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2023年9月刊ミーティアノベルス著者:岬えいみさん銀色の髪とすみれ色の瞳を持つ少女クレアは、北欧にある炭鉱町の総督令嬢として幸せに暮らしていた。だが突如、公爵家への謀反の疑いをかけられ、父の命は断たれてしまう。父の部下であった男爵の家に引き取られたクレアは、使用人として虐げられる日々を送っていた。そんな中、代替わりしたという新公爵から都での労働を命じる通達が炭鉱町の各家に届いた。男爵夫人は実の娘を差し出すことを嫌がり、代わりにクレアを派遣することにしたのだった。都で毎日真摯に勤めていたクレアは、ある日、川で溺れている子犬を助けたのをきっかけに見目麗しい男性と出会う。「ーーおまえ、外地から来た者か? 名はなんという?」高貴な雰囲気を漂わせる金髪碧眼の彼は、それからもなぜかクレアのことを気にかけてくれてーー。北欧を舞台にした純白のシンデレラ・ストーリー。 ↑楽天ブックスより、あらすじ引用登場人物 クレア=元鉱山総督の一人娘。父が謀反の罪で殺されて以来、父の部下・ブル ーノの家で使用人以下の扱いを受けていた。 ジーク=ノースグリフの新領主・ウルベルク公爵。クレアを妻に望む。 ブルーノ=クレアの父に代わり総督を務める。ロヴィータ=エルデ公爵令嬢。ジークの婚約者。 リズ=クレアの友人で労働者監督官。北欧にある炭鉱の町・ノースグリフで炭鉱の管理運営を預かる総督・トマスの一人娘であるクレアは両親と共に幸せに暮らしていた。しかし、6年前のある日、謀反の嫌疑がかかりトマスは屋敷に乗り込んで来た領主のウルベルク公爵によって殺害された。母は目の前で起こった悲劇に精神を病み、回復の見込みがないまま入院している。残されたクレアは父の部下だったブルーノに引き取られその屋敷で暮らすことになったのだが、客人扱いではなく使用人としてこき使われる日々。特に夫人とその娘・メアリからの当たりがキツく、散々嫌な思いもした。ブルーノに至っては成長するにつれクレアに厭らしい視線を向け、隙あらば体に触れて来るので躱すのが一苦労。まだ夫人の目があるので何とかなっているけれど、ここ最近は本当に身の危険を感じている。それでも、母の入院費を出してくれている手前、彼女は逆らうことも出て行くこともできないでいた。そんなある日、首都から人員の募集がかかり、本来メアリが出向くはずが、夫人がごねてクレアが行かされることになった。夫人とメアリはいい気味だと嘲笑っていたけれど、当の本人にしてみればあの家から解放されただけでありがたい気分だ。てきぱき仕事をこなすクレアは新しい職場で重宝がられ監督官のリズからの覚えも良い。労働者用の宿泊施設に部屋も与えられ、食事もきちんと出るためブルーノの家にいた頃より体重も増えて健康的な顔色にもなって来た。それから暫く経ち、リズから領主が代替わりすると聞いた。正直、父の一件以来ウルベルク公爵家に恨みもあったけれど、今度のジークフェルトなる人物はかなりの人格者らしい。クレアの父を殺した前の領主・ザイードは優秀な弟のジークフェルトを追い出し不正を繰り返していたそうだ。そして帰って来た弟に討たれてしまったという。これで少しはましな統治になればいい、クレアはそう思っていた。その数日後、仕事中に水路で溺れている子犬を助けたクレアは自らも溺れかけ、一人の青年に救われた。騎士風の装いをした彼はジークと名乗り、子犬は彼の飼い犬だといい礼を言われた。以降、ジークは日を空けずに彼女の仕事先を訪れ世話話をしに来る。余りにも頻繁なので、随分お暇なんですねと思わず嫌味を言ってしまったが、迷惑か?としょんぼりされては否定するしかない。だが、それからまた数日経ち、新領主の歓迎パレードが開催され、屋根の無い馬車に乗り手を振る人物がジークでクレアはビックリ。きっと騙していたとかではなく言う機会を逃していたのかもしれないが彼に惹かれていただけにショックだった。