ヤコとポコ(by水沢悦子)


キャラクター原案は水沢悦子さん。
山田監督の新作長編「きみの色」も水沢さんがキャラ原案の予定、のはずです。

ということで、水沢悦子さん。何者でしょうか。
はい、マンガ家です。ものすごいヒット作はないけど読者満足度がすこぶる高い人です。
「花のズボラ飯」「もしもし、てるみです。」などの作品があります。
一番人気はやはり「ヤコとポコ」だと思います。全7巻で好評発売中。
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「ヤコとポコ」(水沢悦子)
秋田書店 全7巻

「ヤコとポコ」は、たぶんSFマンガ。
ぬいぐるみ風のロボットが日常にいる世界を舞台に、失敗も多い「てきとうモード」の猫型ロボット・ポコをアシスタントにしている漫画家の少女ヤコの日々を描いています。
この世界では50年前に起きた「通信革命」と呼ばれる事件の後、インターネットが廃止され、PCの利用も大きく制限されています。
マンガ家は紙にペンで描いて、ベタを塗りスクリーントーンを貼り付けるというアナログ作業に従事しています。
電話は固定電話で、FAXが通信の主力です。スマホやケータイはありません。
ある種の「夢のような世界」ですね。アナログでマンガを描いてきた世代の夢です。
アシスタントロボの「ポコ」も、ネコ型ロボットでお腹にポケットが付いているのが「夢」らしくて可笑しいです。微妙に役に立たないところも、あのロボットに似ている。

物語は、基本的に「日常」をゆるく描いています。突飛な展開や刺激的な事件は起きませんが、じわじわくるマンガです。
主人公のヤコとネコ型ロボットのポコは、目のデザインが似せてあって、ふたりとも「死んだ魚のような目」をしています。
とても主役のデザインではないのですが、すごく世界観にマッチしている。
とくに、やや上目遣いでロンパリ気味の「ポコ」の目が、ときどき「賢者」のように思える瞬間がある。
未来の世界のネコ型ロボットは、こっちのほうが好きかも。


2023年11月23日

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