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前回述べたように、2段差動増幅として、その後にカソードフォロワーのドライブ段を置き、出力管のグリッドがプラスになる領域まで強力にドライブする。出力段は3極管接続にした6CA7のパラレルPPということで、全体の構成は図のようになった。 少し補足が必要だろう。2段差動増幅であれば、カソードの共通抵抗は普通の抵抗としても位相反転の平衡度は問題ないはずである。2段目で平衡度が大きく改善されるからだ。しかし、次の2つの理由から、初段のカソード側には定電流回路を入れてある。1つは、歪み打ち消しを行うために2段目の差動増幅の共通抵抗をわざと小さくする必要があるため、もう1つは、初段管には選別が必要なため、選別に漏れた球を有効に活用するためである。定電流回路は2つのユニットを並列にしている。 差動増幅段のGainはあまり高くする必要がないので、12AU7の2段増幅とした。NFBも少量で、残留雑音を減らすにはGainが小さい方が好都合だからである。これによって高域特性もよくなった。その後のカソードフォロワー段は、最初、前段と同じ12AU7を1本ずつと考えたのだが、やってみるとグリッド電流がかなり流れて歪みが大きくなるため、結局5687を1本ずつということになった。細かいところは追々詳しく説明していこうと思う。
2012.03.18
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昔、MJ(無線と実験)誌でSRPP論争というのがあった。「SRPPは本当にプッシュプル動作しているか」という指摘に対して、「アマチュアの製作したプッシュプルアンプの大部分が盛大な2次歪みを発生しているにもかかわらず一応プッシュプルと呼ばれているのと同じことではないか」と開き直って反論したことがある。(MJ誌'89.5) 真のプッシュプルアンプならば、プッシュプルのバランスを取るだけで2次歪みは完全に打ち消されるはずだが、実際にはそうでないアンプが多い。例えば図のようなマラード型位相反転では、上側の負荷抵抗に比べて下側のそれを大きく選ぶことで、何とかバランスさせるのが普通である。 しかし、この回路のバランスは増幅度に依存しているため、ある条件でしか完全にはバランスせず、個体差や経年変化の影響も受けやすい。常に完全にバランスさせておくには、負荷抵抗を可変にして、歪率計とにらめっこで決定するより他にはない。実際、マランツのパワーアンプなどは、メーターを見ながらこのACバランスを調整できるようになっている。歪率計を持たないアマチュアはバランスの取りようがないのだ。 プッシュプルのDCバランスを取るだけでACバランスが取れ、真のプッシュプルになるような位相反転回路は何か。私の意見は以下の通り。ダメな回路…マラード型(1段差動)、古典回路、オートバランス回路、カソード抵抗が別々のウィリアムソン型など。よい回路…2段差動増幅、アルテック型(PK分割)、カソード抵抗が共通のウィリアムソン型、交差接続型など。 要するに、バランスがゲインに依存する回路はダメで、上下対象の回路がよい。もしマラード型でバランスをよくしたいならば、黒川達夫氏のアンプのようにカソード側に定電流源が必要である。また、2段目を差動増幅とするならば、1段目はどんな位相反転回路を持ってきても大丈夫である。差動増幅によるバランスの改善効果が大きいからだ。この6CA7(T)パラPPでは2段差動増幅を採用することにした。
2012.03.04
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ここのところ、台湾に遊びに行ったりしていたもので、更新が滞っていた。台湾で本屋に入ったところ、何とStereoSound誌が置いてあった。日本の雑誌で置いてあったのは、ファッション系の雑誌とこのStereoSound誌くらい。ビジュアル系ということですか。
2012.03.03
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