MUSIC LAND -私の庭の花たち-

MUSIC LAND -私の庭の花たち-

PR

プロフィール

friendly0205

friendly0205

キーワードサーチ

▼キーワード検索

フリーページ

金子みすゝ゛の詩に作曲


歌「私と小鳥と鈴と」


歌「星とたんぽぽ」


歌「みんなをすきに」


歌「明るいほうへ」


歌「つゆ」


歌「こだまでしょうか」


歌「まゆと はか」


歌「つもった雪」


歌「わたしの かみの」


歌「鯨法会」


歌「お魚」


歌「大漁」


歌「ぬかるみ」


歌「たもと」


歌「木」


歌「わらい」


歌「みこし」


歌「こころ」


歌「美しい町」


歌「口真似」


歌「失くなったもの」


歌「おとむらいの日」


相田みつをの詩に作曲


歌「巖冬」


歌「あなたのこころが」


歌「だれにだって」


曲「ただいるだけで」


歌「いのちの根」


歌「いのち」


歌「自分の番」


作詞作曲した曲


歌「鏡の向こうの私」


歌「淋しいとき」


歌「癒し」


歌「流れる雲」


歌「プライド」


歌「許し」


歌「強さと優しさ」


歌「そよかぜ」


歌「争い」


歌「あの青さの中に」


歌「私は信じています」


歌「それで幸せ」


歌「渦巻く想い」


曲「人間」


曲「もう一度あなたと」


曲「あなたと私の道」


曲「秋風」


曲「あなたの瞳」


曲「雪の二人」


曲「あなただけ」


歌「愛しいあなた」2006.4.24


歌「月光」2006.4.25


歌「自分を好きになりたい」2008.8.16


曲「おやすみなさい」


歌「遥かなるあなたへ」2009.2.3


回覧板さんの詩に作曲


歌「さくらのうた」


曲「旅立ちの歌」


歌「おもかげ」


歌「鳥のうた」


歌「みなもに名を書きし者」


歌「思い出すこと」


歌「リラの門」


歌「愛」


歌「願い」


曲「神様のハンカチーフ」


歌「海の匂い」


歌「鎮魂歌」


歌「別離」


yosiさんの詩に作曲


歌「かすみ草」


歌「驟雨」


歌「あなただけではありません・・・」


他の方の詩に作曲


歌「山姥」 影絵「山姥の鏡」より


歌「自分の皮」 影絵「山姥の鏡」より


歌「スキヤキ組の歌」愛先生と子ども達


曲「ダンスナンバー」


歌「ありがとう」作詩ミンミ


歌「ありがとう、君へ」作詩 mappun


曲「素直な想い」作詩すぴすさん


曲「安らぎ」


曲「虹のムコウへ」作詞 すぴすさん


歌「憧れて秋」作詞 美憂ひかりさん


曲「空」作詩まりあーじゅさん


曲「クリスマスソング」


歌「紫苑」作詞美憂ひかりさん


歌「新月の円舞踏」作詞アリスMOONさん


曲「果てのない道」作詞すぴすさん


曲「花は咲いているかい?」作詞アリスさん


曲「いのちのうた」作詞愚信さん


曲「1年1組のうた」作詩1年1組のみんな


曲「束の間の幻」作詩アリスMOONさん


曲「鎮魂歌」BGM


歌「5年2組の歌」作詞5-2の子供達2007.4


歌「虫歯かな?」作詞:保健委員会2007


歌「まちこの恋は白い雪の中」神風スズキ


歌「神様お願い」作詞CHOCO2010.9.14


歌「暗い部屋」作詞CHOCO2010.9.22


手作りアルバム(絵本)


ビーズ小物


タグ説明


マウスで変わる画像


固定壁紙


便箋風日記のタグ


音楽の載せ方


音楽ファイルの作り方


工事中


テスト


思案中


「Climb every mountain」


動画と詩


紅葉


夜桜


Welcome


雪降る日


眠れぬ夜


湖底の想い


星落つる時


月明かり


人魚姫


白い世界


雪解け水


華やいだ紅葉


2001年ハロウィン


小説


「見果てぬ夢」NO.1(1.2)


