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再生債務者は民法177条の第三者にあたるか否か(積極)再生手続開始前に登記をしなかった根抵当権者が、再生債務者に根抵当権設定登記手続を求め、監督委員にその登記手続への同意を求めた請求が、いずれも棄却された事例(大阪地裁平成20年10月31日判決)「事案の概要」本件は、Y1の民事再生手続に関し、再生手続開始前に登記していなかった根抵当権者Xが、再生手続開始後に根抵当権設定登記手続を請求した事案である。Xは、再生債務者Y1に対して、根抵当権設定契約または根抵当権に基づき根抵当権設定登記手続を求め、監督委員Y2に対し、根抵当権に基づく妨害排除請求権に基づき再生債務者がその登記手続をすることにつき監督委員として同意(民事再生法54条2項)の意思表示をすることを求めた。本件の争点は、根抵当権者Xが、再生債務者Y1に対し、登記されていない根抵当権を対抗することができるか否かである。「判旨」本判決は、再生手続が開始された以上、再生債権者が差押債権者と同様に登記がされていないことを主張する正当な利益を有する第三者にあたることを前提として、再生債務者についても、再生債権者のために公平かつ誠実に財産を管理処分するとともに再生手続を遂行する責務(民事再生法38条2項)を有し、再生債権者の利益を実現すべき再生手続の機関として、再生債権者と同様、民法177条の第三者にあたると判断し、根抵当権設定契約をしても再生手続開始前に登記をしていない根抵当権者は、再生手続開始後は、再生債務者に対し、根抵当権を対抗することはできず、登記手続を請求することはできないと判断した。破産に関する判例(最二小判昭46.7.16民集25巻5号779頁)では、「抵当権の設定を受けた者であっても、その登記を経ない間に設定者が破産宣告を受けた場合には、右抵当権の設定をもって破産債権者に対抗することはできない」とされていたが、DIP型の倒産処理制度である民事再生手続において、再生債務者が民法177条の第三者にあたるか否かについて、判断が示された裁判例はこれまで見当たらなかった。 判例タイムズ1300号205頁
2009.11.04