全29件 (29件中 1-29件目)
1
私:朝日新聞の広告に「来年の4月から東洋大学の理系学科が大きく変わる」ということで、上記のテーマでシンポジュウムを、27日(土)の13時から東京の東洋大学キャンパスで行うとあった。 そして、基調講演が伊藤忠会長の丹羽宇一郎氏の「グローバリゼイションの世界で企業が求める人材」、最後の特別講演が養老孟司氏の「理系の壁・文系の壁」ということだ。A氏:両氏とも、このブログでよく登場するね。私:そうだね。 大学の新学科の宣伝には関心はないが、二人の講演をナマで聴けるのは、めったにない機会だ。 定員700名、参加無料、メールかFAXの先着受付。 早速メールして受付に間に合ったよ。 そこで土曜日だけれど、出かけたよ。 満員の盛況だったね。 最初に、丹羽氏の基調講演だね。A氏:丹羽氏は、政府の審議会の仕事も多いから、今は大変だね。私:その話はなかったね。 話の内容は、ユーモアも交えて講演慣れしていたが、演壇の机の前に立ったまま、原稿をときどき見ながら、静かに話していたね。 後の養老孟司氏が、演壇の机のマイクを使わず、マイクを手に持って原稿なしで、ホワイトボードをときどき使い、広い演壇を自由に歩きながら話していたのと対照的だね。 その対比が面白かったね。 丹羽氏は、1989年に冷戦が終わり、グローバリゼイションが合意され、ヒト、カネ、技術が国を越えて流れだした背景から話を始めたね。 その「明」の部分もあるが「暗」の部分もあるという。A氏:「暗の部分」とは格差かね。私:低賃金の労働力がグローバリゼイションで開放されたので、先進国の共通現象として、中間層がやられ、格差が拡大した。 特に先進国では、日本が急速に格差拡大が進んだ。A氏:ヨーロッパ先進国は2桁の消費税などによる福祉政策があったせいか、格差拡大は日本ほどではなかったようだね。私:丹羽氏は、以前からあった日本産業の特徴である二重構造を原因として強調しているね。 日本の企業は全体で約570万社。 しかし、従業員300人以下の中小企業が99.8パーセント。 100人以下の小企業は99パーセント。A氏:日本の労働者総数は約5400万人といわれているから、中小企業の労働者は4700万人で、大企業の労働者は約700万人という計算になるね。私:丹羽氏によると、グローバル化で700万人のほうの給与はプラス2.1パーセント増。 4700万人のほうはマイナス3.9パーセント減。 二重構造によって、格差は加速された。 中高年で、中小企業の人の給与は大企業の半分になったという。A氏:そうすると、これからは、この99.8パーセントの「暗」に、いかに「光」を与えるかが問題になるね。 どういう対応が必要になるのだろうかね。私:それについては、明日、語ろう。
2008.09.30
コメント(0)
本質を見抜く力 私:養老孟司氏の持論だが、近代というのは「正しいやり方がある」と思いこんでそこに集中してきた。 現実は多様で、「正しい受け取り方しかない」という。 日本語も「正しい日本語」はない。 あるのは「正しい聞き方」だね。A氏:一人ひとりの声も違う。 自然は多様だし、変化する。 俺たちの考えを越えている。私:養老氏は、自分の見ていた世界が、あるとき、まったく違って見えたという経験がない人が、もう先がないと考えて、自分を追い込んで自殺する。 これはある意味で、ものすごく傲慢な態度だと養老氏は言う。A氏:世界はこれで終わりだと自分の考えだけが正しいと信じているからだね。 選択肢を真剣に考えない。私:最近、スポーツで有名になっている若者がいるね。 イチローそうだが、こないだ北京オリンピックでフェンシングで銀メダルをとった若者、テニスで強豪を倒した若者などは、努力しているうちに、どんどん、新しい世界が開けていたんだろうね。A氏:辛抱してみないと、自分の知らない世界は開けないね。 確かに、自殺をする人は、世界はこれしかないと思いこんでいるね。私:養老氏がよく言うのは「情報は過去のもの」であり、かつ、言語だから、言語で表現できないことは漏れる。 多様な現実が単純化する。 医者も触診をしない。 コンピュータ画面で診断する。 ところで、9月29日号の日経ビジネスの巻頭に養老孟司氏の談話が載っている。 ここにも同様の養老氏の考えがうまくまとまっている。 養老氏は「ネットの中にあるのはすべて過去の遺物」で「後を一生懸命見れば、前が見える」と誤解しているという。 「情報」に縛り付けられて、現代人は歴史上、最も頭の固い人々になっているという。A氏:情報革命はむしろ脳ミソの保守化を生んでいるということか。 自分で前に向かって動かず、過去の情報さえ検索すれば答えがあるように思いこんでしまう。私:たしかに「危機管理」という言葉はおかしいね。 明日の危機は「管理」できないものね。 そういう不遜な考えを脳は解答を出そうとして、空理空論をひねり出す。 現実はもっと多様であることを忘れる。A氏:明日はわからない。 先が読めない。 だから怖いというが、逆に、読めないから、読める楽しみがあるのではないのかね。私:生きて行くのは不安が当り前。 現実の多様さを学び、そこから事実を把握して、辛抱して行動することで新しい世界が展開するのを待つということか。A氏:「人事を尽くして天命を待つ」だね。私:「待つ」というか、どういう展開となっても「覚悟」することかね。 本質はそういう姿勢から見えるのだろうね。
2008.09.29
コメント(0)
本質を見抜く力私:この本で、養老氏は肺ガン問題についてふれているね。 氏は、肺ガンとタバコの関係を否定する。 原因は大気汚染だという。 養老氏が禁煙ブームの裏にあるのは自動車業界と石油業界のたくらみだろうと書こうとしたら消されたという。 中国の肺ガン発生率は地方によってばらばらで、多いところは少ないところの40倍もあるという。A氏:タバコが原因ではこんな数字は出ないね。私:養老氏が東大の医学部の学生時代、東京の肺ガン発生率とスモッグのロンドンの肺ガン発生率の違いを学んだが、当時は東京の肺ガン発生率はロンドンの10分の1。 それが、その後のモータリゼーションに代表される工業化が進むと、猛烈な勢いでロンドンに追いついてしまった、という。 ところで、日本の農業問題もウソが多いね。 この本では、途中で農業の専門家の神門善久氏が登場して鼎談となる。 この神門善久氏の日本農業に対する見方も「消されて」きたものだね。A氏:養老氏の肺ガンの原因同様に「日本農業の事実」を語っているのを無視されているのかね。私:事実を知らないと、真の解決に進まない。 自民党も民主党も農業政策を打ち出しているが、神門氏の示す「日本農業の事実」を無視しているようだから、成功は難しいのではないかね。A氏:どういう真実があるの?私:日本には285万戸の農家があることになっているが、農業所得を重視している農家は約30万戸強程度だという。A氏:エッ、そんなに少ないの?私:285万戸の農家の他に「土地持ち非農家」といって、非農家でありながら農地を所有している世帯が120万戸もある。 この土地持ち農家で最近増えているのが、元農家の子弟で、相続で親の家を引き継いだケースだという。A氏:農業自体に関心がなく、資産で土地を持っているということだね。私:だから、耕作放棄が深刻だという。 農水省は中山間地帯を中心に耕作放棄が広がっているというが、むしろ重大なのは、営農に有利な平場の優良農地で耕作放棄が急増している事実だという。 都会に出て行った元農家の子どもが、親の農地を相続して、そのまま耕作放棄をしているというパターンが最近、増えているという。A氏:耕作放棄をすれば地力は容易に回復しないし、害虫の巣窟になり、周辺の農地を傷める。 無秩序のツケが正直な農家や次の世代に回って行くね。私:農家に経営感覚がないというが、皮肉な意味では、「どうしたら相続で手にした農地を一番おいしく使えるか」という点で、利益に対して「利巧」だという。 この15年はひどく、優良農地がどんどん耕作放棄され、無秩序に転用されているという。 マスコミも研究者も農地利用の無秩序化から目をそらしている。 日本農業は諸外国の農産物流入で崩壊するのでなく、片手間農家などの地権者のわがままと、それを容認する行政・研究者の無責任のせいで、自壊に向かっていると神門氏はいう。A氏:民主党の小沢氏の農業政策もポンボケかね。私:明日は、養老氏と竹村氏の本質論に移ろう。
2008.09.28
コメント(0)
本質を見抜く力私:この本で俺にとってショッキングな事実は、本の後半で登場する日本の食糧自給率の八百長数字だね。A氏:日本の食料自給率は40パーセントだろう?私:カロリーベースで40パーセントだが、生産ベースでは70パーセントだという。 ウナギとか牛肉とかカロリーの高いものは外国依存率が高いし、コンビニなどがどんどん食べ物を捨てるのが含まれる。 だから、カロリーベースの自給率は「ゼイタク」を示す数字だね。A氏:二酸化炭素が地球温暖化の犯人だと短絡して走り出すムードに似ているね。 だまされないためには、相対的思考が不可欠だね。私:まぁ、そういうことで、本屋で、気になったので買ったよ。 この新書の奥付を見ると、9月30日発行とある。A氏:今日は9月27日なのにね。 雑誌や週刊誌は、先の日付で刊行されるが、新書もそうなんかね。私:「食糧がなくなる!本当に危ない環境問題」(武田邦男著)1、2、3の本と同様に、石油は小さな油田は発見されているが、大勢に影響がなく、石油の産出量のピークは2010年としているね。 後、2年だね。 今の石油の値上がりは、マネーゲームの影響もあるが、基本的に石油が世界的に足りなくなることが背景にある。 だから、ブッシュ大統領のバイオエタノールも、油漬けのアメリカのその危機に対応する戦略だと言える。A氏:そして、それが穀物の価格高騰につながる。私:しかし、トウモロコシを作っているアメリカ中西部の農業地帯は畑が円形だという。 地下水を汲み上げてスプリンクラーで散水するからだという。 汲み上げに石油を使っている。 ところが、その地下水は雨水でなく、化石水だから、石油のようにいずれなくなる。A氏:石油と同じだね。私:武村氏は、文明を上部構造と下部構造で構成されるとしている。 下部構造は、安全、食料、エネルギー、交流の4つからなるとしているね。 その観点から、歴史や現在の状況を把握しているね。 例えば、桓武天皇が奈良盆地を出て何故、長岡京へ行ったかというと、木材が欲しかったからだと竹村氏は言う。 奈良盆地に飛鳥京、藤原京、平城京と都を何度も造っているうちに、奈良盆地の周辺の山々の森林は崩壊する。 当時のエネルギー源は木材だね。 今の石油だね。A氏:上部構造だけで説明すると、「道鏡や藤原氏の影響を離れたかった」、「天智天皇系と天武天皇系の戦いが影響している」となるが、下部構造的には、桓武天皇は淀川流域の豊かな森林エネルギー地帯にいきたかったのだというわけか。 偶然、25日の新聞では、滋賀県田上山から、奈良の藤原京まで、木材を運んだ大運河の跡が発見されたと報じているね。私:日本の木材エネルギー時代に限界が来た幕末に黒船が来て、石炭・石油時代を迎えることになるね。 考えてみると世界的に見ても、古代文明があったところは、今は全部荒地だ。 黄河の上流は、昔は大森林地帯だったが、中国人がひたすら木を伐った。 養老氏は、万里の長城はレンガで出来ているから、その火力に使う木が大量に必要だったのだろうという。 明日は、日本の農業問題の本質についてふれてみよう。
