかんで速読だね。A氏:何の知的興味があってわざわざ読んだの?私:硫黄島街道かね。 日本の神道がどうしてカルト的なものになったかの経過を知りたくてね。 明治に関係があるのではないかと思ってね。A氏:幕末から明治はじめの「廃仏毀釈」運動に関係あるのでは? 王政復古で神仏分離から神道が仏教を破壊する。私:どうもそれは関係ないみたいだね。 最初、そう思ったんだが、一時的なものらしい。 むしろ、それ以降に宗教について明治政府も日本の宗教界も悩むのだね。 特に、キリスト教との関係だね。A氏:だいたい、「宗教」という言葉も幕末から明治になってからだろうね。 それまで、religionという概念が日本になかったからだろうね。私:明治15年、伊藤博文がヨーロッパに憲法調査で行くが、国教の問題が出るね。 ヨーロッパ文明が高度であるのは、キリスト教があるからだいう見方が生まれる。 キリスト教優位の考えだ。 仏教、儒教は遅れた考えとみなされる。 神道は宗教ではないのではないかという見方も出てくる。A氏:日本はまだ、ヨーロッパと対等の条約を結んでいないから、早期にヨーロッパ先進国と対等なレベルまで向上する必要があったんだね。 宗教もね。私:当時、文明諸国と平等に付き合うには、福沢諭吉まで「宗教も西洋風にしなくてはならない。」と言い出す。 仏教は未開発な国の宗教だというわけだ。 そして、今まで政府が補助金を出していた神社は一部を除いて国か ら「独立」する方向の案が生まれる。 宗教の自由は近代国家の条件でもあるしね。A氏:なるほど、明治ではキリスト教をどのように扱うかは大問題だったんだね。私:明治維新とともにキリスト教禁止の高札は除去されるが、公式に解禁になっていない。 葬式だけは禁止されていたが、教会の建築などは制限がなくなったようだね。 公式な解禁例なしであいまいなまま、「実」がとられる。 あからさまに、キリスト教も仏教も儒教も神道も同じように扱うというと「日本で伝統的な宗教をキリスト教と同じ扱いにするのか」という反論を招くから、あいまいにする。A氏:それが何故、最終的に神道が優勢になったのかね。私:明治23年に明治憲法による帝国議会がスタートし、次第に民衆の声が反映される。 そこで今まで、政府中心の強引な政策が、次第に転換する。 いわゆる神道族議員が活動しだして、神道は近代国家でいう宗教でないとして、宗教の自由の対象にならず、国の補助金の対象となるように変わっていく。 しかし、それもあいまいなままに進められるんだね。 靖国神社は最初から、内務省、陸軍省、海軍省の管轄という特殊な性格があった。A氏:そうして昭和の神道が軍部による国家神道になる素地ができるわけかね。私:そのへんはこれからだ。 その前に、この本では幕末から明治の初めに起きた「廃仏毀釈」騒動にほとんどふれていないので、今度はそっちの知的興味が湧いたね。
2006.11.07
コメント(0)
私:ついに風邪にやられた。 最初、1週間ぐらい前から鼻水がでたが、そのうち、咳が軽く出始めた。 そして痰が出る。 どんどん、咳込みが激しくなってね。A氏:医者に行ったのかい?私:風邪で医者に行くほどのことはないと思っていたんだが、あまり咳がひどくなってきたので、ついに一昨日の土曜日に医者にいったよ。 風邪は万病のもとだからね。 もっとも、実は「万病が風邪に似ている」のだそうだが。 それに痰が白いうちはいいが、黄色になってきたのでこれは細菌がからんできたと思ってね。A氏:最近、風邪がはやっているみたいだね。私:そうかもしれないね。 最初、4才になる俺の孫が同じ症状で、鼻水が出る。 どうしても口で息をするようになる。 そのうちに、乾いたような咳が出てきて、次第にひどくなる。 夜中に、喘息のようにひどく咳き込むようになったという。A氏:医者に連れて行ったの?私:医者の診察では単なる風邪だという。 薬は不要だという。 ただし、入浴はだめでシャワーのみだという。A氏:変わった医者だね。私:しかし、評判はいいんだね。 事実、孫は入浴をやめ、シャワーだけにしたら、症状が軽くなってきたという。 この孫が俺のうちに遊びにきたとき、その風邪が俺にうつったらしい。 そのうちに母親である俺の娘も咳をしだしたね。 5ヶ月になる子供まで軽い咳がでてきた。 同時に俺の細君まで咳をしだした。 