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はじめてのWii私:Wiiのタンクのゲームのことだが----。A氏:君が、はまったゲームか。私:読書に疲れたときの、気分転換にいいね。A氏:長い間かかって、ついに、84台を破壊するという最後まで到達して、金メダルを獲得したんだろう?私:ところが、幼稚園にいっている孫は、俺が84台まで、到達して金メダルを獲得した現場を見ていなかった。 それが、こないだ別キャラクターで、挑戦したら、孫の目の前で見事に金メダルを獲得した。 孫の喜びようが大げさで面白かったよ。 ところが、孫がこれが最終でなく、レベルアップがあるというんだよ。 そこでいろいろなキャラクターで挑戦した。A氏:キャラクターというのがあるの?私:ゲーム機に登録するんだよ。 ゲームの記録をキャラクター別にとってくれる。 個人記録だね。 孫が来て全部で20人くらい登録した。 画面で顔が作れるので面白いんだね。 家族、幼稚園の先生、友達などだね。 それで、俺は、その20人くらいのキャラクターにそれぞれ、タンクの金メダル獲得への挑戦をした。A氏:たいへんなこりようだね。私:一度、金メダルを取ると次の挑戦はやりやすいのか、1ヶ月くらいで、18人くらいのキャラクターで金メダルをとった。 しかし、レベルアップはない。 そこで、これはキャラクタごとではだめだと思い、俺のキャラクターにもどり、再挑戦した。A氏:君のキャラクターの2度目の金メダルを狙ったのかね。私:そうだ。 2度目の84台まできたら、追加の画面が出た。 レベルアップだね。 ついに出た。 孫が言っていることもウソではなく、誰かの家で見たんだろうね。 今、121台まできて敗退だ。 まだ、上がある。A氏:エンドレスだね。私:わからない。 ゲームの作者のみ知るというわけだね。 まぁ、知らないほうがゲームをやるほうとしては楽しみがあるがね。
2008.07.31
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私:先週の夜12時近く、寝ようと思って、その前に、ちょっと、テレビの電源を入れたら、日本テレビの報道番組のキャスターが、宮崎駿監督とインタビューしている。 印象を強く受けたのは、宮崎氏の「もう、日本のアニメはだめだ」という発言だね。 A氏:氏のアニメは、世界的な評価を受けていて、日本文化の象徴みたいなのにね。私:要するに、後継者がいないという。A氏:ウィキペディアによると、宮崎駿監督は、今年、67歳だね。 この人たち世代の後継者がいないということかね。 農・漁業の後継者が少ないと言われているが、アニメ業界も同じとは驚いたね。 原因は何かね。私:要するに、皆、バーチャル感覚になってきているということらしい。 アニメの絵を描いても、その絵の実体が発する臭い、音、感触を書き手の肉体が体験していない。 それでは、生きたアニメの絵は描けないという。A氏:一面では都市化の影響かね。 自然とのナマの接触が日常生活にない。私:養老孟司氏の言う「脳化」と同じだね。 養老氏は、参勤交代と言って、半年は田舎の自然と生活をすべきだというね。 宮崎駿監督にキャスターが「それでは、どういう手を打ったらよいでしょうか」と聞いたら、返事は「もう遅い。どうしようもない」と素っ気ない。 しかも、それは日本だけの現象でないようなことを言っていたね。A氏:一方で、機械化された単純労働で命を削っている若者もいる。 そして、無差別殺人の温床になっている。 他人の命もヴァーチャルな「物」になった。 一方で、ガソリン、農産物などの本当の「物」の値上げがある。 これらはバラバラではなく、何か、世界的に共通している流れのような気がする。私:改めて、2年前に俺のブログでとりあげた「グローバリゼーション新自由主義批判事典」で鋭く予言していた次の4つの問題点を思い出したね。 この2年間だけの間に、その進行はどんどん加速化している。 1.社会的不平等をますます深刻化させる 2.地球のエコロジー的均衡を危機に陥れる 3.商品と貨幣だけを価値あるものとする 4.人間生活のあらゆる様相を商品化して、人間の共有財を損傷する 人の都市化もグローバル化しているね。
2008.07.30
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アメリカの行動原理私:日本が開国したのはペリーがきたときだが、その前にロシアが頻繁に来ていたね。 日本が何故、ロシアを嫌い、アメリカに好意を寄せていたかというのを著者は疑問に思っているね。A氏:しかし、君のブログの「幕末・維新」によると、当時、徳川幕府はオランダを通じて、かなり詳しく国際情勢を知っていたので、アメリカが「自由」を掲げて独立した国であることを知っていたのではないかね。私:アメリカが開国で日本に来た頃は、インドはイギリスの完全支配下であったが、中国については西欧の列強が牽制しあっていた。 アメリカの態度はヨーロッパ本土に対する姿勢と同じで、適当に列強が牽制しあっているのを静観し、自分の大陸には干渉してもらいたくないというものだね。A氏:イギリスと同様に、日本が弱い間は支援して、ロシアの支配下にならないようにする。私:アメリカは、スペインと戦争をしてフィリピンを植民地化するが、他の列強と違い、他には拡大はしていない。 日本は台湾、韓国の併合のときも、こういう国際的な駆け引きを理解して、国際的な裏交渉をしていたようだね。 問題は日露戦争からだね。 日本があまり強くならないように、アメリカは講和条約のときもいくぶんロシアの肩を持つ。A氏:この辺の駆け引きは微妙だね。私:著者は、日本が満鉄を建設しているとき、アメリカがやってきて一緒にやらせてほしいと頼んだので、政府内で検討し、一緒にやることになりかかったが、軍部が警戒して潰したとしているね。A氏:これは、君のブログでふれている「日露戦争に投資した男・ユダヤ銀行家の日記」1、2のアメリカのドイツ系ユダヤ投資銀行家ジェイコブ・シフのことだろうね。私:著者は、これが日米の歴史の分かれ目で、このとき、満鉄をアメリカと共同して運営していたら、日米二大資本で中国の植民地支配が成功していたかもしれないという。 後の日米戦争はなかったかもしれないとしているね。 著者は、もう一つの日米戦争の伏線は、1936年12月の西安事件ではないかという。A氏:西安事件後に、日本に対して国共合作が行われるんだね。私:著者は、この西安事件の密議の内容がいまだに明らかにされていないのは、国際的に何かあるのではとみているね。 スターリンも関係していたらしい。 とにかく、この事件以後、中国、日本、アメリカの運命が決定されて行くことになる。 戦後のアメリカの占領は、天皇を温存し、官僚政治を利用して、間接統治を行ったことが成功したね。 この点、イラクと全く違うね。 著者は、次に重要な占領政策として農地改革をあげているね。A氏:今後の日米問題はどうかね。私:アメリカにとっては、米中関係が一番根本にある。 敵対関係になるか、協力的関係になるかは不安定。 その状況に合わせて、アメリカは日本カードを切りたい。 これに対応して、日中関係も決まる。A氏:複雑だね。私:来年からアメリカの大統領も変るが、さらに問題は複雑化しそうだね。 それに加えて、1990年以降は、アメリカの金融資本の活躍が激化する。 社会学や政治学だけではだめで、アメリカの行動原理を知るには、経済学が不可欠になってきたね。
2008.07.29
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アメリカの行動原理私:アメリカ文化を考えるときに、アメリカには、アメリカ人という人種はいないということがポイントだね。 いろいろな国の人が、その国のカルチャーを持ってくる。 スポーツでもそうだが、アメリカのコミュニティ内では、そのコミュニティの伝統的なスポーツで遊んでもいいが、学校に行くとアソシエーション内だから、教育のためのスポーツを考えないといけいない。 著者は、これが野球、アメリカン・フットボール、バスケットボール、アイスホッケー、プロレスなどのアメリカ生まれのスポーツが生まれた因だという。A氏:今まであった、伝統スポーツだと、その国出身の子どもは優位だから、「平等」ではない。 だから、今まで誰もやったことのないスポーツを発明するというわけだね。私:ハンバーガー、コーラ、ジーンズも同じだね。 これもアメリカ文化の発明だね。A氏:そういう意味で、どの人種が移民してこようと、「平等」で「自由」という行動心理が支配しているね。私:料理についてだが、ドイツ料理、イギリス料理はおいしくないというが、それは宗教改革で、ピューリタニズムでは、現世は享楽を避けるという禁欲主義であったからだという。 逆に、イタリア料理やフランス料理がおいしいのは、カソリックだからだという。 アメリカはピューリタンだから、おいしくないことになるね。A氏:ジャズやミュージカルもアメリカ発だね。私:ジャズは白人の楽器を黒人が手に入れて、自分流に演奏した。 これを白人が面白いと聴き始める。 ヨーロッパにはそういう黒人はいないし、いても白人は聴こうとしない。 ミュージカルもヨーロッパのオペラと違い、伝統社会の階層的な文化と結びついていない。 「自由」に「平等」に楽しめる。A氏:アメリカ文化の中心に自動車があるね。 郊外住宅もアメリカ型だね。私:だから、アメリカの人口は世界の5パーセントなのに、世界総エネルギーの約40パーセントを占めるという資源消費的になる。 これがアメリカのライフスタイルだね。 アメリカの資源消費の半分以上が個人消費だという。A氏:アメリカには貴族や身分制度はないから、持っている商品で階層が分かる。 ヨーロッパではルイ・ヴィトンとかグッチとかは、貴族出入りの商店だね。私:アメリカでもアジアでもブランドブームは、ヨーロッパのそういう制約がないから起こるんだね。 ブランドブームはアメリカ的といえるね。 ところで、アメリカを知るというのは、日本はどう対応したらよいかというためとも言えるね。 ペリーの開国以来、日米関係は複雑な国際関係の中を過ごしてきたね。 明日は、そのほうの話に移ろう。
2008.07.28
