2020年10月22日

失業率の背後に見えるもの

新聞なんかでよく目にするのですが、「失業率」という

経済指標について、つい先日も報道されていました。

3年3ヶ月ぶりに3%台に失業率が上がったという記事でした。

この記事によると、総務省の発表として8月の完全失業率が

7月に比べ0.1ポイント上がり3.0%になり、完全失業者も

同じく3年3か月ぶりに200万人を突破したとのことでした。

その背景として、やはり新型コロナの影響により経済が打撃を

受け雇用情勢が悪化していることを取り上げていました。

本来、失業率は労働力人口の内で完全失業者がどのくらい

いるのかを表してしる指標であって派遣労働やパート

などで週に2~3日でも働けば、完全失業者とみなされず、

失業率には反映されないのです。

そう考えると、コロナ禍で経済が大きな痛手を受けて

雇用環境が厳しい状況に陥っていると言われていますが、

その内実は3%台以上に深刻な状況に置かれているという

ことを確認しておくことが必要だと思われます。

日本の失業率の推移を遡ってみると、最近では

リーマン・ショック後の2009年7月に5.5%まで上昇し、

完全失業者は400万人近い水準まで悪化しました。

それが、いわゆる「アベノミクス」の経済政策によって

失業率は2%台にまで下がり、雇用環境が改善したのです。

しかし、実は完全失業者が減り失業率が下がったのは、

非正規労働が増えたからにほかならないのです。

先日のブログでも言及しましたが、非正規労働者は全体の

約4割まで増えたのです。

この事を踏まえて考えると、コロナ禍でまず非正規労働者、

つまり、非正社員がなにより大きな被害を受けていることが

考えられます。

そういう意味では、数字以上に雇用環境は悪化していることが

うかがえます。

「3年3ヶ月ぶりの3%台」としていますが、内実は確実に

それ以上の厳しい状況にあると言っても過言ではないでしょう。

経済の復興に向けて雇用問題の解決に向けた国の強力な施策が

なにより要求されるところだと思いますね。






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