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2017年12月03日

起業家って凄い・・・と面白く読むことができた「渋谷ではたらく社長の告白」藤田 晋

72時間ホンネTVで話題になった感がある、 AbemaTVの社長、藤田晋さんの本です

発刊から結構な年数が過ぎていて「今頃読むのは遅いかな?」と思ったけれど、そんなことは全くありませんでした。
面白い本でした。

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↑表紙の藤田社長・・・わ、若い!
AbemaTVでよく拝見する今の藤田さんとは全然違いますが、このような若い時から全力で闘ってきたのかと思うと、脱帽です。。

総論的な感想。


「渋谷ではたらく社長の告白」 というタイトルが示すとおり、渋谷=ITベンチャーの集積地で働く社長のありのままの姿が書き出されています。
藤田社長が上京する前から始まり、大学時代、バイト時代、就職そして独立、上場とその後までを物語のように読むことができます。

藤田さんは若くして上場し、300億円の個人資産を得たことで一躍有名になりました。
私は単純に「若くして大金持ちになって、恵まれた凄く幸せな人生だなあ」と考えていました。
しかしこの本を読むと、それはいかにも無邪気で想像力のない考えだったことに気付かされます。

確かに「若くして」「大金持ちになった」ことだけを切り取ると、それは幸運で幸せなことでしょう。
でも本の中で書き出されていた光景はそんな単純なものではありませんでした。

成し遂げた人の想像を超える苦悩、修羅場、激務、挑戦を超えた先に死に物狂いで手にした成果だということ。
特に創業期では、遊び、彼女ーーー仕事以外のものは全て投げ捨て、文字通りその身を捧げていました。
そんなことが自分に出来ただろうか?出来るだろうか?そう考えると、自然と読み進める手に熱がこもりました。

創業当時の勢いのあるシーンの描写は熱狂が伝わってくるようで、こんな生き方も楽しそうだ、とつい感化されてしまいそうです。
ネットバブル時の勢いや、また、バブル後の逆風の凄さもありありと伝わって来るようでした。
「そんなのあり?」みたいな面白エピソードもあり、度肝を抜かれます。

と、こんな感じで全体を興奮しながら読むことができました。
藤田さんのストレートな文章に生々しいリアリティを感じながら、未来を切り開くパワーすら感じる本でした。

それと「起業家」というものの印象が大きく変わりました。
以下にこの本を通じて起業家について感じたことを書いておきます。

起業家について


読み進める中で、正直に起業家って凄いと思いました。

起業と経営には、嫉妬、逆風、離反・・・人間がもたらすあらゆる負の要素を浴びながら、それでも正面から戦い続ける体力と気力が必要なんだなあと。
それらを備え、戦い続けられる人が「起業家」なのだと。

読んでいて読者の立場ながら辛くなることもありました。
株価低迷時の描写では藤田さんの苦悩、迷走、しんどさが息遣いとともに伝わってくるようでした。
例えば、投資家への対応なんていうのは起業家の姿として想像したこともありませんでしたが、割と大変な仕事で、それこそ身を骨を、神経をすり減らすような大変さがあるのだということが伝わってきました。

それと藤田さんの視点から描かれる宇野さん、三木谷さんといった他の経営者も凛として格好良かったです。

厳しい四半期決算を前に「なんとか黒字は確保しなければとは思っているのですが・・・」と話す藤田さんに対して三木谷さんはこう言いました。
「いいよ、そんなの。もっと中長期の経営を目指してるんだろ?」
「だったら、自分の信念を貫けよ」
この言葉は揺れていた藤田さんの心情に突き刺さり、強さを与えたように思います。
出資者としては当期のリターンが得られない経営に腹を立ててもおかしくない状況です。
自分の信念を持っているからこそ言える一言なのでしょう。

胆力、信念。
そういった強さを備えた人こそが経営者であり事業家なんだなあ、と痛感させられました。
(そういえば「人生の勝算」(前田裕二さん)の中で、DeNA創業者の南場さんが「実業には胆力が必要」と話していたことを思い出しました。)

まとめ


今をときめくサイバーエージェントの藤田社長の生き方、考え方を追体験できる面白い本です。
ベンチャービジネスに興味がある人、「社長」や「起業家」に興味のある人はとても楽しく読めると思います。

posted by 霧島もとみ at 2017年12月03日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本:人物

2017年10月17日

スケールが違う・・・これがギャンブルか!と圧倒される「熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 」井川 意高