2008.09.27
コメント(0)
東京doll私:「非正規レジスタンス」の書評のことから、この作者自体に知的興味をもったが、読みたい本を図書館の蔵書でインターネットで著者検索すると、たくさんある本のほとんどが多くの予約待ち。 しかたがないので、直接、図書館に行って、本棚を見た。 そうしたら、この作者の本が2冊あったので借りてきたよ。 この本はそのうちの一冊だ。A氏:発行は3年ほど前だね。私:主人公はMGという30歳くらいの男性だね。 MGとは、マスター・オブ・ゲームのことで、ゲームの企画・原案・シナリオ・監督をやるという。 皆が、名前でなく、MGと呼ぶ。A氏:社長を名前でなく、社長と呼ぶようなものだな。私:MGは、ある大手の会社にいたが、ゲームの企画力を生かして、独立する。 そして、ゲームはヒットして大きな収入を得る。 しかし、1人、四十畳もある都会の部屋にこもって、次のゲームを考える。 食事は、近くのコンビニで買ったカップ麺とおにぎりだ。 ホリエモンがノーネクタイ、Tシャツ姿で正式な会見に出る生活感覚だね。A氏:こないだある人から聞いたが、インターネットの株取引で億という金を儲けている若いトレーダーが、やはり、食事はコンビニからだというテレビの取材の話をしていたね。私:しかし、服や靴などは高価なものを買うのだが、それは計画的な消費でなく、どちらかというとストレス解消のための刹那的な消費だね。 こういう企画を考える人は、24時間、一人で集中する。 ある意味で新しい職業だね。A氏:本来、派遣社員とか、ホワイトカラーエグゼンプションという労働法規は、こういう特殊な職業に適用されるものだったのではないのかね。 それが悪用されてしまったね。私:俺は、今、孫の相手でゲームをやるが、企画内容がよくできていて感心するね。 こういう企画を考える人は、どういう頭の構造と私生活をしている人だろうと思っていたが、この本で一面を知った感じだね。 その点では、俺たちの時代には考えられなかった職業と生き方だね。A氏:いつまで売れるゲームを開発できるかは分からない。 年齢もある。 安定はしていない職業だね。私:しかも、世の中、どんどん、変わっていくしね。 「アキハバラ@deep」という作品もあるようだね。 読んでみようと思う。
2008.09.26
コメント(0)
食糧がなくなる!本当に危ない環境問題私:クリーンエネルギーとして登場する原子力発電の問題点は、安全性の問題だね。 放射能被害だね。 しかも、日本は地震国だ。A氏:そこで耐震性が問題になるね。私:よく電子発電所を作るときに、住民から「絶対安全か?」と聞かれ、当局者が「絶対安全です」という対話があるが、あれは不毛の議論だね。 特に、地震は天災だから、「絶対安全」は難しいね。A氏:昨の新潟県中越沖地震で、柏崎刈羽原子力発電所に火災が起きたね。 少量の放射能物質が漏れた。私:著者は、もともと、「地震が来たら、壊れて、放射能物質が漏れ、場合によっては付近住民が被爆する」というのが日本の原子力発電所を作るときの「地震の指針」だという。 だから、どのくらいの震度に対して耐震性をもって設計しているかが問題になるね。A氏:しかし、それには地震を予測する地質学のほうの精度が問題になるが、これがまた、難しいね。私:柏崎刈羽原子力発電所は250ガル、震度6以下の地震には大丈夫という設計だったが、実際に来たのは、一部で400ガルや600ガルくらいで揺れたという。 柏崎刈羽原子力発電所を作るとき、地元住民に対して「柏崎刈羽原子力発電所は地震でも大丈夫です」という説明がされたようだが、正しい説明は「この原子力発電所は震度6の中程度までの地震なら大丈夫だが、それより大きな地震が来たら危ない」というべきだという。A氏:しかし、その説明では、地元民で納得しない人も出てくるのではないの?私:「絶対安全」だから、万が一の場合の準備が不十分だと著者は指摘しているね。 1986年のソ連のチェルノブイリ原子力発電所の爆発時に、ソ連は「安定ヨウ素剤」の供給が遅れた。 これを飲むと危険なヨウ素が体外に放出されるという。 ところが、ポーラランドは各家庭に置いてあったので被害を最小に抑えることができたという。 ソ連はそれに対して、多くの子供たちが甲状腺ガンにかかった。A氏:「絶対安全」という発想からは、万が一の対応を否定してしまうのだね。 しかし、人間は万能でないから、「万が一」が起きるわけだ。私:著者は最後に、自分を守るのは自分だとしているね。
2008.09.25
コメント(0)
食糧がなくなる!本当に危ない環境問題 私:主な食糧に「穀類、野菜、魚」があるね。A氏:「肉」もあるね。私:牛、豚、鶏は、飼料が穀物類だね。 「穀物類」が「動物経由」で、「肉」としてわれわれの口に入ると考えることができるから、穀物に還元できる。 だから、アメリカからのトウモロコシが減ると日本人は「肉」も自給できない。 ところで、日本は海岸線が長い。 海域面積は世界第6位だ。 だから、「魚」という食料が豊富なようだが、これも問題をはらんでいる。A氏:石油の値上がりで厳しくなっているね。私:著者は、地球温暖化が逆に食糧問題を解決してくれるという。 寒冷化では、食糧の生産性が低下する。 寒冷化すると暖房の石油も必要だ。 温暖化すると、農地が増加する。 カナダは約8倍、ロシアは約6倍で、地球規模では1.7倍に増加する。A氏:ロシアのシベリアでも農産物がとれるようになるかね。 北海道も肥沃な農業地になる。 東京でもバナナが育つ。 映画「デイ・アフター・トモロー」を見ていると寒冷化は確かにひどいね。 この映画は、温暖化歓迎と逆に宣伝しているようだね。私:海の温暖化でプランクトンも増加するから、魚が増える。 驚いたのは、鯨が食う魚の量はすごいことだね。 捕鯨反対の団体は、鯨は1年に5千トンの魚を食うというが、捕鯨賛成の団体は5億トンという。 著者は、中をとって1億トンとしているが、人間が食べる魚が年1億トンだから、鯨が増え、アメリカ人などがダイエット食で魚を食いだすと、魚も安定した食糧でなくなる。 ところで、この著者は「コペンハーゲン・コンセンサス」では、世界の重要問題として地球温暖化よりも「微量栄養素の供給」をとりあげていることを重視しているね。A氏:そう言えば、サプルメントで亜鉛の摂取が健康にいいといっているね。私:亜鉛は一時、人体に毒だと言われていたがね。 リンも人体に必要らしい。 人間はこれを生活している土地の食物でとってきた。 その観点から言うと、現代の日本社会は「元素バランス」という点では、輸入品がが多い危機的な状況にあるという。 それを解決するには、国産の食物をできるだけ食べることだという。A氏:歴史的に土地に蓄積された「元素」が含まれているからだね。私:著者は、リサイクルはいったん捨てたゴミを使うのだから、リサイクル品にはゴミの中にある不純物が含まれている危険性を指摘しているね。A氏:食の安全というけれど、過度の清潔性も薬を使うから危険だね。私:俺たちにまわりは、ますます、危険に満ちているから、自衛が必要だが、ウソの情報も増えているので、著者は軽々しく、マスコミ情報にだまされないようにと警告しているね。 ダイオキシン、環境ホルモンで騒いだ後、その問題はいつの間にか消えているね。 この本の最後に食糧と直接関係がないが、原子力の安全性についてふれている。 著者が、原子力安全委員会の委員であるせいかね。 明日は、原子力発電の問題にふれよう。
2008.09.24
コメント(0)
