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完済後 再貸付 3年の間隔 最高裁第二小法廷平成20年1月18日判決 平成2年9月3日 リボルビング式金銭消費貸借に係る基本契約を締結 基本契約1 融資限度額 50万円 平成7年7月19日までの間、借入れと弁済を行った平成7年7月19日時点で過払金42万9657円が発生している。平成10年6月8日 リボルビング式金銭消費貸借にかかる基本契約を締結 基本契約2 融資限度額 50万円 平成10年6月8日から平成17年7月7日までの間、借入れと 弁済を行った。基本契約2の契約書の作成に際し、顧客の融資希望額、勤務先、雇用形態、給与の支給形態、業種及び職種、住居の種類並びに家族の構成は、基本契約1を締結したときのものと同一であり年収額及び他に利用中のローンの件数、金額についても大差はない状況であった。また基本契約2を取り扱った業者の支店は基本契約1を取り扱った支店と同一であった。第1審判決は、平成7年7月19日に生じた過払金42万9657円は平成10年6月8日の貸付金債務に充当されないとして、基本契約1の過払金と基本契約2の過払金を別々に計算した。第2審の名古屋高裁第2民事部判決は、基本契約1の完済時から基本契約2の締結時まで取引中断期間が3年間と長期間に亘ったものの、この間に基本契約1を終了させる手続が執られた事実がないこと、基本契約2締結の際の審査手続も基本契約1が従前通り継続されることの確認手続にすぎなかったとみることができることを考慮すると、基本契約1と基本契約2とで利率と遅延損害金の率が若干異なっており、毎月の弁済期日が異なっているとしても、基本契約1及び基本契約2は、借り増しと弁済が繰り返される一連の貸借取引を定めたものであり、実質上一体として1個のリボルビング方式の金銭消費貸借をなすと解するのが相当であるから平成7年7月19日に生じた過払金42万9657円は、その後平成10年6月8日に50万円の貸付がなされた時点で、何らの意思表示をすることなく同貸付金債務に充当される。とした。これに対し最高裁第二小法廷平成20年1月18日判決は同一の貸主と借主との間で継続的に貸付とその弁済が繰り返されることを予定した基本契約が締結され、この基本契約に基づく取引にかかる債務の各弁済金のうち制限超過部分を元本に充当すると過払金が発生するに至ったが、過払金が発生することとなった弁済がされた時点においては両者の間に他の債務が存在せず、その後に、両者の間で改めて金銭消費貸借に係る基本契約が締結され、この基本契約に基づく取引に係る債務が発生した場合には、第1の基本契約に基づく取引により発生した過払金を新たな借入金債務に充当する旨の合意が存在するなど特段の事情がない限り、第1の基本契約に基づく取引に係る過払金は第2の基本契約に基づく取引債務には充当されないとか解するのが相当である。(最高裁第3小法廷 平成19年2月13日判決 最高裁第1小法廷 平成19年6月7日判決 参照)そして、第1の基本契約に基づく貸付及び弁済が反復継続して行われた期間の長さやこれに基づく最終の弁済から第2の基本契約に基づく最初の貸付までの期間第1の基本契約についての契約書の返還の有無、借入れなどに際し、使用されるカードが発行されている場合にはその失効手続の有無第1の基本契約に基づく最終の弁済から第2の基本契約が締結されるまでの間における貸主と借主との接触の状況,第2の基本契約が締結されるに至る経緯第1と第2の各基本契約における利率等の契約条件の異動等を考慮して、第1の基本契約に基づく債務が完済されてもこれが終了せず、第1の基本契約に基づく取引と第2の基本契約に基づく取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価することができる場合には、上記合意が存在するものと解するのが相当である。これを本件についてみると・・・・・・3年を経過した平成10年6月8日になって改めて基本契約2が締結され・・・・・・基本契約1に基づく取引と基本契約2に基づく取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価することができる場合に当たるなど特段の事情がない限り基本契約1・・の過払金は、基本契約2に基づく取引に係る債務に充当されない。・・・・・特段の事情の有無などについて更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととする。ブログランキング参加してます。↓ クリック、よろしく!