しかし、それぞれ熱は出ないんだね。 せいぜい微熱だね。A氏:症状が同じだから、伝染したようだね。 しかし、今まで周囲が咳をしていても、君は平気だったんじゃないの?私:こんなにひどい風邪ははじめてだね。 三十年くらいかかっていないからね。 年をとると免疫力が低下するんだろうかね。 薬が4種類出た。 PL顆粒,ムコダイン錠、レスプレン錠、トミロン錠、キョウニン水 また、1週間ほど薬漬けだよ。 キョウニン水は、古くから鎮静、鎮咳作用があるとして漢方で使っているそうだが、男の体臭成分の発生抑制作用もあるそうだよ。 コデインが入っているという。 PL顆粒とキョウニン水は薬をのむと眠くなるので困るね。A氏:コデインは一種の麻薬らしいから眠くなるんだね。 市販の咳止めにも入っているらしいね。 いずれにせよ、これからインフルエンザの時期になるから、気をつけないとね。私:今まで予防注射はしたことがなかったんだが、今年はやるかね。 とにかく、運動もできないし、参ったよ。 まだ、1週間くらい続くかね。 君も気をつけてくれよ。 もっともうつるときは、防ぎようがないが
2006.11.06
コメント(0)
![]()
私:因縁なのかね。A氏:何が?私:NHKの「硫黄島玉砕戦」のドキュメントから映画「父親たちの星条旗」の街道まで来たんだが、その結果、この映画が2部で日本側から描いた「硫黄島からの手紙」があるということを知ったんだがね。 これは12月9日からのロードショーだという。A氏:その手紙は硫黄島の総指揮官栗林忠道中将が硫黄島から家族宛に送った41通がもとになっているらしいが、それがどうした?私:その栗林忠道中将が俺の高校の先輩だったんだよ。 当時は旧制中学だがね。 もっとも、40年ほど上だから先輩というにはあたらないかね。A氏:同郷の縁か。私:それで知的興味が湧いたね。 しかし、この「硫黄島からの手紙」は図書館ではもう予約待ちが多くてすぐ読めない。 そこで、同じ栗林大将(戦死後、大将に昇格)がアメリカに留学時代に、長男に書いた絵手紙47点を集めた「『玉砕総指揮官』の絵手紙」は予約待ちがないのでこっちを読んだ。 「硫黄島からの手紙」は、この後の時期に硫黄島に行ってからになるね。 昭和3年4月から2年間のアメリカ留学だが、自動車好きで現地で購入してメキシコにドライブし、カンサスからワシントンに移るときは自動車を使っているね。 アメリカ大陸の半分を横断している。A氏:英語はどうだったの?A氏:38才でアメリカに英語を習いながら単身留学だね。 もっとも中学での英語の成績は抜群だったという。 高校を出るとき、外交官か軍人かで迷ったという。 しかし、アメリカに2年もいれば英語はペラペラだろうね。A氏:その頃だと、まだ、日米関係は悪化していなかったろうね私:この本では、硫黄島からの41通のうちから、次女にあてた7通と家族にあてた2通をのせている。 2通とは、硫黄島での最初と最後の手紙だね。 最後の手紙は2月3日。 米軍の上陸は2月19日。 最後の総攻撃の大本営への電文は3月17日。 この電文は大本営の参謀が「御遺骨と思ってくれ」と家族に渡したという。A氏:栗林総指揮官は米軍から賞賛された名将だったというが、所詮、本土の支援はゼロだし、アメリカ軍の物量を相手ではどうしようもなかったね。 軍人として無念だったろうね。私:辞世の歌の1つにその心があらわれているね。「国のため重きつとめを果たし得で、矢弾尽き果て散るぞ悲しき」 この硫黄島の戦いでは米軍は1週間で陥落させる計画で、十分な弾薬を投入した。 例の学者参加のOR(オーアール)が活躍する。 しかし、栗林総指揮官の地下トンネルの戦術に悩まされ、1ヶ月を超える戦いとなり、米兵もかなりの死傷者を出す。 これから、アメリカ軍が安易に地上戦をする作戦を変え、徹底的な空爆がメインになり、かつ、日本本土の戦いに用心深くなる。 このような命知らずの戦いを日本本土でされたら米軍だってたまったものではないからね。 ボッダム宣言が本土攻撃の前に出されたのも、この硫黄島の戦いのせいだというね。 マッカーサーは、天皇の存在は400万の兵力に相当すると言ったというが、精神性も数字に置き換える欧米思考だね。A氏:その意味で、本土決戦を救った栗林総指揮官の徹底的な抵抗も無駄ではなかったと言えるのかね。私:心安かれと御冥福を祈ります。
