アラ還の独り言

アラ還の独り言

2017年08月03日
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カテゴリ: 新聞報道
読売新聞2017年8月2日、オプジーボの市販後の全例調査の中間報告の記事を載せました。

その中で間質性肺炎の発現率は5.8%(58/1005)と記載してあります。

大問題になったイレッサの間質性肺炎の発現率は約4%(国内4000人の追跡調査)、タルセバ(選択的チロシンキナーゼ阻害剤の全例調査では4.3%(429/9909)となっており、結構高い数字になっています。

軽い副作用はオプジーボは少ないですが、致命的な間質性肺炎(発生すると約半分以上が間質性肺炎によって死亡する)に関しては現在、第1選択薬として認められている薬剤よりも決して少なくはありません。

化学療法に関しては、比較的間質性肺炎の発現率は少ないですが、その他の副作用により死亡にいたる場合があります。

そのため、間質性肺炎等の呼吸器疾患を合併している場合には肺がんの治療の選択肢はとて少なくなります。

年齢や生活状況によりますが、緩和治療を勧める先生も多いかと思います。

少なくとも自費(適応外治療)で高価な新薬を使うことは、残った家族に経済的な負担を強いることになります。そのような場合には、治験を行っている可能性があるので、それを探すことをおすすめします。(https://dbcentre3.jmacct.med.or.jp/JMACTR/App/JMACTRS01/JMACTRS01.aspx?kbn=4等を参考にしてください。

特にオブジーボを端緒とする免疫チェックポイント阻害剤は日本発であるにもかかわらず、日本人のデータが不足しています。イレッサはもっと不足している段階で承認され、マスコミが夢の新薬と記事にしたため、適応外治療が行われ、肺のレントゲンを定期的に撮ることも怠ったことにより、間質性肺炎が1割前後も発現しました。

しかし、イレッサの場合には薬害とは認定されませんでした。(最高裁まで行きましたが)厚生労働省が承認するときに既に関連性は不明であるが、間質性肺炎の可能性を審査報告書に記載していたことが大きいと思います。

患者さんに審査報告書を読めとは言いませんが、新聞で薬剤を紹介する記事を作成する人は審査報告書まで目を通しておくべきだと思います。

私はイレッサの間質性肺炎の初期の多発はマスコミが犯人だと思っています。





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最終更新日  2017年08月03日 10時21分28秒
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