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さて1月23日に発売となった新著 みきまるの「名著」に学ぶ株式投資 (みきまるファンド著、パンローリング、2021年) ですが、皆様ご購入はお済みでしょうか? もしかして「どうせ本の内容はブログで全部読めるんだから、別に買わなくてもいいや。」と思われている方も依然としていらっしゃるのではないでしょうか? 繰り返しになりますが、そんなことは全くありません。何故なら、ちゃんと本には「ブログ未公開&渾身の出来となる新原稿」を大量にぶち込んであるからです。 今日は、その「ブログ非公開の新著オリジナル部分」となる、「パンローリングの隠れた秘宝」とも称された名著、「システムトレード 基本と原則」の追加書評をちょこっと紹介してみます。それではどうぞ。。。。 2. 最もうまく負ける人が勝つ さて今日は株式投資本オールタイムベスト33位システムトレード基本と原則 トレーディングで勝者と敗者を分けるもの(ブレント・ペンフォールド著、パンローリング、2011年) の久方ぶりの追加書評となる熱血第2弾です。 これは数年前に総論として書いた第1弾と一部重複する部分はあるのですが、このペンフォールド本には「途轍もない名言」がたくさんあり、それを今後もブログで度々引用したいので、その「自分がどうしても欲しい部分」を切り取って改めて記事化するものです。ご了承下さい。 今日は、第3章 原則1-準備 から。 最もうまく負ける人が勝つ トレーディングで成功するための本当の秘密はただひとつ。損失を管理すること だと分かったら、準備は次の段階に進む。損失を対応できるほど小さくしておくことができ、利益を損失よりも大きくしておくことができれば、あなたは敗者のゲームで一歩先んじている。 勝ちトレードはほとんど無視してよい。それらは普通、問題にならない。利は伸びて、めったに損にならない。 成功するためには、損失の管理にすべてのエネルギーと決断力を集中する必要がある。 最もうまく負けるとは、できるだけ早く負けポジションを手仕舞うという事だ。 トレーディングで成功する真の秘密はただひとつ、最もうまく負けることだ。だから、これが目標でなければならない。 最良の敗者になるためには、上手に損切りできるように常に心掛けなければならない。 ふーっ、ペンフォールドのこの言葉、凄くないですか? トレーディングと言うのは、 チャールズ・エリス の言う通り、多くのミスをしたものが負ける 「敗者のゲーム」 です。ある意味では 消去法の戦い なのです。そしてだからこそ「うまく負ける」ことが必要で、逆にそれが出来れば勝者に近づけるということなんですね。 私はこのパートを今までに何十回も読み返しました。相場で大負けするたびにこの本を手に取り、震える手でページを開きました。市場の急変で持ち株から大量の含み損銘柄が出るたびに、「そうだ、もう一度ペンフォールドのあの本を、そしてあの金言を読み返そう。」と思いました。 考えたくもないですが、もしも この本が本棚にいてくれなかったら、 間違いなく自分は今こうしてここで楽しくブログを書けていないです。 もう、既に海の藻屑となって死んでいた と思います。そのくらい、途轍もなく凄い本ですね。。。。。 この続きは、是非新著でお楽しみください。。。。↓↓↓ アマゾンへのリンクページはこちら。 何卒宜しくお願い致します。 みきまる拝。
Jan 31, 2021
さて今日は2020~21主力株概況シリーズです。28位 7846 パイロットコーポレーション (東1、12月優待) ◎◎ PF時価総額28位の準主力株は、筆記具首位で、欧米等の海外売上比率が高くワールドワイドな銘柄であるパイロットコーポレーションです。 現在の株価は3000円、時価総額1314億円、PBR1.43、自己資本比率は69.9%と良好、今期予想PER14.79、配当利回り1.8%(55円)、総合利回り2.5%(55+20=75円、100株優待品のメルカリ平均価格である2000円で換算)で、優待は100株保有で自社製品などです。 さてパイロットコーポレーションは、利益率が非常に高い典型的な クオリティ銘柄 です。 私は 「バリュー投資冬の時代」 の到来を受けて、現在銘柄選択法にかなりの修正を加えています。具体的には、成長力があったり、収益性が高かったり、財務状態が良くて安全性が高かったりなどの特徴を備えた、いわゆる QARP(quality at a reasonable price)銘柄 への投資比率を上げています。 その理由ですが、この1~2年のマーケットを注意深く観察すると、「ほどほどにバリュー+かつ高クオリティ」な銘柄のパフォーマンスがとても良かったので、遅ればせながら自分もそこに寄せて大幅な軌道修正を図っているということです。 そのため自分のポートフォリオを見ても、急激にQARP銘柄の比率が上がってきています。具体的に例示すると、6073 アサンテ9057 遠州トラック7185 ヒロセ通商9027 ロジネットジャパン7605 フジ・コーポレーション7228 デイトナ3538 ウイルプラスホールディングス あたりですね。 すいません、ちょっと脱線しました。パイロットコーポレーションの話に戻りますが、下記の通り、極めて高い利益率、湯水のごとく毎年湧き出る魅惑のフリーキャッシュを誇る、日本を代表する「ここ掘れワンワン銘柄」の1つです。 2020年12月期は新型コロナが直撃して業績はイマイチでしたが、コロナさえ収まれば再び光り輝く実力があると確信しています。THEクオリティ銘柄であるパイロットコーポレーションの今後の業績推移をしっかりと見ながら慎重にホールドしていく予定です。 2021主力株概況シリーズ 免責事項2021主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに絶対に必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこい独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きますよう、伏してお願い申しげます。
Jan 30, 2021
いやあ2021年1月も終わりましたね。 今月は全体としては、ウィズコロナ銘柄のポジションを圧縮し、代わりにアゲインストコロナ銘柄の比率を上げるというコンセプトでポートフォリオのメインテナンスをしました。 ただ、「好決算の発表が絶好の売り時」となって狙い撃ちされて株価の軟調が続いていたウィズコロの中には、そろそろ株価が下げ止まったところも散見されています。 今年2021年も昨年ほどではないにせよコロナの影響が残るかもしれないですし、ウィズコロ銘柄のいくつかは好調な業績が続く可能性もあると考えており、自分としては「全部売り切るのはやり過ぎになるかもな?」と現時点では感じています。 次に今月の成績ですが、対2020年末比で+0.4%となりました。私は毎年「1月だけは絶対に良い成績を上げたい。」と強く思っているのですが、何とも言えない実に微妙な結果に終わりました。(汗) ちなみに「1月だけはどうしても勝ちたい。」理由は、 1月バロメーター があるからです。 これは、投資家であればだれでも「一家に一冊」必ず常備しておくべき、国宝級の超名著 アノマリー投資(ジェフリー・A・ハーシュ著、パンローリング 2013年) の中で、提唱されている有名な指標です。ちょっと引用してみましょう。 素晴らしい1月バロメーター 1月バロメーターは 1972年にイェール・ハーシュが考案した指標 だ。1950年以降に大きく誤ったのは7回だけで、 精度は88.7% だった。 この指標は、 年間の相場は1月のS&P500の動きに似る という格言に従っている。 1年の動きは1月の動きに似る ー 騰落率順で見たS&P500の1月のパフォーマンス そして、自分の個人的な感覚としても、この 「1月バロメーター」は絶対にある と思っています。そして私はそれを前提とし更に一歩進めて、「1月だけは何があっても絶対に好成績を出したい。」という所まで精神的には既に進化(・・? しているのです。(滝汗) 経験上、1月の成績が良かった年は大体そのまま年間成績がいいし、逆に1月の成績が悪いと年中ひーひー苦しんだ挙句最後も酷い ということが多いからです。(笑) 静かな幕開けとなった1月相場ですが、果たして2021年はどんな相場になるでしょうか? それでは皆様、来月もよろしくお願い申し上げます。
Jan 29, 2021