2006.11.05
コメント(0)
![]()
A氏:君が知的興味を持って9月14日の日記に書いていた非正社員の増加問題がマスコミで次第にクローズアップしてきたね。私:偽装請負の問題は、朝日新聞が8月末に連日トップで扱っていたね。 これで知的興味を持ったんだがね。 それが所得格差問題に拡大してきたようだね。 俺のほうは、格差街道が新自由主義的グローバリゼーションまで拡大した。A氏:今週、ついに、NHKのクローズアップ現代でもマクナルドの例でとりあげていたね。 実は正社員のほうも大変で残業の増大というシワヨセされているという。私:俺も見たよ。 個人で参加できる組合が交渉している場面も出たね。 翌日の朝日新聞では、こういう非正社員の組合結成に関する記事が載っていたね。A氏:NHKの放送でも、解決策は賃金格差の減少などをあげているが、これは経営側としては、コストアップになるのではないの?私:計算上はね。 この偽装請負が問題になった松下、キャノンなどの電気業界の利益は好調だが、それは一部、このような犠牲の上に立っているから、この利益が給与にまわって、利益が減るかもね。A氏:政府は大企業が経済を回復し、これから中小企業がその恩恵を受けるという説明をしていたように思うが、中小企業の犠牲の上に立っているとすると、その格差をなくすようにすると、大企業の利益が減るのではないのかね。 そうすると景気後退となるのでないの? 矛盾するように思うよ。私:それに大企業は低賃金の外国との競争に備えなければならないから、ただ、利益の一部を賃金に回せばよいというものでもないしね。A氏:昔、労働分配率というのがよく言われたが、これは利益の分配を言っているのではないの。私:利益でなく、売上から外部に払う購買費を引いたもうけ、いわゆる、付加価値のうち、人件費に回る率だね。 高いほど、労働者への分配が多いことになる。 昔、ラッカー・プランというのがあって、組合で賞与の要求を出すときに使っていた例があったね。これは労働分配率を一定にしようというものだね。A氏:最近、労働分配率が日本では低下していると言われているのではないの? 偽装請負の増加と関係があるの?私:請負費用は外注費用だから、従来の社内の人件費が減って、外注費用が増加することになるね。減る金額が増える金額が多いと利益は増える。 その利益が残った正社員にいくらか回らないと分配率は低下するかもね。 問題は、正社員も成果制度で人件費の総額が減っているかもしれないことだね。A氏:成果制度も失敗例が多いようだね。私:問題は格差問題だけでなく、今週の日経ビジネスの特集のように「管理職が壊れる」問題のように正社員問題にもつながっていることだね。 いずれにせよ、ビジネス経営はこれから多角的な配慮が必要で知恵の勝負だね。 稲盛さんの「アメーバ経営」やコンサルタントの中静夫氏の「『突破』の戦略、『志』の経営」では、戦略も重要だが、それ以前に経営者自身の哲学や倫理観、志が必要なことを指摘している。 経営も政治経済も難しくなってきたね。
2006.11.04
コメント(0)
私:ようやく政治的な配慮で超法規的な暫定措置が決まったようだね。A氏:大岡裁きかね。 要するに4年前から5日制にしても、カリキュラムは同じで、その中で受験勉強を優先したための問題だね。私:誰の責任でそれを決定したかという責任問題もあるね。 それで、校長が自殺した事件までになった。A氏:責任は教育委員会か、校長かとなるね。私:直接的には校長ではないの? 秋の叙勲で元校長がこの問題で3人辞退するそうだね。A氏:きちんとやっている県とそうでない県とがあるんだね。 問題になったのは全体で1割だが、進学校はもっと率は高いというね。 君のところの神奈川県は公立の履修漏れゼロだということだね。 大阪府もゼロだね。私:新聞だと俺の近くの県立高校の教師は「受験のためだけに高校の勉強があるわけでない」と話しているとあるね。 ここは有名な進学校だがね。A氏:受験に関係ない地理歴史を必修にした指導要領が問題だという専門家の意見もあるね。私:一方で高校が受験予備校になってしまったと大臣がいうように受験偏重を批判する声もあるね。A氏:しかし、地理歴史などは、大学では専門で専攻しないかぎりやらないから、高校レベルでは常識として知るべき内容ではないの?