食糧がなくなる!本当に危ない環境問題私:著者は、二酸化炭素と地球温暖化の関係の否定論者で、このブログでも紹介した。 「環境問題はなぜウソがまかり通るのか2」、1、2、3、「地球温暖化の陰に原発推進論」、「ほんとうの環境問題」、「地球温暖化キャンペーンの欺瞞」、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」、「恐怖の存在・上下」、「地球はこれから寒冷化する」、2地球環境についての社説コメント 、「環境危機をあおってはいけない・地球環境のホントの実態」、「1秒の世界」--と続いた地球温暖化問題の知的街道の一つだね。 リサイクルも環境によくないとしているね。 この本でまず、ふれているのは、トウモロコシでバイオエタールを作るというブッシュ大統領の政策だね。 著者は、この政策を「人類初の暴挙」と厳しく非難している。A氏:小麦価格は2倍に上昇し、他の農産物の価格も高騰したね。 それだけでなく、食糧が自動車燃料になるのだから、食糧不足が懸念されるね。私:人の生命に関係するコメ、ムギ、とともに3大穀物の一つとして重要なトウモロコシとガソリンを同じレベルで考えるという発想のひどさ。 これに著者は呆れているとともに、アメリカは自国を守るためには何でもやると批判的だね。 とうもろこしのアメリカの生産量は世界の3分の1。 1年間で日本の九州くらいの面積が「食糧用」から「ガソリン用」に変わった。A氏:ブラジルもバイオエタールで有名だね。私:ブラジルの場合は、サトウキビから作るし、そんなに大量ではない。 だから、問題を起こしていない。 それにトウモロコシから、ガソリンを作る工程は、サトウキビからガソリンを作る工程の倍かかり、作る過程で多くのエネルギーを使うから環境問題には、もっと悪い影響を与える。 「地球にやさしいバイオメタノールはウソだ」と著者は言う。A氏:今の農業は、薬漬け、機械漬けだから、石油をたくさん使う。 その農産物にまた石油を使って、ガソリンにするのは環境によいはずはないね。 アメリカの本音はなんだろう?私:アメリカの石油使用量はものすごい。 だから、先行き不安な石油埋蔵量の温存と国際的な農産物に対する支配力の強化だという。 これで国内の農業生産者に富をもたらし、農産物生産に世界支配力をもてる。 農産物生産に弱い中国、ロシアの大国に支配力も持てる。A氏:今、食糧はカネで買えるので、金持ちはたらふく食い、貧乏人は飢える。私:日本は、メタボリック症候群で問題になっているが、肥満度の国際比較をすると日本は27位。 先進国では最低。 トップはアメリカで、日本の数倍の肥満率。 一方、世界では、毎年、1500万人が餓死しているという。 それも子どもが多い。 日本は、まだ、工業製品で稼いだカネがあるから、食糧自給率は低いが、食べ残しがあるほどゼイタクだね。A氏:そのカネも、2002年頃から、逆に、資源価格の高騰で、資源国に流れ出しているね。私:著者が、重要視しているのは、トウモロコシをバイオエタノール化するアメリカの政策で、世界的な食糧危機が予測されることだね。 だから、食糧の自給率が極めて低い日本がいかにこの食糧危機を脱するかが最大の問題だとしていることだね。 地球温暖化対策などでうつつを抜かしている事態ではないと警告しているね。 むしろ、地球温暖化は食糧問題に解決を与えてくれるとしているね。 明日は、その食糧問題に移ろう。
2008.09.23
コメント(0)
A氏:昨日の朝日新聞の朝刊の一面トップは中国産牛乳にメラミンが検出されたことで、それを使った丸大の5商品の回収を報じているね。私:今朝は4面の国際欄で、メラミン汚染粉ミルクで中国乳児5万人が治療という見出しで中国衛生省の発表を報じているね。 中国河北省石家荘市の三家集団製のミルクが原因としているね。 これは、牛乳の蛋白成分が増加することから意図的にやっていたことは明白。A氏:日本での被害はあまりないらしいが、これでますます、中国食品に対する不安感が増幅された感じだね。 しかし、例の冷凍ギョウザ問題は、もたもたしていると1年もたつというのに、どうなっているのかね。 忘れそうだよ。私:日曜日の朝6時から、TBSテレビで時事放談がある。 昨日の分は録画しておいて後から見たんだが、この日は、例の元自民党の大物の野中広務氏が出席していた。 その中で、チラッと、野中氏が例の冷凍ギョウザ事件の原因は、中国の工場で、一部の不穏分子の仕業であるという情報が入っているというようなことを言っていたね。 話題が農林省の汚染米の話だったので、司会がギョウザ問題を追及していなかったので、話は拡大しなかったがね。 俺は気になったね。A氏:そうすると中国側は冷凍ギョウザで何か原因をつかんだのかね。 中国政府と関係のある野中氏に情報が入ったとするとマスコミは何をやっているのかね。 いずれにせよ、日本での農薬混入ではないね。私:それを、一時、中国国内では農薬混入はありえない、と堂々と公言した中国当局者の責任はどうなるのかね。 包装用紙は農薬を浸透させるという中国警察かなんかの実験責任はどうなるのかね。 今後のニュースに期待したいね。 それから、野中氏は北京オリンピックを見に行った後、南京を訪問しているが、ここにある南京事件のいろいろな展覧内容が、大分、落ち着いたものになっているらしいね。 南京虐殺事件を報じた日本の新聞が掲示されていたのが、新聞社の名前が削除されたり、日本兵の悪行をしているような人形も撤去されたという。A氏:そう言えば、昨年は南京虐殺事件70周年とかで、大反日キャンペーンが予想されたが、それほどでなかったね。私:そのニュースもどうなったのかね。 北京オリンピックで政治的に消えたのかね。 オリンピック後に政治的に復活するのかね。 そのニュースも知りたいね。
2008.09.22
コメント(0)
江戸の御触書 私:この本は、「日本人のリテラシー・1600-1900」1.2.3の知的街道の流れだね。 江戸幕府のときに、庶民に幕府は法令を文書で示していたが、その内容と庶民にどのように伝えられたか、関心が生まれたね。A氏:映画やテレビの時代劇を見ると、庶民が「高札」の前に集まるシーンがよくあるね。 人相書きも掲示されたりしているね。 中には、字が読めない者がいて、読める者に読んでもらっているシーンもあるね。私:江戸幕府が庶民に公布される法令や規制を伝達するのが「御触書」だね。 「御触書」は老中から出された「惣触(そうぶれ)」と町奉行から出された「町触(まちぶれ)」とに分かれるが、庶民に伝わるのはすべて町奉行経由だから、庶民は区別がつかず、すべて「町触」と呼んでいたという。A氏:「町触」が町奉行から庶民に伝達されるのは「高札」に貼り出す方法なのかね。私:いや、基本は次の経路だね。 町奉行→町年寄→名主(なぬし)・月行事(がちぎょうじ)→家主(いえぬし)→店子(たなこ・庶民) 名主は今の町内会長、自治会長。 月行事は、5人組の月当番。 家主までは、文書だが、店子には家主が口頭で伝えていたようだね。 店子には文字が読めない者がいたからだね。A氏:「高札」はどこにいったのかね。私:重要なものは「高札」を併用して使ったらしいね。 江戸には40箇所くらいあったという。 この本は、江戸時代に出た「町触」の例を約100くらいあげているが、まさに、違った角度から江戸時代の庶民の姿を詳しく知るには重要な史料だね。 とにかく、経済問題、いろいろな犯罪、風俗、飢饉、天災からあらゆる庶民の生活に「町触」が出ていてそれが残っている。 原文では読みにくいので、この本では現代語に直しているので分かりやすい。 1853年(嘉永6年)にペリーが浦賀沖に4隻の黒船で来たときには、庶民は陸はもちろん、船まで出して野次馬見物をしていたようで、それを禁止する「町触」が出ている。A氏:庶民は、黒船を恐れなかったらしいね。私:犯罪捜査には、懸賞金がやたらに出ているね。 内部告発も奨励されている。 ところで、江戸後期になると、幕府は農村の荒廃を恐れ、農村から江戸への出稼ぎを制限しはじめる。 その「町触」が出ている。 出稼人のなかでも相模国出身の「下女(げじょ)」、信濃国出身の「下男(げなん)」が有名だったという。 冬になると町に出てきて、春作になると山に帰って行く。 だから、「椋鳥(むくどり)」と呼ばれた。A氏:「日本人のリテラシー」によると、江戸から明治にかけて信濃国が山国なのにリテラシーが高いのは、そのせいかね。私:リテラシーと言えば、「寺子屋」についての「町触」がある。 「寺子屋」は上方での言い方で、江戸では「手習師匠」と言われたという。 その「手習師匠」に「寺子屋に来る子どもをえこひいきするな」という「町触」が1843年(天保14年)に出ている。 要するに、武士の子であろうと町人の子どもであろうと平等に教えよということだね。 親の自己責任にするなということだね。A氏:さすがに、江戸期は、教育重視だね。 教育に「士農工商」はないね。 フィンランド方式だね。 ところが、今の日本は、先進国で教育予算は二十何位かで最低だという。私:教育格差も自己責任となってきているようだからね。
2008.09.21
コメント(0)
私:夜9時半に大阪から帰宅したよ。 今日、堺市のほうの用事で、昨夜は堺市に泊まった。 ちょうど、台風13号が九州に向っており、関西に来ようとしていたが、約束した用事なので、変更できず、昨日は夕方の新幹線で覚悟して大阪に向かったよ。 今度はゲリラ豪雨でなく、台風にまともに向かったね。A氏:新幹線の遅れはなかったかね。私:まったく、影響なし。 定刻の夜7時過ぎ新大阪着。 それから堺市のホテルに8時頃入ったが、雨もあがっていたね。 夜も降らなかったようだね。A氏:横浜はすごかったぜ。 夜中に集中豪雨と雷だよ。 今日、午前中は、電車の遅れもかなりあったね。 まぁ、土曜だから、通勤には大きな影響はなかっただろうがね。私:今日、用事が終わり、夕方6時に新大阪駅を出て、新幹線で帰途についたが、関西地方は好天気で、全て順調。 新幹線は定刻通りだったね。 今回の大阪行きで、見事に台風をやり過ごしたね。 ただ、電車に乗ったら、テロップで、東京駅の人身事故で、長野新幹線、上越新幹線、東北新幹線に遅れが出ているというニュースが流れていたね。 同時に、常磐線も内原駅の人身事故で上野・勝田間で遅れが出ており、その影響で、水戸線も友部・小山間で遅れが出ているとテロップが流れていた。 自殺だろうかね。 土曜の夜なので、客は少ないだろうがーーー。 俺は、横浜までだから関係なかったがね。 それにしても、今回の台風も、集中豪雨型だね。 四国の太平洋側であれだけ降っても瀬戸内海は殆ど降っていないようだからね。 すでに、14号が発生しているようだが、どうなるかね。
2008.09.20
コメント(0)