さて今日は株式投資本オールタイムベスト112位コナーズの短期売買実践 (ローレンス・A・コナーズ著、パンローリング 、2011年) の第4弾です。 今日は、第2章 ベストトレーディングパターン2 から。 スペント・マーケット・トレーディング・パターン これまで反転の足でトレードすることがいかに効果的であるかについて書かれた本は嫌になるほど読んできた。しかし残念ながら、その実績はおそろしいほどに悪い。 しかし、話はこれで終わりではないので安心してもらいたい。反転日の変化形である「スペント・マーケット・トレーディング・パターン」で、私はこれまで成功を収めてきた。この戦略は、反転日、突出高・突出安、トレンド、特別な仕掛け手法を組み合わせて、低リスクのセットアップを生みだす。 買いのルール(売りはこの逆)1. 今日、相場は直近10期間の安値を付ける。2. 今日のレンジは直近10期間で最大。3. 今日はレンジの上側25%以上で引ける。4. 明日か明後日に、今日の高値の1ティック上で買う。5. 執行されたら、今日の安値の位置に最初のプロテクティブストップを置く。 例4 S&P先物(1997年12月限)1. 直近10日間の安値を付ける。レンジは直近10日間で最大。その日はレンジの上限25%以上で引ける。2. 売り圧力は消滅し、価格は史上最高値近くまで上昇する。 このチャートパターンも、実際に市場で生活していると非常によく目にします。コナーズは、「言語化しにくい市場のリアルを分かりやすく説明する」天才なんですね。(続く)
Jan 28, 2021
さて今日は2021PF概況シリーズです。今日紹介する銘柄はほんとはもう少し上の順位だったのですが、出し忘れていて昨日ブログの下書きの中から発掘されたので今出しました。こういうことは良くあるのでご了承ください。466位 3036 アルコニックス(東1、3月優待) ○ PF466位は、双日の非鉄販社が分離独立した非鉄原料の専門商社のアルコニックスです。 現在の株価は1623円、時価総額421億円、PBR1.00、自己資本比率は31.5%、今期予想PER16.92、配当利回り2.6%(42円)、総合利回り3.8%(42+20=62円)で、優待は「1年以上の継続保有を条件として」100株保有で2000円相当のカタログギフトなどです。 私は前回は「白トリュフ塩」を選びました。 実際の使用例を2つご覧頂きましょう。 白身魚のピカタ 白トリュフ塩乗せ キノコと魚介の 白トリュフ塩ペペロンチーノ さてアルコニックスは指標的には妥当な株価位置ですが、まずまずの総合利回りも出ていますし、ポートフォリオ中位としては特に問題のない、良い銘柄であると考えています。
Jan 27, 2021
さて、今日は通常の2021PF概況シリーズです。465位 7421 カッパ・クリエイト (東1、3・9月優待) バリュー投資家としての評価 ×× 優待族としての評価 △ PF465位は、100円均一「かっぱ寿司」が柱で、今は鬼神コロワイドの軍門に下ったカッパ・クリエイトです。 現在の株価は1497円、時価総額740億円、PBR7.23、自己資本比率は33.4%ですが利益剰余金はマイナス、今期最終赤字予想、配当利回り0%(0円)、総合利回り3.6%(0+54=54円、優待はヤフオク平均落札価格の額面の90%で換算)で、優待は100株保有で株主優待カードのポイント付与、3000P(1P=1円)です。 さて私は最近はカッパと同じコロワイドグループの「にぎりの徳兵衛」で優待カードを使っています。何故なら、値段はちょっと高いですがその分めちゃうまいからです。 それにしても日本の回転寿司業界はカッパもくらもそしてもちろんスシローも、業態が洗練されかつ極めてコストパフォーマンスの高いメニューを提供していると思います。そして、日本国内だけでなく世界中で勝負していけるポテンシャルを秘めているのではないか?といつも感じています。
Jan 26, 2021
さて今日は2021PF概況シリーズです。464位 5301 東海カーボン (東1、12月優待) △ PF464位は、炭素製品大手で、タイヤ用カーボンブラックで国内首位の東海カーボンです。 現在の株価は1530円、時価総額3442億円、PBR1.64、自己資本比率は43.9%、今期予想PER162.77、配当利回り2.0%(30円)、総合利回り3.3%(30+20=50円)で、優待は「1年以上の継続保有を条件として」100株保有で2000円相当の自社オリジナルカタログギフトなどです。 今日は私の優待品の選択例を1つだけ見ておきましょう。 海鮮炊き込みめしの素詰合わせです。 それでは早速使ってみましょう。 炊きあがりました。 実食です。 うん、美味しいです。 余った分は、次の日の朝ごはんでおにぎり🍙に変身します。味が染みていてこれまた美味しい。 さて、東海カーボンは業績の変動が激しいですが、優待狙いで1枚保有しているのには大きな問題はないものと考えています。これからも現行の優待制度が続く限りはのんびりとホールド継続の予定です。
Jan 25, 2021
さて昨日1月23日に発売となった新著 みきまるの「名著」に学ぶ株式投資 (みきまるファンド著、パンローリング、2021年) ですが、皆様もうご購入いただけましたでしょうか? 「どうせ本の内容はブログで読めるんだから、別に買わなくてもいいや。」と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか? そんなことはありません。何故なら、ちゃんと本には「ブログ未公開&渾身の出来となる新原稿」を大量にぶち込んであるからです。 今日は、その「ブログ非公開の新著オリジナル」となる、日本を代表するモメンタム投資家であるcisさんの本の書評を少しだけ紹介してみます。それではどうぞ。。。。 さて今日は株式投資本オールタイムベストです。第--位は、一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学 (cis著、角川書店、2018年) です。 cis(しす)さんは、2000年、21歳の時に300万円で本格的に投資を始め、この本を執筆された 2018年時点で230億円の資産を築き上げられた、日本を代表するモメンタム/トレンドフォロー投資家 です。 ちなみに実にどうでもいいことですが、私も2000年に当時の全資産である200万円弱を握り締めて株式市場にやってきました。cisさんと「ほぼ同時期」に、「夢と希望がパンパンに詰まったちっぽけな財布」を握り締めてこの世界に飛び込んだのです。 そしてそれから早くも20年の時が流れたわけですが、とても残念なことに総資産はcisさんの10分の1以下の水準に留まっています。自分は投資家人生の前半15年間をコテコテのバリュー投資家として過ごし、その後の5年間は作戦を変更して バリュー→モメンタム戦略 を投資手法の根幹に据え直して戦ってきました。ただ、全体としては「ほぼバリュー投資家」として20年間が経過しました。一方のcisさんはこの20年間を「完全なモメンタム/トレンドフォロー投資家」として駆け抜けてこられました。 もちろん投資家としての圧倒的な能力差があるので単純比較は出来ませんが、株式市場で極限の努力を継続して、結果としてその資産差が10倍以上というのは厳然たる事実です。そういったことからも、 モメンタム/トレンドフォロー手法こそが世界最強の投資戦略 であるということを、今改めてまざまざと感じています。(滝汗) 勝っているモメンタム投資家はトコトン勝っている、全く次元が違う ということなんですね。(玉汗) ちなみに、過去の凄腕モメンタム投資家については、 凄腕モメンタム投資家を見てみよう 2018年版 と言う、過去の大人気記事がありますので、未読の方はぜひこの機会に併せてご覧下さい。 また、モメンタム/トレンドフォロー手法の秘密の詳細については、「トレンドフォロー手法の伝道師」マイケル・コベルが全986ページの超大作にして歴史的傑作である トレンドフォロー大全 で既に異常な、宗教がかったハイテンションでその全てを開示してくれています。(コベルは良い意味で、完全に常軌を逸していますし、イッています。)正直に言って、このコベル本を読めばモメンタム/トレンドフォロー手法の奥義は全て分かると思います。 なので、未読の方は本屋さんでこの電話帳みたいに分厚くて、持って殴られたら間違いなく死にそうで、更に非常に高価でもある本を買うか、「それはちょっとヘビーだな。」と思う方は、全17部にコンパクトにまとめた私の書評を今すぐに 上記リンク からご覧下さい。 すいません、悪い癖が出てしまい、初回の書評であるにも関わらず早くも大幅に脱線をしてしまいました。cisさん、読者の皆様、大変申し訳ありません。それでは本文に戻ります。(鬼汗) さてそれではいきなりこの本の総評をしておくと、 「生きる伝説」であり、「日本最高峰のモメンタム投資家」であるcisさんの肉声&金言がまるでダイヤモンドの様に散りばめられた、全投資家必読の傑作 と思います。なぜcisさんが「特別」であり続けているのか、大成功したモメンタム投資家の発想法とはどのようなものなのか、を知ることが出来るので、あらゆる投資家にとって学べるところがたくさんある名著と思います。 それでは初回となる今回は、目次を眺めておきましょう。全体に「捨てページ」が無くていいですが、特に第1章と2章がずば抜けて良いと思います。 ちょっと長くなりました。それでは次回からは、神がかった出来である第1章と第2章を中心としてじっくりと内容を見て参りましょう。。。。。。 この続きは、是非新著でお楽しみください。。。。↓↓↓ アマゾンへのリンクページはこちら。 何卒宜しくお願い致します。 みきまる拝。