「東大から刑務所へ」を読んで井川意高さんに興味を持ち、続けて購入しました。
井川さん自身についての記述は比較的さらりとしたものだったので、もっと突っ込んだ話を知りたいと考えたわけです。
(〜〜ですな。という井川さんの語尾は読みづらかったですけど・・・)

さて、熔ける。です。


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この本はその「知りたい」欲求を十分に満たしてくれました。

井川さんの創業者一族に生まれた人間の半生や、経営者としての姿、そしてカジノにのめり込み負けていく様子がありありと描かれ、ぐいぐいと引き込まれました。
ギャンブルで身を崩していく人間の行動や思考が生々しく伝わってきて、テーブルを前にした息遣いが聞こえてきます。
リアルに疑似体験をさせてくれます。

ところで、大きな誤解をしていました。
ギャンブルで溶かした多額の金は、グループ企業から借りて、全部ドロン!返せません!だと思ってました。

ですが、ギャンブルで溶かした資金は全て自分の資産で返済済みということでした。
そのスケールの大きさには「マジか!?」と度肝を抜かれましたが、それならこの事件に対する印象って大きく変わりますよね。

メディアではこの点は報道されなかったと思います。報道されていたのかな?私が気付かなかっただけかもしれませんが…。少なくともクローズアップはされてなかったとは思います。

この点、ギャンブル依存で家族離散になるようなケースとは意味合いが全く違います。
そういうケースでは「ギャンブルで多額の借金を作って返せなくなる」ことが主な理由になるからです。


事件後、本を出版したり、引き続き社会的な交流を続けていたりして「何故なのだろう?」と不思議でしたが、その理由が良く分かりました。

井川さんは溶かしたといっても「他人の金」ではなく、あくまで自分の資産。
106億8,000万円もの大金は「一時的に借りただけで後で返す」という認識だった訳です。
この点は多くの人が誤解したままになっているのではないでしょうか?

私自身も、そんな多額の金を個人が返せる訳ないよね!と色眼鏡で見ていたのかもしれないなあ、と反省です。

スケールが違います・・・。
色々な意味で凄い。

もちろん実刑が課せられたように違法行為であり、罪なことではあるのだろうと思いますけれど。

印象に残ったのは「まだ負けてない」という井川さんの言葉です。
人生やビジネスは勿論のこと、ギャンブルへの熱情は沸々とまだ滾っているのでしょう。凄い人です。

これだけの人物でもハマるギャンブルの恐ろしさに触れてみたい人、また、井川さんという人間に興味がある人はとても面白く読めると思います。

いやあ、熱い。
posted by 霧島もとみ at 2017年10月17日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本:人物

2015年06月09日

脱線者 (朝日文庫)  織田裕二

織田裕二さんの自伝的な本です。

文庫で540円+税で売られていて、かつて織田裕二ファンを自称していた自分としては、自然と手に取ってしまいました。文章は平易で「読みやすい本」という印象。織田裕二と500円ちょっとで会話できるものなら安いものです!

この本から、織田裕二は

・一途で、一生懸命
・一方では「織田裕二」という自分を大事にしている。俳優の織田裕二はその中の一つ。
・挫折を味わっている
・人間を大事にしている優しい男
・前向きで情熱的、夢がある
・短気な一面もある
という様なことが読み取れます。

特に仕事である「俳優業」に対しては、「好きな女」に例えて一所懸命に考えつくし、諦めずに攻めていくものとして語っています。
織田裕二の熱さが出ていると思いました。

ところで、この本に書かれている「死」や「自殺」に対する考え方が、自分のものととても似ていることに驚きました。かつて自分が追い込まれていた時期の考え方と酷似している・・・と感じたのです。親近感を覚えるとともに、あれほどの俳優、特別な人物であっても、考え方というものは別に超越したものではない、人間的な存在なんだな、と思います。

自分と織田裕二の差は、その追い込まれた時からどのように自分を変えていったのか、死ぬ気で何をやってきたのか、その点の本気度の違いから出ているのかもしれません。
だとすれば、織田裕二はどれほど真剣に生きてきたのかに思いを馳せ、驚嘆してしまいます。

改めて織田裕二が好きであることを確認した一冊でした。
織田裕二が好きな人は一読の価値があると思います。
posted by 霧島もとみ at 2015年06月09日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本:人物