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アメリカの行動原理私:著者は19世紀のフランスの社会学者トクヴィルのアメリカの観察記を引用して、アメリカの特徴をよくまとめているね。 まず、アメリカは旧大陸のヨーロッパに対して「平等」だという。 フランス革命も「平等」を掲げたが失敗している。 彼は、その原因としてアメリカの「相続法」をあげている。 アメリカでは建国時に、イギリスと異なり相続税を厳しくして、子どもに財産がわたらない制度にした。 土地所有制度がヨーロッパなどと本質的に異なるんだね。A氏:日本でも戦後、アメリカが相続税を厳しくし、農地解放を行ったね。 大金持ちはなくなった。 この相続制度と土地所有の不平等問題は、南米などの格差、アフリカの政治不安定の背景にもあるね。私:アメリカの「平等」は、大統領が辞めると「ただの人」になることだね。 「平等」のために、アメリカでは、ありとあらゆる公職を選挙で選ぶ。 検事も選挙だね。 選挙してダメなら、次には投票しなければ、「ただの人」に落ちる。A氏:だから、巨大な官僚組織も天下りもないんだね。私:社会主義のソ連も「平等」を目指したが、独裁的なやり方で「自由」を犠牲にして一応は成功していたね。 アメリカは、「自由」を重視して、かつ、「平等」も重視しようという考えだね。 それに、日本では、国の法律や県の条例に合致する範囲でしか市町村の条例を制定することができないが、アメリカは逆だね。 その意味で、民が主権を持っているといえる。A氏:こないだ、日本のある地方の村に行ったんだが、立派な道路に、3、4人並んでも歩けるくらいの歩道が両側にあるんだね。 誰も歩いていない。 通学路でもない。 国の補助を受けるためには、国の規格で作らないといけいないらしい。 村の人の民意はないね。私:トクヴィルは、さらに「アメリカは『団体』をもっともよく利用している国である」といっている。 著者は、その団体を、目的を持って集まった集団である「アソシエーション」と、共同体や地域社会など自然に発生した「コミュニティ」と分けていて、これがアメリカ社会の基本だとしているね。 いわゆる、共産国家や独裁国にない「結社の自由」をうまく生かしていると言える。A氏:アメリカの特徴と言えば、南北戦争という内戦以外に、外国に征服されたことがないことだね。私:トクヴィルも似たようなことを言っているそうだね。 ヨーロッパのように常に侵略しあっている歴史をもっていない。 地政学的にも孤立している。 だから、モンロー主義が出てくる。A氏:トクヴィルは19世紀の人だが、その後、アメリカ本土ではないにせよ、真珠湾を攻撃され、最近では、9.11のテロでニューヨークをやられ、これはその後、アメリカ社会の大きなトラウマとなっているね。私:トクヴィルの頃は、連邦政府は重要でなかったが、アメリカ軍が外に出るようになったり、例の恐慌で、連邦政府の公共投資が行われたりしてから、連邦政府や大統領の重要性が生まれるね。 ベトナム戦争時代から生まれた反政府的な動きの反動として、今、アメリカは保守化の傾向にあるという。 ブッシュ大統領の単独行動主義は、アメリカは新大陸の国家である、旧大陸の文明の価値観に妥協する必要がどこにあるか、アメリカはやりたいようにやるというものだと著者は言っているね。 ネオコン発想だね。A氏:しかし、この本が出た05年以降、イラク占領の長期化、ネオコンの退陣、サブプライムローン問題、アメリカの金融資本への批判など、急激にアメリカの単独行動主義を変化させる要因が増加してきているようだね。私:それでも残るのは世界に拡大したアメリカ文化かね。 これについて明日は考えてみよう。
2008.07.27
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アメリカの行動原理私:「YouTube民主主義」で、著者は「アメリカは広大で多様なのだから、アメリカ体験は群盲が象をなでているに過ぎない」としていたが、この「アメリカの行動原理」の本では、それと逆で、「象であるアメリカ」を、社会学の立場から、判りやすく、うまく捉えているように思うね。A氏:アメリカは広大でつかみにくいというが、ヨーロッパとも違うし、アジアや日本とも大きく違うものが明らかにあるね。 マクドナルドなども、今は世界に広がっているけれど、アメリカ文化の象徴だね。 ヨーロッパ文化でもアジア文化でもないね。私:いろいろなアメリカ論はあるだろうが、著者は、2つの大きな異なった視点から捉えているようだね。 1つは、キリスト教がどのようにアメリカの価値観と思考パターン、行動様式に影響与えているかという視点。 もう一つは、新大陸に生まれた国家であり、欧州のように強力な他国と国境を接することのなかった地政学的な視点だね。A氏:アメリカは、キリスト教でもピューリタンだね。私:これは個人主義だが、他人にも価値を認める個人主義でなく、罪を犯した個人として神と直結する個人主義だという。 だから、基本的に自己中心だという。 そして、次第に俗化して、信仰の中身よりも勤勉、夫婦の中の好さなどの外見が重要になってくるというね。 これがアメリカ資本主義の基礎だという。 それにピューリタンは大きなグループを作れない。 町(タウン)も教会もバラバラにある。 50近い宗派があるという。A氏:しかし、同じタウンにいる以上、宗派が異なっても政治は共通だね。私:だから、政教分離となる。 これがアメリカの政教分離の原点だという。 アメリカの政治の目的は、根源的にはそれぞれの教会の信仰の自由を守ること。 ヨーロッパなどの宗教戦争による信仰の自由の崩壊はない。 次に、道路、教育、福祉というのが、二の次、三の次としてある。A氏:1925年にモンキートライアルというのがテネシー州で起こったね。 公共学校で「人はサルからの進化だ」と教えるのは、「神が動物とは別に創った」とする聖書の教えと矛盾する。 政教分離になっていないというわけだね。 判決は、進化論が正しいという人は別に私立学校で教えてくださいということになったというね。私:アメリカは、最初、イギリスの植民地として、イギリス王の特許状をもらった会社が経営する。 会社経営は、社員の会議でいろいろ運営を決めて行く。 これが広がって、選挙で自治政府を作る。 それが本国のイギリスと税金などともめているうちに、独立した。 人民個々人が合意の上で、憲法を決め、法律を作ったというのが「デモクラシー」の原点だね。 だから、アメリカの建国というのは、新大陸にゼロから作ったから、明確だね。 日本はいまだにあいまいだね。A氏:アメリカ政治の特徴として、その名が示すように、州が中心だね。 日本はいまだに、地方分権だともめているが、アメリカは基本的に地方分権だね。私:アメリカ政府の段階は4段階で、一番下が市町村にあたるタウン、それからカウンティ(郡)、そしてステイト(州)、そしてユナイテッド・ステイツ(連邦)がある。 もともと、州は独立した植民地で、イギリス国王から特許状をそれぞれもらってできた「会社」だから、それぞれの宗教、法律や州兵もあった。 その後、イギリスから独立するために、これらのステイツが結束して、ユナイテッド・ステイツ(連邦)に一本化した。 だから、離脱規定のない憲法だという。 ところが、ソ連も、連邦だが、アメリカと違って脱退できるという条項があったという。A氏:実際に脱退が起きたね。私:だから、個人の自由を保障する最終的な根拠は、国家権力で、だから、国旗も国歌も歌われる。 日本人は企業や学校でいじめられているのに、また、国旗や国歌を歌えとなる点が全く違うね。 明日は、アメリカの官僚嫌いの制度に話を移そう。
2008.07.26
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A氏:ちょっと、タイミングずれかもしれないが、先週の19日(土)に朝日新聞でこの見出しで、大きく大手製造業50社の調査結果を扱っていたね。 君のブログの「トヨタ『カイゼン』は業務」で朝日新聞の記事をとりあげていたのでひっかかったね。私:戦後の日本の品質向上に大きく貢献したというQCサークル活動に関することだね。 その後、小集団活動ともいうようになってきたね。 今、QCサークルは今、3万くらいあるという。A氏:この活動を残業時間にした場合、業務として残業代を払うかどうかという問題だね。 QCサークル活動は、建前は「自主活動」だからね。私:トヨタの記事は5月22日の朝日新聞の記事だから、2ヶ月ほど前だね。 朝日新聞は、この問題について、なぜか、しつこく取材しているね。A氏:今回の大手製造業50社の調査では、業務と見なしていないのは、少なく、ブリジストン、スズキ、ホンダ、新日鉄、ヤマ発、TOTOの6社だという。 少ないね。 他のほとんどは、業務として残業手当を出すか、時間中にもやっているようだね。私:QCサークル活動が盛んだったのは、40年位前からで、その頃から、残業手当問題は当然あったね。 そして、多くの企業は労働基準監督署の指導で、残業代を払うようになってきていたはずだね。 だから、突然、出てきたようなニュースでなく、俺たち世代にとっては解決済みの問題だと思っていたがね。 記者も近視眼的でなく、戦後の歴史的な目で取材をしてもらいたいね。 掘り下げが足りないと思うね。
2008.07.25
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カバーズ/ジェロ[CD]通常盤A氏:君がこのブログでとりあげた黒人演歌歌手のジェロはテレビでも出演が増えているね。 それに、従来の演歌の有名曲を歌った新たしいCD「カバーズ」を6月末に出しているようだね。 新しいもの好きで、演歌ファンの君のことだから、もう、買って聞いているかね。私:ところがそうでないんだね。 彼のデビュー曲は「海雪」でこれは買ったね。 ところが、その後、テレビで他の日本演歌を歌うのを聞くと、ちょっと、違和感が出てきたね。 特に「氷雨」という古典的になった演歌を歌うときは、やはり、ちょっと、プロの演歌らしい歌い方が感じられなかったね。 だから、新しいCDは買わなかった。 「海雪」が彼にあっていたのかね。A氏:「海雪」は作詞/秋元康、作曲/宇崎竜童だね。 いつか新聞で秋元氏が、はじめてジェロが演歌を歌うのを聞いて驚き、彼向けに「海雪」を作詞したという記事を読んだことがあるね。私:彼が「氷雨」をテレビで歌うのを聞いていて、ある高音部分がうまく出ないためか、曲の哀愁感が出ていないと感じたね。 演歌好きの作家・五木寛之氏は「演歌は怨歌」と言っていたことがあるが、この「怨」のニュアンスが出ていないような気がした。 俺の感覚だからうまく表現できないがね。 その点、「氷雨」は演歌中の演歌だが、歌うのも難しいと思ったね。 なんで、ジェロにこれを歌わせたのかね。 氷川きよしなど歌えこなせないのではないの?A氏:黒人演歌歌手の限界かね。私:わからないね。 これから、どう評価されるか。 日本文化の深い部分と関係するのか。 あるいは、彼が変っていくのか。 ネガティブな感想で申し訳ないが、今後を期待したいね。
2008.07.24