Jan 24, 2021
さて今日は当ブログダントツ一番人気の 2020~21主力株概況シリーズ です。27位 7705 ジーエルサイエンス (東2、3月優待) ◎◎ PF時価総額27位の準主力株は、分析装置、消耗品メーカのジーエルサイエンスです。前2019シーズンは37位でしたが、株価上昇により順位を上げて、今シーズンはここで出てきました。 (上記データは会社ホームページより引用) 現在の株価は2890円、時価総額323億円、PBR1.35、自己資本比率は61.5%と良好、今期予想PER12.36、配当利回り1.5%(30~50円)、総合利回り1.4%(30+10=40円)で、優待は100株保有で1000円相当のクオカードなどです。 ジーエルサイエンスは、指標的にまずまず割安ですし、成長力がありますし、利益率も高いですし、おまけに財務状態もいいですし、非常に良い銘柄と思います。(上記データはかぶたんプレミアムより引用) また今期は、半導体事業が爆裂絶好調です。♪ 更にジーエルサイエンスは、私のポートフォリオ上位には他にあまりいない精密機器セクターの銘柄であることもとても気に入っています。多種多様な銘柄でPFを組み上げることは安全性と健全性の観点からも大切ですし、またその方が勉強になって楽しいですからね。 もちろん今後の業績推移を厳重に見ながらにはなりますが、これからも中長期でホールドして応援していけたらいいなあ、そんな未来があったらいいなあ、と思っています。2021主力株概況シリーズ 免責事項2021主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに絶対に必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこい独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きますよう、伏してお願い申しげます。
Jan 24, 2021
さて本日1月23日、新著 みきまるの「名著」に学ぶ株式投資 (みきまるファンド著、パンローリング、2021年) が、いよいよ全国発売となりました。パチパチパチ。 シリーズ3作目となる今作は、パンローリングの敏腕編集者T氏とのコラボレーションがより高い次元に達し、過去最高の完成度になったものと自負しています。 必ず皆様のお役に立てる超実践的な1冊になっていますので、ぜひ多くの方にお買い求め頂けたらと願っています。↓ アマゾンへのリンクページはこちら。 宜しくお願い致します。 みきまる拝。
Jan 23, 2021
さていよいよ明日1月23日に全国発売となる新著 みきまるの「名著」に学ぶ株式投資 (みきまるファンド著、パンローリング、2021年) ですが、今日はその「あとがき」を先行紹介したいと思います。 その理由ですが、「株式投資に関する名著をたくさん読んでいると、こんなにいいことがあるよ。実際に凄く役に立つんだよ。」 という分かりやすい実例となっているからです。それではどうぞ。(尚、アドリブで今書き直したので、一部内容が本と異なる部分があります。ご了承ください。) この本の原稿を書いている2020年は株式市場激動の一年となりました。2019年末に中国武漢で確認された「謎の新型肺炎」が、「新型コロナウイルス」として瞬く間に世界中に広がり、広範囲に及ぶ流行病、パンデミックとなったからです。 マーケットはこの「新たな脅威」に対してパニックを起こし、日本を含む世界中の市場が暴落しました。ただその後は各国政府が超金融緩和政策を取ったこと、ワクチン開発が進展しているというニュースが出たことも奏功して冷静さを取り戻し、アメリカなどの一部の国では逆にバブル的な水準まで上昇したりしています。 2020年初めの段階で新型コロナが世界中を席巻してマーケットに大きな影響を及ぼすことを予測できた投資家は誰もいませんでしたし、コロナパニックの真っただ中でその後のマーケットの力強い回復を予想する専門家もほとんどいませんでした。つまり、 「マーケットの未来を正確に予測することは誰にもできない」 のです。それが「市場の真実」なのです。 このように、「マーケットはいつだって波乱万丈で予測不能」なところなわけですが、それでは我々投資家はその状況で生き抜き、乗り越えるためにどうすればいいのでしょうか? 私は 「過去の名著から学び続ける」ことが正解 だと考えています。これまでに多くの大投資家たちが、市場の真実を詳細に語ってくれています。 「未来は過去と全く同じ形では決して現れないけれども、でも韻は踏む。」 ものなのです。 具体例を1つ出しましょう。2020年3~4月にマーケットを襲った「新型コロナショック」は凄まじいものでした。そして「いつでもニコニコフルインベストメント」が信条の私のポートフォリオも当然に甚大なダメージを受けました。瞬間最大風速では年初来でー40%近いパフォーマンスにまで落ち込んでいたのです。 でもそんな中でも私は、「ま、でも、マーケットはいずれ回復するだろうな。」とある意味では他人事みたいに気楽に呑気に考えていました。 それが何故かというと、本書で紹介したケン・フィッシャーの 「投資家が大切にしたいたった3つの疑問」 の中で、感染症の歴史にその名を残す、悪名高いスペイン風邪(インフルエンザ)が猛威を振るい続けた時期に株式市場が素晴らしい動きをしたということを元々読んでいて知っていたからです。 史上最大の流行病が多くの人の命を奪っているさなか、米国株市場の1918年が+25.56%、1919が+20.67%と、素晴らしいパフォーマンスだったことを知識として持っていた からです。(本書P97参照) そして実際、2020年の世界株式市場も、全体として良好なパフォーマンスを出す結果となりました。「歴史は韻を踏んだ」んですね。 市場の未来を前もって予見することは出来ません。それは誰にもできないことなのです。でも、 過去の名著に学び、投資家としての「引き出し」を増やすことが出来れば、どんな荒波も乗り越えて生き抜くことが出来ます。 私はそのために、これからも世界中の名著から多くの教えを得続けていきたいと考えています。 それでは私は次の投資本を読み始めることにします。いつかまた、続巻で皆様と再会できることを期待しながら。 2020年12月 みきまる 、、、このように、フレンドリー&ハイクオリティな仕上がりになったと自負している新著をぜひ多くの方にお買い求め頂けたらと思います。↓ アマゾンへのリンクページはこちら。 宜しくお願い致します。 みきまる拝。
Jan 22, 2021
さて今日はPF上位銘柄を紹介する 2020~21主力株概況シリーズ です。 26位 7508 G-7ホールディングス (東1、非優待株) ◎◎ PF時価総額26位の準主力株は、いわゆる「オートバックス4兄弟」次男で、「メガフランチャイジー」企業としては最大級の成功事例となっているG-7ホールディングスです。 2017シーズンは37位、2018シーズンは45位でしたが、2019シーズンは株価上昇&買い増しにより18位へ昇進、そして今2020シーズンもPF上位の地位を安定的に維持してここで登場してきました。 最近はオートバックスよりも業務スーパーの方がメイン業態となってきていますね。 現在の株価は2459円、時価総額656億円、PBR2.82、自己資本比率は41.3%、今期予想PER13.54、配当利回り2.0%(50~52円)で、優待はありません。 でも実はG-7は以前は優待株でした。そしてその頃には私は、 G-7ホールディングスを「初代絶対基準優待バリュー株」として深く信頼し、投資判断の礎・ベンチマークとなる銘柄として極めて高く評価していた のです。 G-7優待廃止の衝撃 は自分にはあまりにも大きな物でした。私は開示情報を見たその瞬間からショックで全身が硬直し、悪寒がして歯の根がガチガチいって合わず、大量の汗が目に入り曇ってパソコンの画面はまともに見えず、おまけに手も震えてマウスもまともに動かせないという悲惨な状況に突然にして陥りました。 それまで全く自覚していなかったのですが、優待バリュー投資家として、そこは私の「絶対に攻め込まれてはならないダメダメゾーン」だったのです。