この処の銀輪散歩の傍ら目に止まった花などをご紹介する銀輪花遍路であります。
目は蝶に なりて秋風 花遍路 (筆蕪蕉)
先ず目に止まりたるは鮮やかな黄色。

夕風は 黄金の色に 吹くならむ
秋の川の辺 妹と行く道 (偐家持)
こすもすは みなこちら見て ゐるといふ
我妹のはしき 笑みにしあらむ (偐家持)

(何の花とは知らねども・・)
散りぬれば 何の花とは 知らねども
実のはじけてや 明日は見えける (偐家持)
(フジバカマ)
藤袴は秋の七種の一つだが、その由縁となった山上憶良の歌に登場するのみで、単体で詠われた歌は万葉集にはないようだ。
萩の花 尾花葛花 撫子の花
女郎花 また藤袴 朝顔の花 (巻8ー1538)
駄洒落になるが、山上憶良と来れば、畑中のオクラの花も見逃せない。
(オクラ)
喰ふてよし 花もかんばし 畑中の
我はオクラぞ 心して詠め (偐家持)
(ガマ)
蒲の穂の 先の川面の さざれ波
光りてわれに 行けといふらし (偐家持)

セイタカアワダチソウは外来の植物にて、またたく間に日本の野原を占領してしまい、ススキが追いやられているというようなことを一時耳にしたものだが、最近はおとなしくなってそれなりに日本の風景に融け込んでいるようだ。これを馴化というのであるが、ススキともどうやら折り合いを付けたようですな(笑)。
しかし、10文字の名では字余りとなって、歌には詠めない。名前の方は我が大和言葉には馴化できないようでありますな。
(イヌタデ)
タデもこのように群生して咲いていると見事というか、なかなか可愛らしい。ホンタデ(ヤナギタデ)は葉に辛味があるので香辛料として使用されるらしいが、こちらは葉に辛味がないので利用価値がない。よってイヌタデと「名付けけらしも」なのであります。
タデを詠んだ万葉歌2首をご紹介申し上げまして、花遍路お開きにございまする。
わが
屋戸
の
穂蓼古幹
採
み
生
し
実になるまでに 君をし待たむ (巻11-2759)
小児
ども 草はな刈りそ
八穂蓼
を
穂積の
朝臣
が
腋草
を刈れ (巻16-3842)
銀輪花散歩・リュウゼツラン、キンエノコ… 2025.10.19 コメント(4)
銀輪花散歩・平城宮趾公園&佐保川畔 2025.03.27 コメント(4)
PR
キーワードサーチ
カレンダー
コメント新着
New!
龍の森さん
New!
MoMo太郎009さん
New!
ビッグジョン7777さん
New!
☆もも☆どんぶらこ☆さん
New!
七詩さん