非正規レジスタンス 私:「日経ビジネス」9月15日号の書評欄で石田衣良著「非正規レジスタンス」をとりあげていた。 早速、図書館を検索したら、20冊ぐらい用意してあるが、予約数が322だ。 ネットカフェ難民に関心が高いようだね。 図書館のインターネットのこの本の要旨欄には、「派遣会社からの日雇い仕事でその日その日を食いつなぐフリーターのサトシ、『今のぼくの生活は、ぼくの責任』と言いきる彼をマコトもGボーイズもほうっておけず...。」とある。 A氏:石田衣良氏とはどういう人かね。私:石田氏は、「町のお助け屋」としてネットカフェ難民などを救う活動をしておるそうで、その手記がすでにこれで8作目だという。 インターネットによると「1960年東京生まれ。広告制作会社勤務・コピーライター業を経て作家デビュー。 97年「池袋ウエストゲートパーク」で第36回オール讀物推理小 説新人賞、2003年「4TEEN」で第129回直木賞、06年「眠れぬ真珠」で第13回島清恋愛文学賞受賞」とあるね。 すでに、多くの本を書いているので、検索したが、皆、多くの予約待ちだね。A氏:若い人向けの新しい人気作家だね。私:ところで、日経ビジネスのこの「非正規レジスタンス」の書評をワタミ社長の渡邊美樹氏がしている。A氏:例の教育バウチャー制の熱心な提唱者だね。 君は批判的だね。私:渡邊氏は教育現場に市場原理を導入しようとしているようだね。 だから、この書評の最初に「自由主義社会は自己責任から成り立っている。敗者が経済的に豊かになれないことはある意味仕方がない」とあるね。A氏:自己責任論だね。私:ところが、この書評の後半で 「私はネットカフェ難民は単に自己に甘いだけと思っていた。 だが、現実と戦う彼らの実態をていねいに取材した本書を読み、認識を改めた。」 とあるね。 今頃、「認識を改めた」では、甘いのは渡邊氏のネットカフェ難民に対する認識ではないのかね。 そして、国がネットカフェ難民の就職先を支援する融資制度の創設に動き出したのは好ましいとしているね。A氏:いわゆるセーフティネットだね。私:渡邊氏も「再チャレンジやセーフティネットの仕組みを用意しておかなければ、血も涙もない弱肉強食のシステムに成り下がってしまう。」と言っている。 「ネットカフェ難民」の大量発生は、そのセーフティネットの仕組みが用意されていなかったので、弱肉強食のシステムに成り下がった結果ではないのかね。 そして、あわてて、今頃になって国が融資制度で腰を上げた。A氏:規制緩和、市場原理主義導入と同時にセーフティネットを張るべきだったね。私:小泉改革のとき、竹中平蔵氏は口癖のように「市場に任せるとともに、弱者にはセーフティネットを張る」と言っていたが、セーフティネットは張らず失敗しているね。 だから、「ネットカフェ難民」が出て、後手となっている。 今頃になって、政府が尻拭いで、融資制度を考え出したというわけだね。A氏:教育問題と言えば、君がとりあげていた全力学力調査の結果発表問題は、橋本大阪府知事が口火を切ってから、一部の知事から市町村に公表を求める発言が相次いでいると11日の新聞で報じている。私:これについて、佐久間上越教育大准教授が「意図せざる結果」として教育格差や差別の助長を警告しているね。 アメリカでは、すでに教育に金と時間をかける余裕のある家庭が「よい学校」のある地域に引越し、取り残された地域の公立学校が荒れているそうだね。 渡邊氏も教育に市場原理を導入するときに、教育格差は自己責任だとして、市場に放任しておいて、後で格差が出て問題になってから、教育にもセーフティネットが必要だったと言わないでほしいね。 常に、「負」の部分も同時に考える思考が欠けているね。 同時にセーフティネットを張ってほしいね。 教育問題で「ネットカフェ難民」同様の失敗をしないでほしいね。 市場原理主義者には、第2次大戦の日本軍と同じで、バランス思考、相対的思考がないのが特徴だね。
2008.09.19
コメント(0)
A氏:確か、福田首相の辞任表明は9月1日だね。 12日の朝日新聞の夕刊で、佐伯京都大学教授が「福田首相の唐突な政権放棄・政治の漂流、端的に示す」という寄稿があるね。 大きな原因に「衆参のネジレ現象」をあげていて、誰が総理になっても無理だというようなことを書いているね。私:それは福田さんが首相になるときに分かっていたことだね。 福田さんが小沢さんと親しいから、首相を引き受けたわけでもない。 「衆参ネジレ現象」を解消するために、福田さんが大連合を持ち出したわけではない。 むしろ、真相は小沢さんからの提案のようだね。 だから、福田さんは「衆参ネジレ現象」を甘く見たというしかないね。A氏:自分が周囲から持ち上げられて首相になったように、小沢さんも持ち上げてくれると思ったのかね。 この甘い判断はどこからくるのかね。 その追及がないね。 それから、佐伯教授は3年前に衆院選挙で自民党が大勝したのは、「小泉劇場」が原因。 昨年の参院選で自民党が大敗したのは、「消えた年金」という多分に情緒的な反安倍ムードが原因。 いずれも、何か情緒的に浮動する世論で政治が漂流しているという。 要するに「漂流して選んだ国民が悪い」というわけかね。 「衆愚政治」とか「ポピュリズム」とか「テレポリティクス」ということかね。私:3年前は郵政民営化に賛成するよりも「小泉劇場」に国民はひかれたのだろう。 規制緩和や構造改革で経済がよくなり、ムダがなくなるから生活もよくなるという期待感があった。 ところが、小泉政権後半から、労働者や地方の格差問題がクローズアップしてくる。 官僚のムダは全然減らない。 小泉改革の負の部分が具体的に出てくる。 それが「年金不安」に象徴的にあらわれ、昨年は、自民党は大敗したと思うね。 昨年は、郵政民営化とは違って具体的なことで世論は動いたと思うね。 佐伯教授が言う「ムード」ではないと思うがね。A氏:文藝春秋の10月号は9月10日の発売だが、福田首相辞任をおりこめず、「福田と小泉 総理の覚悟が違う」、「福田康夫 その虚像と実像」、「麻生・福田『政権禅譲の密約』全真相」と3つの記事があるが、いずれも早期の辞任を予想していないね。 タイミングを逸したね。 月刊誌の弱点かね。私:しかし、福田首相が地位にあまりしがみつくタイプでないことは指摘されていて、突然の辞任は予測できたともいえるね。A氏:今週の週刊朝日で「福田・安倍辞任会見徹底分析」というのがあって、こまかく会見のときの言葉をあげて分析しているね。 そのときの発言をした脳を「投げ出し脳」と書いているね。私:俺も読んだが、分析する意味があるのかね。 安倍さんは「お坊ちゃん」育ちで神経と体が細く、首相の激務にやられ、福田さんは叩き上げ政治家の経験のない2代目サラリーマン型首相で、政治のいやらしさに嫌気がさして、「だだ」をこねただけだろうね。 読んで損したよ。 佐伯教授は「漂流」を言う前に、そういう政治家の政治力の低下をいうべきではないかね。 もっとも、そういう政治家を選んだのも選挙民だと言われればそれまでだけれどもね。 今度の選挙では、しっかりしないといけないね。
2008.09.18
コメント(0)
壊れゆくアメリカ私:今、アメリカは金融問題で大変だね。 ところで、この本の原書は、サブプライムローン問題が発生する以前の2004年の発行だから、今回のような金融危機を扱ってはいないが、アメリカ崩壊を予告しているようだね。 原書の題名は、Dark Age Ahead だから、直訳すると「先に迫っている暗黒時代」とか、「お先真っ暗の時代」とか訳せるかね。 日本訳の題名はその意味で意訳だが、本の内容をうまく言いあらわしているようだね。 著者は、ジャーナリストでベトナム戦争に反対し、息子が徴兵年齢に達したとき、30年間暮らしたニューヨークから、カナダのトロントに移住したという。 2006年に90歳でなくなる。 この本の原書は2004年発行で遺作となったが、カナダで賞をもらっているらしい。A氏:アメリカの暗黒と言うと、「人種差別や著しい環境破壊」「犯罪」「政治家に対する有権者の不信」「それによる投票率の低さ」「中産階級の激減にともなう貧富の格差拡大」かね。私:著者は、それを正面からとりあげず、その原因として、次の5つの柱がアメリカで崩壊しつつあると言う。 1.コミュニティと家族の崩壊 2.高等教育のベルトコンベヤー化 3.科学的精神の喪失によるテクノロジーの効果的な実践の崩壊 4.税と政府の力、中央集権に固執し、地方分権を拒否する政府のための地方の崩壊 5.自己規制を忘れた知的プロフェッショナルの堕落A氏:日本も似ているね。 日本では自民党の崩壊が象徴的かね。私:著者は、この本の最後の方で、歴史的に「日本とアイルランドは暗黒時代に陥らなかった」と高い評価をしているね。 日本は、戦争に負けても日本の伝統を守っていると高い評価をしている。A氏:しかし、その評価に反して、日本も「お先真っ暗の時代」を迎えつつあるようだね。私:この本が出た後、アメリカはサブプライムローン問題に突入するね。 一方、アメリカ史上、最初の黒人大統領候補が登場した。 時代は加速度的に変化しているね。 アメリカも日本も「お先」でなく、「現在」になった「真っ暗の時代」を解決できるだろうか。
2008.09.17
コメント(0)