「真の、本当の急所」だったんですね。 さて、優待族的には「優待廃止は原則として即売り」な訳ですが、私はその後G-7を売り切ることはしませんでした。ファンダメンタルズが超良好な優良株なので、自分の中にどうしても売却の理由を見出せなかったのです。ただG-7に関しては「考えるとすぐに胃液が込み上げて来る。」という精神的に瀕死の重傷だったので、優待廃止後、私はしばらくの間G-7に日記で言及することはありませんでした。。。。。。 それから数年の時が流れました。私は今ではすっかり当時の精神的なダメージから元気に回復し(笑)、依然として楽しくご機嫌でG-7をホールドしています。そして2019年には久方ぶりにごはんをお替りして買い増しまでしました。何故ならG-7は非優待株となった今でもとっても良い銘柄であり続けているからです。 G-7の着実で力強い成長と流れるように美しいキャッシュフロー推移を見ると、(上記データはかぶたんプレミアムより引用)「フランチャイジービジネスだけでもこれほどの成功を収めることが出来るんだな。」と改めて目を開かされる思いがします。上場している「メガフランチャイジー企業」では他にも 3177ありがとうサービス なんかも非優待株ですがとてもいい銘柄と思いますし、私達投資家は常識に囚われず、柔らかい頭で広く市場を見渡して銘柄を探索し続けていかなくてはならないんだな、と改めて痛感しますね。2021主力株概況シリーズ 免責事項2021主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに絶対に必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこい独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きますよう、伏してお願い申しげます。
Jan 21, 2021
さて1月23日に新著 みきまるの「名著」に学ぶ株式投資 (みきまるファンド著、パンローリング、2021年) が発売となります。 本著には、 「読んですぐに役立つ実践力」 をテーマに、ドラフト指名クラスの名著ばかりをぎっしりと詰め込みました。またこのブログでは未公開のマル秘本数冊の書評と、既に紹介した本にも追加書評&加筆を加えていますので、当ブログの熱心な読者の方にも満足して頂けるものと確信しています。 また今回は、日本人著者による名著を第1章に配置しました。その理由ですが、日本語を母国語としている著者による本と言うのは何よりも読みやすいですし、また描写力・言葉の綾・表現の深さが翻訳本に較べて優れてもいるからです。 キャッチー&フレンドリー&ハイクオリティな仕上がりになったと自負しています。ぜひ多くの方にお買い求め頂けたらと思います。↓ アマゾンへのリンクページはこちら。 宜しくお願い致します。 みきまる拝。
Jan 20, 2021
さて今日は株式投資本オールタイムベスト112位コナーズの短期売買実践 (ローレンス・A・コナーズ著、パンローリング 、2011年) の第3弾です。 今日も、第1章 ベストトレーディングパターン1 を見ていきましょう。 タートルスラスト 最近、ヘッジファンドを運営している2人の友人と食事した。そのとき話題になったのは、 トレンドフォロー で顧客の資金を運用しているCTA(商品投資顧問業者)の数についてだった。彼らの話では、85%の登録CTAが主たる投資方法としてトレンドフォローを使っているのではないかという(トレンドフォロー型グループで最も有名なのが タートルズ )。 私は長年にわたって、ブレイクアウトプレーヤーやトレンドフォロワーたちが間違っているときには反転を利用してトレードするという方法に注目してきた。私が初めてこれについて書いたのは、1995年に共著 「魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門」(パンローリング) のなかで タートルスープ戦略 について書いたときである。最近になって、スラスト(みきまる注:急激な反転のこと)戦略も使うようになった。これは 1トレンドを見つけ、2特に トレンドフォロワーたちが群れになって買い戻すときを察知して、それをトレードに利用する戦略 だ。 買いのルール(売りはこの逆)1.商品の価格が20日移動平均線と50日移動平均線の下にある。価格がこれらの移動平均線から離れているほどよい。2.今日のレンジは過去10日のレンジのなかで最も大きいか、2番目に大きい。また、今日は寄り付きよりも上で引ける。(スラスト日であり、陽線の日)。3. 翌日または翌々日に、2のスラスト日の高値の1ティック上で買う。4. トレーリングストップを使って、利益を確定する。また、2-1マネーマネジメント手法を使って、ポジションの半分をまず利益確定し、残りの半分にはトレーリングストップを使ってもよい。 では、例を見てみよう。図3 日本円(1998年9月限)1. 非常に強い下降トレンド。2. スラスト(注:急激な反転こと)日。空売り筋が買い戻しを始める。3. 買う。1日で急上昇。 さてコナーズは、このタートルスラスト戦略を、トレンドフォロワーの独占状態にある先物市場でだけ使うように勧めているのですが、実際の株式市場を見ていると、このタートルスラスト戦略がうまく嵌る場面と言うのは非常によくあります。 特に最近は モメンタムプレイヤー が「雨後の筍(たけのこ)」のようにドンドンと増殖しているので、コナーズのタートルスープやタートルスラストがより効果的になっているような印象もあります。 また私のような「逆張り系の投資家」にとっては、トレンドの転換・反転を示すパターンの1つとして、頭の片隅に置いておくととても役立つと個人的には考えています。(続く)
Jan 19, 2021
さて今日は2021PF概況シリーズです。463位 2309 シミックホールディングス(東1、3月優待) ○ PF463位は、新薬開発の治験支援(CRO)国内先駆で業界首位級のシミックホールディングスです。 現在の株価は1440円、時価総額273億円、PBR1.10、自己資本比率は26.4%、今期予想PER15.79、配当利回り1.9%(27円)、総合利回り4.0%(27+30=57円)で、優待は100株保有で3000円相当の地域倒産品です。 シミックHDは、指標的には妥当な株価位置ですが、まずまずの総合利回りも出ていますし、ポートフォリオ中位としては良い銘柄であると考えています。
Jan 18, 2021
さて今日は当ブログダントツ一番人気の2020~21主力株概況シリーズです。25位 3538 ウイルプラスホールディングス (東1、6月優待) ◎◎ PF保有全678銘柄中で時価総額25位の準主力株は、ジープやフィアット、BMW、ボルボが柱の輸入車販売業者で、積極的なM&Aで成長を続けているウイルプラスホールディングスです。2019シーズンは27位でしたが、株価上昇により少しだけ順位を上げて今シーズンはここで登場してきました。 現在の株価は732円、時価総額72億円、PBR1.13、自己資本比率は38.2%、今期予想PER9.38、配当利回り1.9%(13.59~14円)、総合利回り3.2%(13.59+10=23.59円)で、優待は100株保有で1000円相当のクオカードです。 尚、 ウイルプラスホールディングスは1単元が比較的低額で、優待が「金目の物」のクオカードであることから、今後の優待廃止や改悪を心配されている投資家の方がいらっしゃると思いますが、IRによると、「現時点では廃止や改悪の予定はない。」という事でした。 ウイルプラスのクオカードは盤面がメチャカッコいいです。 ついでにもういくつかお見せしましょう。 さて私がウィルプラスホールディングスに準主力参戦している理由は以下の通りです。1. 積極的かつ効率的なM&Aを通じて高い成長力を維持している こと。(上記データはかぶたんプレミアムより引用)(上記データは2020年6月期説明資料より引用)2. 日本国内における輸入車シェアはジリジリと増加しており、また諸外国と比べた場合の輸入車シェアが異常に低いことも考え合わせると、今後も「構造変化による持続的な成長」を期待できる と考えたこと。 尚、会社IRによると、「国産車と輸入車の価格差が以前より縮まってきていることと、輸入車には個性があって魅力的なものが多いので、その両方で輸入車シェアが増加している。この流れは今後も続くと考えている。」とのことでした。(上記データは20200219会社説明資料より引用)(上記データは20200219会社説明資料より引用) またこれに関して補足的に個人的な考えを述べると、最近の日本車、特に日○車やホ○ダ車などは、全体として非常に凡庸な出来で、消費者としてみた場合に「欲しい。」と思わせる本質的な魅力に著しく欠けていると思います。 