だが、パレードを観覧中の貴族に目を付けられ、建物に引き摺り込まれそうになった彼女を、わざわざ馬車から降りてジークが助けに来てくれた。そしてクレアのことを自分の大切な女性だと宣言。無体を働いた貴族にかなりの重い罰を下す彼に苦い記憶が蘇ったが、一連の騒動を見て、馬車に同乗していた公爵令嬢・ロヴィータからクレアは恨みを買ってしまい・・・。没落令嬢のシンデレラストーリーです。謀反の罪で父が殺されて以来、その部下の家でこき使われていたヒロインが、無理矢理に奉公に行かされた先でヒーローと出会い恋に落ちます。でも、ヒーロー・ジークは父を殺した男の弟。多少の蟠りもありましたが、彼は暴君の兄を成敗し当主の座に就いた人でした。ジークからの告白で公爵邸で厚遇されるクレア。でも自称ジークの婚約者ロヴィータは面白くない。この令嬢、実は成敗されたジークの兄・ザイードの婚約者で、本人は承諾していないのにウルベルク公爵家の当主の妻になるのは私、とばかりに居座っていました。そしてクレアを秘密裏に処理しようと行動しますが、ジークに見つかりロヴィータは追い出されます。一方、クレアのこれまでの生活を調べていたジークによってブルーノ一家は爵位を取り上げられ財産も没収の憂き目に。それを恨みに思った夫人とメアリからクレアの父は謀反人で処罰されたと喧伝。クレアの立場は一気に悪くなり二人の結婚は難しくなってしまいます。ジークが彼女の後見人を頼もうとしていた大公がクレアを地方に匿い、その間ジークは彼女の父の無実を証明するべく動き、という展開です。もうとにかく波乱万丈な内容でした。セオリー通りに行かないのも仕方ないとしてクレアちゃんへの試練多すぎじゃない?でも、ジークの尽力もあって父が冤罪だったことが判明。罪を着せたのは当然あの家族ってことで、まぁこいつらしかいないよね。脱税やらクレアの財産の横領とか、積もり積もって相当な罰を受けることに。ジークがクレアを妻に望んだのも昔二人は出会っていたという過去バナもあったり。あと、助けた犬が大活躍しています。わんこは恩を忘れない。評価:★★★★☆後半に起こる出来事がページ数の割に少々詰め込み過ぎな気が。お話自体は王道で面白いと思います。
2024.03.22
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2022年9月刊ミーティアノベルス著者:香月しをさん「馬鹿野郎!あんな子供に手を出せるか!婚約者と言っても、まだ子守りをしているようなものだ!」小さな頃から大好きだった婚約者が友人と話しているのを聞いてしまった伯爵令嬢のシェイラ。ショックを受けて、家まで追いかけてきた婚約者である侯爵令息のクリフトンに素直じゃない態度を取ってしまう。思春期で拗らせている不器用すぎるクリフトンはシェイラの気持ちを取り戻すためにポンコツ恋愛指南書を使って不器用に口説いているが、それが全て裏目に出てしまい……。「気持ち悪いんですけど」「なんで一人称がコロコロ変わるの?」淑女教育は進んでいるが、どうしても素の部分が出てしまうお転婆シェイラ。果たして二人の恋の行く末は? ↑楽天ブックスより、あらすじ引用登場人物 シェイラ=とある出来事から婚約者に不信感を抱く伯爵令嬢。クリフトン=侯爵家の三男でシェイラの婚約者。 ジャミラ=男爵家の養女。女系一族のデイビス伯爵家に産まれたシェイラに婚約者が決まったのは10歳の時。母同士が友人だというマッケンジー侯爵家の三男クリフトンは2歳年上の美少年だった。出会ってすぐに仲良くなった二人は、毎日のように近所の森に出掛けては汚れるのも気にせず遊び回り、お互いの両親にお小言を食らっていたものだ。だが、そんな生活も2年ほどで終わりを告げた。元々貴族の令嬢と令息、クリフトンは騎士として稽古に励むようになり、シェイラは礼儀作法や将来母の後を継いで領主となるため、その勉強が本格化。以前ほど遊びに行く時間は取れなくはなったが、その代わりに毎月必ずディビス邸でのお茶会にクリフトンを招いて近況報告し合っていた。