私:14日の朝日新聞の一面トップがこの見出しだね。 地方の道路が都会並みの歩道や照明灯が道路構造令という法律でしばられているのが、緩和されると言うことだね。 法令の改訂だね。 俺は、なんで今頃、改訂するのかというほうがニュースになるのではないかと思うね。 それは、俺の体験からだ。 俺は、10年位前から用事で、いろんな地方に泊まることがあるんだが、田舎道をウオーキングすると、立派な歩道が延々と続くんだね。 昼間は、一人も人は歩いていないでガランとしている。 これが、いろいろな地方で共通していることを発見したね。A氏:通学に使うのではないの?私:道路のまわりの家は少ないので、通学児童も少ない。 2、3名の児童が下校するのを見たことがあるが、それで終わりだね。 そんなムダは、地方では一番よく分かっているはずだよ。 それなのに作る。 国の規制通りに道路を作ると国の補助金も得やすいらしい。 しかし、まわりまわって税金の負担、財政の赤字増加となる。 財政赤字が800兆円あると言いながら、10年来、こんな簡単なことすら手を打っていない。 それで平気で官僚も政治家も、道路業者も法令を変えないで道路を作り続けてきた。 そのほうが大ニュースだよ。A氏:しかし、立派な道路をつくるとカネが一時的に地元に落ちる。 地元が潤う。 それを小泉改革で切ったので、地方はさびれた。 今度の改訂で道路が安く作れるようになると、地元に落ちるカネも減るのではないの?私:14日のサンディプロジェクトで、小泉改革の三位一体改革で、地方分権で財源を地方に3兆円委譲するので、政府は補助金4.7兆円をカットした。 ところが、さらに地方交付金を5.1兆円カットする結果になった。 これで、三位一体によって、地方は6兆円の収入減で、大失敗になった。A氏:今、国民生活が物価高で苦しくなっていたり、地方が崩壊状態だといって、カネをバラマクことになったりすると、また、財政赤字は増加するね。私:地方の立派な道路工事に落ちるカネを、もっと、産業構造を変えるような方向にカネを使っていれば、今頃、経済効果が出たかもしれないね。 道路族は、子孫のために立派な道路を作るのだという大義名分を言うが、子孫のほうがムダな道路のために、借金を負わされることは隠している。A氏:そして、産業構造の改革へカネが廻らないから、経済が停滞するという最大の負の遺産も子孫に残される。 子孫に対する一種の詐欺行為だね。私:小泉改革で最大の問題になったのは、破壊し、改革した後の日本はどういう姿を目指すのかという国家像がないということだったね。 目指すべき新しい国家像の喪失は、依然として続いているね。 サンディプロジェクトで、ある自民党総裁候補は、目指すべき国家は「福祉国家」だと言っていたが、カネはどこから出るのかね。A氏:「福祉国家」だと税金がいる。 税金は国民が稼いだカネから得られる。 カネを稼ぐには経済がよくないとダメだ。 それには、経済のグローバル化の時代だから、国際競争力がないとダメだ。私:だから「福祉国家」は「高収入国家」とセットでないとダメだが、今、日本は経済は二流国家になっている。 これから脱して「高収入国家」をどのように作るかの具体的なビジョンがないね。 議論もされていない。 それが最大の問題だね。 フィンランドは、高福祉高負担だが、国民のコンセンサスがある。 そして、経済競争力もIT次代に対応して、教育からはじまって、国家戦略のバックアップもあり、世界一だね。 小さい国家なのでそのまま、日本では真似はできないが、基本的な理屈は単純だね。
2008.09.16
コメント(0)
私:今日の敬老の日は休日で幼稚園は休みになるので、先週の金曜日に俺の孫の幼稚園で「敬老のつどい」というのをやった。 園児の祖父母が参加するイベントだ。 園児の歌の発表や、クラス毎の祖父母と園児との対話や昼食会など、半日のイベントが行われた。 俺も参加したよ。A氏:幼稚園で「敬老のつどい」をやるところはあまりないのではないの?私:そうらしいね。 後期老齢者医療保険制度に象徴されるように、最近、敬老ムードは冷えてきているようだからね。 しかし、この幼稚園は逆らしいね。 例年は、親も参加したんだが、どうしても母親中心になりやすい。 そこで、親の参加は二の次にして、今年は祖父母を中心にするなど、更に敬老色を強めたね。 この幼稚園の教育方針は、ちょっと変っていて、園児に泥いじり、虫とり、芋ほり、大根ほりをさせたりで、自然にふれることを重視している。 大家族時代の3世代の人の交流も重視しているのだろうね。 別にエリート型の幼稚園でなく、泥臭い感じの幼稚園だね。 俺の娘はあえてこの幼稚園を選んだよ。A氏:クラスごとに祖父母と園児の対話があるの?私:対話は各クラスの部屋に分かれて、車座に椅子を並べ、園児と祖父祖母が話をする。 先生が「おじいさん、おばあさんは子供の頃、どういう遊びをしたのか、聞いてみましょうね」と言って、順次、祖父母が自己紹介しながら、昔の遊びを話し出す。 一クラス20名くらいの園児だが、祖父母は10名くらいだから、欠席が多かったね。 祖父母となると、遠く離れた地方に住んでいることが多いので、わざわざ、都会に来るのが大変だし、もう老年だから、入院生活をしている祖父祖母も多いね。A氏:祖父母からどういう遊びが出たかね。私:お手玉とか、かくれんぼとかいろいろ出たね。 ある祖母が、3つでお手玉をやってみたら、児童が一斉に歓声をあげたね。 それから、皆で昼食だね。 俺のテーブルには俺の孫と、他に3人の園児が同席した。A氏:その3人は祖父母が来ていないの?私:聞くと、病気で入院したり、その付き添いしたり、遠方にいたりで来られないらしい。 来ていないと淋しそうな顔をしているね。 しかし、俺にとって、 他人の孫と同じテーブルでじっくり話しをしたのは初めての経験だね。 こっちも視野が広くなる。A氏:相手の園児も他人の老人を話す機会はあまりないのではないかね。 できるだけ、子どものうちに多様な大人と接することが重要だというのが、前和田中学校長の藤原和博氏の持論だがね。私:昼食を終わり、ちょっと、グランドで遊んで、祖父母は帰っていった。 後は、通常の幼稚園の活動にもどった。 なかなか、楽しく有意義な敬老の日だったね。 しかし、これらの園児が青年になる頃の日本はどうなっているかね。 それが気にかかるね。
2008.09.15
コメント(0)
A氏:先日の10日の新聞で、福田首相が急遽辞任したことで、福田首相が力を入れていた派遣労働の環境改善が停滞していると報じているね。 市場原理主義の小泉改革の負の部分の修正だね。私:辞任のために日雇い禁止法案は停滞し出しているというね。 ある日雇い労働者は「派遣法はどうなるのか。首相はやることをやってからやめてほしかった」と言っているという。A氏:11日の「私の視点欄」では、労働経済ジャーナリストの小林美希氏が昨年末に出した政府の「ワークバランス憲章」について論じているね。 仕事と生活の調和のバランスを改善しようというものだが、現状では、正社員が優遇され、非正社員が忘れられていると批判的だ。 正社員は残業ゼロでも、そのしわ寄せが非正社員に押し付けられる。 非正社員の犠牲の上に、正社員のワークバランスが取れるという格差だね。私:しかし、グローバル経済のほうもサブプライムローン問題で急激に悪化していて、労働環境は悪化するだろうね。 このブログでも、格差問題をとりあげて出しのが、ちょうど2年前だね。 俺は製造業経験があるから、大手の製造現場で、派遣労働者が半数を占めるという事実に驚き、それから知的街道が始まり、それをたどるうちに背景にあるグローバル経済の変化にたどり着いたね。 中でも、早くから小泉路線に対して批判をし、予告をしていた内橋氏の「悪夢のサイクル」は参考になったね。 この本では北欧の例もあげられている。A氏:1980年代までの日本経済の成功は、製造業の現場の強さで築かれた。 その頃、近代製造業に携わるものは、北米、西欧、日本くらいで、全世界で6億人。 ところが、冷戦崩壊後の1990年代以降、それが崩壊し出す。 今や、中国沿海部、東南アジア、東欧、インドの一部などが加わり、20億人が近代的製造業に加わっている。 しかも、低賃金。 これが製造業の近代化とグローバル経済化で直結した。 日本の製造業はどんどん、低賃金の中国に進出した。私:ヨーロッパ、特に北欧は「小さな政府」の市場原理主義でなく、高福祉高負担で対応したので、格差はひどくない。 だから、ヨーロッパは、消費税は2桁だね。A氏: そのため、日本では格差問題解決を言うと、必ず、高負担をするのかという議論になる。 しかし、フランスのように、経済がよくないと若者の失業率が日本より高いというマイナス面も出ているためか、労働の規制緩和を求める経済界の声も強く、昨年、市場原理主義寄りのサルコジ大統領になったね。 サルコジ大統領は早速、労働の規制緩和に乗り出した。 ヨーロッパも流動的だね。 日本は市場原理主義の先を走り、数年前から派遣労働の大幅規制緩和で、安易に派遣労働への切り替えに走ったのは、そういう背景があるね。A氏:そして、もたもたしているうちに、日本は、以前から、毎年、約20兆円の蓄積をしてきたが、グローバル経済の変化で2002年頃から、逆に、毎年、20兆円のカネが外に流れ出し始めた。私:日本の一人当たりGDP(国内総生産)は1993年に世界一。 2000年6位。 2006年には18位。A氏:今度の自民党内の総裁戦では自民党候補は全員、中福祉中負担だと言う。 財源は民主党と同じで、消費税はあげず、官僚の無駄遣いから捻出するという。 グローバル経済の悪化が背景にあるからだね。私:一方で、水野氏や榊原氏の提言にあるように、グローバル経済の拡大で敗戦以来、初めて日本は大転回のときに来ているが、その具体策は見えない。 原因があって、格差が拡大する。 だから、深い原因を知らないと、格差解消の手が打てない。 しかし、原因は手強く複雑だから、簡単に手は打てない、というところか。 行くところまで行くのかね。
2008.09.14
コメント(0)