私:俺もそう思うね。 俺は大学では理工系だけれど、地理歴史を高校で体系的に履修したので大いに役立っているよ。 経済や文化など専門外の読書をするにもね。 人生論の本を読むときにもね。 テレビや映画を見るのにもね。 やはり理解度が全く違うね。A氏:俺もそう思うね。 国語を勉強しているときに、「ローマは一日にしてならず」と出てきたときに、どうするのかね。 ローマの体系的な深い意味も理解しないで、自己流で解釈するのかね。 地歴の知識は国語、英語の正確な理解にも関係するよ。 自分自身を知るにも必須の知識だよ。 現在、身近になっている地球温暖化などの環境問題だって、北朝鮮問題だって、テロ問題だって、バラバラの知識ではダメだね。私:石原慎太郎都知事が、戦争中の名戦闘機乗りから聞いた話をしているね。 その戦闘気乗りが最近、電車で二人の若い男が、「日本はアメリカと戦争したそうだよ」「そんなことはないだろう」という会話をしているのを聞いて唖然としたという話だ。 作家の阿川氏は「若い女の子が、『太平洋戦争の知識なんか私たちの生活と関係ないわ』というが本土戦争になっていたら、彼女らの親は死んでいただろうから、彼女らの人生はなかってであろう」と言っているね。 人間は本質的に地理的、歴史的な存在だからね。A氏:理系だって、ガリレオがローマ教会から破門されたなんて知っておいたほうがいいかもしれないね。 科学史のための基礎知識になるね。 俺の友人で高校の世界史の授業で興味を持ち、大学は史学を選んだのもいるよ。 まだ、頭が柔軟なうちに広い知識を持って知的興味を展開していくことは重要だよ。 中国や韓国の反日の歴史教育は小学校からすごいではないの。私:ちょっとそれは目的が違うね。 実は俺は、大学を卒業するとき、技術関係のジャーナリストになりたいと思い、新聞社の試験も受けたよ。 筆記試験の難関を突破したが、高校時代の地歴の知識で十分対応できたよ。A氏:何故、そっちの道に行かなかったの?私:やはり、その当時は、技術系のほうが給与がよかったからね。 それにしても、最近のタレントのバカバカしいクイズ番組を見るとつくづく高校時代の勉強の重要性を感ずるよ。
2006.11.03
コメント(0)
私:俺はマスコミで話題になっているイジメの扱い方が全く、ピンボケで理解できないんだよ。A氏:どういう点?私:俺は先生の経験はないが、生徒の経験はある。 昔からイジメという現象はあったね。 俺はいじめもしなかったし、いじめられもしなかったが、小学生のとき、他のクラスだがイジメの現場を目撃したことがあるね。 いじめの親分も知っていたし、取り巻きも知っていた。 いつもいじめられている子も知っていた。A氏:いじめは多かれ少なかれ、集団の本質的な特質だね。私:それを俺たちは幼稚園から小学校で学んできているんだ。 クラスでいじめそうな奴は大体わかっている。 大抵、親分見たいのが一人か二人いる。 それに取り巻きが数人いる。 これもみな大体分かる。A氏:俺はそういう奴らは感覚的に避けるね。 幼くても生きる知恵を出してね。私:避けるのが不器用な奴がいて、つかまる。 これも大体決まっている。 そういう人間関係があるのが普通の学校集団だよ。 普通の先生なら、そうみているよ。 それが出てこないから不思議だよ。A氏:クラスの担任になったら、いじめそうな奴、いじめられそうな奴をまず、観察するだろうね。「人は見た目が9割」なんだから。 一種の裏社会だからね。 そうしないとクラスの生徒の動きの本質を把握できないことになるね。 むかし、企業でもグループダイナミックスという考えがあって、集団の人間関係の分析をしたことがあるね。 君のいう、グループのマネジメントのためにね。私:経営の神様と言われた松下幸之助氏は、よく自社のいろいろな工場を回った。 工場に行くと現場を回る。 あるとき、現場を回った後、工場長室で、工場長に「あそこの現場の係長は顔色が良くない。何を悩んでいるのか。」と聞いたという。 ちゃんと人の顔色をさりげなく見ているんだね。 それがマネジメントの原点だよ。 大人のカンだよ。 先生がそういうアンテナを張ると、保健室の情報、休み時間の情報がわずかであろうと集まる。 担任だけでなく、いじめのおきやすい部活動でも同様だ。 もちろん、子供や親からの情報もすぐに反応する。 