シェイラはクリフトンが大好きだったし、政略結婚とは言えどきっと上手くやっていける。そう思っていたのに、偶然クリフトンとその親友との会話を聞いてしまいシェイラはショックを受けた。クリフトンにとってシェイラとの関係は色っぽいものではなく子守みたいなものだったらしい。彼もきっと自分と同じ想いだと思っていただけにシェイラは打ちのめされ、代わりに沸いてきたのはクリフトンへの不信感。とはいえ、婚約破棄する気は無い。相手がどう思っていようとこの結婚は家同士のつながりの為。そもそも政略結婚とはそういうものではないか。裏切られた気持ちで頭が一杯になってしまったシェイラは、以降クリフトンを信じることを止め距離をおくことにした。一方、クリフトンは彼女に親友との会話を聞かれてしまった事に気付き青くなっていた。あの言葉自体を切り取って聞いたなら非常に拙い。彼にとってシェイラは初恋の人で何よりも大事な子なのだが、思春期故の事情でまだ12歳の彼女に不埒な真似をしそうで焦っていたからだった。それを親友にからかわれ、ついムキになって言い返した所を聞かれてたなんて最悪だ。何とか、彼女の誤解を解かねばと足繁く邸に通ったが聞く耳持たずで聞き入れられそうにない。途方に暮れていた頃、見かねた親友のアドバイスで恋愛小説のヒーローの様に振舞ってはみたが、気味悪がられるばかりで効果はイマイチだった。関係は拗れたまま、それから3年が経ち、シェイラがアカデミーに入学する頃、すっかり男前に育ったクリフトンは学園の女生徒憧れの人物となっていた。中でも、ジャミラと言う男爵家の養女がクリフトンに付き纏い、シェイラを敵視して・・・。このジャミラ、相当な悪女で後半かなりの騒動を起こして学園を追い出されるんですけど、とにかくある意味天晴な根性してました。それこそ、シェイラがその点だけは認めていたほど。読んでると確かに、バカだけど、熱意はもの凄いんだよなぁジャミラ。騒動の前に、クリフトンとの仲も一進一退っぽい感じになりかけてたものの、後にあの言葉の誤解も解けて仲直りを果たします。でもこれ、理由を話す方も聞かされる方も非常に恥ずかしいだろうな。サブキャラの王太子が良いキャラしてて個人的にお気に入り。評価:★★★★☆TL小説ではなくラノベです。
2023.03.18
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2021年11月刊ミーティアノベルス著者:未華空央さん"自分を、『エミリア』を……ここでは殺して生きていくのよ"小国セザールの美しき双子の王女、ティアナとエミリア。長く恐れてきた他国の侵略から国を守るため、セザールの王女は大国ファルジルックの王太子と婚姻を結ぶことになる。しかし姉のティアナは生まれつき身体が弱く、嫁ぎに行けるほど体調が安定していなかった。そこで、姉に成り代わり、妹のエミリアがファルジルックに出向くことになったのだが、そこでエミリアを待っていたのは、初恋の相手ゲルト・ヴァレンシュタインだった。ティアナの『身代わり』として姉に成り代わり、自分の気持ちを葬る決意をしたエミリアの切ない恋の結末は……──。 ↑楽天ブックスより、あらすじ引用登場人物 エミリア=小国の第二王女。 双子の妹の代役を引き受ける。 ゲルト=軍事大国ファルジルックの王太子。 ティアナ=エミリアの双子の姉。 アーベル=ゲルトの側近。 ラルス=大国スガルドの王太子。小国セザールの王女・エミリアは、外出先の塩湖の畔で運命的な出会いをした。ほんの僅かな邂逅であったが、隣国・ファルジルックの騎士団長ゲルトに一目で心を奪われた彼女は、彼との再会を夢見ていた。しかし、何かときな臭い大国スガルドからティアナとエミリアの二人を妃に迎えたいとのふざけた申し入れから事態は思わぬ方向へ。セザール国王は激怒の末に断りを入れた所、スガルドもゴリ押しすることなく一応は引いたのだが、あまりにもあっさりしているのが不気味で後に侵攻してくるのではと恐怖に駆られていた。