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中傷と陰謀アメリカ大統領選狂騒史私:かって、評論家の大宅壮一は、テレビ文化を称して「一億総白痴化」と言ったが、この本は、テレビによるアメリカ大統領選の堕落の歴史を描いているとも言えるね。 この本は「大統領はカネで買えるか?・50000億円米大統領選ビジネスの全貌」1.2.3の知的街道に属するね。 この本は4年前の出版だから、古いね。 しかし、昨日の「YouTube民主主義・メディア革命が変えるアメリカの近未来」より、アメリカの大統領選を通じて、アメリカのメディア革命による民主主義の変化を捕らえるのに、はるかに興味がわいたね。 テレビの登場によって、政治と政治家が堕落していく様子が克明に書かれているね。 特に、選挙にテレビコマーシャルが使われるようになってから、選挙は広告キャンペーンになり、政治家は商品になってしまったようだね。 選挙にテレビ放送のカネもかかるようになった。A氏:いつ頃から、そうなったのかね。私:最初は、1952年のアイゼンハワー大統領のときだね。 このときから、選挙キャンペーンは広告キャンペーンになり、候補者は商品になったという。 このときは、まだ、アメリカのTV普及率が34パーセント。 これが1956年の選挙の時には72パーセント。 1960年の選挙のときには88パーセントとなるね。A氏:1960年の大統領選は、有名なケネディとニクソンとの戦いだね。私:テレビ時代では、政治家がどのような人間か、何をするかではなく、テレビでどのように見えるか、あるいはどのように見せるかが重要になる。 その意味で、1960年の大統領選挙は、アメリカの政治と政治家を変えた分岐点だという。 この選挙でニクソンがテレビをあまり重視しなかったのは、この頃、ブームだったクイズ番組でインチキがあり、テレビの信用度が落ちていたことが影響したようだ。 これは後に「クイズ・ショウ」という映画にもなっているね。A氏:しかし、この頃から、テレビの選挙コマーシャルが大きな影響を与えるようになるんだね。私:1964年のジョンソン大統領のときは、相手のゴールドウォーターを攻撃するために「ひなぎく」というコマーシャルを流した。 これは今もアメリカでは有名はコマーシャルで、3歳の女児がひなぎくの花弁を1から10まで数える。 数え終わると大人の声でミサイル発射のカウントダウンが始まり、それが終わると轟音とともにキノコ雲があがる映像が出る。 そしてナレーションは、子どもが生きるか、闇に沈むか。 闇に沈まないためには、選挙にはジョンソン大統領に投票しましょうとなるね。 これはあたかも、相手のゴールドウォーターに投票すると核戦争でも起きるようなコマーシャルだね。 著者は「ジョンソンの最も汚い『ひなぎく』」としているね。A氏:1968年選挙にはケネディに負けたニクソンが再登場するね。私:ニクソンは、テレビ映りに負けた反省から、イメージを変える戦略に出る。 そして当選する。 この後、カーター、レーガン、パパ・ブッシュ、クリントン、息子のブッシュと大統領選におけるテレビを中心とするマスコミの戦いが具体的に語られていて、興味が沸くね。 コマーシャル戦術は、次第に高度化し、商品の宣伝のように大衆への効果的な心理効果を狙う。 候補者の人格を疑うようなネガティブ・コマーシャルもある。 特に、1988年のパパ・ブッシュと民主党のデュカキスとの間に展開されたネガティブ・コマーシャルは、史上最も汚い選挙だといわれているという。 最初、デュカキスはネガティブ・コマーシャルを嫌い「王道作戦」を打ち出していたが、パパ・ブッシュのネガティブ・コマーシャルに巻き込まれてしまう。A氏:インターネットとの関係はどうかね。私:著者は、まだ、大統領選では中心はテレビで、インターネットは補助的な時代が続くだろうと見ているね。 ただ、イー・メールは効果があるようだね。 今年の11月4日まで、どのようにアメリカの大統領選が展開されるか、オバマとマケインの間のテレビコマーシャルの戦いはどうなるのか、そのウラを読むには参考になる本だね。
2008.07.23
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YouTube民主主義私:この新書は2日ほど前にこのブログでとりあげた「大統領はカネで買えるか?・50000億円米大統領選ビジネスの全貌」より、2ヶ月後に出ているので、すでに、民主党のオバマ、ヒラリーがデッドヒートを展開しているときだね。 オバマが決まったのは、この本の出版の後だね。A氏:今年の民主党の大統領候補決定は、オバマとヒラリーの間で、最後までもつれこんだね。私:ところで、この新書版も「題名と内容アンバランス」型だね。 アメリカのインターネット社会と民主主義との関係の焦点を絞って書いてあるのは、20頁くらいだね。A氏:題名で興味をもった人は読んでガッカリという「題名アンバランス型」かね。私:後は、アメリカの政界や、米中日の国際関係などの政治ネタが多いが、別に新しいことはなかったね。 インターネット社会となっているアメリカでは、政治が大きく関係するのは確かだね。 大統領選挙でも、昔は、あの広大なアメリカの各州を演説して回るのは大変だったろうが、今は、テレビの時代だ。 さらに、インターネットで情報が瞬時にして相互に飛び交う。A氏:問題は、その情報の中身だね。私:FOXニュース社が、「オバマは、小学校時代、ジャカルタで過ごしたとき、イスラム神学校に4年間通っていた」とニュースを流した例をあげているね。 FOXニュース社は、事実確認をよくしないでそのネタをオバマ氏に批判的なウェブサイトから引用したとのこと。 CNNの記者がジャカルタで調べたら、事実でなかったという。 事実でない情報が拡大する危険性をインターネットは持っているね。 もっとも、FOXニュース社は、保守系の経営者がオーナーだというがね。A氏:それに、情報は豊かだが、自分に関心がある領域のみの情報を集めやすい危険性はあるね。私:結局、道具は使いようで、使う人間側が問題だね。 便利な道具に、逆に、人間のほうが使われてしまう危険性があるね。 政治問題では、ベトナム戦争反対で、左寄りになったリベラルのアメリカが、その反動で、「リベラル転向組」のネオコンを生むが、それがイラク戦争の長期化で失速することにふれているね。 話は変わるが、アメリカの介護問題にもふれている。 自己責任の国アメリカだから、老人介護は日本より問題ではないかと思って、2、3の介護施設を訪問しているが、それほど、ひどい感じではなかったとあるね。 興味があったのは、日本の介護老人ホームでは入居者は病院のようなパジャマ姿が多いが、アメリカではきちんと、通常の服装をしているという違いだね。 しかし、この介護問題と本の表題の「YouTube民主主義」とは、無関係のような気がするがね。
2008.07.22
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タクシーの値上げ、タクシー参入一部制限、大阪のタクシー、タクシー運転手との車内での会話・その5、タクシーの運転手との会話・大阪府のビッグプロジェクトと、タクシー規制とタクシーの会話シリーズが続いた。 先日、大阪でまた、タクシーに乗る。私:昨日、見かけたけれど、初乗り550円、5000円以上半額とタクシーの窓に貼ってあったタクシーを見かけたね。タクシーの運転手:MKタクシーだと思うが、初乗り500円というのがあるね。 台数は少ないけれどね。 しかし、短い距離なら得だけれど、ある程度の距離だと、初乗りが安いほうは上がるピッチが速いから、乗る距離によっては普通のタクシーとあまり変わらないと思いますね。 お客さんがどう選ぶかですね。私:競争でタクシー会社がどしどし、潰れたという話はあまり聞かないね。タクシーの運転手:それは私たち運転手に一方的にしわ寄せが来るからですよ。 われわれは、固定給もないし、ボーナスもない。 完全に歩合給ですからね。 しかし、今、規制緩和のやりすぎということで、見直し調査が入っているようですよ。 今年中か、来年早々くらいには、台数規制が復活して、料金も一律になると思いますね。私:結局、「規制緩和」というのは、利用者も運転手もなんのバカ騒ぎだったのかね。 なにかにつかれたように、「規制緩和」だと走って、この有様で、反省は誰もしない。タクシーの運転手:歩合給をやめて、一部を固定給にして、運転手の賃金を上げて、それで運賃はあげないとすれば、会社は潰れるかもしれませんね。 しかし、そうなると、われわれ運転手だって失業ですよ。私:何か、基本的に知恵のないおかしい規制だったね。 それとも規制強化に後戻りして、自己保身するための官僚の巧妙な陰謀かね。 ここで降りるよ。 ありがとう。
2008.07.21
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私:昨日、胃カメラを呑んだよ。 俺の一昨年のブログによると、3回目のことが書いてあるね。 だから、これで4回目ということになる。 今回は、胃の調子が悪いと言ったら、医者が胃カメラをやろうと言い出した。 1週間前に予約した。A氏:食事は抜きだね。 私:前日の午後10時以降、検査前まで、飲食一切禁止。 薬などもダメ。 検査は翌日の午前9時半だから、朝食ももちろんダメ。 車や自転車で医者に来るのもダメ。 これは麻酔薬をうつからだね。A氏:胃カメラ検査は、胃カメラを呑むのが苦痛なんだね。私:20年位前に最初胃カメラを呑んだ頃は、麻酔なんて、大げさなことをしていなかったがね。 検査直前に、ちょっと、のどに麻酔のスプレーをするくらいだった。 当時から、俺はほとんど胃カメラが入って行くのを感じなかったね。 個人差があるね。 今度は、一昨年と同じ医者での胃カメラだね。A氏:やり方は同じかね。私:一昨年のブログを見て、思い出したね。 まず、軽く嗽をする。 肩に皮下注射をする。 皮下注射は痛いね。 この注射は、麻酔でなく、検査しやすいように胃の動きを鈍感にするためだと看護師は説明する。 それから、舌の上にゼリー状のものをたらす。 これは呑みこまないで、舌の上に2、3分くらいのせておく。A氏:これは麻酔かね。私:そうだね。 舌の感覚がだんだん鈍くなってくるね。 これは2、3分したら飲み込んでも、吐きだしていいというから、飲み込んだよ。 それから、のどの奥に麻酔のスプレーを軽くした。 のどにしみたね。 それから、ベッドに寝る。 ベッドの置き方のため、左側を下にして、背を壁に向けて横向きに寝る。 左足を真っ直ぐ伸ばし、右足を前に出す。 胃カメラで検査中は、よだれなどを飲み込むことはできないから、口から出さないといけない。 このため、横向きになった顔の口の下にガーゼみたいなものを敷いたね。 これは、俺は必要なかったがね。A氏:準備だけでも大変だね。 気の弱い人は、最初にやるときは、緊張するだろうね。私:俺は、昔から平気だったから、緊張はなかったね。 準備が終わった頃、医者が来て、麻酔の静脈注射をする。 それから、医者は胃カメラを口から入れた。 違和感程度で痛みはない。 そのうちに、意識がもうろうとして、記憶がなくなった。 一昨年は意識があって、医者とともに胃の中の映像を見た記憶があるが、今回はない。A氏:麻酔がききすぎたのかね。私:30分くらい、寝たみたいで、看護師に起こされたら、もう10時半はすぎていた。 医者に呼ばれて、軽い胃炎程度で問題ないということだった。A氏:それは何よりだね。私:朝食抜きだが、すぐに食べると、食道と気道の分離感覚が麻痺しているので、回復するまで、食事は11時50分以降にするようにというメモが渡された。 これでは、昼食とダブルね。 家に歩いて帰ったが、ちょっといつものウオーキングのようなスピードが出なかったね。 結局、昨日は2食だったよ。
2008.07.20