多分社内で合議制の会議を繰り返し過ぎて、最終的に「消去法」で誰からもクレームが出ない車しか世に問えないのかもしれませんが、率直に言って、「臆病の塊」で「デザインの縮こまった」げんなり・うんざりするようなルックスの車が多すぎます。 それに対して輸入車は、車としてのクオリティは若干劣るとしても、デザインや設計哲学に秀でているものが多く、単純に「乗ってみたい。」と感じることが多いです。 なので、今の日本市場における輸入車シェアは不当に低すぎると考えており、今後もその比率はじりじりと上昇していくものと思っています。おそらく20%程度までは上がっていくのではないでしょうか? 3. 成長力と同時に指標的な割安感も併せ持っている こと。ただし、自動車ディーラーという括りで見ると、2754 東葛HD (PBR0.44×PER8.37=3.68)3184 ICDAHD (PBR0.69×PER4.93=3.40)3538 ウィルプラスHD (PBR1.13×PER9.38=10.60)7593 VTHD (PBR1.32×PER15.63=20.63)7623 サンオータス (PBR0.53×PER19.82=10.50)8291 日産東京販売HD (PBR0.42×PER24.72=10.38)8293 ATグループ (PBR0.23×PER8.58=1.97)8298 ファミリー (PBR0.35×PER5.48=1.92)9856 ケーユーHD (PBR0.57×PER10.15=5.79) と、どこも指標的には驚異的に割安です。これは自動車ディーラーという業種は、地味なイメージが強くかつ全体に利益率が低いので、株式市場では「万年不人気」なためです。 そして 同業種内で見ると、ウィルプラスホールディングスが特に割安というわけではないことには一定の注意が必要 とは思います。後、今書いていてふと思ったのですが、 「自動車ディーラー銘柄をバルクで買って数年間寝かす」というのは良い投資アイデア かもしれないですね。特に8293ATグループや8298ファミリーなんかの割安感は強烈です。なにしろ、 グレアムのミックス係数 が 驚異の1倍台 ですからね。 以上、成長バリュー・収益バリュー・優待バリューの「3本の矢」を兼ね備えた魅力的な超小型株、ウィルプラスホールディングスの紹介でした。♪2021主力株概況シリーズ 免責事項2021主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次の、1つ上の無重力のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上かつ頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、死んだ目の魚になっていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこくて執念深い独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものではありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも決して分からないため記事内容の正確性は保証しません。私には未来を予見する力は一切ありません。魔法の水晶玉は残念ながら持ち合わせておりません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い、損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.000%御自身の判断と責任の元で行って頂きます様、伏してお願い申し上げます。
Jan 17, 2021
さて今日は株式投資本オールタイムベスト112位コナーズの短期売買実践 (ローレンス・A・コナーズ著、パンローリング 、2011年) の第2弾です。 今日は、第1章 ベストトレーディングパターン1 を見ていきましょう。 ボトムリバーサル 市場をトレードする方法には2つの方法がある。ひとつは、トレンドフォローの手法だ。つまり、上昇トレンドのときは買いポジションのみを取るということである。株式のモメンタムトレーダーとタートルズたちはこの手法を最大限に利用したトレーダーグループだ。 そしてもうひとつは、トレンドが反転しそうな市場を探す方法だ。コナーズVIXリバーサル、タートルスープ、8日ハイ・ロー・リバーサル戦略などがこれに相当する。 市場の反転を見つける戦略にはもうひとつ別の戦略がある。それがボトムリバーサルだ。この戦略では、下落相場が反転するときを見いだすのに足のパターンで判断する。 この戦略のルールは以下の通りである。1. 市場は強い下落相場にある。50日と20日の単純移動平均線の下にあるのが理想。2. 市場は底を付けたあと、1~3日間にわたって上昇する。3. そのあと、ボトムレンジリバーサル・バーが発生する。ボトムレンジリバーサル・バーとは、終値が寄り付きよりも下で、なおかつその日のレンジの底近くで引けたバーのことをいう。4. 翌日、市場が大きく反転したら、前日の高値の1ティック上で買う。5. ストップの位置は最初は近くに置き、次の1~5日間はトレーリングストップを使って利益を確定する。 例を見ていく前に、このセットアップの鍵を握るルール3とルール4の状況を詳しく見ておこう。下降トレンドにある市場が少しだけ上昇して、再び下降トレンドに戻る。モメンタムプレイヤーやトレンドフォロワーは再び下降トレンドに戻ったのを見て増し玉する。しかし翌日、市場は反転して上昇したため、これらの空売り筋は立ち往生する。新たな買いが入るだけでなく、空売り筋があわてて買い戻すため、価格はさらに上昇する。 コナーズの説明と言うのは、常に分かりやすくて説得力があります。 「ルールは簡単、その裏にある市場心理の説明も的確」で、頭にスーッと入ってきます。 それでは実例を見ておきましょう。 例3 日本円(1998年3月限) 1. 下降トレンド。 2. 上昇。 3. 反転日。 4. 前日の高値を上抜く。 5. 300%以上も上昇。 今の市場でも、このボトムリバーサルのパターンは頻繁に観察されますね。 (続く)
Jan 16, 2021
さて今日は株式投資本オールタイムベストです。第112位は、コナーズの短期売買実践 (ローレンス・A・コナーズ著、パンローリング 、2011年)です。 本書は、歴史的名著で「20世紀で最重要な投資本の一つ」とも称えられた 魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門 (リンダ・ブラッドフォード・ラシュキ / ローレンス・A・コナーズ著、パンローリング 1999年) の続編です。 アメリカで出版されたのは1999年の事であり、今となっては少し古い部分もありますが、逆に非常にシンプルで分かりやすいという長所もあります。また2021年現在でも十分に通用する戦略がたくさん載っており、間違いなく名著と言って良いと思います。 というか、私が以前から何度も力説している通り、 コナーズ本に外れなし なんですね。 実際、監修者まえがきで、長尾慎太郎氏も以下の様に述べています。 本書もトレーダーの皆さんの期待を裏切るようなことはけっしてないと私は断言する。 さて、それでは次回からは前著の知名度に較べるとやや影が薄い、この隠れた名著のベストオブベストの所を一緒に見ていきましょう。(続く)
Jan 15, 2021