考えた末、国王が下した決断はスガルドにも劣らぬファルジルックの保護を求めると言うもの。その際、第一王女とファルジルックの王太子との政略結婚を打診され、背に腹は代えられぬと承諾したのだが、一つ問題があった。ティアナは虚弱体質で、成長と共に改善はして来たものの、現在体調を崩しておりとてもじゃないが隣国まで赴くことは無理。苦肉の策として、国王はティアナが復調するまで瓜二つのエミリアに代役を務めるよう命じたのだった。国の命運をかけた一大事、絶対に勤めあげて見せると意気込むエミリアは、もしかしてゲルトにまた会えるかもと胸を高鳴らせてもいた。3日後、2日間の旅程を経てファルジルックにやって来たエミリアは、道中ボーウェンという海賊の一味に襲われるも、ゲルト率いる騎士団によって救われた。予想より早い再会に喜びも一入ではあったものの、ゲルトこそがファルジルックの王太子と知って、大ショック。彼はいずれ姉の夫になるのだ。失恋はしたけれど、せめて代役だけはしっかり努めなければ。しかし、病気がちで大人しいティアナとは正反対の彼女を見て、ゲルトはあの日出会った少女のことを思い出していた。あの娘が王女でしかもティアナではなくエミリアだとは。思わぬ再会に胸を躍らせていただけに落胆も激しい。彼もまた、エミリアに恋をしていたことから複雑な心境だった。だが、ある日、セザールから連れて来た侍女のドロテーとエミリアの会話をゲルトが耳にし、ティアナがエミリアだとバレてしまい・・・。ストーリー自体はオーソドックスな身代わり婚ものです。事情を問い質されて渋々打ち明けた所、お互いに両想いだと判り、エミリアを妃に迎え入れることに。めでたしめでたしで済めば良かったのだけど、ここからまた騒動が起こります。スガルドの王太子も登場して、海賊の襲撃やらがこいつの差し金だったことが判明。でもまぁ、ファルジルック側が相応の金品と引き換えにセザールに手出し無用と交渉の結果、あっさり手を引いたので、それほどエミリアたちに執着していたわけでもなかったようで。でもこの手のひら返しが、海賊たちの反感を買い、エミリアが標的とされて事件に巻き込まれたり、ティアナが主治医と駆け落ちしようとしたり、トラブル続きでセザール国王が心労で倒れそう(^_^;)ちゃんと読んでたつもりなんですけど、当初エミリアが恋してたのはアーベルの方かと思ってて、序盤混乱してました。読み直したらちゃんと書いてあった。合本版には、書き下ろしの後日談が収録されています。評価:★★★★☆
2023.03.14
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2021年3月刊ミーティアノベルス著者:かのんさん「私はもう殿下なんて愛さない! あんな浮気者、もう、愛してなんてやるものですか!」公爵令嬢ルミナ・ララーシュは天に向かって拳を高く突き上げ叫んだ。十歳で王子と婚約し、十八歳で婚約破棄される。ルミナは何十回もそれを繰り返していた。ループするたびにあの手この手で王子に愛されようとするが、彼が心惹かれるのは妹のソフィー。何をしても結局王子は妹を選んでしまうのだった。どんなに愛しても愛されることはない。ルミナはそれに気づき、ついに諦めることにした。これは、愛する人に愛されることを諦めたルミナが、自分の本当の運命を見つける物語 ↑楽天ブックスより、あらすじ引用登場人物 ルミナ=同じ時間をループし続ける公爵令嬢。 シャロン=ステファンの幼馴染で側近。ステファン=王国の王太子。 ソフィー=ルミナの異母妹。TL小説ではなく、ラノベです。ループもの。ルミナは思い続けた婚約者・ステファンに婚約破棄されて絶望すると言うループをもう何十回と繰り返している。今日もまた運命の日、王太子の成人祝いの場にて冷たく婚約破棄を言い渡されて茫然。一体自分の何が気に食わないのか、時間が巻き戻る度に、色々と模索し違う選択肢を選んでもみた。なのに、結果はいつも同じ。