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2023年2月刊ハニー文庫著者:こいなだ陽日さん夫の浮気が原因で離婚し文官になったネーヴァ。ある日、上司で大臣を務めるシモンと遠方の監査に向かうことに。気遣いもでき指示は的確、何より美形だが、仕事の鬼と恐れられる彼は齢四十にしていまだ独身。そのシモンが、監査の一環で催淫作用が疑われる香を検証し発情してしまったネーヴァに「私は性交渉の経験がないが、閨教育は受けている」と、己の見事な逸物で対処するべく全裸待機していて!? ↑公式サイトより、あらすじ引用登場人物 ネーヴァ=精霊省で働く文官。バツイチ。 シモン=ネーヴァの上司でカタブツ。数年前、夫の浮気が原因で離婚したネーヴァは爵位を継いだ弟夫婦の厄介になりたくなくて、そのまま王都で役所勤めをしている。土着信仰が根強いこの国では、百柱を越える精霊を信仰し崇めているのだが、皆それぞれ戒律が違う為、どの精霊を崇めるかは個人の自由とされている。だが、結婚相手の信仰によっては相性が最悪でもめ事の原因になることも多い。なのに、戒律で離婚厳禁ともなると不幸まっしぐら。その手のトラブル回避のための宗旨変えの案内や、それぞれの神殿の観察など、信仰関連諸々を統括するのが精霊省であった。万年人手不足のここは女性も多く働いており、給料も良い。実家に帰り難いバツイチのネーヴァにとっては打って付けの職場なのだが、煩型の上司と言うのは何処にでもいるもので。今日も、何度もミスを繰り返す新人を叱責する精霊省の大臣・シモンの声が部屋に響いており、ネーヴァは盛大にため息をついていた。似たようなミスを繰り返す方も悪いが、あのような叱り方では萎縮するだけ。もう少し優しく言えないものか。他人への叱責を聞いているのも良い気分ではない。ネーヴァはいつものように、シモンをやんわり諫めると、漸く新人は解放された。精霊省に入りたての頃、ネーヴァもシモンの叱責と言う洗礼を受けたのだが、持ち前の気の強さでつい「私に気があるからそんなこと言うんですか?(意訳)」と返答したら、ピタっと収まったという経緯から、以降は似たようなセリフをアレンジして、止めに入っている。仕事に対して妥協が無いシモンは、精霊省の嫌われ者だ。でも、決して性格が悪いとかではなく単に人心の機微に疎く気が利かないだけ。けれど、とっつきにくいのは確かなので、ネーヴァも個人的な付き合いをしようとは思っていない。そんなある日、産休に入る先輩文官の代わりに神殿の観察任務に就くことになったネーヴァは、漸く一人前と認められたと喜んでいた。だが、それなりの規模の神殿のため監査するべきことが多い。そこで、一人では大変だろうとシモンが付き添うと言い出し・・・。この出張にて案の定トラブル(あらすじにある通りの)が起こり、二人は急接近。女に目もくれなかったシモンはネーヴァに惚れており、グイグイ迫って来て、なし崩しに二人は一線を越えます。シモンは当然、ネーヴァとの結婚も考えていましたが、出張が終り、精霊省に戻ると彼女の前夫が現れ、縒りを戻したいとネーヴァに迫ります。どの面下げて復縁を迫るんだとネーヴァは激おこ。でも、何かと良くしてくれた舅が亡くなったと聞いて墓参り位は行くべきかと迷うも、シモンが阻止。前夫を牽制して追い返し、自分はちゃっかりプロポーズしたり。二人の関係が変化する神殿の観察エピソードが結構長めなので、そこでページ数を食ってた感じです。偏見かもしれないけど、ああいう所はドロドロしてる印象。ヒーローのシモンが変人に近いので、若干コメディー寄りのお話でした。巻末のおまけ短編小説は、そのシモン目線のエピソードになってます。評価:★★★★★
2023.03.23