さて今日は株式投資本オールタイムベストシリーズです。今回は第20位 新マーケットの魔術師 (ジャック・D・シュワッガー著、パンローリング、1999年) のまさかの第4弾です。シリーズの第2作目(通称:白本)となる歴史的名著ですね。 今日は驚異的な勝ち組 「タートルズ」 の生みの親の1人として知られる天才数学者&魔術師、ウィリアム・エックハートについて見ていきましょう。 このインタビューは、「本当に勝っている投資家」の「凄みと狂気と恐ろしさ」がテンコ盛りでダイレクトに伝わってくる、読んでいて寒気が止まらない、発禁寸前のとんでもない内容です。多分真夏に読んでもストーブが必要になると思います。それでは参りましょう。 押し目で買うのは好きじゃないね。 マーケットが上向きで買いに出るべきだと思ったら、押し目を待たずに買いに出る ね。 それに、多分もっと重要なことは、押し目買いは取引機会自体を逃してしまったり、結局、高値で買わなければならなくなることにもなるんだ。 押し目で買うのは、実際に利益を増やすというよりも、心理的満足を得るための気晴らしに過ぎない ものなんだ。 一般原則として、快適さを与えてくれるトレードは避けるべきなんだ。それは偽りの快適であることが多いからね。 私は元々典型的な「逆張り投資家」で、この「押し目買い」が大好きなやり方だったのですが、このエックハートのインタビューを読んだ瞬間に、「押し目買いの危険性」に初めて気付いて、文字通り体中に電撃が流れました。 そして言われて見ると、これまでに「ジッと押し目を待っていたのに結局それが訪れなかったせいで、多くの潜在的な良い投資機会を失ってきていたんだ。」とはっきりと認識してゾッとしました。 そのため2021年現在の今はやり方を改めています。 自分が強気で、ポートフォリオ上位で戦える十分なポテンシャルを持つ銘柄であると考えた場合には、ちょっと強引にでも、例え自分の買いでチャートを崩す形になろうとも、「最低必要量」までは一気に買う ことが多いです。 ただ、 一定量のポジションを作った後では、下値に段階的に買い注文を入れて追加の押し目買いのチャンスを待つことも多い です。ローレンス・A・コナーズが名著 「高勝率システムの考え方と作り方と検証」(いずれ株式投資本オールタイムベストシリーズで紹介予定) でデータで証明しているように、 ギャップトレード は優位性のある手法 ですからね。 はっきりしているのは、 勝つためには少数派として行動しなければならない 、ということさ。 普通の人間として、癖や傾向をトレードに持ち込むと、大多数に迎合することになり、結果的には負ける ことになるのさ。 はい、これは、 サイコパスのススメ ですね。投資家として大成するためには、 「メンタル中世」 の 一種の狂人 として戦い続けなくてはならない、ということです。 もし金銭的な動機がなければ、だれがこんなことをするのか想像できないね。この業界は、貧乏から金持ちへの物語を作り出せる数少ない業界の一つなんだ。 リチャード・デニス (みきまる注:エックハートのパートナーで、タートルズのもう一人の生みの親でもあるスーパートレーダー)は数百ドルで始めて、二〇年で何億ドルと稼ぎ上げたんだ。動機付けとしては十分じゃないかな。 もし 精神的な満足感を得るためにこの仕事をしているのならば、必ず負ける ね。なぜなら、 やっていて気分のいいことは、間違っている場合が多い からね。 デニスが冗談めかして言っていたけど、「気分のいいことなら、やってはいけない」ということさ。実際、タートルズたちに教えたルールの一つは「もしすべての条件が同じなら、一番やりたくないことをやれ」なんだ。 自分には投資家として矯正すべき課題が未だに星の数ほどに沢山あるのですが、その一つが、「あまりにも投資を楽しみ過ぎている。エンジョイし過ぎている。」という事です。 私が専門としている「優待バリュー投資」は、年中企業からの贈り物がお家に届き続ける、ある意味では「常にご褒美が貰え、励まされ続ける」やり方です。 ただ、自分のやり方はあまりにも面白すぎるので、それで「投資は楽しいのが当たり前」になってしまっていて、ポートフォリオ最上位で戦う銘柄に関しても無意識の内に「気分の良さ」を持ち込んでしまい、リスク・リワード比の劣った、トリッキーでスリルのあるカジノ的な銘柄を過去には選びがちになってしまっていました。 これに関しても、2021年現在では、 「見てその華やかなビジュアルを楽しむためではなく、実際に自分が収穫して食べるための栄養満点かつ年中収穫できる野菜畑を作る」 というコンセプトで、実務的な銘柄で最上位を固める様に、 投資にエンターテインメント性を絶対に求めないように、常に最大限留意 しています。 具体的に現時点でのポートフォリオ最上位で見ると、2790ナフコ、3020アプライド、6073アサンテ、7185ヒロセ通商、7605フジ・コーポレーション、8219青山商事、8591オリックス、9027ロジネットジャパン、9057遠州トラックなどの、 不人気バリュー もしくは 地味系クオリティ 銘柄をびっしりと敷き詰めて戦っています。 (みきまる注:以下は著者のシュワッガーによるまとめ) エックハートのコメントで一貫している基本テーマは、快感を覚えることを実行するのは、普通の場合、間違った結果を導くことになる、ということである。 いやあ、どうでしたか、このウィリアム・エックハートのインタビュー。エックハートの静かな「内なる狂気」とそれを存分に引き出すシュワッガーの、魂の削り合いのような戦いでしたね。 これが、マーケットの魔術師シリーズのリアルガチなスーパーパワー。 これからも同シリーズを永遠に読み続けていきたいと考えています。
Jan 14, 2021
さて今日は通常の2021PF概況シリーズです。 462位 8877 エスリード (東1、3月優待) ◎~◎◎ PF462位は、森トラストの連結子会社でマンション企画、開発、販売が柱のエスリードです。1物件集中販売方式による短期完売が基本戦略で、徹底したローリスク経営を志向しており、マンデベとしては相対的な安心感の高い素敵な銘柄ですね。 現在の株価は1499円、時価総額232億円、PBR0.48、自己資本比率は56.6%、今期予想PER5.71、配当利回り2.7%(40円)、総合利回り4.7%(40+30=70円)で、優待は100株保有で3000円相当の「フリーチョイスギフトカタログ」です。 私は毎回エスリードの優待では旬の果物を選択しています。瑞々しくて美味しいものばかりです。1つだけ実際例を見ておきましょう。 エスリード優待 ラ・フランス エスリードは指標的に極めて割安で、総合利回りは高く、また業績不安定なところが多いマンションディベロッパとしては特異的に財務状態が良くて業績推移も安定している、という素晴らしい銘柄です。こんなにPF下位では本当に申し訳ないくらいの良い銘柄ですね。
Jan 13, 2021
さて今日は通常の2021PF概況シリーズです。461位 1419 タマホーム (東1、5・11月優待) ○ PF461位は、ローコスト系の注文住宅会社で、ロードサイド型独立店を積極展開し、大々的な広告で集客をしているので有名なタマホームです。 現在の株価は1462円、時価総額431億円、PBR2.03、自己資本比率は20.5%と財務状態は今一歩、今期予想PER10.77、配当利回り4.1%(60円)、総合利回り4.8%(60+10=70円)で、優待は100株保有で年2回、500円相当のオリジナルクオカードなどです。 タマホームの優待クオカードは割とデザインが素敵なんですね。今日はいくつか見ておきましょう。 タマホームは2015~16年くらいには業績不振に陥っていましたが、この数年は復活してきています。PF中位としては特に問題はない銘柄であると考えています。
Jan 12, 2021
さて今日は久々に、当ブログの「看板記事」である2020~21主力株概況シリーズです。「みきまる、なんも言わんから、黙ってこのシリーズだけ書いといてくれ。」というお願いが定期的に来るくらいには人気がありますね。(滝汗) 24位 9990 サックスバーホールディングス (東1、3月優待) ◎◎ PF時価総額24位の準主力株は、日本最大のバックリテールカンパニーのサックスバーホールディングス(旧東京デリカ)です。前回は2018年に112位で出ていたので、大幅に順位を上げて2年ぶりの日記登場となりました。 現在の株価は541円、時価総額162億円、PBR0.58、自己資本比率は71.3%と良好、今期最終赤字予想、配当利回り5.6%(30円)、総合利回り7.4%(30+10=40円)で、優待は100株保有で1000円相当、1000株保有で10000円相当の自社オリジナル商品です。 今日は今年2020年の優待品を見ておきましょう。 100株優待品です。 1000株優待品です。 もちろん1000株優待品の方が高価な品物であるとは思いますが、100株優待品も高品質で、見た目も触り心地もパリパリしていて、かつ肉厚&丈夫でとても使いやすいバックですし、10倍の差があるとはとても思えません。 何だったら、「100株優待品の方が普段使いしやすくてむしろ上」まであります。なので、やっぱり優待株投資は「優待ミニマム投資法」が一番効率がいいのは間違いないですね。🎵 さてここ サックスバーHDは、旧社名である「東京デリカ」時代の2010年前後には主力の一角として激アツで戦った思い出深い銘柄 です。その理由は、 「巨大ショッピングモール内での足が棒になる程の執念深い徘徊」の中でその魅力に気付いて主力化し、結果として極めて大きな利益を上げることの出来た、まさに「足で稼いだ」銘柄 だったからです。そして同時に私にとっては、 「まさに ピーター・リンチ ど真ん中ストライク」な銘柄であり、「確信を持って勝負に出て、そしてきちんと勝ち切った」という意味において、自分が作り上げてきた優待バリュー投資手法がしっかりとワークしている、唯一かつ無二の必殺技である「優待バリュー竹槍投資法」でこれからも勝負していける、そういう自信を改めて持つことが出来た記念碑的な銘柄 でもあったからです。 