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私:年金、後期高齢者医療制度のトラブルに隠れている気がするが、介護保険の問題も、高齢者社会に急激に突入した日本の危機が大きく反映されているね。 著者は、ケアマネージャーの経験があるが、今は介護制度の研究者だという。 本の副題の「現場からの検証」というのは、介護の利用者、介護する人など現場の人のインタビューを中心にこの本が書かれているからだろうね。 A氏:介護保険制度は2000年4月スタートしたんだね。 8年経った。 最初は、「『最後の社会主義国』日本の苦闘」1.2にあるように、先進国でも画期的な制度と言われた。私:日本の社会構造の変化は、急速な高齢者社会を迎えるとともに、老齢者の介護問題に革新的な対応が必要になった。 老人の介護を家族ではみるという伝統が、社会構造の変化で、守れなくなっている。A氏:老人夫婦だけの家庭が増加し、夫の介護をこれも老いた妻がする。 ともに介護を必要とすることもある。 夫や妻が死亡すると1人暮らしが増え、孤独死の原因となる。 こういう社会現象が次第に増大する。私:そこで、介護を個々の家族にまかせるのでなく、社会全体で行うというのがこの保険制度の狙いだね。A氏:それと医療と介護の分離だね。 介護は介護士やヘルパーが行う。 そして、民営化による競争原理の導入だね。 うたい文句は、利用者が選択できるということだね。 それと地域に密着した地方分権の試金石として登場するね。私:この8年の間にいろいろ問題があって、試行錯誤で改訂は進んでいるね。 その改訂が改悪になったりして、問題を悪化させている面もあるね。 俺は不勉強だったが、驚いたのは2年前から、介護に「介護予防」という考えが導入されたことだね。 何から何まで、介護すると運動したり、筋肉を使ったりしなくなるので、かえって老人の「自立」が弱まるということから、軽度の要介護レベルの人は介護を受ける代わりに、ストレッチや筋力トレーニングなどをするセンターを設けたらいしね。 開店休業のところもあったようだね。 しかし、このレベルの介護は保険をあまりきかないようにしたので、保険料は減った効果はあったようだ。 しかし、90歳の老人が軽度と認定され、予防介護をするようにいわれ、ストレッチにい通うのはナンセンスだね。A氏:いや、合気道の佐川名人は、95歳で腕立て伏せを400回やったと言うよ。 聖路加病院の日野原理事長は、96歳で階段は2段飛びであがるというよ。 90歳だからといって、体力が低下するというのは先入観だよ。 もっとも、これはすべての人に適用できるわけではないがね。私:途中で、法改訂で介護報酬を下げたので、介護士の給与は低下し、新しいワーキングプアが発生しつつある。 この現場体験は「働きすぎる若者たち・『自分探し』の果てに」1、2にあるね。 この改訂で、介護士が減少している問題が出てきて、今度の改定で見直されるらしいね。 移民問題も出ている。A氏:それと介護の民営化は、コムソン問題で反省を求められているね。私:介護という社会保障のような公的な部分があるものは、安定したサービスが要求されるので、公的要素がかなりあり、利益主体の完全民営化に根本的に向かないのではないの? グッドウイルの折口会長のように、その法律の隙をうまくかいくぐって、個人的に儲けたが、介護保険制度、派遣労働制度や老人にはマイナスとなったね。A氏:健康保険、年金、雇用保険、労災保険、介護保険という制度は、高齢者社会では社会保障と関係するので、税金との関係は避けられないね。私:全体としての見直しは避けられないね。 それにしても、官僚はどうして根本策を考えないで、チョコチョコ、細かい手直しをするのかね。 問題解決は引き延ばされ、手直しのたびに現場の書類が増加する。 介護士は、介護の後に無駄な書類でサービス残業が増加する。 これは「ゆとり教育」に引っ張りまわされた教員も同じ現象がおきていて、書類つくりに追われて、本職の時間が減る。 この官僚の「書類好き」から改革すべきだね。 根本原因は、官僚が現場を知らないか、現場に降りていないことだろうね。
2008.07.19
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大統領はカネで買えるか?私:日本では、選挙になると住民票のある役所からはがきが来る。 これを持って投票所に行く。 ところが、アメリカは自己申請しないと、投票できない。 申告制だね。A氏:日本の年金みたいだね。私:運転免許証のような本人確認ができるものを持って、選挙区に申請し、登録する。 日本と違うのは、有権者登録時に支持政党を明らかにするということだね。 民主党か共和党かを明らかにする。 どちらでもないときは、独立派として登録する。 もっとも、本番の投票のときに違っても問題はない。 04年の大統領選の登録時のデータは、民主党が32パーセント、共和党が29パーセント、残り39パーセントが独立派で登録したという。A氏:日本の「支持政党なし」という人たちが多いのと似ているね。 アメリカでも政治不信があるのかね。私:今年は、アメリカの有権者は、大統領選で2回投票所に行くことになる。 オバマ支持者は、2回、名前を書くことになるね。 投票通知は役所から来ないから、あらかじめ申請して登録した有権者名簿本人であることを証明するものを持って、投票所に行くことになるね。A氏:1回目は予備選挙、2回目は本選挙だね。 これがアメリカの大統領選をわかりにくくしている原因だね。私:1回目の予備選挙は民主、共和それぞれの大統領候補を選ぶ選挙だが、夏の党大会に出る「代議員」を選ぶのが目的だね。A氏:民主党はヒラリーと接戦の末、オバマが選ばれたね。私:各州の「代議員」の数は、10年に1回行われる国勢調査により、人口に応じて州ごとにその数を配分する。 その「代議員」の過半数を獲得すれば、党の大統領候補となる。 わかりにくいのは、州によっては、話し合いをして決をとる方法もあるようだ。 いずれにせよ、候補の得票率に応じた代議員数が州ごとに集計されていき、過半数を制すると、党の大統領候補になる。 そして、党大会で正式承認される。A氏:11月4日2回目の投票は、いよいよ、それぞれの政党候補者のどちらかを選ぶものだね。私:これも直接でなく、「選挙人」数で争うことになる。 これは、総数538人で、この過半数をとれば、大統領になる。 これも州ごとに人数が決まっている。 「代議員」のときは得票率で数を配分していたが、「選挙人」となると、州ごとに勝った候補が「すべての選挙人」を奪う。 例えば、ニューヨーク州の「選挙人」は31人だ。 オバマがマケインより得票数が多いと、まるまる31人をオバマが奪うことになる。A氏:31かゼロかだね。 日本の小選挙区は1か0だがね。私:だから、ブッシュとゴアのときのように、ゴアのほうが全体の得票数で多くても負けることになる。 もっとも、このときのフロリダ州の選挙は大分問題があったようだがね。A氏:11月4日は火曜日だね。 日本のように日曜日にやらないのかね。私:11月の最初の月曜日の翌日の火曜日と決まっているのだそうだ。 何故、火曜日かはいろいろな説があるらしい。 大統領選挙だけでなく、中間選挙の日も火曜日が多いというから、アメリカ人は投票日には火曜日を好むのだね。 これから、カネは大量にテレビ業界に流れるね。 テレビ業界はオリンピック中継とともに、大もうけの年だね。 アメリカは世界一の大国、日本は同盟国、その大統領に誰がなるかは、日本への影響力が大きいから、その選挙結果は目を離せないね。
2008.07.18
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大統領はカネで買えるか?私:この本に書かれている非営利の政治団体の代表例は「民主同盟」だ。 民主党の支援のための非営利政治団体だが、ヒラリーの選挙対策本部とは無関係だし、この団体への献金は政党への献金ではない。 だから、「民主同盟」に誰がいくら献金しようが法律は取締まれないというわけだね。 ジョージ・ソロスのような億万長者が数十億円ものカネを寄付できる。 これらが、民主党の政治団体やシンクタンクにばらまかれる。 「影の民主党」と言われているという。 これは共和党のやり方をまねたようだね。A氏:シンクタンクに行くカネなどは、政策や法律を作成するためにも使われるのだろうね。 アメリカは日本と違い、官僚に頼らず、法案は議員立法が中心だから、そういうシステムが必要だし、良質な法案ができるだろうね。 しかし、政治資金の規制としてはザル法だね。私:その他に、「マッチングファンド」というのがある。 有権者が特定候補に献金するとき、1回2300ドルが上限だが、例えば、そのうち、250ドルを候補者は政府に申請するとする。そうすると同額の250ドルが候補者に支払われる。A氏:250ドルを献金する人が100人いるとすると、候補者は合計2万5千ドルのカネを政府から得ることができるわけだね。私:面白いのはこのカネの出所だね。 アメリカでは、20歳になると、留学生でも確定申告する義務がある。 その書類の中に「3ドルを大統領選挙のために寄付しますか」という項目があり、これに印をつけると3ドルがひかれて、基金として蓄えられ、これが「マッチングファンド」の元になるというわけだ。 しかし、ヒラリー、オバマなど、殆どの候補はこのカネを受け取らないと宣言しているという。A氏:政府もカネを出すというのになぜだね?私:この「マッチングファンド」を受け取ると、選挙で使用できる資金の上限額が5千万ドルに限定されるからだね。A氏: カネはあるだけよい。 「マッチングファンド」を申請しなければ、いくらでもカネを集めて使う自由は保証されるというわけか。私:ところで、選挙資金の中心が、個人の献金だというアメリカの政治文化だというが、実際に献金する人は国民の0.3パーセントくらいだという。 しかし、3億人の0.3パーセントだから、絶対数は約100万人になるね。 もっとも、お祭り騒ぎの共和党や民主党の党大会の費用は政府持ちだという。 明日は、投票する有権者側から大統領選挙をみてみよう。
2008.07.17
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大統領はカネで買えるか?私:著者がこの本を書いた頃は、民主党はヒラリー・クリントン、共和党はジュリアーニが優勢で、著者は、大統領選はこの2人の戦いになるだろうと予測していたね。A氏:それが半年のうちに、民主党はオバマ、共和党はマケインになってきた。 まぁ、選挙の予測の難しさを物語っているね。 それに、1年もかけて、まず、民主、共和それぞれの候補を選び、最後に11月の選挙になるのだから、その間は、いろいろな変化が起こるのは当然だね。 日本のように選挙運動期間に制限はない。私:著者がヒラリーとジュリアーニが優勢と見たのは、その集金力からだ。 大統領はカネで買えないが、カネがないと大統領になれないというわけだね。 この本の副題にある5000億円というカネは、候補者や政党が集めるカネ、政府が支出するカネ、非営利の政治団体が集金するカネの総計の推測だという。A氏:アメリカの大統領を決めるプロセスが産業になっているというわけだね。私:ヒラリーは06年の上院議員選挙で連邦議員と新記録となる5100万ドル、日本円にすると約56億円の政治資金を集めている。 このうち、93パーセントは一般有権者からの個人献金だという。 日本と政治文化が違うのか、会社員や主婦が献金する。 個人用小切手を切るか、インターネットでクレジットカード番号を入力して行う。A氏:チリも積もれば山となるかね。 献金額に制限はないの?私:個人への献金は上限がある。 大統領選には予備選と本選挙があるが、それぞれ2300ドル、合計4600ドル。 政党への献金も1年間で2万5000ドルと上限がある。 企業が政治家にカネを渡す企業献金は禁止されている。 企業や労組は政治活動委員会(PAC:パック)という団体を設立してそこを通して献金する。A氏:それでは、日本の企業献金と同じではないの?私:企業が経理を通して献金するのではないのだね。 会社のカネではない。 パックの事務所は会社内に設置するが、社員や団体職員、1人ひとりカネを集金する。 パックの献金額の上限は全米レベルでは年間2万5000ドル。 ヒラリーは献金の93パーセントは個人献金だが、残りはほとんどパックからだという。 パックの企業名は明らかにされており、金融機関が多いという。A氏:オバマはどうなんだね?私:この本によると、オバマはパックからの献金を受けていない。 業界との癒着がない「クリーン」なイメージを作るためであるという。A氏:個人的な献金は自動的に集まるのかね。私:そこが問題だね。 人を誘ってカネを集める専門家たちがいるんだね。 ヒラリーの場合は、そういう人たちをヒラリーになぞって「ヒルレイザー」という。A氏:ネズミ講の元締めみたいなものだね。私:このような資金集めの方法は他の候補もとっており、一般的には英語で「バンドラー(たばねる人)」ということだ。 この「バンドラー」の集金力が政治的に影響を与えるね。 ブッシュ大統領選でもっともカネを集めた「バンドラー」は、レイノルズで、ブッシュが当選した後、レイノルズはスイス大使に任命される。 レイノルズはスイスに精通してもいないし、ヨーロッパの専門家でもないし、スイスとアメリカの2国間関係に貢献したという記録もない。A氏:当選の「論功行賞」だね。私:献金はいくら金持ちでも法律上、上限があるが、これがザル法だという側面がある。 それは非営利の「政治団体」の存在だね。 この団体への献金は選挙管理委員会の目の届かないカネで、そこにいくら誰が献金しようと法律は取り締まれない。 明日は、その点から話を展開しよう