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2022年10月刊ハニー文庫著者:白ヶ音雪さんキスから始まってしまった呪われた王と魔女の王宮恋愛記? 登場人物 ルーナ=薬学を得意とする「水晶の魔女」アクセル=アールベリー国国王。シトロン=内務長官でアクセルの従兄弟ペッシェ=先代「水晶の魔女」でルーナの親代わりだった人物。 ソジャ=男爵。あらすじがブログの規約に引っかかってしまって引用できませんでした。一応、画像のリンクから商品詳細が見れますので、そちらをご覧ください。多分、ネタバレの方も規制食らいそうな感じなので、今作に関してはかなりざっくり目に行きます。ルーナは薬学に精通する「水晶の魔女」の三代目。捨て子だった彼女を育ててくれてのが先代の「水晶の魔女」であったからなのだが、他の魔女に比べるとかなり地味な存在だ。普段は病や傷の薬を庵で作成し、雑貨屋などで販売してもらっているのだけれど、正直実入りは少ない。そこで、その手の商売をする場所に媚薬や避妊薬等を売って何とか生計を立てている状況だった。そんなある日、ソジャ男爵なる人物が庵を来訪。調剤を頼みたいので王城に来てもらいたいと言う。だが、とある事情で男性と関わり合いになりたくないルーナは拒否。しかし、男爵は庵の扉と壁を破壊した挙句、無理矢理城へ連行します。当然、この扱いにルーナは激怒。後に騒ぎを聞きつけてやって来た内務長官のシトロンにより、この一件が功を焦った男爵の独断だと判り謝罪されたのでした。でも、ルーナに用があるのは本当の様で、シトロンは改めて正式に彼女に媚薬づくりを依頼。どうやら、まだ23歳の国王が不能らしく、あの手この手を使って試したものの不発に終わった。藁にも縋る気持ちで「水晶の魔女」謹製の薬に頼ろうということのようだが、当の国王・アクセルとルーナは初対面時に大喧嘩。そもそも、ルーナは幼少時の失敗である呪いにかかっており、男性との関りを避けて引き籠っていた女だ。媚薬を作る程度なら商売なのだし吝かでもないが、庵を修理してくれる間城に滞在するのは拙い。うっかり事故でも起きて、男性とキスしてしまったらその人と深い関係にならなければ自分は死んでしまう。そう、亡き師匠も天を仰ぐ程、厄介な呪いを幼い彼女は自分に掛けてしまったのだった。幸いにも、キスをした相手と6回満月の夜に致せば呪いは解ける。魔女は奔放な者が多く、師匠も年頃になれば相性よさげな男を捕まえればいいと、ある程度の年齢になった頃、ルーナにそう言っていたのだが、彼女は男慣れしていないのでそう簡単には割り切れない。ならば一生男とは関わらないで生きていくと引きこもりを選んだほどだ。なのに、無理矢理男性が大勢いる王城に連れて来られてしまい、パニックだ。普段から、人避けに被っている兎の仮面で顔を隠しているせいで、アクセルは不信感を隠そうともしないのも気分が悪い。庵に逃げ帰ってもみたけれど連れ戻され、一応、媚薬自体は作ったのでアクセルに渡し飲ませてみると、その効果は絶大。とんでもない効き目を見せて、我を失くしたかのような彼にルーナは押し倒された挙句キスされてしまい・・・。これで二人は一線を越えてしまうんですが、アクセルはこの妙な薬のせいとルーナを突き放します。褒美目当ての所業だろうとそしりを受け、完全に関係が経ち切れそうになるも、思いの外あっさりと誤解が解け、アクセルの態度も180度変わって、手厚くもてなされることになるルーナ。でも、呪いの解呪をせねばならない為、彼女はアクセルに月イチで自分を抱いて欲しいと頼むのでした。6回ほど付き合ってくれれば良いからと。誤解も解け、すっかりルーナにハマったアクセルはその願いを受け入れたものの、勿論半年で別れるなんて以ての外。ルーナを王妃に迎えることを決意。終盤、逆恨みした男爵に思いもよらない仕返しを受けたりもするんですが、ルーナもアクセルに絆されており、最終的にはアクセルの求婚を受け入れ、結婚。無事、呪いも解呪され、ルーナの妊娠が発覚してお終い。全体的にラブコメ寄りのお話ですが、テーマがテーマなので、まさかのあらすじで規約に引っかかるとは思いもよらず(苦笑)でも、じれじれ度合いもほぼ無いし、最後まで安心して読める内容でした。実はこの主役カップルは幼いころに会っていてお互い初恋の人同士だったり、事情を知ってる読者としてはニヤニヤできます。評価:★★★★★
2022.12.03
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