11月5日〜12月7日に発表された経済指標のうち、前日乃至は当日に事前分析記事を参考に取引方針を事前に示していた指標が対象です。
成績を気にするのは、各経済指標の詳細分析記事の結論である事前取引方針の妥当性を検証し続けるためです。
【過去傾向に基づく取引方針の妥当性】
詳細分析記事に挙げている過去の傾向を踏まえた取引方針の成績は次の通りです。
- 事前分析成績は43勝23敗(分析採用回数66回、的中率65%)
- 事前分析の取引方針を採用できなかったことは、前提を満たさずに取引できなかったことが22回、判定不可及び取引不可だったことが9回で、計31回です(97回の取引を事前準備し、うち66回で取引可能=方針採用率68%)。
- 換言すれば、この1か月の経済指標発表前後の取引では、現在の経済状況に関係なく、取引の前提を満たした68%の期間・タイミングで66%が過去の傾向通りだった、ということになります。
注目指標の事前分析の成績を、1か月に亘って連続して記録し続けたのは、これで3か月目です。
【事前取引方針中心の実取引成績】
次に実際の取引成績です。
事前取引方針は、細かく決めすぎると裁量の余地がなくなって、自動取引と同じになってしまいます。がしかし、少なくとも現時点では、まだ自動取引のプログラムは経済指標発表前後の取引が苦手なことがわかっています(指標発表直後の一瞬を除く)。自動取引プログラムとの違いは、事前取引方針でどこを事前に決めずに自分の裁量でやるかがポイントとも言えます。
また、事前取引方針を決めていても、ポジションをオーダーするタイミングを逸したら取引を止めることができます。そしてもし、たった数秒間だけチャートの動きの先読みが50%以上当てられるようになれば、特に追撃方針の取引で利幅を稼げるようになります。だから、こうしたやり方だと、実際の取引の勝率が期待的中率よりもやや高くなるのは当然です。
結果は次の通りでした。
- 過去分析に基づく事前方針に沿った取引は、37回行って28勝9敗でした(勝率76%、事前準備した取引方針97回に対する方針実施率38%)。
- それとは別に、過去分析に基づかない、もしくはポジション保有時間延長による取引は8勝1敗でした(全取引に対する方針順守率80%)。この9回の多くは、事前方針にない指標発表後の追撃や逆張りに依るものです。
- この月次期間での取引時間は4時間01分24秒、損益は+242.10pipsでした。1分足1本当たりの損益は+1.0pipsということになります。
【過去傾向踏襲状況】
指標結果が良ければその国の通貨が買われ、悪ければ売られることを素直な反応と呼んでいます。
素直な反応さえ一定時間・一定確率以上の再現性で生じれば、金融や経済の専門家でもない我々アマチュアの分析でも、専門家と同等レベルに近づけます。例え指標発表前後10分ぐらいしか専門家と同じような分析ができなくても、その10分は我々アマチュアがFXのプロフェッショナルに近い取引ができます。プロやセミプロになりたい訳じゃなくても、分析に基づく取引をしない限り、上達(安定して収益を上げ続けること)に繋がりません。
経済指標発表前後の反応方向は、発表結果が市場予想を上回れば指標発表から1分間陽線側に振れ、下回れば陰線側に振れることが、60〜80%ぐらい起きることがわかっています。この経験則から外れることが続く期間は、過去の経験則が活かせない、とも言えます。
そんな異常が起きていないことを確認するため、下表で確認します。
下表は、当該期間に発表された主要経済指標が素直に反応したかを検証するものです。
XXXJPY・XXXUSDは、米国指標の場合、USDJPY・EURUSDです。米国以外の指標では、その国の通貨と円やドルとのクロスになります。例えば欧州指標なら、EURJPY・EURUSDです。
各指標の事後差異と直後1分足の方向が一致していれば青、不一致なら赤で示しています。方向の一致とは、事後差異がプラスのときその国の通貨が買われたか、マイナスのとき売られたか、です。
円クロスでは13青9赤(青率59%)、ドルストレートでは15青7赤(青率68%)です。
経済指標発表前後は、円クロスで取引する方がドルストレートで取引するより素直に反応しがちです。がしかし、11月に関する限り、ドルストレートで取引する方が円クロスで取引するより素直な反応が起きていたようです。
何かおかしなことが起きていないか、来月(12月)も注意しておきましょう。
以上
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