、、、、、、サックスバーHDでの勝負を終えた私のポートフォリオには、その後激戦の形見の恩株が静かに150株眠るのみだったのですが、数年前にMAX優待を貰うために1050株までは再び買い増しをしていました。 そして同時に私は新たな出会いを求めて、ずっと週末ごとの執念深い巨大ショッピングセンター巡りに精を出し続けてきました。「日本社会のマジョリティーを占めるマイルドヤンキー層が集結している、この魔法の玉手箱の中には必ずお宝が眠っている。いつかきっと、第2のサックスバーをこの手に掴み取って見せる。」と決意してきました。 、、、2020年に突如世界を襲った「新型コロナ」の登場で、各銘柄の業績には激しい差が生じました。日本最大のバックリテールカンパニーとして、強力なライバルがいないままに安定的な利益を貪り上げ続けていたサックスバーHDには、突然の「土砂降りの暴風雨」が襲い掛かる結果となり、今期は19年ぶりの赤字転落が確実となりました。また同時に月次推移の回復も悪く、来期以降の復活も見通せない不透明な状況下にあります。 ただイオンを筆頭とする巨大ショッピングセンターの現状を見ても、サックスバーの強力なライバルは未だに登場していません。「バック屋さんがいくつかあるなあ。」と思っても、よく見ると実はどれもサックスバーがマルチブランド展開しているだけのことがほとんどです。 そのため私は、「サックスバーは今期業績はボロボロだけど、コロナさえ収まればまた黒字転換できるだけの十分な力がある。財務状態も良くて余力もあるし、無理矢理に第2のサックスバーを探さなくても、馴染みの、目の前のサックスバーをおかずにしてもう一杯ご飯を食べられる。」という判断の元に、久方ぶりに大きく買い増しして準主力化しました。(上記データはかぶたんプレミアムより引用) 最後にサックスバーHDの「ネガティブポイント」を2つ挙げておきます。1. サックスバーHDには、元々「業績の下方修正癖」がある が、今期も業績予想数字がかなり甘い。新型コロナの早期終息を見込み過ぎている。そのためおそらくもう一発業績の下方修正が出ると個人的には考えている。ただ、現在のヨコヨコの株価推移は、もしかするとそれを既に織り込んでいるかもしれない。(上記データはかぶたんプレミアムより引用)2. 店舗が全体にごちゃごちゃしているし、レイアウトもダサい。 ただこの欠点はずっと昔からではあり、ダサいままで2020年3月期までは問題なく利益を出せてもいるので、会社側には改善するモチベーションが無いのかもしれない。でも、それにしてもあまりにも洗練さに欠けるとは感じる。 以上、 翼の傷ついた、お替りエンジェル 「THE アゲコロ銘柄」、サックスバーホールディングスでの「第2戦」を十分に集中しながら戦っていく所存です。 2021主力株概況シリーズ 免責事項2021主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに絶対に必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこい独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きますよう、伏してお願い申しげます。
Jan 11, 2021
さて今日は株式投資本オールタイムベスト111位証券分析 (ベンジャミン・グレアム+デビッド・L・ドッド著、パンローリング、2002年) の最終回第7弾です。 今日は、 第52章 マーケット分析と証券分析 から。 証券分析にはマーケット分析と比較していくつかの優位性があり、そのために、訓練を積んだ賢明な人たちにとって前者は、より成功できる分野であるとわれわれは考えている。 証券分析では、不測の事態に対する防御ということに最大の重点が置かれる。その根底にあるのは、たとえその証券が結果的に思ったより魅力のないものだった場合でも、その投資は納得のいくものになる可能性がある、という考え方である。 マーケット分析には安全余裕率などという概念はなく、正しいか間違っているかのどちらかであり、もし間違っていたとすれば、虎の子を失うのだ。 マーケット分析のほうが証券分析よりも簡単に思えるし、手早くより大きな利益を得られる可能性もある。まさにこのことが原因となって、長期的に見ると期待外れの結果となる公算が大きいのだ。 ウォール街にもそれ以外の場所にも、一獲千金のための確実な方法など存在しないのである。 この数年でもマーケット分析に基づいて「夢のあるバイオ株」に勝負をかけ、結果として「逆に最速で凍死家」となられる方が続出しました。 それに対して、 グレアムの「常に安全域を保った」ディーブバリュー株投資手法 には、派手さはなくとも、この「証券分析」が記された1934年から80年間以上ずっと有効であり続けてきた、マーケットが与える「時の試練」を乗り越え続けてきたという確かな実績があります。 私はこれからも「バリュー投資の父」グレアムが生み出した、「安全域を保ち続ける手法」をベースとして、ここ日本株市場で戦い抜いていこうと考えています。 さて、これでこの本の紹介は終わりです。我々バリュー投資家にとっての「聖書」の書評を書き上げることは私の投資家としての「長年の夢」でした。夢の向こう側に何があるのか、自分の投資家としての冒険は、まだこれからも続きます。(終わり)
Jan 10, 2021
さて今日は株式投資本オールタイムベスト111位証券分析 (ベンジャミン・グレアム+デビッド・L・ドッド著、パンローリング、2002年) の第6弾です。 今日は、 第39章 普通株の株価収益率 から。 その倍率はそのときの株式市場の雰囲気やその会社の業種・業績などを反映している。1927~29年の熱狂相場の前までは、PER(株価収益率)で10倍というのが一般的な基準であった。 証券アナリストは特定の普通株の「適切な価値」について一般的な原則などは示すべきではない。そのようなものは実際には存在していない。 当期利益が常に変化していることを考えれば、それをベースに普通株の価値を評価するというその考え方自体がおかしい ことになる。10倍とか15倍などという PERは基本的には恣意的な基準 でしかない。 その意味では株式市場は計量器と言うよりは票数計算機のようなものである。株式市場はさまざまな事実に直接反応するのではなく、また株式とは単に売り手と買い手の考えの結果を反映したものに過ぎないのである。 「いつもPER16倍以上で普通株を購入する人は最終的には大損することになる」というわれわれの論理を知っておいても損はないだろう。そうした人々はいつでも強気相場の誘惑に負けて、法外な高値で普通株を買ったもっともらしい理由をとうとうと述べ立てるものなのである。 どうでしょう、これらのグレアムの「芳醇なウイスキー」の様な言葉の数々。株式市場で「常に安全域を保ち、大きく負けない。」ために大切なことがこれ以上ないくらいの「真っ直ぐな言葉」で綴られています。 翻って、今、そのあたりの本屋さんで売られているあまたの投資指南本に、「本当に重要な事」はきちんと書いてあるでしょうか?(続く)
Jan 9, 2021
さて今日は2021PF概況シリーズです。460位 8025 ツカモトコーポレーション (東1、3月優待) ○ PF460位は、和洋装の総合繊維商社のツカモトコーポレーションです。 現在の株価は1506円、時価総額61億円、PBR0.55、自己資本比率は42.4%、今期予想PER60.00、配当利回り2.0%(30円)、総合利回り4.0%(30+30=60円、優待品は評価が極めて高く、メルカリ平均価格は額面の90~110%。なのでここでは100%で換算)で、優待は100株保有で3000円相当の自社特別企画品です。 今日は過去2年分の優待品を見ておきましょう。「ラルフローレン タオルセット」です。届いたその日から即戦力となる、実用的な内容ですね。 ツカモトコーポレーションは、まずまず低PBRですし、良好な総合利回りが出ていますし、ポートフォリオ中位としては何の不満もない良い銘柄であると評価しています。
Jan 8, 2021
さて今日は株式投資本オールタイムベスト111位証券分析 (ベンジャミン・グレアム+デビッド・L・ドッド著、パンローリング社) の第5弾です。 今日は、 第37章 過去の決算数字 から。 普通株の時価とはその会社の長期的な平均利益よりも当期利益を反映したものである。これが普通株の値動きを激しくしている大きな理由。 当期利益の変化に応じてその企業の評価も大きく変化するという点では、株式市場とはまったく非合理的なもの である。 逆に言えば、この点に関する投機家の間違った考え方が論理的に考える賢明な投資家に利益のチャンスを与えているともいえる。つまり、 一時的に減益になった会社の普通株を安値で買い、その後の好況期の高値でそれを売れば利益を手にすることができる ということである。 このグレアムの指摘は、後年の ケン・フィッシャー による、 グリッチ というアイデアに通じるものと感じました。 まさに、我々バリュー投資家にとっての「バイブル」。この本の輝きは永遠に失せる事は無いですね。(続く)
