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金子みすゝ゛の詩に作曲


歌「私と小鳥と鈴と」


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曲「束の間の幻」作詩アリスMOONさん


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次女の結婚式の写真(2015.6.28)


2015年02月13日
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カテゴリ: 小説
童話「ベラのペンダント」10です。

良かったら、最初から読んでみてくださいね。

童話「ベラのペンダント」1・2 です。

フリーページの最後の「続き」をクリックしていただくと続きが読めます。

また、挿入歌として 「遥かなるあなたへ」 を作詞作曲してみました。

上の題名をクリックしてみてくださいね。



三つ編みの少女

老人とベラが速足で聖マリア教会へ向かう後を、ユリウスも必死についていく。

「今までベラは両親を探す手がかりがほとんどないと言ってたのに、

どうして急に聖マリア教会とかテレサとか言いだしたの?」

ユリウスが疑問をベラにぶつけてみても、ベラは答える余裕もないようだ。

ともかく一緒に行くしかない。

食事も歩きながら摂るほど急いだお蔭で、日が落ちる前になんとか聖マリア教会にたどり着いた。

「テレサ、このベラという娘さんが君に両親のことを聞きたいそうだ。」と老人は挨拶もそこそこにして

単刀直入にベラを紹介してくれた。

「私は祖母に育てられました。祖母の名前はエリーゼです。両親のことをご存知ですか?」

テレサはエリーゼの名を聞くと、サッと顔色が変わった。

しばらく沈黙した後、意を決したように静かに話し始めた。

「エリーゼのことはよく知ってます。私があなたをエリーゼに預けたのですから。

ご両親のことも知ってますが、どう話していいのやら・・・」

「何を聞いても驚きませんから、どうか話してください」と、じっとテレサの目を見つめるベラ。

「そう。それなら話しましょう。実はあなたは・・・この国の王の娘なのです。」

「そんな・・・信じられない・・・」

ベラはもちろん、老人やユリウスも目を丸くした。

「本当なのです。でも、王妃の娘ではありません。」

「では誰の子なのですか?」

「王妃付きの女官ライザの娘です。」

「そのライザ、お母さんは今どこに居るのですか?」ベラは必死に尋ねた。

「ライザは・・・王妃に殺されました・・・」沈痛な面持ちでテレサは答える。

「そんな・・・ひどい・・・」ベラは泣きだした。

気丈にふるまっていても、やはり幼い少女なのだ・・・

「王妃に命を狙われてることを察して、ライザはあなたを私に預けたのです。

王妃に私の居所もつかまれたので、エリーゼに託したというわけです。」

「エリーゼはそのことを知っていたのですか?」ベラが涙を拭って言った。

「詳しいことは話してません。ただ両親の名前は今明かせないが、

子どもが成長して知りたいと思った時は、私をたずねるようにとは言いました。」

「知りたいに決まってるじゃないですか!」

「そうですよね。だから、きっとあなたがたずねてくると思ってました。」

テレサは淡々と、なおかつベラを見守るような眼差しで言った。

「お父さんである王は、それを知ってるのですか?」

「王妃もライザもあなたの存在を秘密にしていたから、王は知らないだろうけど、

今はもしかしたら知ってるかもしれない」

「なぜ秘密にする必要があるの?」

「王妃には当時子どもが無かったから、ライザは王妃があなたの存在を知れば殺すだろうと思って身を隠した。

王妃付き女官をしてたから、王妃の性格はよくわかってたんでしょうね。」

「そんなに怖ろしい性格なの?」畳み込むように詰問するベラ。

「プライドが高くて嫉妬深いらしい。私はライザからそう聞いたわ。

ライザを殺してから、王妃には娘が生まれたけど、息子は生まれていない。」

「私には妹が居るのね・・・」

祖母も母も失ったベラには、妹がどんな風にうつるんだろう。

心なしか声が優しくなったようにテレサは感じたが、それを振り払うようにきつく言ってしまった。

「その王女ロザリーがたぶん将来女王になるだろうけど、あなたの存在がそれを脅かすかも」

「私は王女になんてなりたくないけど、母を殺した王妃は許せない。その娘も・・・」

一転して憎しみに満ちた瞳をぎらつかせるベラに、

テレサは何も言うことが出来なくなってしまった。





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最終更新日  2015年02月14日 01時33分48秒


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