2008.07.16
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堺の駅に降りて、タクシーに乗る。私:○○ホテルまでお願い。タクシーの運転手A:○○ホテルね。 最近、このホテルに行くお客が増えたね。私:ビジネス客かね?タクシーの運転手A:いや、よく分からないがね。 ホテルに着いて降りる。 翌朝、 ホテルで頼んでおいたタクシーに乗る。私:このホテルも最近、客が多いそうだね。タクシー運転手B:あぁ、それは堺の埋立地のほうに、シャープの液晶の大工場ができるので、その工事関係者が増加しているからでしょう。 その他にいろいろな施設が出来るらしいですよ。 ご承知のように、堺はビジネスホテルが少ないので、中には貸しアパートを借り切っている会社もあるようですね。 関西空港ができたとき、かなりビジネスホテルができたんだけれど、案外、客が来ないでやめたホテルもあったがね。 なるほど、ホテルの朝食がバイキングに変わったのはそのせいか。 朝が早い客が増えたのだろう。 朝食をとっていた2、3の客が作業着みたいな服を着ていたのが理解できる。 新聞の大阪版を見たら、尼崎と兵庫に松下の工場、堺にシャープ、和歌山に住友金属の工場が出来る計画で進んでいるという。 これらの大阪湾のビッグプロジェクトの経済効果は約5兆円と見込まれるという。 今、建設が始まった段階だから、その効果は、数年年くらい先になるのだろうか。 それまで、グローバル化した世界経済はどうなるのだろうか。 大阪府の財政危機脱出の助けになるのだろうか。
2008.07.15
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エコノミック・ヒットマン私:1980年代、「経済の殺し屋(EHM)」はイラクのバグダットで活発に活躍していた。 サダム・フセインが暴君であることは無関係であった。 イラクが継続的原油供給を約束し、オイルダラーで手に入れた米国債の利子で、米企業を雇って国内のインフラを整備し、新しい都市を建設し、砂漠をオアシスにするという取引をすれば、アメリカは喜んで応じたはずだ。A氏:兵器も供給できるね。私:しかし、1980年代終わりには、フセインは「経済の殺し屋(EHM)」の筋書きに乗る気がないことが明白になる。 ブッシュ政権の失政だった。 ところが、フセインは思う壺にはまった。 隣国のクウェートに侵攻したことだね。 ブッシュ政権は、待っていましたと国際法違反を理由にイラクを非難し、ついに、軍事攻撃をした。A氏:ブッシュ政権は国際法違反でパナマを侵攻していたのにね。私:イラクの話はご承知の結果でこれで終わりだ。 次に南米にもどり、ベネズエラの話題に移ろう。 ベネズエラは2002年には世界では世界第4位の石油輸出国で、アメリカへの供給量は第3位だという。 1973年の石油高騰でベネズエラの国家予算は4倍になった。 ここで「経済の殺し屋(EHM)」が活動し始める。 国際銀行がこの国に貸付を殺到させ、インフラ整備、建設などの資金となった。 こうした産業基盤ができると、企業タイプの「経済の殺し屋(EHM)」がやってくる。 ベネズエラの中産階級の一部は成長して市場は豊かになったが、貧困層は依然とて多かった。A氏:例によって格差拡大現象かね。私:ところが、その後、原油価格が崩壊して、ベネズエラは債務が返せなくなった。 1989年、IMFは厳しい引き締めを行い、債務返済のための圧力をベネズエラ政府にかけた。 ベネズエラの民衆は貧しくなり、暴動が発生した。 中産階級は貧困層に滑り落ちた。A氏:アメリカと日本の中間層の崩壊、貧富の2極化と似ているね。私:民衆は、チャスベ大統領を選出した。 チャスベ大統領は、ブッシュ政権に挑戦する行動をとった。 「経済の殺し屋(EHM)」は失敗した。A氏:チャスベ大統領の命は大丈夫だったのかね。私:彼は軍部を抑えていたので、アメリカ主導のクーデターに屈しなかった。 そして、9.11テロでアメリカがアフガニスタンやイラクで手一杯となったことで救われたようだね。 アメリカから本当の「殺し屋・ヒットマン」は来なかった。 しかし、南米も朝日新聞の5月13日の社説「南米の政治・『米国の裏庭』はいま」でふれているように、今は、親米政権は南米ではコロンビアだけになったという。A氏:今日、TVで映画「ボビー」を見たよ。 この映画は、例のケネディ大統領の弟のロバート・ケネディが大統領選挙戦に出て、暗殺されるまでの映画だね。 彼が殺されたのは、もう、40年前だが、彼の演説を聞いていると、今の民主党のオバマ大統領候補も同じことを言っている。 アメリカはこの40年間何をしてきたのかと思うね。 カネで世界を巻き込んだだけかね。 むしろ、次第に、力を失ってきているようだね。 ブッシュ政権後のアメリカはどう変わるのかね。 とりあえず、今、図書館に頼んでいるアメリカの今後に関する知的街道に関する本は、次の5冊。1.「壊れゆくアメリカ」 2.「米国はどこで道を誤ったか・資本主義の魂を取り戻すための戦い」3.「YouTube民主主義・メディア革命が変えるアメリカの近未来」4.「アメリカの行動原理」5.「大統領はカネで買えるか?・5000億円米大統領選ビジネスの全貌」
2008.07.14
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エコノミック・ヒットマン私:20世紀初頭、パナマはコロンビアの一部だったが、パナマ運河の工事が始まり、アメリカはコロンビア政府にパナマ地峡の行政権の委譲を含む条約に調印するように要求したが、コロンビアはこれを拒否した。A氏:アメリカのセオドア・ルーズベルト大統領は、戦艦を送り込んでパナマを占領し、パナマを独立国であると宣言した。 この傀儡政権と米国はパナマ条約を結ぶ。私:パナマは親米の独裁政権が続く。 しかし、1968年、独裁者アリエスがクーデターで倒され、クーデターに積極的に関与していなかったにもかかわらず、トリホスが指導者として登場する。 彼は、パナマの中流階級や下流階層から高い支持を得ていた。A氏:国民的な政策を実行し、人口わずか200万人の小国パナマは社会改革のモデルとされたというね。私:トリホスは、運河はパナマのものであり、米陸軍の訓練施設があるのも嫌った。 しかも、パナマには、パナマの法律や税金の対象外のアメリカ人だけ入れる地域があり、国家の中の国家があるという。A氏:沖縄の基地みたいだね。私:1972年、著者はトリホスと面談する。 そのとき、トリホスは新しい運河の建設を検討しており、アメリカのベクテル社に対して、運河をよく使う日本に工事を任せることを考えているという話が出る。A氏:パナマは石油が出ない代わりに、パナマ運河という強力な武器があるのだね。私:トリホスはアメリカからパナマ運河の支配権を得る交渉を始める。 当時、アメリカは、カーター大統領だね。 1977年、アメリカとの間でパナマ運河の支配権をパナマに委譲する新条約が締結され、アメリカ議会では、わずか1票差で批准される。A氏:しかし、その直後、アメリカ政権はカーターからレーガンへとがらりと変わる。私:レーガン政権は、運河条約をもとに戻すべく再交渉を要求する。 しかし、トリホスは脅迫には屈しなかった。 エクアドル大統領がヘリコプター事故で死亡してから、2ヵ月後の1981年7月31日に、トリホスは飛行機事故で命を落す。 52歳だった。 トリホスはノーベル平和賞の呼び声も高かったという。 新聞はまた「CIAによる暗殺!」と書きたてた。A氏:イギリスの著名な作家グレアム・グリーンの著書「トリホス将軍の死」では、爆弾が仕掛けてあったような記事があるそうだね。私:ノリエガが大統領の地位を引き継いだ。 ノリエガはトリホスの遺志を継承しようとした。 1989年12月20日、米軍はパナマを大空襲する。 別にパナマはアメリカに敵対行動をとったわけではなかった。A氏:イラクよりもひどい戦争開始だね。 先制攻撃ともいえない、一方的な攻撃だね。私:パナマ運河の支配権が日本の援助を受けた独立主権国家パナマになりそうだという筋書きをアメリカが力で拒否したことになる。 アメリカの戦争の大義名分は、ノリエガ個人の「犯罪的な邪悪」であった。 ノリエガは逮捕されアメリカの刑務所で服役という異常さだね。A氏:その話を聞くと、本当にノリエガが「極悪人」だったのか疑問に思えるね。私:結果的にアメリカは再び運河を支配した。 明日は、イラクとベネズエラに話題を移そう。
2008.07.13
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エコノミック・ヒットマン私:エクアドルでは1960年代に、大規模な石油の採掘が始まる。 この国の一部の有力者は、国際金融機関の術中にはまり、石油の収入に安心して、大きな借金をして、インフラ整備を行う。 ここで、注目すべきは、アメリカに本部を持つ福音派の伝道団SILの活動だね。 エクアドルのある地域の地下に石油が埋蔵されている可能性が高いと地質学者が企業の本社に報告する。 すると、SILがその土地にやってきて、先住民にその土地から伝道組織の居留地に移動するように勧める。A氏:キリスト教を伝道するのではないのかね。私:居留地へ行けば、衣食住が無料で提供され、教育も受けられる。 もちろん、彼らの土地を石油会社に譲渡するという条件だ。 伝道者たちは、あらゆる手を使って、住民を居留地に移動させる。 1978年、ロドルフがエクアドル大統領候補として立候補したが、彼は、SILがロックフェラーから資金を得ていると主張した。A氏:ロドルフは、自国の石油をアメリカ大企業から取り戻したかったのだね。私:ロドルフは、愛国主義者だが、カストロのような反米主義者ではなかった。 ロドルフの大統領選の時期には、アメリカはカーター大統領だったせいか、選挙に介入はなく、ロドルフが大統領に当選した。 これがカーターでなかったら、介入があっただろうと著者は言う。 1979年8月、ロドルフは正式に大統領になる。A氏:しかし、1980年のアメリカ大統領選で、カーターがレーガンに敗れるね。私:カーターはアメリカの石油への依存度を軽減させようとして、ホワイトハウスの屋根にソーラーパネルを設置していたというが、レーガンは大統領就任とともに、それを撤去した。A氏:その意味では、カーターは異例な大統領というべきで、「経済の殺し屋(EHM)」の世界観とは一致しないね。私:1981年はじめ、ロルドスの政府は、石油や天然ガスなどの炭化水素にかかわる法案を正式に提出した。 アメリカの石油会社はあらゆる手を使って対抗した。 ロルドスも強硬に対抗して、福音派の伝道団SILの締め出しを命じた。 彼は、石油会社にかかわらず、外国企業でもエクアドル国民のためになる計画を実行しない限り、強制的にこの国から追い出すと警告した。 しかし、1981年の5月24日、彼はヘリコプター事故で命を落す。A氏:暗殺ではないの?私:ラテンアメリカは激怒して、新聞はこぞって「CIAによる暗殺!」と怒りの記事をのせたという。A氏:「経済の殺し屋(EHM)」ではなく、最後は、本当の「殺し屋・ヒットマン」が登場したのかね。私:ウルタド大統領が後を引き継いだ。 彼は、SILとその資金提供者である石油会社を元通り復活させた。A氏:アメリカはケネディ兄弟の暗殺など、怖いね。私:明日は、パナマの話に移ろう。