ニッポンには対話がない私:この本で紹介されている言葉でコミュニケーションデザインというのがある。 専門知識を持つ者と持たない者、利害関係や立場の異なるひとびと、その間をつなぐコミュニケーション回路を構想、設計することだという。 このコミュニケーションが社会的に崩れてくると、学校に対して身勝手で理不尽なクレームをつけてくるモンスターペアレンツという保護者が登場する。A氏:それは君のブログで「バカ親、バカ教師にもほどがある・子ども化する大人たち」1.2.3.4でふれているね。私:親がいろいろな価値観の人と対話しないで育っているとそうなるという。A氏:例の和田中学の民間出身だった前校長の藤原和博氏も、子どものときにいろいろな大人と接触することが重要だと言っていたね。 そして、私立校と違って公立校はいろいろな生徒とコミュニケーションを持てることが長所だね。私:それからエンパシー(empathy)だね。 シンンパシー(sympathy)と違う。 エンパシーは、自他の区別を前提としたうえで、意思的、能動的に他者の視点に立ち、他者の立場に置かれた自分を想像することに基づいた相手理解のことだという。A氏:なんだか、難しいが、「高い立場」からの憐れみでなく、きちんとした相手への理解力だね。私:それからキー・コンピテンシー(key competency)という言葉がある。 OECDで生まれた新しい能力概念だという。 言語を運用する能力、他人といい関係をつくる能力、争いを解決する能力、人生計画を設計し実行する能力などが組み合わされた、個人の人生にわたる根源的な学習能力をいう。 生涯を通して成長し変化するものだという。 この本の最後の方で、日本の移民に対する対話というか、対応の遅れを大きく問題にしているね。A氏:移民が増えてくると、まさに、異なった価値観や文化と直接、ぶつかるわけだから、きちんとした「対話」が不可欠になるね。私:フィンランドの教育視察に日本人が行くと、皆、今のやり方をいろいろ聞くそうだが、ヨーロッパの国の人は、フィンランドが将来、多くの移民を抱えるようになったとき、どのような教育システムで対応するのか聞くことが多いという。 フィンランドは他の欧州諸国と比較すると移民がまだ、少ないからだね。A氏:日本も少子化で移民が増えるだろうね。私:しかし、最近起きた大相撲の大麻事件などは、すでに後手になった移民問題を反映していると言えるね。 この本ではふれていないがね。 なんせ、今度の相撲の本場所で、三役10人中、外国人が6人だという。 大相撲はすでに日本の移民問題を象徴的に示しているね。 日本の伝統と違った価値観で育った外国人力士との摩擦だね。 効果的な「対話」が必要だね。A氏:こないだ知人の人から直接聞いた話だが、東南アジアから来たベテラン介護士に「患者さんの不安をなくするのは大変でしょうね」と聞いたら、「私、不安という言葉は分かりません」と返事されたという。 先日、インドネシアから多くの看護師候補が来たね。私:これから、日本は真の対話が必要だね。 この本は最初、読み出したとき、ありきたりの日本人論かと思って読み始めたが、実践経験が豊かなだけに具体例が多く、教育論としては面白い本だね。
2008.09.13
コメント(0)
ニッポンには対話がない私:著者は、PISAのテストは「考える力」のテストを取り入れているので、日本人には合わない点もあるという。A氏:しかし、日本ではあわてて「ゆとり教育」に切り替えたね。 ところが「基礎学力の低下」であわてて、また、ゆり戻しになり、右往左往しているので批判を浴びているね。私:「基礎学力」と「考える力」とのバランスをとることが必要だね。 実は、これもフィンランドも同様の失敗の経験があるという。 あまり「考える力」の教育を重視した結果、基礎学力が低下して問題を起こし、バランスをとるようにした経過があるという。A氏:やはり、独創的な思考も基礎的なものがないと育たないんだね。私:「ゆとり教育」だと言って、生徒を自由に放り出すのはかえって混乱の原因となるね。 こないだ小学校低学年の野球の練習試合の取材をテレビで見ていたら、バッテリーがいないんだね。 ホームベースに棒を立て、その頭にボールを乗せて打つ。 後は大人の野球と同じで子供の自由だね。 この本でもそれにふれていたね。 要するに年齢的にバッテリーは無理だから、工夫した練習で「型」を覚える、わけだね。 先生も指導方法を考えないといけないね。 「ゆとり教育」は先生が楽をするのでなく、苦労することだね。 昔から日本では「守・破・離」というではないかね。 まず、基本を「守り」、次に、これを新しいものに変えて「破り」、そして自分で独立して「離れて」いく。A氏:最初から、放任して創造的な「破り」「離れ」を期待するのは困難だし、無理が出るね。私:この本では、チュートリアルシステムというのが紹介されている。 これは、あることをはじめて勉強した人間がその専門の担当教授と対等の立場で議論するのだという。A氏:新人教育だね。 これは教えるほうの対応が重要だね。 日本では、経験や地位の差があるときは対等の対話が難しいね。私:著者の北川氏はチュートリアルシステムを体験する。 専門家はじっくり聞いて、このような観点とこのような事実を入れて、もう一度考えてくれというそうだ。 この本は、このようないろいろな新語を紹介してくれる。 明日は、その新語と移民との対話に話を展開しよう。
2008.09.12
コメント(0)
ニッポンには対話がない私:なんかの書評で知って、図書館から借りた。 両氏の対談だね。 両氏とも、40歳台だが、国際的に数奇の人生だね。 北川氏は、儒学に詳しいが、その後、ヘルシンキ大学に学び、フィンランド専門官となって、フィンランド大使館で勤務したという経験がある。 平田氏は、高校を休学し、1年半をかけて自転車で世界一周旅行をする。 その後、国際基督大学に入り、途中、韓国の大学に1年間留学。 現在劇作家。 こういう国際的に多様な活動をしている次世代が多いことを期待したいね。 それにしても、次世代になる30代でアフガンでなくなった伊藤和也さんの死は残念だったね。 もっと、国際的に活躍できる人材だったのにね。A氏:ところで対話というが、デベートのことかね。私:ちょっと違うようだね。 デベートは、こちらの考えを論理的に主張し、相手を説得することだが、この本で意味する対話は、相手の多様性を認めながら、自己を主張するというもので、むしろ、対立を鮮明にすることを恐れないということだね。 そして、その多様性の中でしっかり生きてゆくということだね。A氏:日本文化は対立を嫌い、妥協することがいいことだとしている点があるからね。 和を重視する。 もっとも「和して同ぜす」という言葉もあるがね。私:両氏とも、日本文化の中で育った後、青年期に多様な世界を回ってきて、生きてきているから、その経験からして、自然にそういう見方ができるのだろうね。 俺が、この本で特に興味をもったのは、フィンランドの学校教育に関する部分だね。A氏:例の国際的な学力テストのPISAで有名になったね。 君の知的街道の1つだね。 孫の教育に関係して興味を持った街道だね。 「学校再生の決めて」(アメリカの事例から学ぶ)・ゼロトレランス、「イジメとゼロトレランス」、「たけしの日本教育白書」を見て、「頭のよい子が育つ家」、「たけしの教育再生2」、「高校生学力テスト結果」、学力テストと日本語、朝日新聞「教育再生を考える」・先生ヘトヘトと学校選択制実施結果データ、学力テストの偽装、「鼻につく勝ち組の教育論」、「平等社会 フィンランドが育む未来型学力」、「教室の悪魔・見えない「いじめ」を解決するために」、東京・杉並区和田中学の夜間塾「夜スペ」耕論、日本の学力低下?、「フィンランドの子、なぜ優秀」、「受けてみたフィンランドの教育」1.2、「わが子に『お金』をどう教えるか」などと続いた。 最近では、「全国の学力テスト結果公表」があるね。私:俺がこの本で興味をひいたのは、まず、フィンランド教育が生まれた歴史的な背景だね。 まず第1に、フィンランド人は、歴史的にはヨーロッパ人の間では寡黙で有名だったということだね。 以前は、ヨーロッパの国際会議ではフィンランド代表はあまり発言しなかった。A氏:日本人と似ているね。私:そこでこれではいけないということで、教育改革を行ってきたという背景があるね。 それに著者は、あまりPISAの成績にふりまわされるなというね。 明日は、PISAにふりまわされた「ゆとり教育」の問題から考えていこう。
2008.09.10
コメント(0)
日本人のリテラシー私:明治期の徴兵試験のときの読み書きの試験結果は、「陸軍省統計年報」がある。 1899年から1904年のものが掲載され、分析されているね。 1904年には、日本全国が54連隊に分かれていて、その連隊別のデータがある。 連隊は大体、県の区分に似ているね。 1899年のデータによると非識字率が高い(リテラシーが低い)連隊区は、沖縄、高知、鹿児島、大村、松山、丸亀。 逆に、低い(リテラシーが高い)連隊区は仙台、津、長野、福島、静岡、豊橋、福岡だね。A氏:ここにも山国の長野が登場するね。私:非識字率は年とともに低下するが、その低下率も地域差があるね。 大阪、京都については、さらに郡部レベルの細かいデータがある。 大阪は総合では非識字率は高いが、もっと細かい地域別に見ると、商業地区の非識字率は極めて低く、工業地区が高いため、平均では高くなっている。 これらのデータについては、著者はいろいろ原因を推測しているね。 こないだの全国学力テストで大阪府は点が低かったので、橋本府知事は、学校別に発表すべだと言っていたが、この明治期と同様に、大阪府内でも地区による格差はあるのではないかね。A氏:ところで、明治の頃、試験は具体的にどのような問題が出たのかね。私:国語は漢字交じりの1行の文章の意味の理解だね。 例えば、高等小学校卒程度だと次のようになる。 これは京都での試験問題だね。 国語は 「我ガ神聖ナル相宗ノ遺訓ト我ガ光輝アル国史ノ成跡トハ炳トシテ日星ノ如シ」 算術は 「12人の職人がかかって12日に出来る仕事を人数を三分の一に減らしてするときは幾日で出来るか」A氏:当時だからだろうが、漢字は難しいね。 大卒の俺は「炳」など、漢和辞典をひかないとわからないね。私:高等小学校2年修了、すなわち、学校教育8年未満の人に対する問題は次のようだね。 国語は 「知能ヲ啓発シ徳器ヲ成就ス」 算術は 「五分利附額面20円の国庫債券7枚を所有している人は1年幾らの利子を得るか」 これが、小学校6年修了程度になると、もっと簡単になる。 国語は「• 拝啓、本日午後1時より学校に於いて報徳講演会開会候間御出席相成度候也• 売捌所は、韓国及満州にも設けたり• 勅語、呼吸、加藤清正、米価下落、京都府知事」算術は 「米2石五斗売り、さらに1石8斗売れば初めの有高の半分になるというとき、最初は幾らあったか」 小学校2年程度(やや読み書きが出来る者)では次のようなレベルの問題が出ている。 国語は 「カラダ、おほさかし。人。赤十字しゃ。青年会。日本のこっき。金銭出入帳。無用のもの入るべからず。」 算術は 「1週間に4円20銭のちんせんをとる人は1日ならし、いくらちんせんをとることになるか。」A氏:問題に時代背景を感ずるね。 しかし、このようなテストをして、国をあげて教育に熱心であったのだね。私:リテラシーは著者のいうように、20世紀初めまでは日本では一律でなかったようだね。 それにしても、明治維新を起こした薩長の地元である、鹿児島は非識字率が高く、山口は低いのは、薩摩は武士や村落上層部が中心で、長州は奇兵隊など民衆のレベルが高かったのだろうかね。 専門書だが、シロートの俺も知的興味をひかれたね。
