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最初に、出力管の選択について振り返ってみる。純粋な3極出力管のプッシュプルで50W得られるものとなると、選択肢が限られてしまう。それに、有名なWE-300Bでも40W程度、50CA10でも30W、ラックスのアンプで使われた8045Gなら60W出るが、すでに入手は困難であった。そもそもアンプ作成のテーマは「平凡な部品で…」と言うことだったので、特殊な出力管はその主旨にそぐわない。50CA10にしても、8045Gにしても、4極管を内部で3極管接続した構造ということなので、多極出力管の3極管接続も候補に挙げることにしたら、選択肢はずっと広がったわけである。TypeHeaterEbmax(V)Ppmax(W)Po 3結PP6CA7(T)/EL34(T)6.3V1.5A42525(8)16.550CA1050V0.175A45030346L6GC(T)6.3V0.9A45030 - KT88(T)6.3V1.6A60035(6)31300B5V1.2A-D48040 - 6550A(T)6.3V1.6A50042288045G6.3V2.5A5504560いずれにしても、普通のプッシュプルでは50Wの出力を得ることが難しいので、パラレルプッシュプルと言うことになる。KT88だと普通の3結PPで30W、パラレルPPなら60Wは確実だが、少し大げさだと感じた。当時、上杉研究所のU-BROS11というパワーアンプが、6CA7の3結パラPPで30Wという控えめな出力で出ていた。有名なマランツのMODEL 9だとEL34の3結パラPPで40Wである。この6CA7/EL34はフィリップスと松下のものが有名だが、各社から発売されていて入手はもっとも容易である。それに、3極管接続の特性が美しいのである。この特性はまさに驚きではないか!というわけで、6CA7/EL34のパラPPを採用することに決定した。規格上は16.5Wなので2倍しても33Wにしかならず、出力50Wが達成できるのか、と疑問に思われるかもしれないが、出力管のグリッド電圧を+領域まで振り込むAB2級動作にしてやれば、通常のAB1級に比べて1.5~2倍くらいの出力アップは固いので、十分達成可能だと考えた次第である。
2012.01.29
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これから、現在メインとして使用している6CA7(T)パラPPパワーアンプについて紹介、解説していこうと思う。このアンプは1996年にモノーラルの1台目が完成し、2000年にモノーラルの2台目が完成、1台目の改良も行った。(その間は使い物にならなかった!)従って、完成は2000年ということになる。 実験ノートを開いてみると、最初にこのアンプの着想が記されているのは、1993年5月30日のことである。そのタイトルは、「平凡な部品で非凡なアンプをつくる」というものだ。真空管アンプが好きな人は、とかく特殊な真空管を使ったり、珍しい回路を試したりする人が多い。そうではなくて、ありふれた、どこでも手に入る部品だけを使って、素晴らしいアンプを作りたいと思いついたわけである。 基本的な構想としては、まず、3極出力管のプッシュプルアンプであること。3極管がよい理由は、負荷抵抗が変動しても出力や歪率が大きく変化しないし、もともと内部抵抗が低いので大量のNFBを必要としない、などからである。 次に、出力は50W以上としてモノーラル構成にすること。求める出力はスピーカーの能率で変わってくるわけであるが、スピーカーの能率が1W1m時90dBだとして、最大音圧110dBを目標とする。部屋に置いたときは上下、前後方向に音が反射するため、能率が3dBはアップすると考え、93dBを110dBにするために必要な出力が17dB相当、つまり50Wとなる。モノーラル構成とするのは、単にアンプがあまり重くなりすぎないようにするためである。
2012.01.22
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ネットワークプレーヤーを購入したのは昨年の2月だったのだが、あまり有効に活用できていない。その原因の一つが、良いソースが少ないことである。96kHz-24bitなどの高音質音源でダウンロード可能なものは限られていて、選択の余地が少ないのである。販売している有名なサイトとしては、LINN Recorde-onkyo musicなどがある。前者ではあまり有名な演奏家が録音していないのだ。後者では、朝比奈隆とか小林研一郎の演奏もあるのだが、ONKYOのプレーヤーでないと再生できないDRMと言うロックがかかっていて、リンのプレーヤーでは再生できないのである。しかし最近、少しずつではあるがクラシックの良い音源が発売されるようになった。SACDとネットワーク音源で、音質の差はあるのだろうか。早速試聴してみることにした。前者の2.8MHz-1bitに対して、後者は96kHz-24bitのデータである。サンプルとして、最近DRMフリーで発売されたゲルギエフ指揮のマーラー交響曲第1番と、イタリアのレーベルから出ているイムジチ合奏団のヴィヴァルディ他の協奏曲を、SACDとデジタルデータの両方で用意することができた。早速、SACDをラックスのユニバーサルプレーヤーでかけたときと、高音質音楽データをリンのネットワークプレーヤーでかけたときとで比較してみよう。ウーン、これは実に僅かな差だ。それよりも平均音量があまりにも異なるので、レベル合わせが難しい。音が大きい方が断然良い音に聞こえるからだ。デジタルデータの方がずっと音量が大きく、曲によっても大きく音量が異なるのは困ったものだ。さて、マーラーの交響曲では、ラックスの方が音に艶がある感じで少し明るく聞こえる。ティンパニーは重みのある音だ。リンは低音が伸びている。臨場感のある自然な音だ。ヴィヴァルディの協奏曲では、ラックスは弦楽器がなめらかで美しい。リンはバランスの良い自然な音だ。などと書いてみたが、あまりにも小さな差なので、ブラインドテストで当てられる自信はない…。結論から言うと、はっきりした差はわからなかった。
2012.01.03
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あけましておめでとうございます。このサイトも開設してから7回目のお正月を迎えたことになります。しかし…、最近は真空管アンプの話題について、あまり書いていませんでした。 今年は、以前作製したEL34三結パラPPパワーアンプを解説するつもりです。もっと早く始めるはずだったのですが、以前使っていた回路図作製ソフトが新しいWindows7パソコンで使えないため、入れ直しています。今年もよろしくお願いします。
2012.01.01
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