2015年03月10日

天音 (EXILE ATSUSHI) その1

「Bボーイ サラリーマン」に続き、EXILEのATSUSHIの自伝「天音」を読むことにしました。
すっかりエグザイルに嵌ってしまっています。

まあ、軽い気持ちで買ってみた訳なんですが、意外に とんでもない本 でした。
(正確にはまだ読んでいる途中なので「本でした」は若干言い過ぎです(汗))
「とんでもない」というのはいわゆる「トンデモ」ではありません。

いわゆる「ヤバい」本です。
そう、ヤバい。
ヤバく、私の心に響いてくる本です。

まず「はじめに」を読んでみると、綺麗な文章で書かれているのに驚きました。
昔に映像で見たことがあるアツシは、丸刈りに大きなバツ印の剃り込みを入れていたサングラス野郎だったわけなんですが、そんな雰囲気はこの文章には微塵もないんです。

次に表現力。
アツシが体験した風景が、心象が、ありありと文中から浮かんでくるかのよう。
あれ、意外に、繊細な感受性を持っているんだろうか??

一体アツシってどんな人間なんだろう?
そう私が思い始めた「はじめに」の最後あたりで、
アツシは「これから生身の僕を書こうと思う」と語ります。

生身の僕。

いつの間にか、全力でアツシの言葉に耳を傾けようとしている自分がいました。

というわけで「はじめに」を読み終えた訳ですが、まだ本の全部を読めていません。
ですが、途中の時点で、結構色々と考えさせられるところが本当に多くありました。
そこで何回かに分けてレビューしていきたいと思います。

とりあえず今日はここまで。
posted by 霧島もとみ at 2015年03月10日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本:人物

2015年02月16日

考えずに、頭を使う (桜庭 和志) ☆☆☆☆

ふらっと訪れた書店で手に取った本です。

IQレスラーと評される桜庭さんの「考えずに、頭を使う」というタイトルに惹かれて購入しました。

タイトルって大事ですよね

さて、この本では「頭を使う」ということについて幾つかのキーワードが提示されていました。
・因数分解して単純化する
・目的を「どうすればできるか」ということを考える。 これが頭を使うこと。
・考えただけで終わらせてはいけない。漠然と考えた後に、 それを明確に意識化して体に染み込ませる。 それができていないうちは、いざというときに繰り出せないのです。
・細分化して意識化。具体的なイメージを細かく描けるか否か。

桜庭さんは「思い悩むというのはただ考えているだけ」と言います。
目標を達成するためにどうするか、これを考えていくのが「頭を使うこと」なんだ!!
という、熱いメッセージを受け取ったような気がしました。

桜庭選手の背景も知ることができ、読んだ甲斐があったなーと感じた本でした。
タグ: 思考法
posted by 霧島もとみ at 2015年02月16日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本:人物

2014年12月31日

人生を変える 修造思考!

松岡修造さんの「 人生を変える 修造思考!」を読了しました。

書店で目に留まり購入したものです。

松岡修造さんについては、大分前にテレビで焼肉の食べ方「修造食い」をやっていたのを見て以来気になっていました。今はまた改めて注目されていますけれど。

そんな彼の熱いエッセンスに触れることができるかもしれないと思って買った次第です。

エアーラーメン、マクドナルドの完全攻略法、便器に感謝するなど、松岡さんらしさを感じるエピソードが幾つも紹介されています。
まとめると、「松岡はこうやって楽しんでいる」ことが書かれている本かな、と思いました。

読んで感じたことは、松岡修造は兎にも角にも、人生を、その一瞬一瞬を楽しむために前向きに努力をしているということ。気持ちの持ち様次第でものの見え方が変わることは多くの人が言うところではありますが、松岡流の流儀は視点がとても面白く独創的で、分かりやすく理解できる気がします。

ただ、松岡のキャラクターに取っつき難さを感じている人には、向かない本かもしれないですね。

私は好きですよ。
posted by 霧島もとみ at 2014年12月31日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本:人物
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霧島もとみ
他人との距離感をいつも遠く感じながら生きてきました。高校の体育祭のフィナーレでは、肩を抱き合って大はしゃぎする光景に「何でこんなに盛り上がれるんだろう・・・?」と全く共感できませんでした。共感できない自分が理解できず、いつも悩んでいます。そんな私でも面白いと思うことはこの世界に一杯あります。それが私の生きる糧でした。面白いことが増えていけば、よりたくさんの人が楽しく生きられるはず。そんな世界を夢見ています。
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