2008.07.12
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A氏:君が、4日前のブログで「経済・財政諮問委員会のメンバー総入れ替え・加藤紘一自民党議員」として、TVの時事放談での加藤氏の発言を取り上げていたね。私:秋葉原無差別殺人の真犯人は、経済財政諮問会議の一人の学者だという指摘だね。 そこまで言いながら名前は言わなかった。A氏:そしたら、君のブログによくコメントを戴く、愛しの増田恵子様から、「八代氏だろう」というコメントを戴いたね。 これで俺はアンテナが張られたのか、昨日の新聞の週刊新潮の広告のワイド・ブラック会社、ブラック人間というところに「加藤紘一議員にアキバ事件真犯人と名指しされた経済学者」というタイトルがあったね。 近くの本屋で、買おうかなと思って、手にとって見たら、正味、1頁くらいの短い記事だね。 立ち読みしたよ。私:どう書いてあった?A氏:このTV爆弾発言で驚いた記者たちが、加藤氏に具体的な名前を聞いたら、すぐに「八代氏だ」と答えたという。 そんなに、きついことを個人にいうのは厳しすぎるのではないかという記者団の質問に対しても「それは事実だ。訂正のつもりはない」と加藤氏は強硬だったらしい。 そして、週刊誌の記事は小泉内閣のときのブレーンとして、竹中氏と活躍してきたという矢代氏の説明が書いてあったね。 記者は、八代氏に「加藤発言」対するもコメントを求めたら、ノーコメントだったという。私:八代氏は、同一労働・同一賃金を主張していたようだが、この規制をしないで、派遣労働の規制緩和をしたから、正社員と同一労働でも半分くらいの賃金でワーキングプア発生の一因になったね。 日雇い派遣も発生。 同一労働・同一賃金なら、中国のほうがもっと安い。 だから、中国に仕事が移動するか、人が来る。 複眼的な視点がないのが学者の宿命かね。 それで、加藤紘一議員は学者が気に入らないのかね。A氏:八代氏は、竹中平蔵氏と同じ、市場原理主義だね。私:6日の日曜日のTV朝日のサンディプロジェクトで、竹中氏が登場していたが、何かの問題で「そういう場合は、市場に任せれば、公平な判定がされる」という発言をしていたね。 「市場の判定が神様の判定」だというのが、市場原理主義者の根底にある理念だね。A氏:規制をなくし、市場の判定に任せた結果は、格差拡大、食糧の高騰、石油の高騰という判定だね。 それが「正しい判定」だったのかね。 タクシーの規制緩和だって、市場の判定は、運転手のワーキングプア化と運賃値上げだね。 「公平な判定」でなかったから、規制強化にもどっているのじゃないかね。私:「市場の公平な判定」で困っているのは庶民で、金持ちには「公平な判定」なんだろうね。A氏:本屋では週刊文春は買わなかったが、文藝春秋8月号は買った。 となりに「中央公論」8月号があり、ここに「秋葉原殺戮事件を生み出した時代」というタイトルで、佐藤優氏と雨宮処凛氏の対談があった。 さっと立ち読みで読んだが、雨宮氏はワーキングプア問題をいくら政治家に訴えても動きがなかったが、秋葉原事件でようやく動きがでてきたというようなことを言っているのをちょっと読んだね。私:その一つが、加藤議員の爆弾発言なのかね。 ところで、これで、また、「エコノミック・ヒットマン」のエクアドルの話題が明日に延びてしまったね。
2008.07.11
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エコノミック・ヒットマン私:グアテマラでは1800年代終わりに創設されたアメリカ企業のユナイテッドフルーツ社が中米最大企業になった。A氏:ウィキペディアによると、グアテマラは19世紀末には、コーヒーの輸出が中心だったようだね。 1893年(明治26年)には、日本で初めてのラテンアメリカ移民が行われたとあるね。 日清戦争の頃には、日本の南米移民は始まっていたんだね。 1944年から1954年にかけては、グアテマラの春と呼ばれ、かってないほど、自由な空気のもとに、各種の民主的な社会改革が進められたとある。私:そういう民主主義的な基盤があったんだろうね。 1980年代には、民主主義の模範として西半球全体で高く評価された選挙で、改革派のアルベンス大統領が選ばれた。 当時のグアテマラでは、全人口の3パーセントにも満たない少数の人々が、国土の70パーセントを所有していた。 そこで、アルベンス大統領は、選挙後に広範囲な農地改革を実施した。 問題となったのは、グアテマラで絶大な力を誇る最大の土地所有者のユナイテッドフルーツ社との対立だね。 ユナイテッドフルーツ社は、グアテマラ以外に、パナマ、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ジャマイカ、ニカラグア、サントドミンゴにも広大な農園を持っていた。A氏:そうすると、グアテマラで譲歩すると連鎖反応を起こすね。私: 怒ったユナイテッドフルーツ社は、アメリカで大規模な広報活動をくりひろげる。 アルベンス大統領は共産主義者の手先であり、グアテマラはソ連の前哨基地だという宣伝だね。 こうしてアメリカの一般大衆や議会を信じさせた。A氏:イラク攻撃のとき、イラクが大量破壊兵器を持っていて、テロの危険性があるという大宣伝と似ているね。 あのときは、9.11のトラウマでアメリカ国民も議会もその宣伝を信じたね。 日本政府まで信じてイラク戦争を支援する。 プーチンは信じていなかったがね。私:グアテマラのことにもどるが、1954年、CIAがグアテマラのクーデターを支援。 米軍機が首都を爆撃し、民主的な選挙で選ばれたアルベンス大統領は亡命した。 冷酷な右派の独裁者アルマスが政権についた。 新政権は、ユナイテッドフルーツ社から絶大な恩恵を得ており、その見返りとして、農地改革を帳消しにした。 外国投資家が投資に有利なように税金を撤廃した。A氏:今の韓国のように国民は怒るだろうね。私:しかし、弾圧が行われた。 新政権は無記名投票を廃止して、政策を批判する人を投獄した。 こうして、暴虐とテロリズムが、その後、何年もグアテマラを苦しめることになる。A氏:ウィキペディアによると、人口1千4百万人のグアテマラで、一般の犯罪や暴力団による殺人で、2006年は6000人が死亡しているという。私:アメリカ政府と多国籍企業のユナイテッドフルーツ社の共同作戦で、企業の利益は確保されたがね。 しかし、グアテマラの庶民は、社会不安に陥ることになる。 ところで、ユナイテッドフルーツ社の持ち主は誰か知っているかね。A氏:?私:ブッシュ・パパだとこと。 当時は、アメリカ国連大使だが、後にアメリカ大統領になる。 明日は、エクアドルに話を移そう。
2008.07.10
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私:昨日午後、新幹線で大阪に行って、一泊して今帰って来たよ。 行くとき、新幹線事故で2時間近く遅れたよ。A氏:俺は今朝の新聞で読んだだが、原因は米原駅で人身事故とあったね。私:それが車内のアナウンスでは「ひかり373号に人が衝撃」とかいうんで、人が死んだのかどうかは一切、言わない。 この「ひかり373号」は、次は京都駅に向けて米原駅は通過する列車なので、駅のホーム側の線路は走らない。 米原駅は中央の通過線路を走っていく。 だから、その人はわざわざ中央の線路まで歩いて行ったことになる。A氏:今朝の新聞のほうは3面記事によると死亡と明記されている。私:それにしても、なんで「男性死亡」と社内のアナウンスもテロップも明確に出なかったのかね。A氏:JR側の責任事故というニュアンスを避けたかったからかね。私:確かに「ひかり373号」の運転手は「何か衝撃」を感じたので、停止したのだろうね。 社内のテロップでは、米原駅から3km先で停止したとある。 衝撃を感じて、急ブレーキをかけても、通過速度は速いから、そのくらい走ってしまうのかね。A氏:なんでそんな危険な通過線まで、その死亡した人は行ったのかね。私:アレッ!? 新聞に書いてなかったかね。 俺が今朝、大阪で見た朝日新聞の朝刊では、詳細に載っていたがね。 なるほど、今、家に帰って関東版を見ると、詳細記事がないね。 大阪版では、3面記事で、新幹線が数本、行列を作って停止しているところをヘリでとった大きな写真があるよ。 かばんに入れて持って帰ったから、比較してご覧よ。A氏:なるほど、関東版は記事は10行くらいしかないが、大阪版は3面の3分の一を占める扱いだね。私:大阪版によると通過線路付近にいた男性がはねられて死亡とある。 そして「ひかり373号」は先頭部分がへこんだ状態で新大阪に約2時間20分遅れで到着して、その先の運転をとりやめたとあるね。 「ひかり373号」は岡山行きだから、新大阪より先にいくお客は大変だったね。 そのお客のインタビュー記事まで20行くらいあるね。A氏:大阪版によるとやはり自殺だね。私:志賀県警が下り線ホームの監視カメラに男性が線路に降りる姿が映っていたのを確認したという。 県警は自殺の可能性が高いとして身元を調べているとあるね。A氏:米原駅の新幹線ホームには柵はないのかね。私:米原駅には柵はないね。 新幹線駅では柵がある駅とない駅があるね。 それに通過線路が別にない新横浜とか熱海駅は通過の際に、全部、柵が閉まってしまうようになっているね。 しかし、柵があっても自殺しようとしたら、乗り越えていくだろうね。 ものすごいスピードで走る新幹線の先頭に、線路上にいる人がぶつかったという事故は初めてではないかね。 これで今日予定していた、グァテマラの話は明日に延期だね。
2008.07.09
