今日は、シニア女子におススメの
アートなお出かけスポットをご紹介します。
先日、 世界の巨匠建築家、 フランク・ロイド・ライトが設計 した
自由学園 明日館 (じゆうがくえんみょうにちかん)に行ってきました。
JR 池袋 駅のメトロポリタン口から、
目白方面に少し歩くと
池袋駅近くとは思えない閑静な住宅街が広がります。
そこに静かに佇むのが、
自由学園 明日館(じゆうがくえんみょうにちかん)です。
SixTONES の MV ロケで使われて、
話題になっているようですね!
SixTONES –「Everlasting ~ Good Times -Live with Choir ver.-」
(2ndアルバム「CITY」初回盤A限定特典映像) YouTube限定メイキング
https://youtu.be/xTobZJGteuY
自由学園は、羽仁(はに)もと子・吉一(よしかず)夫妻により、
大正10(1921)年に女学校として創立されました。
2021年には創立100周年を迎えました。
自ら学び、自分で考え、生きる力をつくる
「自主独創」のモットーで有名です。
自由学園 明日館(公式ウェブサイト)
https://jiyu.jp/
昭和9(1934)年に東京都東久留米市に移転し、
現在は、幼稚園、初等部、女子部・男子部(中学・高校)、大学があります。
2024年には、女子部、男子部の共学化を予定しているそうです。
自由学園 明日館が建築されたのは、
今から100年も前の1921年 だそうです。
太平洋戦争の末期、
池袋周辺も空襲で壊滅的被害を受けたそうですが、
明日館は被災を免れたそうです。
平成9(1997)年には国の 重要文化財 に指定され、
保存修理事業がおこなわれました。
そのおかげで現在、
貴重なヴィンテージ建築を体験することができるのですね。
それでは早速、見学していきましょう。
まずは、受付を通り館内に入ります。
受付すぐ近くにある部屋には、
羽仁もと子先生の著作、婦人之友社の本などが展示されています。
日本で女性初の新聞記者である羽仁もと子先生は、
家庭生活の合理化を唱え、
吉一さんとともに婦人の友社を設立しました。
羽仁もと子先生には多数の著書があります。
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全21巻から成る『羽仁もと子著作集』をはじめ、
テーマごとの新書版なども本棚に陳列してあり、
見学者は自由に手に取って見ることができます。
この部屋で羽仁先生と婦人之友社の活動を見学したら、
メインの棟に入ります。
メインの棟とほかの棟は、
屋根のある通路でゆるやかにつながっています。
ファンタジーの世界の入口のような扉をあけます。
すると、 大教室 です。
この部屋のみに「オリジナルの床材」が残っているそうです。
「ライト建築の特徴でもありますが、地面と床が同じ高さです」
という説明書きがありました。
次に、部屋と部屋をつなぐ廊下を通って、
ホールへと向かいます。
意匠を凝らした窓枠のある大きな窓からは
緑の木々が見えて自然光が入ります。
自然が感じられて温かみのある、気持ちのいい通路です。
「廊下の床は本物の大理石で、
旧帝国ホテルと同じような感じですよ」と
女性のスタッフさんが教えてくれました。
扉を開けると ホール です。
ここは、女学校当時、毎朝の礼拝をしていた部屋だそうです。
前庭に臨む幾何学模様の意匠を凝らした大きな窓が印象的です。
ホールに置かれた 椅子は
子ども用の背の低いものですが、
工夫を凝らした特徴的なデザインが施されています。
座り心地もよく機能的でもあります。
部屋の後方には 暖炉 が設えられています。
この暖炉の前にフランク・ロイド・ライトとその弟子たちが集い、
楽器演奏に耳を傾けながらくつろいでいる写真が飾られていました。
ライトは「火のあるところには人は集まり、団欒の場を共有するのだ」と考え、手掛けた住宅の多くに暖炉を設けています。明日館が学校建築でありながら、5カ所に暖炉があります。
このような説明書きが添えられています。
憧れのライフスタイルです。
ホールの隣の 大教室タリアセン は、
大正10(1921)年に、
開校の入学式をおこなった教室だそうです。
建物には 食堂 もあります。
私が伺った日は、催しものがおこなわれていたので、
見学することができませんでした。
「食の学び」を教育の柱にしている自由学園では
非常に重要な場所だと思います。
見学可能日に、再度、行ってみたいと思っています。
設計したフランク・ロイド・ライトは、竣工に際して
「その名の自由学園にふさわしく自由なる心こそ、この小さき校舎の意匠の基調であります」
と書き寄せているそうです。
100年前に建築された自由学園 明日館は、
手入れがよく行き届き、
チリひとつない清潔さでした。
大切にされていることがよくわかります。
敷地の南側には 講堂 があります。
講堂はライトの弟子である
遠藤新(えんどう あらた)による設計だそうです。
