【前週備忘】
まず、前週の世界同時株安に至る経緯です。
伏線は少し遡った話になります。
このところ米経済指標は軒並み〇〇年ぶりの良い数字が続いていました。先月発表されたISM製造業景況指数の方は14年ぶりの高い数値、3日のISM非製造業景況指数は約26年ぶりの高い数値となっていました。5日の雇用統計では失業率が46年ぶりの低い数値で、それに先立つ9月21日の週次失業保険申請件数発表値は、1969年11月以来ほぼ49年ぶりの低水準でした。
こうした指標結果も受けて、先々週2日に行われたFRB議長講演では「中立金利を超えて利上げすることもあり得る」との発言があり、米金利は7年ぶりに3.2%を一時上回りました。議長は「米経済が際立って良好」との認識も示し「低い失業率に伴う物価上昇に備えた段階的な利上げ継続が適切」と発言しました。
そして5日雇用統計後、米10年債金利は10年ぶりに3.2%に達し、株価は大きく下げ、高金利+株安のリスクオフの動きに転じました。世界同時株安へと続く始まりです。
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別に、金利が高くなれば株安に直結する訳ではありません。2015年末以降、金利は上昇していたのに、株価は下がっていません。今回は、長期金利の3.1%付近から3.2%への急騰と、逆イールド化が意識されたことが一因かもしれません。
長期金利(10年債)が短期金利(2年債)に追い抜かれることを逆イールド化と言います。逆イールド化すると、それから1〜1.5年後に米景気が大きく後退したという過去実績はよく知られています。昨年来、短期金利は長期金利よりも上昇速度が早く、もうすぐ追いつかれそうでした。今回の長期金利急騰は、その逆イールドが生じることを逃れるるように起きました。それが却って不安視されたようです。
株価は景気を先取りしたがります。だから現在の米経済が強いことは、この不安解消に繋がらなかった訳です。
ともあれ前週最終日、米ダウは400ドル戻し、次週もリスクオフが継続されるかにそわそわする週末になりました。
最終日12日の通貨強弱は、JPY>USD>EUR>GBP、です。こういう状況ではやはりJPYは強いですね。
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12日、ロイターは「今回の株価暴落は自動取引が発端ではない」という 市場関係者証言 を解説報道していました。記事内容を読まないと、タイトルは誤解しかねい気がします。
以前から急騰/暴落が起きると、自動取引犯人説はよく挙げられます。がしかし、今回は最近のリスクパリティ戦略投資(債券・株価のリスクが均等化するように分散投資)の観点から言えば、株価急落が起きた10日時点でリスクパリティにおかしな動きがなかった旨、証言が紹介されています。だから今回の株価急落は、自動取引が初期の段階での急落原因ではない、という結論です。
なお、 リスクパリティ戦略で運用しているファンド 勢は、今回の騒ぎで年初来のマイナスを大きくしたそうです。
プロのプログラムさえその程度のものなのに、アマチュア向けプログラムを使って取引する気にはなれません。真偽はわかりませんが、どうもアマチュア向け自動売買は、プロのそれより平均的にローリスク・ミドルリターンを狙った取引が多くなりがち、という話があるからです。大負けをさせないために、少しバランスが悪いアルゴリズムが多い、という話です。
かと言って、裁量部分が大きな自動取引を選択すると、自分の相場観がしっかりしていないと、自動取引は取引回数が多い分だけ(取引時間が長い分だけ)却って危ない気がします。ただ、必要な相場観の敷居を下げてくれる点は自動取引のメリットですね。
いずれにせよ、経済指標発表前後はまだ自動取引がうまく対応できていないようですが。
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その他、前週の動きは次の通りです。
- 7日、米最高裁判事に共和党が推す候補が議会承認されました。同判事の承認を巡る騒ぎで、民主党は支持率を下げたことが報道されていました。
共和党支持は、米大統領が「それはないだろう」と思われていた選挙公約さえ、守ろうという姿勢を堅持してブレない点にあります。民主党支持は「あいつが嫌いだ」だし「それはないだろう」という点です。
但し、支持率とは別に、米選挙では寄付金額というバロメータがあります。こちらは民主党が昨年・一昨年の寄付金額を既に上回っており、共和党は苦戦が伝えられています(USD材料)。 - 7・8日、米国務長官は北朝鮮を訪問し、2度目の米朝首脳会談が近い旨、報道されました。続く北京訪問では、中国外相に「通商問題」「台湾問題」等で批難され、一連の米中対立で中国が一歩も引かない姿勢が続いています(USD材料・AUD材料)。
この問題は、日本が米国寄りなことに少し居心地の悪さがあります。発端が言いがかりみたいだったからです。米国は「知的財産問題」「中国進出外資企業への中国資本必須規制の不公平さ」の序盤アピールに失敗したのだと思います。 - 8日、IMFは世界経済見通しを発表しました。貿易摩擦による2018年・2019年の世界GDPは0.2%下方修正されました(USD高・JPY高材料)。貿易摩擦と新興国通貨安を原因に挙げています。
- 9日、米国連大使が辞任し、今後2〜3週以内に後任が指名されるそうです。同大使は現政権発足時からの数少ない外交幹部です。選挙前に辞めることに意味づけないように、半年前から辞意を示していた旨、伝えられています。
- 10日、フロリダに上陸したハリケーンによって、米メキシコ湾岸の油田で採掘が休止していました。被害額も大きいようですが、今回は強風による被害が中心で、水害の報道は見かけません。
- 11日、英首相はTPP参加について発言しました。
- 12日、トルコが対米問題悪化の主因だった米牧師の開放が近い旨、報道がありました。詳細はまだ不明です。
- 12日、中国貿易収支は対米黒字が過去最大となりました。関税発動前の駆け込み輸出増が原因で、次回からはその駆け込み反動が現れるでしょう。その後は、今の元安が関税分をどれだけ相殺する側に働くかを注視しましょう。
【前週成績】
成績を気にするのは、各経済指標の詳細分析記事の結論である事前取引方針の妥当性を検証し続けるためです。
前週の事前分析成績は3勝3敗、前提を満たさなかったことが1回、判定不可が1回でした。オカルトは含めていません。判定は、リンク先の詳細分析記事の結論が、今回の発表でも通用したかを判定しています。
指標発表直後の反応が小さな週が続きます。それはそれで小さな上下動が多くなって、実際の取引で安心できるので構いません。
前週の取引成績は6勝2敗、それとは別に事前方針にない取引で5勝1敗、取引中止が1回でした。取引時間は38分57秒で、損益は+20.21pipsでした。
以上
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