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エコノミック・ヒットマン私:原書の題名は「あるエコノミック・ヒットマンの告白」で、2004年の刊行だね。 まだ、アメリカ経済がサブプライムローン問題で火がついていないときだね。A氏:エコノミック・ヒットマン(EHM)とはどういう意味だね。 ヒットマンは「殺し屋」という意味だろう? 「経済の殺し屋(EHM)」?私:途上国を近代化するために、土木・建設工事の重要性をその国の政府に説得し、そのために巨額の融資をする。 それらの工事は、アメリカの多国籍企業が行うので、融資の資金はアメリカ大企業に還流する。 そして、融資先の国の経済を破綻させ、永遠に債務者であるアメリカの多国籍企業の言いなりにならざるを得ないような状況に追い込む。 その国の経済を殺してしまう。 だから、この活動を行うアメリカのビジネスマンを「経済の殺し屋」だというわけだ。 そして、多国籍企業の言うことを聞かないと、本当の「殺し屋」がくる。 それでもだめだと「アメリカ軍」がイラクのように先制攻撃で来るというわけだ。 著者は、その「経済の殺し屋」の一人であったというわけだ。A氏:そう言えば、内橋克人著「悪夢のサイクル」によると、開発途上国における多国籍企業による支配指数というのがある。 2002年の国連貿易開発会議のデータによるとトリニダード・ドバコ44.1パーセント、チリー28.4パーセント、パナマ28.2パーセント、ホンジュラス27.5パーセントなど、中南米のラテンアメリカの諸国が突出しているという。私:市場原理主義の拡大とダブル部分があるね。 著者は、この「経済の殺し屋」だったというが、具体的な「殺し」までの話は少ないね。 この本の前半は一般論と「経済の殺し屋」になった経緯で占められている。 著者は、この多国籍大企業、アメリカ政府、世界銀行・IMFなどの大銀行の3本柱の結束を「コーポレートクラシー」と言っているね。 餌に食いついた途上国の搾取による飽くなき利益追求だね。A氏:日本の政官財の癒着なんて、屁みたいなものだね。私:この本は、随筆的に書かれているので、あちこちに話がとんで、まとめようとすると大変だ。 そこで、俺は一応、時系列的にまとめてみた。 まず、サウジアラビアだが、これはこの本の主題と違うね。 まだ、「コーポレートクラシー」が確立する前の話だね。 例の第一次オイルショックから始まる。A氏:1973年の第4次中東戦争が起きる。 ニクソン大統領は、すぐにイスラエルに対して、22億ドルの援助を決定するね。 これに対応して、中東の産油国が輸出禁止を行い、石油が一挙に値上がりする。 今の値上がりと原因が明らかに違うね。私:これでアメリカ政府、多国籍企業、大銀行がトラウマとなり、3本柱の結束が強化される結果となる。 アメリカは、サウジの石油ドルの還流を狙い、サウジの近代化のための工事を売り込む。 これには「経済のヒットマン」はないが、ドルの還流というモデルができる。 これは、サウジの経済を混乱させるという「経済の殺し屋」の話ではないが、アメリカ政府、多国籍企業、大銀行が結束して「コーポレートクラシー」が確立したという例としてあげているんだろうね。 明日は、グァテマラの話から始めよう。
2008.07.08
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私:昨日、地方に用事で出かけるので、朝、早く起きて、支度しながらTVを見ていたら、毎日放送の午前6時からの時事放談で、加藤紘一氏がすごいことを言っていたね。 それは福田首相に望みたいこととして、小泉政策からの脱却を鮮明にすることだとして、一例として、経済財政諮問会議で、派遣労働の推進を熱心に進めた学者がまだ1名いるとしてその退陣を要求していたね。 名前を言わなかったが、誰だか、すぐわかるね。 その学者が秋葉原の無差別殺人事件を起こさせた大きな原因だというように、厳しい発言をしていたね。A氏:今朝の朝日新聞で2面の下のほうに同じような加藤議員の発言が報じられていたね。 それは、6日・日曜日の山口県萩市の講演で「小泉・竹中路線で自民党の評判が悪くなって、福田さんがかぶっている。 政策を変える、という意味でも内閣を改造すべきだ」と主張したという。 そして、改造しない場合でも「小泉・安倍政権時代からの経済財政諮問会議メンバーを一掃すべきだ」と強調したという。 TVと同じ趣旨の発言だね。私:派遣労働を積極に推進したのは、学者だけではない。 民間委員では、キャノン会長の御手洗氏もいる。 一昨年頃までは、派遣労働の規制をもっと緩和すべきだという主張をしていた。 それが、その後、マスコミで、偽装請負、ワーキングプア増大が騒がれだしてから、ピタッと言わなくなったようだね。 むしろ、派遣労働の規制強化、1日日雇いの禁止規制と規制が復活している。A氏:彼は秋葉原の無差別殺人事件はどう思っているのかね。 「自己責任」で押し通すのかね。 君のブログでも「自殺したキヤノン社員の労災認定と「今こそ平成版『所得倍増計画』を」でふれているね。私:加藤氏は、学者のことは言っているが、御手洗氏のことは言っていないのは片手落ちだね。 加藤氏は山口県での講演で経済諮問会議の総退陣を言ったが、山口県と言えば安倍前首相の地元だね。 TVでは、北朝鮮の拉致問題で、自民党内で安倍氏と山崎氏が対立していることで、コメントしていたね。A氏:どちらに軍杯をあげていたね?私:安倍氏に対して厳しかったね。 去年の参議院選の惨敗、首相退陣の仕方を批判して、安倍氏は、ここ2,3年は地元にこもり、充電すべきだとしていた。 出かける支度をしながら、TVを見ていたので、明確な記憶はないが、福田首相は、首相になったときは、60パーセントの支持率だったが、その後、20パーセント台に低落したのは、日銀総裁人選問題、後期高齢者医療保険などの対応の悪さをあげていたね。A氏:隣りの韓国でも、最初、高い支持率だった李大統領はどうなるのかね。私:李大統領は、韓国の景気回復の切り札として「構造改革」を切り札にしようとしていたらしいね。 竹中平蔵氏が顧問として参加するとかという話もあったね。 それがソウルでの抗議集会の拡大でご破算になりそうだね。 その背景には、11年ぶりの貿易収支の赤字転落など経済の悪化がある。 経済成長最重視から「物価と生活安定が優先」へと軌道修正するという。 竹中平蔵氏の顧問就任もお流れかね。 後手になっているが、日本も同じ流れだね。 こういう流れは、世界的な傾向で、今日からのサミットで議論すべき問題でもあろうが、どうなるかね。 ガソリンや食料品の価格上昇など、われわれ庶民の日常生活に直結している問題だけに早急な対応を迫られているね。 環境問題と優先度が違うね。
2008.07.07
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「今のロシア」がわかる本私:9.11のテロでプーチンはアメリカのテロ戦争支援を即座に表明する。 しかし、実は、アメリカとロシアが共同して、テロ対策に乗り出そうというのは、冷戦が終わった1991年にソ連のプリマコフがアメリカに提唱していたことなんだね。 しかし、アメリカでは、当時、冷戦終了を受け、ネオコンは「ユーラシアに新たなライバルを出現させない」という戦略目標を立てる。 これとプリマコフの提案が対立して棚上げとなる。A氏:クリントン政権下では、ポーランド、ハンガリー、チェコの東欧3ヶ国がNATOに加盟する。 ネオコンのNATOを中心とする東方拡大政策の展開だね。 当然、ロシアいじめとなるね。私:冷戦終了後、ソ連の原子力産業は瀕死の状態となり、アメリカとの平和利用での共同を提案する。 しかし、これをアメリカは蹴る。 ソ連はそこで、イラン、中国、インドに市場を求める。A氏:今のイランの核開発問題もそこから始まっているのかね。私:しかし、このプリマコフの米ロ「対テロ」共闘路線は、イラクとの対応でまた対立する。 ネオコンはイラクの民主化を大義名分に、イラクに対する武力行使を考える。A氏:プーチンはイラクへの対テロ戦争の拡大には猛烈に反対するね。私:プーチンは大量破壊兵器保有の有無もあいまいなフセイン政権の打倒は、むしろ中東地域全体を不安定化させ、本来の意味での対テロ戦争を阻害すると考えたからだね。 プーチンは、いろいろな外交戦術を展開するが、ネオコンの力には及ばなかった。 イラク戦争は開始される。A氏:しかし、プーチンの予想通りになったね。私:著者は、ネオコンのNATOを中心とする東欧の展開と、イラク、イランなどの中東の展開とはつながっていると見ているね。 特に対ロシアの戦略では一体だね。 東欧でのアメリカとの対立はすでに、カラー革命でふれているし、NATOによるミサイル防衛で、「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日・一極主義vs多極主義」1、2、3、4で、このブログでもふれているね。 この約10年の間に、アメリカはブッシュで力を落とし、一方、ロシアはプーチンで力をつけたね。 リーダーの力とはこわいものだね。 プーチンは、大統領から首相になり、明日からのサミットには来ないが、今後もタフな仕事ぶりを発揮するだろうね。
2008.07.06
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「今のロシア」がわかる本私:昨日、ふれた通り、「ロシアの新興財閥・オリガルヒ」は、儲けたカネをマネーロンダリングして自分のフトコロをふくらませていた。 ロシア国家のことを考えていない。 それが一部、アルカイダなどのテロ資金ともなるという国際的なシステムができていた。 ロシアの石油で儲けたカネは国に落ちない。A氏:国際資本にロシア国家が乗っ取られる危機だね。私:プーチン政権誕生に繋がる重要な歴史的転換点は、98年8月のロシア金融危機だと著者は言う。 これを契機に、ロシアの政財界で隠然たる影響力を行使していた「オリガルヒ」の影響力が急低下。 これにより、「オリガルヒ」に反対のプリマコフが同年9月に首相に就任。 翌年99年4月、「オリガルヒ」筆頭のペレゾフスキーへの攻撃を開始した。 ペレゾフスキーのスイスでのマネーロンダリング疑惑で逮捕寸前まで追い込む。 しかし、ペレゾフスキーらエリツィン大統領の周辺の策動でプリマコフ首相が解任され、内相ステパーシンが首相となる。A氏:すさまじい権力闘争だね。私:そして、その後、チェチェンのイスラム武装勢力が隣国ダゲスタン共和国に侵攻すると、ステパーシン首相が解任され、昨日のブログのようにFBS長官のプーチンが首相となる。 11月の下院選挙で、プリマコフとペレゾフスキーが対立する。 プーチンはペレゾフスキーが主導する政党「統一」への支持表明をし、同党は下院選挙で勝利。 そして、エリツィン大統領の辞任で翌年の大統領選でプーチンが選ばれる。A氏:「オリガルヒ」のペレゾフスキーはプーチンを使って、天敵プリマコフを潰したのかね。私:ところが、プーチンはひとたび大統領に就任するとプリマコフと同様にペレゾフスキー攻撃を開始し、彼を国外亡命までにおい込む。 著者は、プーチンとプリマコフは、表面は対立したように見せかけ、裏で手を握っていた可能性が高いと推測しているね。A氏:KGB仕込みの高度な政治的謀略かね。私:プーチンとしては、エリツィン時代に著しく弱体化した国家権力の再強化というねらいがあった。 当然、「オリガルヒ」との対立となる。 ロシア最大の石油会社ユニコスとの戦いが典型的だね。 ユニコスは石油を外国に輸出することで莫大な利益をあげていた。 最初、ロシアの税制は「オリガルヒ」に有利で国家が税金を徴収しにくくなっていた。A氏:ロシアは石油で国家財政が豊かというのは、その当時はそうでなかったんだね。私:プーチンはこの税制度の根本改革を試みてきたが、「オリガルヒ」の一つである石油企業のユコスを中心とする石油ロビーの影響力でうまくいかない。 ついに、03年7月にユコス攻撃を開始し、ユコスのトップのホドルコフスキーを脱税・横領容疑で逮捕する。 これで石油ロビーの影響力は低下する。A氏:KGB出身のプーチンらしい対応だね。私:04年2月には、石油ロビーの最大の理解者とみられていたカシヤーノフ首相を解任する。 彼が、税制改革を引き延ばしたのがプーチンの怒りを買ったからだという。 そして、4月に石油輸出税と石油採掘税の増税法案が圧倒的多数で、たった1日の審議でスピード採決される。A氏:これでようやく石油のカネが政府の財政を潤し、ロシア国家のカネになったのか。 ロシアが現在までに、たどり着くまでプーチンの努力があるね。 単に石油の値上がりだけではないね。 「株式会社ロシア」1、2の登場だね。私:次は、ロシアの大国復帰を望まないアメリカのネオコンとプーチンの対立だね。 これは「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日・一極主義vs多極主義」1、2、3、4でもふれているね。 これは、視点をネオコンとプーチン・プリマコフの関係に置いて明日のテーマとしよう。
