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全1件 (1件中 1-1件目)
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破産手続開始決定がされた場合における破産会社の取締役の地位株式会社の取締役等の解任又は選任を内容とする株主総会決議不存在確認の訴えの係属中に当該株式会社が破産手続開始の決定を受けた場合における訴えの利益の消長(最高裁平成21・4・17二小法廷判決)「事案の概要」本件は、Xらが、XらをY株式会社の取締役から解任し、Aらを取締役又は監査役に選任することなどを内容とするYの臨時株主総会決議等の不存在確認を求めた事案である。第一審係属中に、Yにつき破産手続開始の決定がされ、破産管財人が選任された。「判旨」一審はXらの請求を認容したが、原審は、Yが破産手続開始の決定を受け、破産管財人が選任されたことにより、その時点における取締役及び監査役は、Yとの委任関係が当然終了して役員たる地位を喪失するから、特別の事情がない限り、本件株主総会等決議布存在確認の訴えは、訴えの利益がないと判断して、本件訴えを却下すべきものとした。本判決は、会社につき破産手続開始の決定がなされても直ちには会社と取締役等との委任関係は終了するものではなく、破産手続開始当時の取締役等はその地位を失わないから取締役等の解任又は選任を内容とする株主総会決議不存在確認の訴えの利益は当然に消滅しないと判断して、原判決を破棄し、本件を原審に差し戻した。破産手続開始決定がなされた場合の破産会社の取締役の地位について、学説は、当然終了説が多数説であるが、近時は非終任説も有力である。非終任説は、委任者破産の場合は、破産の結果、委任者が自らすることができなくなった行為は受任者もこれをすることができなくなるため、委任は目的を達しえず終了するというものであるから、会社が破産した場合、破産者たる会社自身がすることができる組織法上の行為等については、委任はなお終了しないと解すべきというものである。本判決は、破産手続開始決定がされた場合における破産会社の取締役の地位について、非終任説に立つことを改めて示した上、株式会社の取締役等の解任又は選任を内容とする株主総会決議不存在確認の訴え利益は、会社につき破産手続開始の決定がなされても当然には消滅しない旨を示したものであり、裁判実務上意義を有するものと思われる。 判例時報2044号74頁
2009.09.25