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猿が木から落ちることもあるように、健康オタクも風邪をひくことがある。雨まじりの向かい風の中を歩いた次の日から体調が悪くなり、結局、丸4日、床に伏してしまった。朝から悪寒がしたので、すぐに同じ中学の先輩があとを継いだ近くの病院へ。検査の結果、インフルエンザではなかったが、なかなか手強い風邪で、頓服の効果が切れると38度台の熱が出て消耗した。不思議なことに食欲は旺盛。冷蔵庫のストックをほとんど食べ尽くした3日目には外食に出かけたほど(笑)それにしても、お金さえあれば医療などのサービスが受けられ、食事をとることもできる人間の経済社会のしくみは何と素晴らしいものかとあらためて思った。もし野生動物だったら、あっけなく死んでいたかもしれない。熱がひいていくときには大量の汗が出る。食べ物より、飲み物のストックがなくなったのは辛かった。買ってこようにも、風邪で消耗した体で、ペット飲料の類を持ち運ぶのは困難。これを教訓に、一日2リットル×7日分=14リットルくらいのストックをいつも用意しておくことにしよう。
February 27, 2007
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モーツァルトは神童とも天才とも言われた。だが二十歳過ぎればタダの人になるのがそれらとすれば、彼は神童でも天才でもなかった。モーツァルトがその才能を勢いよく開花させたのは二十歳過ぎだからである。音楽の創作は小説の創作にも似て、ある程度の人生経験を必要とするようなところがある。モーツァルトも例外ではなく、音楽に奥行きと深みが出てくるのは旅先で母に死なれ、失恋の味を知り、彼の才能に理解のない石頭の領主とケンカし脱サラするといった辛酸をなめてから。消失したものを含めると約千曲といわれるモーツァルトの作品は、植物学者で音楽愛好家でもあったケッヘルという人によって整理され番号が付けられている。その番号で言うとモーツァルトらしさは二百番台後半で徐々に表れ、四百番台で本格的に開花する。前述した人生の大変動の時期と符合しているのは興味深い。二十歳以前のモーツァルトの作品では、長期にわたるイタリア滞在の果実ともいうべき3曲の「ディヴェルティメント」(K136~138)が有名。この時期の彼特有の陰のない明朗さの中に、のちの彼の音楽を思わせる優しさと気品が溶け合った作品群は、希望に胸をふくらませた思春期の少年の心のようによく弾み、感受性豊かな少女の心のような無垢の優しさに満ちている。社会の裏表を知らない純粋な心は、やがて現実の醜さに触れて輝きを失っていく。つまり社会に負ける。モーツァルトは負けなかった。彼は人間の心を浄化する音楽の力を信じていた。代表的な四つのオペラで、彼は人間社会の不条理を切り裂いていく。※パイヤール指揮パイヤール室内管弦楽団の演奏が出色。フランスの明るく繊細な弦の響きがモーツァルトのこの作品を格別に引き立てている。テンポもいい。
February 18, 2007
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知人の脳腫瘍の手術が終わった。約6時間の長い手術。医師に要求される集中力や体力は並はずれたものだと思う。知人は58歳の誕生日を迎えたばかり。キズの回復を待って、たぶん3月から化学療法が始まる。化学療法はどこでやっても同じなので、病院をかえてはどうかと思う。中村記念病院は電気製品を持ち込んで使うことができない。駐車場もなく不便だ。化学療法とワクチン療法、ウィルス療法を併用してはどうかと考えているが、その場合は東大付属病院に行くことになる。東京に移住することになるかもしれない。麻酔から覚めた知人は、ICUの隣のベッドの重篤な患者の心配をしたりしている。神よ、なぜこんな心優しい人をこんな目に遭わせるのか。おまえなんか大嫌いだ。
February 16, 2007
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3泊4日で東京へ行ってきた。脳腫瘍を再発したかもしれない知人を連れて、最先端治療の相談をするためである。東大付属病院の医師は、別枠で時間を作ってくれ、じっくり話を聞きていねいに説明してくれた。官僚的な対応を覚悟していたので感激した。結局、標準的な治療を選択することになったのだが、迷いがふっきれたのはよかったかもしれない。3泊とも浜松町にほど近い、プリンスパークタワーに滞在。高層階ではないが12階の部屋があたったので、東京タワーや汐留のビル群の迫力ある景色が楽しめた。近くに大きなビルがないし、増上寺や芝公園を見下ろす位置にあるので都心とは思えないほど広々とした開放感がある。バスとトイレが別になっているのも快適だが、今回、ひときわ素晴らしいと思ったのは独立シャワーブースがあること。いずれ個人の家でも独立シャワーブースがあたりまえになる時代が来るにちがいないと思わせた。このホテルの近くには大衆的だけどおいしいイタリアンの店がある。ホテルメイドのパンもすばらしくおいしい。築地まではタクシーで1000円くらいなので、気軽においしいお鮨を食べに行ける。こんなにロケーションがよく快適なホテルが一泊1万円とはリーズナブル。規制で33階しかないことが、夜景フリークの関心を惹かないのかもしれない。クルマで移動したので、モノレールから見るのとはまた違う、ベイエリアの景色は印象的だった。最先端の新しいものと歴史がある古いものの風情が共存した街というのは、北海道にはないこともあって興味深く、いつまでも見飽きることがない。バレンタインが近いせいか、お客にはカップルが目についた。しかし肝心の夜景はウィークエンドは休みの会社が多いためか寂しかった。夜景を楽しむなら平日の夜、しかも空気の澄んだ寒い季節がベストなのだろう。
February 4, 2007
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