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子供の頃、師走の大掃除の後、出たゴミを裏の庭で焼いたりした。焚き火の中には銀紙のホイルで巻いたサツマイモを放り込んで焼けるのを待った。火の番を言いつけられて焚き火の傍にいると、煙は僕を目掛けて流れてくる。ぐるりと回って場所を移動しても、煙は僕の方に寄ってくる。煙いので涙が流れる。逃げても回って追いかけてくる。意思があるかのように流れてくる煙は、僕を困らせようとしているようだ。風がいたずらをしているみたいだった。焚き火焚くバケツの傍に居る子等を好いて吹き寄るいたずらな風大掃除して静かなる濡れ縁に布団乾かす小春日日向生きていること生きているもの皆すべて眠りに向かう
2008/12/27
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秋口に寒い日があった。忘れて放っておいた電気ポットの水温が、13度になっているのに部屋の気温は16度だった。今朝、ポットの水温は15度で、部屋の気温は13度だった。体感的には秋口の寒さの方が厳しく感じた。水道の水は冷たいけれど、ポットの水温は安定している。気温よりポットの中の水の温度の方が身体感覚として合っているように思うのは、人間の体も多くが水で出来ているからだろうか。落下する水際を沿うて歩くとき跳ねる魚が波紋を残す水濁る人間らしい魂がコケコッコーと騒ぐ夜寒に太陽の匂い嗅ぐ猫眠り込む夢魔の内なる優しき天使
2008/12/20
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小学生の高学年くらいの頃に読んだ児童小説で、研究室の中で宇宙を造り出すという話があった。挿絵があって、上下に挟まれた装置の中に銀河のような宇宙が浮かんでいた。宇宙というより、そこに小さな夜が出来ていて、微細な光が渦巻いている。そんな挿絵だった。その挿絵を見ているとき、今居るこの宇宙も誰かの実験で出来上がったものかも知れない、と思った。その誰かのいる世界もまた、それより大きな誰かの造った宇宙かも知れない。その上もまた、と次々に考え続けると、目眩を覚えるような、先の見えない怖さを感じた。永遠について考えた初めての体験だったかも知れない。耳鳴りと思えば静かちりちりと蛍光灯の音のみ聞こゆ永遠と同質になるその刹那間遠く響くひとつ靴音シリウスの煌めく冬の南空 数え歌聞く夜の公園
2008/12/13
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広い庭園を散歩していると、紅葉した木や、すでに葉をすべて落とし尽くしてしまった木を見かける。庭には広い池があって、そこに屋根のある橋が架かっている。そこを渡るとき、顔を水面にまで覗かせて自分の姿を映してみる。深緑色の水面に落ち葉が浮かんで、ゆらゆらと揺らぎながら池の面を撫でている。風が吹いて、水面に微かな漣が立つ。水底では泳いでいる小魚の背が見える。その上を枯れ葉が滑って行く。ドングリの落ちて頭上の梢にも眠りの如く木漏れ日落ちる道端の草枯れゆきて花籠の水潜る間の黒い鳥影潮騒の音の静かに漂いて子守歌聞く晩秋の夜
2008/12/06
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