本館同様、幾何学模様の枠のはまった大きな窓から
外光が射し込む落ち着く空間です。
羽仁もと子先生は多くの随筆を残され、
書籍化されています。
そのなかで、おススメさせていただきたい一冊があります。
『 おさなごを発見せよ 』 羽仁もと子・著(新書版)
この本は、「子どもの人格を育てる教育書」という紹介がありますが、
すべての人にあてはまる「人育ての教育書」だと思います。
特に、 組織リーダーの方には
おススメさせていただきたい です。
本書に紹介されている随筆のひとつに、
「電車のなかで見た母と子」という印象的なエピソードがあります。
男の子が電車のなかで、「バナナおくれよおくれよ」と
母親にねだるお話です。
母親はうるさそうに「ないよないよ」と言うのですが、
繰り返し男の子がねだると、
それまで「ないよ」と言っていたのに、
何の説明もしないで手提げ袋の中からバナナを出して、
男の子にポンと渡したそうなのです。
それで、男の子は理由もたずねず、
そのバナナを食べたそうなんです。
相手が何歳の子どもであろうと、
事実を誠意をもって話すことを習慣にすべき 理由を、
羽仁先生はこのエピソードを使って教えてくれます。
悪気はなくてもこの母親は決してまともに子供に接していないのです。袋のなかに持っていながら、のんきに雑作もなく、ないよないよというような日ごろの母の応対に、子供のほうも真面目にはっきりと母の言葉を、その心のなかにうけとめる気になれないのは当然です。
<中略>
言い流し聞き流しのなかで育った子供は、はじめて小学校に上がったときから、すでに必ず劣等生の仲間に入ります。気をつけて見たり聞いたりすることがないのですから、人なみにはゆかないはずです。
<中略>
このようにして母の子供に対する日々の取り扱いの調子は、じつに多くの子供たちの力強い家庭教育になっていることをご存知でしょうか。
『おさなごを発見せよ』羽仁もとこ著(婦人之友社)
それでは、どうすればよいのか?
その答えを「事実に即して取り扱う」と、羽仁先生は教えてくれています。
それでは子供をどう取り扱えばよいのか、という問に私はこう答えたいと思います。
のんき無責任な言い渡しとは反対に、子供にくどいう細かな説明や説法をする母もまた同じように、相手に聞き流しの習性をつくらせてしまいます。子供は事実と決心をもって真実に簡明に取り扱うべきだと思います。
バナナは今食べないでお家に帰って弟たちと一緒におやつに食べましょう。というように、正当な事実を母親がまずその心のなかにしっかりと決心して、簡単に子供に言ってやることです。
『おさなごを発見せよ』羽仁もとこ著(婦人之友社)
相手が大人でも、同じだと思います。
相手が自分でも、同じだと思うのです。
●一人ひとりが、この世界にたった一人しかいないかけがえのない存在
●ふたつとない「いのち」を使って自分らしく生きることの大切さ
羽仁もと子先生の言葉は、
一人ひとりの違いをていねいに見つめて、
価値を認める大切さを思い起こさせてくれます。
自由学園 明日館 は、平成9(1997)年に国の重要文化財に指定され、
国、東京都、豊島区の補助による保存修理事業がおこなわれたそうです。
使いながら文化財価値を保存する「動態保存」のモデルとして
運営されているそうです。
挙式・披露宴や各部屋の貸し出しもおこなれているということで、
施設の利用状況によっては
部分的あるいは全面的に見学できない日があるそうです。
自由学園明日館公式サイトの見学カレンダー で確認のうえ、
お出かけくださいませ。
★ 自由学園明日館公式サイト・見学
https://jiyu.jp/tour/
通常見学 :10:00 ─ 16:00(15:30までの入館)
夜間見学日:毎月第3金曜日 18:00 ─ 21:00(20:30までの入館)
休日見学日:10:00 ─ 17:00(16:30までの入館)
*月1日程度 指定日のみ。週末は結婚式が多く、館内を見学できる日が限られてしまうので月に一度は全館を見学できる「休日見学日」を設けているそうです。
詳細は公式ウェブサイトをご参照ください。
休館日 :毎週月曜(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌日)
年末年始 不定休あり( 公式ウェブサイト でご確認ください)
見学料
・見学のみ ¥500
・喫茶付見学 ¥800
・夜間見学・お酒付 ¥1200
*全て税込み
*中学生以下無料
・見学料は重要文化財建造物の維持・管理・保存のために活用されるそうです。
電 話:03-3971-7535
ファックス:03-3971-2570
住 所 :〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-31-3
<アクセス>
JR池袋駅メトロポリタン口より徒歩5分
駐車場:なし
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