2008.09.09
コメント(0)
日本人のリテラシー私:18世紀には、17世紀同様、リテラシーの中心は村落の指導層であったが、その質が、大きく変わった。 元禄時代以後、急速に発展した大都市の文化に近づこうと、そのリテラシー能力を発揮した。 儒教や仏教・国学や医学・和歌や俳句の学者になり、都市と農村の重要な文化的な架け橋となる。 また、寺子屋の支援者で、その師匠となり、19世紀には普通の農民にまでリテラシー能力を浸透させる。 しかし、一方では、普通の農民とのリテラシーの格差も拡大する。 著者はこれを「2つの文化」としている。A氏:寺子屋はまだ、拡大しなかったのかね。私: この時期は、学ぶということは、家の私事だったので、後の寺子屋のように身分の低い人々と共有するのは、17世紀末から18世紀まで待たねばならなかったという。 民衆の学びと文化の点で19世紀と18世紀とをはっきり区別するのは、寺子屋の興隆であるという。 寺子屋は大阪、江戸、京都といった都市に集中し、また信濃のような特定の地域にも多くみられたという。A氏:長野県は教育県と言われることがあるが、原因は何かね。私:この本ではそこまではふれていないようだね。 問題は就学率よりも、中味だという。 農村では、農繁期には寺子屋に就学しても、子供は畑仕事で寺子屋にいけない。 だから、寺子屋が多く、就学率が高いからといって、リテラシーが高いとは言えないという。 また、女性の就学率は地方に行くほど、低い。A氏:1856年の開国以降、日本に来た欧米人の紀行文は、大抵、日本人のリテラシーが高いことを記述しているね。私:著者は、それをあまり評価していないようだね。 19世紀になると、農民の多数を占める小農までリテラシーが求められ、向上することになる。 しかし、村落指導者とのリテラシー格差はまだ残っているという。A氏:1871年、文部省が設置され、1872年に全国的な学校制度を定めた「学制」が発布される。私:当時の文部省が調査させたリテラシーの調査がある。 明治期のリテラシーに関する調査資料で最も早いものは、1877年から1893年にかけての滋賀県のもの、1887年から1893年にかけての岡山県のもの、そして1884年から1889年にかけての鹿児島県のものの3つがあるという。 これによると、非識字率が高いのは80%台の鹿児島、40から50%台の次に岡山、滋賀は30%台と低い。 いずれも年毎に非識字率は低下している。 男性の非識字率が高いところは、女性も高い傾向にあるという。 このデータを見ると、リテラシーは地理的要因が決定的であることになる。 この調査で、1872年に義務的な民衆教育が始まって数十年まで、日本の各地で全く読み書きができない人々が存在していたこと。 そして地域的な差異が大きいことがわかる。 ところで、1873年に政府は徴兵令を発布する。A氏:徴兵令とリテラシーと関係があるの?私:徴兵令には、新兵のリテラシーに関する試験を行う規定があった。 このデータが重要だね。 後に文部省は、このデータの利用を考える。 これが日本の組織的学力試験の嚆矢だという人もいるそうだ。A氏:昨年の小学校、中学校の全国の学力テストも歴史は長いね。私:明日はその陸軍の新兵試験のデータから、日本人のリテラシーをみてみよう。
2008.09.08
コメント(0)
日本人のリテラシー私:何かの書評で興味を持って図書館から借りたよ。 借りてみたら日本の教育史の専門書で、約300頁と厚い。 しかし、訳者が平易な訳をこころがけているせいか、読みやすいね。 著者がアメリカの学者である点が特徴だね。 日本の研究者の盲点をつくようなことを書いているようだね。A氏:リテラシーとは「読み書きの能力」だね。 明治維新の成功の一因として、日本人の「読み書きの能力」が高かったことがよく言われるね。 それが江戸末期の多数の「寺子屋」と関係があることがよく指摘される。私:この本は、16世紀最後の20年間にかけて行われた豊臣秀吉の兵農分離の頃から、20世紀のはじめの日露戦争あたりまでの、日本人のリテラシーを詳細に論じているね。 データが示されているので分かりやすい。A氏:戦国の武将の手紙などが今も残っているから、武士はかなりリテラシーが高かったのではないのかね。私:そういう研究は日本の研究者がかなりやっているらしいが、著者が興味を持っているのは、農民階層のリテラシーだね。 それも貧農だね。A氏:そういう昔の農民などの民衆のリテラシーはどのように調べるのかね。私:まず、署名や印鑑だね。 よく武士の書いた文書の後に、サインがあるね。 日本では花押(かおう)と言っているが、漢字をもじって真似のできないように独自の形にしているね。 ところで、庶民がサインをするチャンスが日本にはあったんだね。 その資料が残っている。 世界的にも珍しいという。 それは「宗門改帳」というもので、17世紀初期から19世紀半ばまで用いられた。A氏:1639年、幕府の鎖国令でキリスト教は禁制される。 1665年、幕府は全国の藩に、全ての人がキリスト教徒でないことを記録することを命じ、1671年には、それを毎年報告するようにさせた。 これが「宗門改帳」で、あらゆる人が寺院に属し、キリスト教徒ではないことを証明することを目的としていたものだね。私:これは、明治の初めの戸籍の基礎になり、現在に至っている。 この「宗門改帳」がまだ、多く古文書として残っているらしい。 また、キリスト教を棄教する誓いとしての「南蛮起請文」というのもある。 これが研究の対象になるんだね。A氏:しかし、貧農まで「花押」をサインできないだろう。 サインするにはある程度、読み書きができないと不可能だからね。私:ところが、17世紀中頃から、日本では署名や花押の代わりに文書に印鑑を多く用いるようになる。 これは欧米がいまだに、サインを用いているのと大きく相違しているね。 著者は日本で印鑑がサイン代わりに使われるようになった理由を2つあげている。 1つは、商取引などのときの便利さ。 もう、一つは、上から何かを民衆に通達するとき、理解した証拠として、印鑑を名前の後に押させたためという。A氏:「宗門改帳」に「花押」が多ければ、リテラシーが高いということになるのかね。私:「宗門改帳」などの署名資料を手がかりにすると、世帯主がかなりリテラシーが高いという。 城下町ができ、都市化が進むとさらにリテラシーは拡大する。 農村でも指導層のリテラシーは高い。 しかし、著者は、貧農や女性のリテラシーは高くないとみているね。 印も花押でなく、筆の頭が円形なので、それに墨を塗って丸印として押しているのもある。 明日は、18世紀の農書や家訓、地方の文人に話題を移そう。
2008.09.07
コメント(0)
A氏:今朝の朝日新聞の生活欄は「公貧社会」ということで1頁を割いていた。 俺は浅学にして、この言葉を初めて聞いたよ。 辞書にはもちろんない。 グーグルで索引したら、7月頃の朝日新聞で千葉・東京ベイエリアの派遣労働者のルポに登場する新語のようだね。 お互いに支え合う「公」が、「貧」しいという意味らしいね。 派遣社員の場合、お互いのつながりがない。 相談相手も少ない。 それが秋葉原無差別殺人事件や自殺者の増加にもつながるのかね。私:俺も今朝の新聞で「公貧社会」という言葉を見て、オヤッと思ったね。 哲学者の内山節氏と、稲盛和夫京セラ名誉会長のインタビュー記事があるね。 なかなか、いいことを言っているね。A氏:内村氏は、日本農村の村落共同体をあげているが、明治の富国強兵の近代化で、国家に統一するためにこれらが崩壊する。 戦後の高度成長期には、地方は公共事業、都市は企業が終身雇用で地域に代わる「共同体」を作った。 公共事業は、事業者同志の支え合いとして「談合」も生まれる。 しかし、国家も企業もコストをかけないようになると、国は農村の公共事業を減らし、企業はリストラを平気でして終身雇用をやめる。 国家や企業による「公」の働きは「貧」となる。 そして、「身内だけの公」が始まる。 「談合」もそうだし、大分県の教員の汚職もそうだね。 「教職仲間だけの公」だね。私:稲盛氏は、日本の「公」の特殊性を指摘しているね。 いわゆる「お上」意識だね。 稲盛財団を作るとき、私財を出してやろうとしたら、国税当局は財産保全、節税狙いかのように疑ったという。 国や社会のことを考えるのは役人がやることで、民間にやらせたらろくなことはないという発想だという。A氏:「民にできることは民で」と言って小泉首相は規制緩和したが、確かに、グッドウイルのように、民間に任せたらろくなことにならなかったね。私:稲盛氏は、お役人だけが悪いだけでなく、昔からの日本社会の習い性という根の深さを感ずるという。 税金も「お上に取られる」という意識だから、監視が甘い。 問題が出ると「お上がしっかり取締まってくれ」と頼りにする。 甘える。 アメリカのように税金の追及が厳しくない。A氏:稲盛氏は「官」も「民」も相当な意識改革が必要だと強調しているね。私:ただ、お二人とも、今のグローバル経済の背景をあまりふれていないね。 A氏:その点、こないだ、君がブログでふれた伊藤忠の丹羽氏の「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」論は広い観点から、「公貧社会」を論じているね。 「公貧社会」とは、「ソーシャルキャピタルが少ない社会」ということになるね。 朝日新聞もこの「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」の視野から、さらに「公貧社会」論を展開してほしいね。
2008.09.06
コメント(2)