2008.07.05
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「今のロシア」がわかる本私:ソ連のアフガン侵攻に対する武装勢力の活動へのCIA秘密資金は、マネーロダンリングの国際銀行を利用して調達された。 この銀行はイギリスにあったが株主にはサウジやアブダビの王族が名を連ねていたという。 最初、チェチェン問題は、ロシア国内の一民族紛争でしかなかった。 これが、アフガニスタンなどを経由して、チェチェン内にこれらのマネーとイスラム原理主義が浸透して、チェチェン紛争はロシアとイスラム原理主義勢力の戦いへと変容する。 チェチェンのテロ主導者は、オサマ・ビーラーディン同様、アフガン義勇兵の1人だったという。A氏:カネと人が、20年程前のアメリカがとったソ連アフガン侵攻対策の裏工作と繋がっているんだね。私:1999年、チェチェンのイスラム武装勢力が、隣接するダゲスタン共和国に侵攻。 ここでFSB(ロシア連邦保安庁)長官だったプーチンが首相になる。 その直後、モスクワなどで住宅爆破事件が相次いで発生。 プーチンはこれをイスラム武装勢力のテロと判断して、ロシア軍をチェチェン共和国に派兵。A氏:第2次チェチェン紛争の勃発だね。私:ところが、奇々怪々なのは、エリツィン大統領周辺の「オリガルヒ(ロシア新興財閥)」の筆頭であるペレゾフスキーが、チェチェン武装勢力の中でもイスラム原理主義者のウドゥゴフと特に近く、チェチェン共和国周辺で続発していた誘拐事件では両者はパートナーの関係にあったという。 誘拐事件が起こると、ペレゾフスキーがロシア政府を代表して身代金を準備し、ウドゥゴフがチェチェン側を代表して人質の解決交渉をする。 身代金は二人を含む関係者で分配されるのが常だったという。 ペレゾフスキーなどの「オリガルヒ」と国際テロ組織「アルカイダ」は、米ソ冷戦時代の国際資金のマネーロンダリングネットワークでつながっていたことになる。A氏:エリツィン時代には、ロシアは国として崩壊状態だったんだね。 これを短期に建て直すにはプーチンも大変だったことがわかるね。私:いろいろプーチンの外交努力もあって、04年、ロシアとサウジの関係は正常化し、サウジは自国のNGO経由でチェチェンのイスラム勢力に資金が流れないようにする。 これで、チェチェンのイスラム武装勢力の力は徐々に低下する。 明日は、プーチンと「オルガヒ」との国内の戦いに目を転じよう。
2008.07.04
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「今のロシア」がわかる本私:この本については、日経ビジネスの書評を見たと思うが、図書館を検索したけれどなかった。 たまたま、本屋でちょっと立ち読みする機会があった。 中身が濃そうだし、600円の文庫本なので買ったよ。 書き下ろしの文庫本だね。 著者は4年間、モスクワに留学したロシア専門家だ。A氏:変わった苗字だね。 この本は、君のロシア知的街道に属するね。「ロシア世界を読む」、「プーチンは"皇帝"になるか」、「プーチン圧勝」、「アジアに接近するロシア・その実態と意味」、「ロシア後継大統領」、「株式会社ロシア・混沌から甦るビジネスシステム」1、2、「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日・一極主義vs多極主義」1、2、3、4と続いた。私:一読して、ロシアの動きが深い点でよくわかったし、プーチンの功績は単に石油の高騰の偶然に恵まれただけではないことが分かるね。 KGB出身だけのことはあるね。 ロシアは同じ大陸の多くの国に囲まれているので、伝統的に地政戦略は重要で、その視点からロシアの動き、あるいは、プーチンの動きを捉える必要があるとしているね。 そのために、いろいろなテーマが重なっており、理解は出来るが、これをまとめるのが大変だね。A氏:君のこの知的街道は、単なる感想だけでなく、知識を自己の街道記録として残すことが主目的だからね。私:この本はロシアの「地政戦略」を「テロをめぐる米ロ関係」、「対欧州戦略」、「中東との関係」、「マネーロンダリング」の4つに大きく分けて扱っているね。 しかし、これらは独立しておらず、複雑にからみあっているので、俺流にまとめることにしたよ。 まず、チェチェン問題だね。A氏:確か、プーチンはチェチェン内乱に対して断固とした態度を認められ、昇進したんだね。私:このチェチェン内乱というのが、また、地政学的に複雑だね。 まず、米ソ対立時代から始まる。 1979年末、ソ連軍がアフガニスタンに侵攻。 1981年、レーガン時代のアメリカのCIA長官ケーシーは、アフガン義勇兵に武器や資金を提供した。A氏:これが後にアルカイダを育てる原因になるのは皮肉だね。私:明日は、これがチェチェン問題の背景になっていることにふれよう。
2008.07.03
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私:今月で満5歳になる孫が、最近、面白いことをしだした。 毎月、幼児向けの雑誌をとっているのだが、今月はブロックの組立のようなものが入っていたんだ。 それをいつの間にか、自分で組立てた。 雑誌にはいろいろな組立モデルが掲載されていたが、それと違ったものを組立てたね。 しかも、左右見事にバランスがとれて、対称になっている。A氏:ギリシャの建築のシンメトリーというやつかね。私:娘(母親)が、そういえば、レゴでも最近、シンメトリーの組立をするので、レゴ好きの父親も感心しているという。A氏:よく、子どもを自慢する親を「親ばか」というけれど、君の場合は「爺ばか」かね。私:いや、俺はたまたま、孫を見ただけで、他の家の子供でも同じ現象を見たら感心するよ。 そこで母親(俺の娘)は幼稚園の延長保育で、アートというのがあるので、そちらに参加するようにしたようだ。 追加授業料を出すようだがね。A氏:アートというのは正解のアルジグソーパズルと違い、レゴ型なので、右脳の創造性を高めるにはいいかもね。私:こないだ、孫が遊びに来たので、アートで何をやっているのか聞いたら、紙コップをたくさん集めて、その外側にいろいろな色を塗って、なんとかジュースが入っているコップだとかとしたと言っていたねA氏:お互いに自分の子どもを育てるときは、仕事が多忙でよく子どもを観察していなかったが、孫になると比較的、客観的に観察できるね。 孫のほうも祖父母との交流がある。私:それが昔の大家族制時代のよかった点かもね。 多様な大人との接触が重要なことは、和田中学の校長だった藤原校長もそう言っているね。
2008.07.02
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わが子に「お金」をどう教えるか 私:図書館から順番待ちで借りた。 俺の後、まだ、20人くらい待っている。 著者は、小・中・高一貫教育のエリート養成塾の代表で、高度な学力と同時に「謙虚さ」、「創造力」、「豊富な教養」、「マナー」などを身につけさせる独特な指導方法でマスコミでも有名らしい。A氏:子どもにうまい投資方法でも塾で教えるのかね。私:逆だね。 教育をカネで買うような親を問題にしているね。 子どもの個性を伸ばすための教育を強調している。 「お金で買えないもの」を子どもに教えることを重視しているね。 「創造力」「リーダーシップ」などはお金で買えない。 「知識」はカネで買えるかもしれないが、「知恵」は買えない。 「頭でっかち」でなく、文武両道も必要だね。 その意味で、この本のタイトルは不適切だね。A氏:これからの時代の子どもは、カネをかけた詰めこみでなく、子どもの「創造的な才能」を生かすという教育の重要性が強調されている。 これは、すでに、 A WHOLE NEW MIND その1、A WHOLE NEW MIND・その2、「ハイ・コンセプト」、「ハイ・コンセプト」と「ウェブ進化論」との対立、「躍進秋田と和田中の秘密・みんなが見ていると子どもは伸びる」でもふれているね。私:お金で買えないものの追求を目指す子どもの育成が必要で、そのためには、大人がまず、その重要性を教えることが必要だという。 そして、子どもの行動を監視するというより、よく見て、理解することが必要だという。 ゲームも携帯も親がしっかりしていることがポイントだという。A氏:忙しい親は見きれないのではないの。私:絶対時間の問題でなく、やはり、強い子どもへの関心かね。 カネで他人に教育を任せると、子どもへの関心が薄くなるのだろうね。 アンテナを張っていれば、少しのこともひっかかる。 この塾には金持ちの子どもが来るらしいが、面白いことに、親が一代で成功した場合は、教育にやたらにカネをかけ、子どもに小遣いをたくさんやる。 これではいい子どもを育てない。 しかし、老舗の子どもはしつけが厳しく、小遣いもすくない。 財産は、受け継ぐもので、やたらに消費するものでないという考えが徹底しているという。 老舗の子どもで料理も子どもにやらせている家族の例があったね。 そういう子どもは親が留守でもコンビで買ってすますということをしない。A氏:それにしても、今の世の中、大人がカネ、カネだね。 そのために、偽装もやる。 買う方も見抜ける目がない。 偽ブランドにだまされる。 振り込め詐欺にだまされる。私:官僚が、ミミッチくタクシー代をごまかす。 際限なくカネに貪欲な社会が今、破滅に直面しているね。 本物の人間でないと意味ある人生が送れない。A氏:そういう意味で、「コーヒーハンター」の川島氏などは理想的な人生だね。 同じように、今、ときどき、マスコミでも登場するが、34歳のアルピニストの野口健氏なども、学ぶべき生き方だね。 彼の親は外交官だそうだが、まったく別の人生を自ら求めて、社会に貢献している。私:親の教育の違いだろうが、カネのあるなしは教育格差ではないね。 親がカネに負けているか、カネに対して毅然としているかの姿勢の「格差」だろうね。A氏:結局、親の人生が問われるのかね。私:この本で主張していることは、ある意味で常識的なことだが、改めて読んでみると考えさせられるね。
2008.07.01
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