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朝、雀の囀りに混じって虫の音が聞こえる。せわしなく、けれど間欠的に聞こえる雀と違って、虫の音は絶え間なく聞こえ続けている。夜ほどには大きくはないけれど、遠く近く、高く低く、間断なく聞こえる。空からの雀の声と、地の草むらからの虫の音。秋は音賑やかで楽しい。止っては飛び立つカラス熟柿落ち硝子砕ける音する夜半虫の音の朝の光に照らされて彷徨い歩く死者の陽炎
2008/10/25
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朝、目が覚めると、屋根の上で雀の囀る声が大きく聞こえる。二匹で言い争っているようにも、一匹がひとり癇癪を起こして喚いているようにも聞こえる。屋根の上の雀が去ってしまうと、あちこちで同じような鳴き声が聞こえる。鳶などの天敵が現れると、気づいた小鳥たちは大きな声で鳴くと聞いたけれど、そんな風でもない。いつもの日常のようだ。二階建てアパートの二階の部屋のすぐ上の屋根、それと窓を開けていたから、耳が驚いたのだろう。雀鳴く秋の日差しが淡雪の如くに揺れる朝霧の海田の端を照らす柿の木群青の夕暮れを舞う絹の羽衣
2008/10/18
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菜園に白い蝶が二匹飛び交っている。番いではないのか、ばらばらに飛んでいる。手前の葉物野菜は虫に食われて穴だらけだ。飛び交っている蝶が幼虫の頃、食べていたものかも知れない。向こうの里芋は、混み合った雨の日の狭い通りの傘のように、広い葉を重なり合い広げている。朝の日射しの中で、上下左右に飛ぶ蝶の動きが、菜園の静けさをいっそう強く感じさせる。朝の日の冴えて動かぬ杭一本みずうみ澄んで薄花咲く冷えてゆく水道水を飲む夕べ止まった蝶がまた離れゆく投げられて水切り跳ねる石に似て川面を低く飛ぶアキアカネ
2008/10/11
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スーパーで新米を買った。今まで一番安い米ばかりを買っていたけれど、ホカ弁の米を食べて旨いと思った。安い米でも充分おいしかったが、新米というのはどんなものだか久しぶりに食べてみたくなった。田舎の実家では、小さい商いをして暮らしをたてていたので、周りに田圃はあっても、今年の新米というふうには食べた記憶がない。親類には商売をしているひとが多くて、農家の人が少なかった為かも知れない。新米を炊く白鷺の音もなく川面に降りて泥鰌呑み込む昨日今日雀は群れて鳴く朝の日射しのたりと波打つ如く白蛇を祀る庭にも降る秋は夕べの酒も朝露とする
2008/10/04
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