昨日の午後、大阪府堺方面でタクシーに乗る。運転手:今日はどちらにお帰りで---。私:横浜までだよ。運転手:そう言えば、こないだある中年夫婦の人が近所に墓参りということで横浜からきましたよ。私:その人はこの辺の出身なのかね。運転手:いや、そこまでは聞きませんでしたよ。私:それにしても、この街道のスタンドの掲示を見ると、こっちはガソリン代が安いね。 レギュラーが160円台のところもあるね。 横浜は180円台だよ。運転手:それはセルフでないのとちがいまっか? こちらのガソリンスタンドは殆どセルフです。 スタンドの人はほとんどいません。 自動車のガラスを拭いてくれる人なんていませんね。 競争も激しいようですがね。 昨夜は、18時台の新大阪発の新幹線は定刻通りに出発。 ゲリラ豪雨にあわないで定刻通りに横浜に着く。 自宅最寄りのJR駅に夜9時半に着く。 駅のテロップでは青梅方面が落雷で電車がストップと報じている。 家族が車で駅まで迎えに来る。 家族は車の中で、横浜球場はゲリラ豪雨のため、プロ野球の横浜・阪神戦は3回で中止したという。 横浜は6-3で勝っていたのに、ノーゲームだという。 相当ひどい豪雨だったんだろう。 ところが、球場から電車で20分くらいの同じ横浜市でありながら、自宅周辺は全く雨の気配はなく、道路はカラカラだ。 まさにゲリラ豪雨だ。 気象がおかしい。
2008.09.05
コメント(0)
A氏:オリンピックの最中に、陰に隠れて、西濃運輸健保組合が解散したという記事が朝日新聞に載ったが、どうも意味がピンと来なかった。 実はこれは朝日新聞のスクープだったんだね。 それが一昨日の月曜日、君が高く評価していた朝日新聞夕刊毎週月曜掲載の池上彰氏の「新聞ななめ読み」の記事でやっとピンと来たね。私:とんでもないところに、後期高齢者医療制度が関係していたんだね。 これは、65歳から74歳までの前期高齢者の医療負担を企業の健康保険組合が、国保の加入者を含めた分まで負担するように改訂したためという。 総額約4100億円が全国の企業の健保負担となり、悲鳴をあげているという。A氏:要するに、後期高齢者医療制度発足とともに、74歳までの前期高齢者にも企業の保険組合は支出が必要となり、西濃運輸の場合は、従来の35億8700万円の支出が、58億円となるので、解散となったという。 解散すると、国保に移ることになるが、そうなると国庫負担が増加する。 これを西濃運輸の健保組合解散問題として朝日新聞はスクープした。私:出し抜かれた各紙が後を追いかけ、特に日経は詳しく報じているというね。 後期高齢者の陰に隠れて、前期高齢者の問題があったんだね。 解散しなくても、保険料を上げる企業もあるという。 景気後退で経営が苦しい企業の負担増だね。 それにしても、後期高齢者医療制度をあれこれ言っていた国会議員は、与野党ともに、この問題を朝日新聞にスクープされる前に何故、同時に大きく問題にしなかったのかね。 全く、不勉強だね。 例によって、池上氏は痛い点をつくね。A氏:それから、一昨日の朝日新聞の生活欄で「後期高齢者医療制度の保険料を口座振替にすると減税効果がある」として、大きく扱っているね。 口座振替にすると、年間で1700円から1万5千円程度減税効果があるという。私:逆に言うと、年金を天引きにすると、逆にそれだけ増税になるということだね。 官僚はやることがみみっちいね。 サル智恵で、なんとか税収を増やし財政支出をへらそうとするのかね。 一方では膨大な官僚のムダ使いを放置しながら----。 年金同様、後期高齢者医療制度は根が深いね。 その根を断たないうちに、首相は問題解決を投げ出す。 福田首相は辞任表明で記者の質問に対して「自分は客観的になれる」と言ったそうだが、分かりやすく言えば、「私は評論家にもなれる」ということかね。 何も真剣にやらない。 迫力もない。 これで、麻生氏が首相にでもなったら、この1年は無駄だったということだね。
2008.09.04
コメント(0)
今、大阪府堺市のホテル。 昨夜、新幹線で大阪に入ったが、途中、名古屋駅にとまり、すぐに出発したのが18時11分。 それまで、東海地方は晴れていた。 北側の窓側の席なので、夕日がさしてきた。 ブラインドを下ろした。 名古屋駅に着いた頃は居眠りをしていた。 名古屋駅を出発したとき、ベルで目が覚めた。 外はもう夜である。 名古屋駅を出て、岐阜羽島駅を通過する頃、急に、窓ガラスを強い雨が叩き出した。 丁度、斜め45度くらいに雨がすごいスピードで窓を走るので、新幹線が45度、上に向かって航空機のように空港を離陸して上昇していくような錯覚となる。 稲妻も走ったようだ。 米原駅前のあたりで、アナウンスで豪雨で徐行運転をするので、10分くらい遅れると いう。 また、ゲリラ豪雨第4弾だ。 京都駅に9分遅れ、新大阪駅に7分遅れで到着。 ところが、新大阪駅に降りたら、人が多い。 なんとまた、新幹線が豪雨で一時、運航中止だという。 上りも30分くらいホームで停止しているようだ。 タッチの差で早い列車に乗ったので、7分遅れで助かったことになる。 もう夜なので、この時刻で、遅れると宿の心配をしなくてはならない人も多いだろう。 明日夜、帰るが、豪雨被害第5弾にならないことを祈る。
2008.09.03
コメント(0)
私:今日、また、大阪に出かけるので、新幹線で豪雨に2回こりているので、明日の天気予報が気になって、昨夜、9時前のテレビを見た。 しかし、この頃は、福田首相の緊急会見の問題はなかった。 その後、パソコンに向かっていて疲れたので、気分転換にまた、テレビをつけたら、画面の上隅に福田首相辞任と報じている。A氏:俺は、報道ステーションを見ていたので、これで知ったね。 これで、安倍首相と連続で放り出しだね。 国際的に緊急に大転換が要求されている「国難」のときに、首相の地位も軽くなったね。私:正直な人だが、難局を乗り切る首相としての器ではなかったね。 それを自覚して、その大役を果たすことに自信がなくなったのだね。 俺は、報道ステーションも他のテレビ報道番組は見なかった。 予想されていたし、そのくらいのレベルの人だしね。 いろいろな人のコメントも同じだろうしね。A氏:やめ方が以前、年金問題で官房長官をやめたときのようにあっさりしているね。 平のサラリーマンが上司に、仕事が気に入らないと、上司に辞表を叩きつける姿に似ているね。私: 結局、リーダーシップのないサラリーマン根性が抜けないんだね。 安倍首相のときとやめ方が心理的に違うと思うね。A氏:今日は新聞も第一面トップで、福田首相辞任を報じている。 会見の内容をざっと読んだが、やめる原因がなんだかサッパリ説得性がないね。 愚痴を言っているようだが、「いじめ」にあって逃げ出すようだね。私:今日の新聞の国際面で小さく、韓国のウオン安が進んでいるという。 韓国は日本と似た経済状態だが、大統領は人気が急落しているが必死だね。 国民から直接選ばれたトップとの違いかね。 首相が会見の最後、開き直ったが、国を思えば、首相のように「自分を客観視」などできないね。 いずれにせよ、俺は日本のために呆然だよ。
2008.09.02
コメント(0)
私:昨日、また、幼稚園の課外コースの陶芸があったよ。A氏:一昨日の陶芸教室の続きだね。私:何かの振り替えで臨時にやったらしい。 今回は、母親(俺の娘)が参加したので、俺は私は行かなかった。 そこで、次のような手紙を先生宛に託したよ。「陶芸の先生へ 8月29日は陶芸で貴重な体験をさせてもらい、ありがとうございました。 さて、私のところは陶器の裏に署名を忘れてしまいました。 それで思い出したのはチェックシートでした。 私の製造業の職業の経験から、通常、はじめて作業をするときに、段取り計画でチェックシートを作り、次にそれを消しこみながら作業を進めるという方法がよくとられます。 この方法をとられたら、私のようなポカミスが減るのではないかと思います。 また、作業に入る前に、紙に計画し、先生が確認し、作業を開始するという手順が教えられるのではないかと思います。 当然、作業工程の単位ごとにチェックを各人がすることになります。 うろ覚えなので間違っているかもしれませんが、下記のようにチェックシートを作ってみました。 これを先に先生が作って渡してしまうと、マニュアル人間になるかもしれないので、先生が口頭で説明したことをイメージしながら、生徒に書かせたらと思います。 私のところは5工程目が抜けていました。順番内容チェック1パターンを紙にいっぱいに書く 2パターンをはさみで切りとる 3陶土を1センチから5ミリくらいの板状にのばす 4そこに紙をのせて、陶土板を切り取る 5紙をはがして、陶土板に名前を書く。 6残った陶土を棒状にして、陶土板の縁に巻きつける 7陶土板を裏返しにする 8真ん中を押して、皿のくぼみを作る 7色の陶土を使って、デザインしながら皿につける。 上記の7工程を一枚ごとのカード(7枚のカード)にして、順序に並べる作業をしてもよいかもしれません。 そして、1つの工程が終わるたびに、カードを綴じていくという方法もあります。 何かのご参考にしてもらえれば幸甚です。」A氏:なるほど、身近なことでも、「はっきり計画する」ということは、大事だね。 それを幼いうちから習得することかね。私:日本の庭師は、石などを置きつつ考えるという。 フランスの庭師は、まず、庭の絵を描いてから作業すると、どこかの日本人論に書いてあった。A氏:だから、日本人は計画がハッキリしないという。 だから、かって、日本が技能オリンピックで金メダルを独占していた頃、それは日本人の腕の器用さによると言われた。私:しかし、事実は違うね。 外国選手との相違は、日本人は、じっくり考える時間が長く、それから作業に入るが、外国選手はいきなり、作業を始めていたそうだね。 いい仕事をするには、国を越えて共通するコツがあるんだね。 日本ではこれを「段取り」と言ったていた。仕事ができる人は、「段取り」がうまいというのは鉄則だね。 その教育は、どの材料でもできるね。 こないだ、孫が夏休みで泊まりで遊びに来たときも、1日の予定を紙にリストアップしたよ。
2008.09.01
コメント(0)
全29件 (29件中 1-29件目)
1