心から愛していた人に見捨てられた挙句、彼はルミナの異母妹・ソフィーを妃に迎えるのだ。元のルミナは金持ちの貴族令嬢と言うことで例に漏れず傲慢で鼻持ちならない女だった。だから、何度目かのループの際は、その性格を改め、勉学にも励んでみたが、周囲の評価は上がっても、ステファンから愛されることはなかった。それでも諦めずにループを繰り返して来たけれど、いい加減、精神が限界に近い。しかし、きっとまた、どうしようも出来ずに今度もループしてしまうだろう。もう疲れた。自分の運命を変えるためにも、ステファンのことはもう絶対に愛さない。そう心に誓って、ルミナの数十回目の人生は幕を閉じた。目覚めると、これまた相も変わらず10歳の自分に戻っており、ステファンとの出会いの日であった。早々に動かないと、婚約させられてしまう。先手を打って、その意思はないとステファンにも話し、辛辣な態度も取ってみたものの、培った教養と毅然とした態度が逆に気に入られ、王妃からも是非息子の妃に、と望まれる始末。これはミスったかと思いながらも、国王からの命令もあって、一先ず仮の婚約者なら、と渋々引き受けた。どうせ18歳になったらお役御免なのだし。しかし、ただ傷つけられるだけの関係はまっぴら。ステファンの誠意を見せてもらうため、条件を出している。成人するまで気持ちが変わらなければ正式に婚約者になると。そもそも、ステファンは後ろ盾が欲しくてルミナを選んだのであって、彼女の為人を気にしていたことは無かった。だからこそ、婚約者の妹に出を出すなどと言うふざけた真似が出来る。どちらもララーシュ家の娘なのだから、気に入った方を選んだだけ、その程度の心持ちなのだろう。誠実さの欠片もない性格に、今思うと本当に腹が立つ。だがもう未練も無いし、ルミナにも気になる存在が出来た。宰相の息子でステファンの側近・シャロンだ。彼は優しく、ステファンとの婚約を心底嫌がるルミナを気遣い、もし、王太子が心変わりして婚約破棄となったら自分と結婚して欲しいと言われている。恐らく今世もステファンがソフィーを選ぶのは判っている。先日、二人は印象的な出会いを果たし、お互い気になり始めているからだ。予定調和とはいえど、ムカつく気分になるのは仕方ない。つい、ステファンを責めてしまったが、それ以上にシャロンが彼に腹を立てていた。ルミナへの態度が不誠実すぎると。二人から責められたステファンは、その時初めてある違和感に気付いた。ルミナに条件を出されてから傲慢な態度を改め、自分なりに誠実でいようと戒めていたのに、誰かに操られているかのような感覚。その戸惑う様を見ていたソフィーは定められたルートに軌道修正すべく、姉の始末を目論み・・・。何のことはない、この世界はゲームのシナリオの一つだったと言うのが真相でした。ルミナは本来悪役令嬢でソフィーがヒロイン。ステファンルートの物語だったのです。悪役令嬢はザマァされなけれなならず、婚約破棄される運命。なのに、ルミナに自我が出来て自分の幸せを探し始めてしまった。おかげでルートは乱れに乱れ、ゲームの運営?が、ソフィーを操ってバグのような存在になっているルミナを消すよう指示。しかし、シャロンによってルミナは危機を脱し、当事者たちに全てを打ち明けます。神のような存在に、言動をコントロールされていたと知り、驚く彼らでしたが、どうしてもステファンがソフィーに惹かれてしまう理由がわかり納得。その後、ルート通り、ルミナと仮婚約を破棄したステファンはソフィーを妃に迎え、ルミナはシャロンに嫁いで一応のハッピーエンドで終わっています。何の前置きも無くこれはゲームの世界だったんだよ、聞かされて納得しちゃうヒロインは、現代人の転生者ってわけでもないので、そこだけがちょっと残念。乙女ゲームの概念がまず無いでしょうからねぇ。でも、少々ツッコミどころはあれど、大筋は面白かったです。評価:★★★★
2023.02.21
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