親もこどもがいじめるほうか、いじめられるほうかよくみることだね。 俺だって、観察力はたいしたことはないが、幼稚園の孫の反応を常にみているよ。 孫の幼稚園の若い先生がときどき手紙を親に出しているが、実によく孫と友達関係を観察しているよ。A氏:松下幸之助は、その顔色の悪い係長に「お前、何か悩んでいるか。」など直接聞かないんだね。 周りから聞いていく。私:ところが、問題になっているイジメでは、本人に「何か困っていないか」と聞いて、「問題ない」と言われて安心したという話が多いね。 いじめられている子はコンプレックスがあるから、かくすことが多いんだよ。 その当り前の心理が読めないんかね。A氏:いじめの定義をいろいろ言っている校長がいたね。私:自殺した事件で、テレビで校長がいろいろ発言を変えているのをみると、校長自体が誰からかいじめにあっているのがありありだね。 教育委員会か文部省からか、あるいは、組合からか。 高校履修問題で自殺した校長もいる。 これも大人のいじめだね。 校長にいじめられて自殺した先生もいる。A氏:週刊朝日で連載コラムを書いている内館牧子氏はいじめ対策には転校が一番いいという。 属している集団を変えるのだね。 もっともその子がいじめられやすいものを持っていると移った集団にうまく適応するかは疑問だがね。私:これは、加害者であるいじめの親分は温存され、被害者が逃げるという日本式が根本的にあるのが原因のようだね。 今朝の朝日新聞朝刊の社説もそういう立場だね。 これがおかしいね。 アメリカのゼロトレランスは逆で、いじめの親分を隔離するか個別指導するね。 だから、親は子供がいじめの加害者になっていないかと心配する。 いじめると一種の刑務所送り扱いになるからね。A氏:日本は子供が加害者になっていないかという親の相談はほとんどなく、被害者の親の相談が圧倒的だという。 アメリカと逆だね。 日本では加害者は保護され、かくされる。 校長もかくす。私:今回の女子の自殺では遺書にいじめをした4名の実名があった。 新聞には出ないけれど、あの地域では皆知っているんだね。 だから、その親が謝罪に来た。 それをもっとマスコミは知らすべきだよ。 これを機会に、「うちの子はいじめをしていないか」という加害者側からの親の相談が増えることを期待したいね。 自殺した子の親に謝りに行かないようにね。 最近、話題になっている「心にナイフをしのばせて」の著者である奥野氏は、1969年高校1年生が同級生を殺害、首を切り落とすという事件のその後をとりあげている。 被害者家族の崩壊は現在もさんたんたるものだ。 ところが、少年は更生して弁護士になるが、慰謝料も払わず、謝罪もしない。 これが更正かと著者は考える。 奥野氏は犯罪加害者の更生にかける国の予算は466億円、加害者のための予算はわずか11億円という。 著者は「今の少年法には被害者の視点が欠けている。いちばん救われなければならないのは被害者とその家族である」と言っているね。 戦後民主主義の欠点かね。A氏:俺たちが子供の頃、教えられた「強きをくじき、弱きを助ける」でなく、今の教育は「強きを助け、弱きを自殺させる」かね。 マネジメントの観点からすると、自殺してから驚いているけれど、一体、学校の集団活動の日常の生徒のマネジメントで何をやっていたのかとなるね。 ましてや、先生自らいじめ的行動を生徒個人にするというのは、犯罪を自ら教えていると同じだね。 教師を辞めて、闇金業者の取立てをしたら稼げるのではないかね。 取立ての相手を自殺させてね。 イッソプ童話で、蛙に石を投げる子に蛙が「君たちには遊びでもわれわれには死である」という話があるが、そのくらいの話を授業でしてやれよだね。私:例のJR西日本の尼崎大事故を起こしてから、安全が重要だと騒ぎ出すのと同じで、日常の安全マネジメントや危機管理ができていないのじゃないの。 それをマスコミは何も追求していない。 先生は、担任の生徒をよく観察し、情報を集め「いじめマップ」を作るべきだね。 そして、いじめをしたら直ちにゼロトレランスでその子供に何らかの罰を与えるべきだね。 教室で加害者をクローズアップすべきだよ。 そういう毅然とした態度を学校側は団結してとるべきだね。A氏:教室内に金日成を作ってはいけないね。 兆候が出たら、ワントレランスでなく、ゼロトレランスで対応だね。
