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金子みすゝ゛の詩に作曲


歌「私と小鳥と鈴と」


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歌「愛しいあなた」2006.4.24


歌「月光」2006.4.25


歌「自分を好きになりたい」2008.8.16


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歌「山姥」 影絵「山姥の鏡」より


歌「自分の皮」 影絵「山姥の鏡」より


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2006年11月15日
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カテゴリ: 小説
出来たら、 「メビウスの輪」1 から読んでくださると嬉しいです。

ページの最後の「続き」をクリックすれば、次のページが読めます。

良かったら、感想・アドバイスなど、
コメントやBBSに書き込んでいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。


kokoro.jpg



どうしたのだろう。

ここは、どこ?

見渡すと懐かしい祖父の別荘だ。

子供の頃に来たことはあるが、

久しく訪れたことはなかった。

なぜこんなところに居るのか?

信吾まで・・・。

「目が覚めたのですね。」

信吾がやけに他人行儀な話し方をする。

また私は別人格になっていたのだろうか?

「私は幸恵よ。」

「やっぱりそうか。」

落胆とも思える声のトーン。

私より、他の人の方がいいというの?

「悪かったわね。」

つい意地になってしまった。

「悪くはないさ。」

信吾も素っ気無い。

「なぜ私はここに居るの?」

「君がここに連れてきたのさ。」

吐き出すように言う。

「誰?」

「白鳥優美。」

知らない名前。それがもう一人の私?

「その人がなぜ?」

「自分の祖父の別荘だと言ってたよ。」

私でさえ忘れかけていた別荘なのに、

なぜ彼女は知ってるのだろう。

信吾と来た思い出の印象が強くて、忘れていたのだ。

いや、もしかしたら思い出したくない記憶があるのだろうか。

黙り込んでしまった私を見捨てるように、

信吾は背を向けて歩き出した。

「どこへ行くの?」

「うちへ帰るのさ。」

「やけに冷たいじゃない。」

「君が一人にしてくれと言ったんだろう。」

信吾も意地になってるのか。

私まで移ってしまう。

「そうよ。一人で大丈夫だから、

帰っていいよ・・・」

突き放すように言ったつもりが、

なぜか、最後は涙声になってしまった。

「幸恵?」

信吾が驚いて振り向いた。

「どうしたんだ?」

居たたまれずにしゃがみこむ。

自分でもよく分からない。

もう一人で立ってられないのだ。

「ごめんよ。」

信吾が駆け寄り、支えてくれた。

「信吾の意地悪・・・。」

泣き声になってしまった。

一人で頑張るつもりだったのに、

やはり信吾に甘えてしまう。

「悪かった。一緒に帰ろう。」

抱き起こされて、立ち上がった。

「私はどうしてたの?」

「浜辺に居たのさ。

俺が恋人を探し疲れてると言ったら、

ここで休んでから探すといいと言ってくれたんだ。」

まるで、いとおしむように信吾が話すから、

思わず焼餅を焼いてしまった。

もう一人の自分のことなのに。

「そうなの。優美も信吾が好きなのね。」

「そんなはずはないよ!」

何もそんなに焦ることはないじゃない。

その態度から、ますます信吾が

優美に好意を持ってることが分かる。

「いいじゃない。どっちも私なんだから。」

冷たく言い捨てた。

なんでこうなってしまうのだろう。

ますます優美に傾くよね。

「幸恵、大丈夫か?」

心配してくれてるのに意地になり、

そのくせ甘えたいのだ。

「ごめんね。平気だよ。」

そう言いながら、元気の無い声になってしまった。

「疲れてるんだよ。早く帰ろう。」

「そうだね。」

信吾に寄りかかって眠りたい。

そんな気持ちになってしまう。

信吾が携帯で車を呼ぶ。

その動作を見ていたら、

何か思い出せそうな気がした。

でも、頭が痛くて思い出せない。

思い出したくもない。

車が別荘に横付けされ、

二人で乗り込もうとした。

もうすっかり暗くなっている。

見上げると月が輝いていた。

hoho05.gif

ふと母に抱かれて月を見たのを思い出した。

そんな幸せなときが私にもあったのだ。

この別荘での出来事だったのだろうか?

子供の頃の記憶はあまりないのだ。

嫌なことは封じ込めてきたからかもしれない。

でも、いいことまで忘れるのも哀しい。

月を見上げ、なかなか車に乗ろうとしない私を、

信吾はじっと待っててくれた。

「もういいかい?」

「もういいよ。」

やっと乗り込み、駅に向かう。

ホームで電車を待つ間、また月を見ていた。

信吾も一緒に黙って見ている。

無言でも温かい。

母の優しい思い出が蘇って嬉しかった。

今まで冷たい母しか思い浮かばなかったから。

信吾が優しくしてくれたからかもしれない。

ずっとそばに居て欲しい。

でも、迷惑もかけたくない。

どうしたらいいのだろう。

迷ってる私の心を察するように、

信吾は私の手を取って、ポケットに入れた。

それは「いいんだよ」と言ってくれてるように思えた。

信吾の横顔は月明かりの中で、

ろうそくの光のように柔らかく浮かびあがっていた。

私は吸い込まれるように肩に頭を乗せた。

信吾は私の髪をくしゃくしゃっと撫でた。

「可愛い」と言ってるみたいで嬉しい。

無言で話すこともあるんだよね。

二人のホームに電車が滑り込んできた。

もう家に帰らなければいけない。

夢の時間は終わり。

でも、母も優しいときがあったのを思い出し、

少しは家に帰る苦痛が和らいだ。

まあ、母はまた家には居ないと思うが。





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最終更新日  2006年11月15日 17時13分06秒


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