「見果てぬ夢」NO.2(3.4.5)


「見果てぬ夢」NO.3(6.7)


「見果てぬ夢」NO.4(8,9)


「見果てぬ夢」NO.5(10,11)


「私を呼ぶ声」1


「私を呼ぶ声」2


「嵐のように」1


「嵐のように」2(最終回)


「十三夜の面影」1


「十三夜の面影」2


「十三夜の面影」3


「十三夜の面影」4


「十三夜の面影」5


「十三夜の面影」6


「十三夜の面影」7


「十三夜の面影」8


「十三夜の面影」9


「十三夜の面影」10


「十三夜の面影」11


「十三夜の面影」12


「十三夜の面影」13


「十三夜の面影」14


「十三夜の面影」15


「十三夜の面影」16


「十三夜の面影」17


「十三夜の面影」18


「十三夜の面影」19


「十三夜の面影」20


「十三夜の面影」21


「十三夜の面影」22


「十三夜の面影」23


「十三夜の面影」24


「十三夜の面影」25


「十三夜の面影」26


「十三夜の面影」27


「十三夜の面影」28


「十三夜の面影」29


「十三夜の面影」30


「心の声」1


「心の声」2


「心の声」3


「心の声」4


「心の声」5


「心の声」6


「心の声」7、8


「心の声」9


「白蛇の道」1


「白蛇の道」2


「白蛇の道」3


「白蛇の道」4


「白蛇の道」5


「白蛇の道」6


「白蛇の道」7


「白蛇の道」8


「白蛇の道」9


「白蛇の道」10


「白蛇の道」11


「地獄への道連れ」1


「地獄への道連れ」2(最終回)


「メビウスの輪」1


「メビウスの輪」2


「メビウスの輪」3


「メビウスの輪」4


「メビウスの輪」5


「メビウスの輪」6


「メビウスの輪」7


「メビウスの輪」8


「メビウスの輪」9


「メビウスの輪」10


「メビウスの輪」11


「メビウスの輪」12


「メビウスの輪」13


「メビウスの輪」14


「メビウスの輪」15


「メビウスの輪」16


「メビウスの輪」17


「メビウスの輪」18


「メビウスの輪」19


「メビウスの輪」20


「メビウスの輪」21


「メビウスの輪」22


短編「木霊に導かれて」


童話「ベラのペンダント」1・2


童話「ベラのペンダント」3


童話「ベラのペンダント」4


童話「ベラのペンダント」5


童話「ベラのペンダント」6


童話「ベラのペンダント」7


童話「ベラのペンダント」8


童話「ベラのペンダント」9


童話「ベラのペンダント」10


童話「ベラのペンダント」11


童話「ベラのペンダント」12


童話「ベラのペンダント」13


童話「ベラのペンダント」14


童話「ベラのペンダント」15


童話「ベラのペンダント」16


童話「ベラのペンダント」17


童話「ベラのペンダント」18


童話「ベラのペンダント」19


童話「ベラのペンダント」20、21


童話「ベラのペンダント」22,23(完)


おやこ劇場


どんぐりっ子


子どもの人権講座


人形作り


おはなし広場、布芝居


パネルシアター


ハロウィン


夏祭り


おやこキャンプ


春祭り(ハリーポッター)


ケーキ作り


リンゴ狩り、ローラー滑り台


短歌


短歌2


短歌3


喘息発作の短歌


短歌4


俳句


俳句2


俳句3


喘息発作の俳句


俳句4


連句


連句(織姫さんと)


連句(花調べの巻)


付け句、返歌


付け句、返歌1


好きな詩人、作家


永瀬 清子


マーガレット・F・パワーズの「あしあと」


中原中也「汚れつちまつた悲しみに」


「落葉」上田敏ヴェルレーヌ「秋の歌」訳詩


フランス旅行 2013.8.4~11


ドイツ・スイス旅行 2015.8.1~8


次女の結婚式の写真(2015.6.28)