Jan 7, 2021
さて今日は通常の2021PF概況シリーズです。 459位 3396 フェリシモ (東1、8月優待) △ PF時価総額459位は、独自性のある通販会社で、 中長期購入予約型商品に特徴のあるフェリシモです。 現在の株価は1524円、PBR0.57、自己資本比率54.0%、今期予想PER23.66、配当利回り0.3%(5円)、総合利回り0.7%(5+5=10円、優待品はメルカリ平均価格の額面の50%で換算)で、優待は100株保有で1000円相当の自社製品詰合せなどです。 今日は私が頂いた2019年優待品を見ておきましょう。 フェリシモは指標的には妥当な株価位置ですが、優待内容にオリジナリティがあって実に面白いですし、これからも現行の優待制度が続く限りはホールドして応援していく予定です。
Jan 6, 2021
さて今日は株式投資本オールタイムベスト111位証券分析 (ベンジャミン・グレアム+デビッド・L・ドッド著、パンローリング、2002年) の第4弾です。 今日は、 第33章 損益計算書の数字の操作 から。 ユナイテッド・シガー・ストアーズのケースからはいくつかの有益な教訓が得られる。そのひとつはその会社が特殊な会計処理によって利益を出している場合には、その証券がどれほど魅力的に見えようとも、投資家はけっして手を出してはならないということである。 投資家の多くはその会社の不審な会計処理を気にしながらも安全余裕率が十分である場合などは、その証券は大丈夫と思ってしまうだろう。しかし、でたらめな経営の会社に数量的な安全基準などを適用できるはずがなく、投資家にできることといえばそうした会社の証券は避けるということだけなのである。 このグレアムの文章を読んですぐ頭に浮かぶのは、「負ののれんを使った錬金術」で過去数年に「見た目の急成長」を遂げていた2928RIZAPグループですね。 ただ結局こういったトリッキーなやり方は長続きはしませんし、この手の銘柄を買う場合には十二分に指標的に安い位置からでないと、大やけどすることが多いですね。(続く)
Jan 5, 2021
さて今日は通常の2021PF概況シリーズです。 458位 3168 黒谷 (東1、8月優待) △ PF458位は、銅スクラップと船舶用スクリュー向け銅インゴットの販売・回収が2本柱の黒谷です。 現在の株価は736円、PBR1.38、自己資本比率は45.1%、今期予想PER40.22、配当利回り2.0%(15円)、総合利回り2.7%(15+5=20円)で、優待は100株保有で500円分のクオカードなどです。 黒谷は指標的にはやや割高ですが、ま、PF中位銘柄としては特に問題はないものと考えています。
Jan 4, 2021
さて今日は株式投資本オールタイムベスト111位証券分析 (ベンジャミン・グレアム+デビッド・L・ドッド著、パンローリング、2002年) の第3弾です。 今日は、第28章 普通株の投資基準 から。 以上の考え方を推し進めると、普通株の投資原則は保険会社のアプローチにかなり似ているという結論にたどり着く。 個別銘柄における予想外のリスクを平均化するためにも分散投資を心掛けるべきであろう。 ひとつの銘柄だけの投資と言うものは1件だけの保険契約で保険事業が成り立たないのと同じように、それは投資に値しないものである。 この数年の日本株市場でも、夢のあるバイオ銘柄に1点集中&信用全力で買い向かって、結果として儚く散ってしまう方が多数みられましたが、こういうやり方は投資ではないということです。 分散のし過ぎは問題ですが、それでも適度な分散は必要 ということですね。(続く)
Jan 3, 2021
昨年末に、両者ともに軽く3桁億を超える資産を運用している五月さんとぱりてきさすさんの「個人投資家界、頂上ツイキャス」を聞いていました。 3時間に及ぶ長大な内容でしたが、 「日本最高峰の凄腕たちは完全に頭がおかC(もちろん誉め言葉)」 ということが改めて実に良く分かりました。いや元々認識はしていたのですが、想像以上でした。 後、投資に直接役立つ話はほとんどなかったのですが、とにかく会話がキレキレで抜群に面白いことも特徴でした。当たり前ですが、超凄腕は「地頭がべらぼうに良い」んですね。 ただ一つだけ抜群にいい話があって、それはぱりてきさすさんが「メンタルは中世が最適解」と考えて戦っているという事でした。自分が理解したところでは、「法の支配の外の”リアル北斗の拳””の世界観で戦い、自分以外は全員確実に皆殺しにする。」というメンタリティをもって相場に臨む必要がある、という感じです。 これは素晴らしい発想で、私は、「そうか、ポートフォリオ上位に据えている銘柄達は、言ってみれば、一人一人が戦国大名みたいなものだ。彼らは凄くて当然。ベンチマークを殺せないような銘柄は絶対に上位で持っちゃダメなんだ。」という風に考えました。 また、もう少し大きい話で言うと、私は毎年「TOPIX+20%」を目標に戦っているわけですが、これも「必ずTOPIXを殺る。」という強い気持ちを持って、「日々戦国武将」のつもりで過ごさなくてはならないんだな、とも肝に銘じました。 それにしても、かつては決して「見えなかった、その気配を感じることも出来なかった。」天才たちの肉声が、思考法の一端が、僅かではあっても実際に体験できる今の時代と言うのは凄いですね。 そしてこの頂点対談を聞いて、「自分は、リスクを取る力、視点の広さ、株式投資に賭ける気持ちの強さと狂い方がまだまだ全然足りないなあ。」と痛感しました。資産3桁億には一生届かない気がしますが、それでも少しでも高いところを目指して、今年も精一杯頑張ろうと思いました。
Jan 2, 2021
皆様、2021年明けましておめでとう御座います。 さて早速今年の抱負ですが、 1. 「いつもニコニコフルインベストメント」を原則とする。過去200年の期間で見て、あらゆる金融商品の中で株が最も長期的リターンが良いことはデータから明白なので、その「最も有利な所」にシンプルに全財産を賭け続ける。(上記データは「株式投資の未来 ジェレミー・シーゲル著、日経BP、2005年」より引用) また「失われた30年」が続き、世界でダントツの低パフォーマンスに喘ぐ日本市場ではあるが、過去115年間(1900~2015年)の超長期での「1か月物Tビルと比較した年平均プレミアム」で見ると、6.2%と世界平均の4.2%、アメリカの5.5%を上回っている。 マーケットは「平均回帰の原則」が強く働くところであることを考慮すると、過去30年間があまりにも酷過ぎた分、ここからの数十年の日本株市場の長期パフォーマンスは世界平均を大きく上回る可能性があると個人的には考えている。 何が言いたいかと言うと、「長期ポテンシャル抜群」&「長年戦い続けてきて知り抜いている」ここ日本株市場で今年2021年も全身全霊を賭けて戦う。(上記データは、「ファクター投資入門 アンドリュー・L・バーキン+ラリー・E・スウェドロー著、パンローリング、2018年」より引用) 2. 1年間例えどんな事があろうとも、株式市場から絶対に退場せずに生き抜く。そして「常に御機嫌で、朗らかに楽しく」毎日を過ごす。 3. 「優待株いけす」から選び抜いた総合戦闘力の高い精鋭銘柄に資金を集中し、ベンチマークを上回る成績(具体的にはTOPIX+20%)を上げることに注力する。もちろん負けてしまっては元も子もないので、数多くの優待銘柄でポートフォリオの防御力・総合利回りを限りなく高めつつ、確信の持てる上位銘柄には迅速&大量に資金を投入する「カウンター狙いの投資」を徹底する。 4. 投資戦略としては、現在の自分の根幹手法である バリュー → モメンタム戦略 を貫き、少しでも良好なパフォーマンスを目指す。「勝つことに貪欲」に戦い続ける。 5.優待銘柄への感謝の気持ちを忘れず、戴いた優待はありがたく100%使い切る。 といったところです。 尚ここで、自らの利便性のために、昨年2020年末のベンチマークとなる各指数を貼っておきます。今年は、絶対に、各指数を確実に一人ずつ○ってやります。(上記データはSBI証券より引用) 今年はどのような優待バリュー株との出会いがあるのか、どの銘柄を新たに主力として戦うことになるのか、今から本当に楽しみです。何があろうとも、自分が生きている限りは最後まで頑張ります。それでは皆様、今年2021年も1年間何卒よろしくお願い申し上げます。 みきまる拝。
Jan 1, 2021
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