全4件 (4件中 1-4件目)
1
英語ができなくても、海外の大学に留学できる制度ができたという。工学院大学が考え出したハイブリッド留学がそれだ。ハイブリッドとは、混合、複合という意味だが、まさに逆転の発想といえるかもしれない。ただ海外に送り出すだけではなく、英語のできない学生たちでも、現地の大学の単位が取れて、きちんと卒業できるように工学院大学側からも、教師を現地大学に派遣するのだという。近頃の日本の学生は、海外留学をしたがらないといわれる。むずかしいという先輩たちの声もあるようだが、それより、ネット時代に入って、こちらでも海外一流大学の講義が受けられるようになったことも、影響があるかもしれない。また景気の回復もあって、わざわざ海外で学ばなくても、一流企業に入れる、という傾向もあるのだろうか? 理由はいろいろだが、海外留学に尻込みする学生がふえていることだけは、間違いない。この工学院大学の方法だと、学生たちは海外でも、自分の大学にいるような気分で勉強できるため、留学生は相当ふえるかもしれない。これまでは留学したというだけで、英語で行われる講義が、チンプンカンプンだったという声が高かった。その点でも、相当改善されるのではなかろうか? すでに別の大学から問い合わせが来ているようだが、たしかに新しい留学方法であり、一考に価するのではあるまいか?英語ができなくても、まず海を渡り、向こうの空気を吸って、海外で生活できる自信を得てから、勉強するなり、英語に習熟するなりすれば、自然に国際感覚がつくことになるだろう。内側に向いた学生たちの心を外に向けさせる方法として、みごとなグローバル戦略ではあるまいか? ひいては工学院大学の声価も高めることになりそうだ。
2014/07/25
今年も私の熱い夏は、7月15日で終わった。この1年間、15日早朝から始まる博多祇園山笠に参加して、少しでも走れることを念願してきたが、この朝は、最後の600~700メートルを全力で駆けることができた。この行事は博多の総鎮守、櫛田神社への奉納が基本になっている。福岡市の中でも、博多区の住民によって、700年にわたりつづけられている珍しい神事だ。一番から八番まで「流」(ながれ)と呼ばれる単位に分かれ、2トンの重量を、巧みに入れ代りながら担ぐのだが、少ない組で500名、多い組だと、1000人の舁き手をもっている。この八組が5分置きに、午前5時からスタートし、全長5キロを全力で山を担いで疾走するのだが、見物人だけでも数十万人が、早朝暗いうちから席を陣取るのだ。私は毎年この中の「千代流」に属して、山の前後を走るのだが、この山笠のすばらしいところは、疲れたら近道を通り、再び三度参加して走れるように、走る道が工夫されている点だ。だから高齢者も子どもも、廻り止めと呼ばれるゴールまで、走りぬくことができるのだ。私も83歳として、それほどムリのないよう、毎年走る距離と場所をあらかじめ想定して参加するのだが、勢い水を全身に浴びて走っていくと、心臓がのどから飛び出るほどに苦しくとも、走り抜いた達成感が感じられる。走る人々が1人も脱落感をもたないこの方法は、みごとというほかはない。かりに走る距離を最初と最後の100メートルに限定するならば、90歳、100歳でも走ることができるだろう。私はこの神事に参加することで、1歳刻みの健康を保つという目標ができたが、実はそれだけではない。この博多祇園山笠を主題に、いつか小説を書くことも考えている。私にとっては一石二鳥なのだ。
2014/07/18
作家という人種は空想力、想像力が、人一倍強い。私も作家の端くれなので、空想する時間がひどく長い。他人から見ると「この人は眠っているのではないか?」と思うかもしれない。風呂に入っていても、家族が心配するほど、湯船に浸かったままの姿勢で動かないことが多いのだ先日も風呂に入っていると、「そうか人間は70代で誰でも1回死ぬのだ」という考えが、突然ひらめいた。そう思うと、とても人生が暮らしやすくなることに気がついたのだ。認知症にしても「もう1度自分が赤ちゃんになるのだ」と思えば、そう恐れることはないし、周りの人々にも「赤ちゃんになったのだから、優しくしてほしい」と頼むこともできよう。私は80代という年齢が嫌いで、79+1からスタートし、現在は79歳+4歳といっている。知らない人は「この男は少しおかしいのか?」と思うようだが、79歳で私という人間は1回死んで、新しく生まれ変わったのかもしれない。だから周囲の人たちの援助を受けてもいいのだし、新しいことを始めてもいいのではなかろうか? 実際には赤ちゃんなのだから、叱られても怒ることはない。これまでだと過去の実績をひけらかして、誰のいうことも聞かなかったり、身体が不自由になっても、助けてもらうのが当然、という顔をしていたが、それはまったくの誤りなのだ。新しい知識を教えてもらい、1からスタートするつもりになれば、自然と腰が低くなるし、感謝の心も湧いてくる。「1回死んだのだ」と空想すれば、おしめを使っても何の恥ずかしこともないし、赤ちゃんとして育っていくのだから、むしろおしめを取り外そうと努力しても不思議ではない。私の空想はこうして次から次と、自分の生活のあり方を思い浮かべていくのだが、世の高齢者もこうして考えていけば、新しい生き方ができるのではあるまいか?
2014/07/11
全国の大学では、おいしいものを生産、製造しているようだ。注目を浴びたのは近畿大学の養殖まぐろだろう。特にくろまぐろは養殖できないという業界の常識を破って、いまや近大まぐろは直営の店だけでなく、一部の百貨店にも出回っているほどだ。大学はそれぞれの県や地域で、独自の生産物を作っており、最近ではそれがネットで買えるようになっている。この収益は研究費になるのだろうが、少子化で受難期の大学としては、とてもいい試みではないだろうか?「週刊文春」(7月3日号)では大学から取り寄せられる逸品として、山梨大学のワイン「ヤマ・ソーピニオン」、北海道大学のハム「永遠の幸」、ソーセージ「青楡の響」、酪農学園大のチーズ、缶バターなどを紹介しているが、1度賞味してもいいかもしれない。全国の国立、公立大学には農学部、水産学部、花卉(かき)・園芸学部などがあり、それぞれの地域の生産品を直売したり、近くの街で販売している。念のためにいえば、花卉とは花と草という意味だ。紹介した3大学は、ことに現地密着型の有名大学だが、このほかにもいくつかある。東北大学の「ブルーベリージャム」、琉球大学のウコン飲料「翌ケロゴールド」、玉川大学の「たまがわはちみつ」、宇都宮大学のお米「ゆうだい21」、岡山大学の「岡大農場ジュレ」などだが、それぞれ欲しい逸品だ。泡盛の二日酔いを防ぐほどだったら、琉球大のウコン飲料も悪くなさそうだ(1本305円)。また岡山大のジュレは女子学生の声を反映して、果肉たっぷりだという。アイス、プリンなどもあるというから、女性にはお手頃かも?
2014/07/04
全4件 (4件中 1-4件目)
1