2006年10月04日
XML
カテゴリ: 小説
出来たら、 「メビウスの輪」1 から読んでくださると嬉しいです。

ページの最後の「続き」をクリックすれば、次のページが読めます。

lucy2.gif

出身高校のスクールカウンセラーに就職が決まった。

学校に行くと懐かしいけど、

もう学生ではないのだ。

教師でもなく、その間を取り持つような感じ。

年も近いし、悩みを打ち明けてくれるといいのだけど。

最初は友達みたいに話せるといいな。

なんて、ただの友達では意味がないよね。

相談室は、放課後、上級生の溜り場のようになっている。

部活に入ってなかったり、引退した子など、

部室のような居場所がないのだ。

休み時間もおしゃべりにやってくる。

それ自体はいいのだが、

本当に相談したい子が

なかなか話せないのでは?と心配してしまう。

目安箱のように、相談の手紙を入れる箱は

廊下に設置してあるのだが、

そこには、いつものおしゃべりの延長のようなメモばかり。

でも、今日は違った。

「○月○日 3時にお願いします。」というメモが

入っていた。

3時というと、まだ授業中。

用件は書いてなかったけど、

相談だと思い、待っていた。

3時ピッタリにノックの音。

「どうぞ」と言うと、

「すみません」とおずおずと入ってきたのは、

見慣れない顔で、下級生のようだ。

小柄で痩せている。

うつむいていたので最初顔が見えなかったが、

顔を上げると、細面で、黒目がちの目が印象的な

可愛い子だった。

呆然と立っているので、

「椅子にかけて」と促した。

言われて初めて椅子に気づいたみたいに

ハッと見回して、椅子を引き寄せた。

私とは少し距離を置きたいようだ。

まだ警戒されてるよね。

「今日はどうしたの?」

慎重に優しく言葉を選んだ。

「・・・」

しばらく沈黙が続く。

「言いたくなかったら、無理に言わなくてもいいよ。」

蚊の鳴くような声で、

「なんて言っていいか分からないんです・・・。」

彼女はやっと答えた。

「お名前は?」

羽

「美羽です。」

「どういう字を書くの?」

「美しい羽です。」

「きれいな名前ね。」

やっと彼女と会話する言葉が見つかってホッとした途端、

「私は嫌いです。」

急に彼女は語気を荒くした。

「なんで?」

「フワフワと足が地に着かないみたいで・・・」

また小さい声に戻ってしまった。

このことと相談事は関係あるのだろうか。

「そう。落ちつかないんだ・・・。」

一応、彼女の気持ちを受け止めておく。

「でも、天使みたいに羽で空を飛べるといいよね。」

わざと能天気を装って言ってしまった。

美羽はキッと私を睨んだ。

いけないことを言ってしまったのだろうか。

ほとんど臨床経験のない私は

その目の底に何が隠されているか分からず不安になった。

「先生には分からないんです。」

目をそらし、横を向いてしまった。

「気に障ったらごめんなさい。

良かったら話してもらえると嬉しいんだけど。」

「言ってもどうせ理解できないよ。」

段々、言葉遣いが崩れてきた。

少し地が出てきたのか。

「言うだけ言ったら、すっきりするかもよ」

私もタメ口になってしまう。

「まあ、暇だから話してもいいけどさ」

入ってきたときの様子からは想像できない変化だ。

警戒心が取れてきたのかな。

「美羽さん」と話しかけると、

「その名前で呼ばないで!」

と強い口調で言う。

「じゃあなんて呼べばいいの?」

「みーちゃん。

小さい頃から、そう呼ばれてたんだ。

羽という字が嫌いなだけなんだよ。」

さすがに照れくさそうに言う。

「みーちゃん」と呼ぶと、

「うん?」と初めて笑って私を見てくれた。

子供に帰ったような笑顔だ。

本当は素直で優しい子なのだろうな。

全身を覆っていた殻から、少し顔を出したようだ。

私よりは素直だよ・・・。

「うちに居ても、学校に居ても

ここに居ていいのかなと思うの。

そう思うと、フッと自分が抜け出て、

ここに居ないような気がするんだ。」

心細そうに言う美羽。

離人症 かな?