2006.11.02
コメント(1)
![]()
私:北朝鮮が切羽詰ってきたのには、マカオの地場銀行「バンコ・デルタ・アジア」(BDA)が北朝鮮によるマネーロンダリングの温床になっていた疑いで、米国財務省が口座凍結をしたのが大きな原因らしいね。 公表された凍結した口座総額は約23億円と言われるが、実際にはその倍ではないかというね。A氏:この凍結は、北朝鮮にはだいぶ、利いているらしいね。私:そこで、手軽にマネーロンダリングの知識を得るために、新書版のこの本を読んだ。 日本から北朝鮮への送金の多くはパチンコ店の脱税資金といわれ、送金額は2019億円に上るという。 正規な送金は30億くらいだ。 これらは、現金で持ち込むか、地下銀行経由だね。 地下銀行は「銀行法の免許を得ずに送金依頼された金を不正に送金するもの」だという。 銀行法だと口座設定はうるさいし、手数料も高い。 そこで利用ニーズがあるし、ばれても罰則が軽い。 だから、新規参入に歯止めがかからないという。A氏:しかし、マネーロンダリングで問題なのは、犯罪がらみの金を正規の金に洗浄する活動だね。今回のマカオ銀行のようにね。 スイス銀行は有名ではないの。私:北朝鮮も金正日の個人口座390億ドルがあるといわれている。 スイス銀行は国立銀行以外に400くらいの民間銀行があり、その総称だ。A氏:何故、アングラマネーがスイス銀行に集まるのだろうね。私:秘密保持が徹底しており、銀行員が顧客の秘密を漏らした場合、厳罰に処せられる。 以前、シドニー・シェルダンの短編小説を読んでいたら、ある国の検事が政治家の不正な金がスイス銀行に預金されている疑いを持つ。 そこで、スイスの銀行に押しかけ責任者とあって、脅迫まがいに口を割らせようとする。 しかし、銀行の責任者は頑として口を割らない。 そうしたら、いきなり、その検事は「俺の金を架空口座で預けたい」と言い出すというストーリーだ。A氏:その検事はスイスの銀行の守秘状況を確認したわけだ。私:しかし、最近、国際的な批判を浴びて見直されているね。 テロ資金の問題もあるしね。 実際、日本の闇金融がマネーロンダリングのためにスイス銀行に持っていた約51億円は自主的に凍結されたという。 その他、違法カジノもマネーロンダリングの場所になる。A氏:ところで、こういうアングラマネーは正規のマネーに対してどのくらいあるのかね。私:ロシアがひどいらしいね。 社会主義の崩壊で、精神的な苦痛から逃れるために犯罪、アル中、麻薬が蔓延する。 そして所得格差の拡大だ。 地下経済は名目GDP比で52%だという。A氏:半分はアングラマネーか。私:旧ソ連圏は、ロシアと同じような原因でアングラマネーが増加し、ウクライナは128%というように地下経済が地上経済を上回っている。 これらのアングラマネーがまた、マネーロンダリングで世界を走り回る。A氏:日本はどうだね?私:バブル期は7.6%、バブル崩壊後は4.4%だというが、絶対額がバカにならない。 22兆円だというから、国の社会保障費20兆円を上回るね。 しかも、格差拡大で犯罪や麻薬使用の増加傾向となると増大するかもしれない。 安心できないね。 ここに格差社会のこわさがある。A氏:昨日の新自由主義的なグローバリゼーションで金融自由化が進むとますますアングラマネーが増殖し、マネーロンダリングは拡大するのではないの?私:防止には国際協調が必要だね。 そこで金融活動作業部会(FATE)という31カ国が参加して対策を検討しているという。 マネーロンダリング対策に非協力な15カ国が発表されているという。A氏:タックスへイブンの国も関係するね。私:ライブドアもタックスヘイブンの英領バージン諸島、香港の証券会社を使っていたようだね。A氏:昨日に続き、新自由主義的なグローバリゼーションは底が深く、広いね。 金にまみれた世界はどうなるのだろうか。 日本も「唯金論」の世界だね。私:それに今度は世界を一瞬にしてつなぐインターネットが拡大する。 電子マネーでまた、どういう現象が出るかだね。 良い方向のグローバリゼーションだけではないだろうね。 一人ひとりの心がけと、世の中、善人だけではないので、自己防衛が必要だね。
2006.11.01
コメント(0)
全30件 (30件中 1-30件目)
1

![]()