2008.01.30

法人の無形の損害残高証明書を直接会計監査法人に送るように依頼された取引銀行が、依頼会社の経理部長に残高証明書を渡したため、投機取引をしていた経理部長が残高証明書を偽造し、ために、経理部長の投機取引の発見が遅れたとして取引銀行の損害賠償義務が認められた例原告会社は、原告と銀行との間には、残高証明書を直接監査法人に送付するべき債務の不履行にあたるとした上、銀行の債務不履行がなければ、経理部長が会社に無断かつ秘密裏に投機を目的とした通貨オプション取引を行ったことを発見することができたはずであり、そうであれば同年5月以降通貨オプション取引を行って損害を蒙ることはなかったはずであるなどと主張し、銀行に対し準委任契約上の債務不履行により約5億6200万円の損害賠償を請求した。(依頼した残高証明書は為替予約残高確認書を添付したもの 3月31日時点での残高の証明)これに対し銀行は、経理部長として原告会社の代理権を有する経理部長が原告のためにすることを示して、銀行との間で、残高確認書を直接会計監査法人に返送するという内容の準委任契約を、経理部長に交付することに変更する旨の合意が成立したのであるから、銀行には債務不履行がないと主張するとともに、仮に責任があるとしても、原告の損害の発生、拡大に関しても原告にも多大な過失があり大幅な過失相殺がされるべきであるとして争った。東京地裁平成19年5月31日判決は、銀行の債務不履行を認め、原告の無形の損害に対し1000万円の損害賠償を認めた。本判決は、銀行の準委任契約上の債務不履行によって原告主張の財産的損害は認められないとしたが、銀行に債務不履行があったために、原告は15億円もの多額な差をもたらす可能性のある取引方針の選択をするという法的保護に値する利益を奪われたとして、1000万円の無形の損害を認めた。(控訴されている)最高裁昭和39年1月28日判決は、法人の名誉権侵害の場合に無形の損害を認め、高く評価されたが、このような無形の損害の正体は必ずしも明らかでないともコメントされている。財産的損害の発生の認定や評価が困難な場合に、裁量的判断により無形損害を認めたことには問題があり、再検討の余地があろうが実務上参考になるものとして紹介する。と評されている。 判例時報 1981号 頭注ブログランキング参加してます。↓ クリック、よろしく!
2008.01.21
ブルドックソース対スティールパートナーズ事件許可抗告審決定 本件は、被告の株主であるXが被告による新株予約権の無償割当(会社法277条)の差止めを求めた仮処分申請事件である。被告がXによる株式公開買い付けに対応するために新株予約権の無償割当をすることが株主平等の原則などに反し法令等に違反するか否か、著しく不公正な方法により行われる場合に該当するか否かである。最高裁平成19年8月7日決定 判例時報1983号56頁は1 法109条1項に定める株主平等の原則の趣旨は、新株予約権の無償割当の場合についても 及ぶ2 株主の共同の利益等が害されることになるような場合に、これを防止するために特定の 株主を差別的に取り扱うことは、衡平の理念に反し、相当性を欠くものでない限り株主 平等の原則の趣旨に反しない3 株主の共同の利益等が害されることになるか否かの判断は最終的には株主自身により判断 されるべきもので、判断の正当性を失わせるような重大な瑕疵が存在しない限り、当該 判断が尊重されるべきであるとしたうえで、Xら以外のほとんどの株主がXによる経営支配権の取得が株主の共同の利益を害することになると判断したこと、当該判断にその正当性を失わせるような重大な瑕疵はないこと、本件新株予約権無償割当が衡平の理念に反し、相当性を欠くものではないことなどからXらの濫用的買収者該当性について判断することなく、本件新株予約権無償割当は株主平等の原則の趣旨に反せず、法令等に違反しないとし、また、本件新株予約権無償割当が本件総会における判断により行われた緊急の事態に対処するための措置で、Xたには割り当てられた新株予約権の価値に見合う対価が支払われること、本件新株予約権無償割当が取締役等の経営支配権の維持を目的とするものではないことから、これは著しく不公正な方法によい行われる場合に該当しないと判示して、Xの許可抗告を棄却した。最高裁平成19年8月7日決定 判例時報1983号56頁M&Aをめぐる紛争と法規制の現状及び課題 判例タイムズ 1259号40頁
2008.01.18

交通事故で死亡した被害者の妹に400万円の慰謝料を認められた例交通事故で死亡した被害者の兄に200万円の慰謝料が認められた例民法711条によれば、死亡事故の被害者の父母、配偶者、子については、慰謝料請求権を認めているところ、大審院時代は、民法711条は生命侵害にあった場合に、特に被害者の父母、配偶者、子という近親者に限って例外的に慰謝料請求権を認めたものであるとして、近親者の範囲を制限列挙的に解していたが、最高裁時代になって民法711条は制限的に解すべきでなく、同条に該当しない者であっても、被害者との間に同条所定の者と実質的に同視しうべき身分関係が存し、被害者の死亡により甚大な精神的苦痛を受けた者は、同条の類推適用により、加害者に対し固有の慰謝料を請求することができるとされるに至った。水戸地裁 平成19年5月24日判決 確定 判例時報1982号130頁 被害者の慰謝料2200万円 父の慰謝料 200万円 母の慰謝料200万円 妹の慰謝料400万円 水戸市内 ダンプのひき逃げ事故 被害者10歳 妹も登校途中目撃 原告竹子は、本件事故後、車を恐れるようになり、小学校を休み勝ちとなる、屋外に 出るとパニックになったり、トラックを見ると「胸が痛い」と訴えたりするようにな り「姉を助けてあげられなかった」との自責感情を強く抱き、事故についてフラッシ ュバックや事故を想起させるものに近づかない等の回避公道、注意の持続困難、強い 不安、抑うつ、不眠などの症状が出現し、プレイセラピーによる治療を続けており、 銃とストレス反応との診断を受けている。との認定 秋田地裁平成19年7月5日判決 確定 判例時報1982号136頁 被害者の慰謝料1900万円 父の慰謝料200万円 母の慰謝料200万円 兄の慰謝料200万円 被害者9歳 兄 事故を目撃ブログランキング参加してます。↓ クリック、よろしく!
2008.01.07
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