でも、すぐに判断しちゃいけないよね。

「そうなんだ。自分がここに居ないような感じがするの?」

「見えてるんだけど、なんか透明なバリアがあって、

私だけ別な空間に居るような気がするの。」

「幽体離脱みたいに上から見てると言う訳でもないのね。」

「上からじゃないけど、自分の体には居ないような感じ。」

「それはいつごろから?」

「いつって、よく覚えてないけど、

子供の頃から少しずつ増えてきたような気がする。」

「何か嫌なことや、ショックなことはあった?」

「うちは嫌なことだらけだよ」

言い捨てるように言う。

「何が嫌なの?」

「何もかもさ」

この学校はいわゆるお嬢さん学校だから、

経済的には困ってないはず。

私もそうだったけど、

だからといって幸せとは限らない。

でも、美羽の言い方は、

わざと悪ぶってるようにも聞こえる。

「嫌なことの一つだけでも言ってみてくれる?」

「そうだなあ。

帰っても誰も居ないところかな。」

「高校生でも?」

「小さい頃からだよ。」

「お母さんはお勤めなの?」

「死んだんだ。」

「ごめんなさい。」

「謝らなくてもいいけどね。

死んだかどうかだって怪しいものだし。」

「どういう意味?」

「死んだって父親は言うけど、

もしかしたら逃げられたのかもしれない。

ここに入学するときも、戸籍は見せてもらってないんだ。」

「それじゃあお父さんと二人暮らしなの?」

「このごろ、我が物顔に居座ってるやつはいるけど、

そんなの母親なんて認めないよ。

昼間はろくに居ないし、

夜だって父親が遅いと分かってれば、

自分も夜遊びしてるんだ。」

「そうなの。

お父さんを取られたような感じがしたの?」

「あんな父親なんてくれてやるけどさ。

母親の形見の洋服やアクセサリーを身に着けるのは許せない。」

「お母さんの物を取っておいたのね。

お父さんはお母さんを愛してたのじゃない?」

「だったらなんで、あんなやつに貸してやるのさ。」

「ふっきろうと思ってるんじゃないのかしら。

それともお母さんの面影を見てるとか?」

「全然似てないよ。

私には母親に似てきたな、と言うけどね・・・」

今までの勢いが無くなってきた。

「お母さんに似てきたみーちゃんを見てるのが辛くて、

わざと似てない女性にお母さんの形見を身につけさせ、

お母さんを忘れようとしてるんじゃない?」

「じゃあなんであんなことまで・・・」

心ここに在らずという感じで、

気持ちが遠くに行ってしまった。

何かを思い出してるようだ。

でも、しばらくするとまた戻ってきた。

「今、どうしたの?」

「また、なんかここに居ない感じがした。」

「何かを思い出してるようだったけど。」

「思い出そうとしたら、気分がボーっとしてきたんだ。」

「無理に思い出すことないわよ。」

「思い出したくないことなのかも・・・」

「思い出したくないなら、それでもいいのよ。」

「そうだよな。嫌なことばかりなのに、

これ以上嫌なことなんか思い出したくない。」

「嫌なことばかりなの?」

「いいことだって少しはあるかもしれないけど、

忘れてしまうほど少ないんだ。」

「少しでもあればいいじゃない。」

「でも、今日は人とたくさん話せて、

少しすっきりした。」

「いつもは話さないの?」

「うちでは話したくないし、

学校でも暗いとみんな近寄ってこないよ。」

「暗くなんかないじゃない。」

「こんなに話さないからね。」

「じゃあ、また話に来てね。」

「気が向いたらね。」

「待ってるからね。」

美羽は吹っ切れたように、

後ろ手を振ると、すたすたと歩き出した。

おどおどと入ってきた子とは別人のようだ。

少しは助けになったのかしら。

役に立てたのならいいけど。

でも、それは単に自己満足に過ぎないことを

後で思い知らされることになる。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年10月04日 18時17分44秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: