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少し前の話題になるが、朝日新聞に掲載された上田久美子のインタビュー記事を読んだ。宝塚ファンに向けて『贔屓』ではなく、敢えて『推し』という表現を使う辺りに「いかにも上田らしい演出の仕方だな…(笑)」と微笑ましくなったが、やはりネット上では反発・反感を買っているようだ。まあ、上田本人も「きっと宝塚ファンに自分の意図(中身)は伝わらないだろう」という事を前提に語っているので、ほとんどのファンにとってあのインタビューは彼女との「訣別」となるのだろう。しかし、それで良いのだ。それが彼女の狙いなので、僕も別に解説はしない。それで良いのだ。今になってみると『やるならやってみろ、運命よ』と『限りを知り命を知れ』という謳い文句は、彼女なりの決意表明だったのだなと思う。彼女は己の信念と生き様を【fff】と【桜嵐記】に刻み込んで、宝塚を去ったのだ。(小柳奈穂子と生田大和は、なかなか粋な餞別を贈ったな)上田久美子よ、いつか再びその道の先で逢える日を楽しみにしている。なぁに、俺が歩きよぉ道もそっち側やけん、どっかでまた逢えるったい!!そ、そげんちかっぱ拒絶せんでも………(笑)。さて、見事に纏った所で(?)、宝塚OGの話題。七海ひろき主演、瀬戸かずやと如月蓮が出演するTVドラマ『合コンに行ったら女がいなかった話』が、予想以上に面白い。「予想以上に」というのは、宝塚の男役がそのまま現実世界に現れて芝居をしたら、もっと違和感があるかなと思っていたのだ。しかも、恋の相手は女性ではなく男子。この辺りが、テレビ画面を通して観た時にどう映るのか、上手く想像できなかったのだ。しかし、実際に観てみると違和感はほとんど無く、心配していた部分が寧ろプラスに働いていた。宝塚の男役がそのままTVドラマに出て、でも恋の相手は男子という逆転の発想が新鮮に映る。また、相手役の3人(井上想良、小西詠斗、増子敦貴)がドラマを盛り上げようと凄く頑張ってくれており、彼らのおかげも大きい。TVドラマ初出演の七海達は、かなり助けられているのではないだろうか。(宝塚ファンを代表して、彼らとそのファンに御礼申し上げたい)第1話では結構コミック的な演出がされていたが、2話目からはほとんど無くなったので、スタッフも内容で勝負できると踏んだのだろう。個人的には、無くて良いと思う。男子3人の反応を観ながら、僕も初めて音月桂の男役を見た時に感じた疑似BL体験を思い出し、「分かる、分かる(笑)」と頷きながら楽しんでいる。彼らの恋模様がどうなるのか、続きが待ち遠しい。(でも、恋の相手が男子だから、宝塚ファンの男としてはちょっと複雑な心境も…笑)
2022.10.31

「ワクチンを接種すれば、仮にブレイクスルー感染しても他人に感染(伝染)させる心配は無くなる」という報道を耳にした時、絶対に嘘だと思った。ウィルスと交渉して約束した訳でもないのに、そんな都合の良い話がある筈がない。感染した以上は、必ず他人に伝染させるリスクは生じるのだ。(因みに「感染」とはウィルスが身体に侵入して症状が出る事、「伝染」とはその感染者から他人にウィルスが広がる事を指す)と思っていたら、今月11日に開かれた新型コロナウィルス対応に関する欧州議会の公聴会で、米製薬大手ファイザーの幹部が「自社のワクチンが市場に出回る際、伝染予防効果があるかどうかまでは把握していなかった」と述べ、やはり嘘だった事が分かった。そもそもテストをしていないのだから、効果があるかどうかなど分かる筈がない。にも拘らず、「他人に伝染させないために」と言ってワクチン接種を推奨した政府や有識者達は、この嘘に対する責任をどう取るつもりなのか…。それでも尚、日本でワクチン接種が「努力義務」として続けられているのは、僕の見立てでは「大量に余っているワクチンの在庫を少しでも減らしたいから」なのだろうと思う。ワクチンの接種期間が3ヶ月に短縮されたのも、接種できる対象年齢が4歳以下にまで引き下げられたのも、単純に「ワクチンの在庫を捌(さば)きたいから」と考えれば全て辻褄が合う。(僕個人は、重症化するリスクの少ない子供へのワクチン接種には反対だ)そんな馬鹿なと思うかも知れないが、相手はあの低能な日本政府だという事を忘れてはいけない。彼らの考えている事など、所詮はそのレベルだろう。それに、コロナ対策が日本では既に「利権ビジネス」に成り下がっているのであれば尚更だ。だから、少しでも国民の不安を煽り、コロナ禍を長引かせ、その間に1本でも多くワクチンを打たせたいのだろう。(日本人がいかに不安と同調圧力に弱い民族かは以前に話した)裏を返すと、ワクチンの在庫が無くなりさえすれば、日本のコロナ禍はいつでも終息するかも知れない(笑)。実質的には既に終息しているのだから当然だろう。外務省は19日、世界各国・地域に出している新型コロナウイルスの感染症危険情報を全て、4段階の危険度のうち最も軽い「レベル1」に引き下げたと、対外的には終息宣言に等しい発表をしている。後は、国内で日本国民がいつまでこの馬鹿げた茶番に付き合うかだけの話だ。2020年にパンデミックが始まった以降、色々と予想していた僕としては、こうして少しずつ真実が明るみになり、謎解きゲームの答え合わせをするような感覚で日々を過ごしている(笑)。・ウィルス感染は、気を付ける事はできても防ぐ事はできないし、根絶もできない (だから、感染した人を責めるべきではない)・医療崩壊は起きない (起きたとしたら、それは行政のシステムに問題がある)・ワクチンには、重症化を防ぐ以外に大した効果は無い (感染は勿論、伝染も防げないので感染者数は減らない)これらは正解した。誤算だったのは「欧州のコロナ終息宣言に呼応して、日本でも終息宣言を出すだろうと思っていたら、そうはならなかった事」と「予想していた以上に宝塚の公演中止に影響が出た事」だ。(まあ、これは政府が終息宣言を出さなかった事が原因なので、宝塚に責任は無い)そう言えば、フリーライターの中川淳一郎が【週刊新潮】のコラムの中で、「このコロナ禍が終わったら『コロナ戦犯集』を出版する」と言っていたので楽しみにしている。「誰がどのタイミングで何を語り、それによって大衆がどう行動したか」を検証するのは、後の世代が同じ失敗を繰り返さないためにも必要な事だ。ダニエル社長による『コロナと金 単年度77兆円巨額予算の行方』もベストセラーになったし、中川淳一郎にも忖度無しに書いて欲しいと思う。こちらの動画では、感染予防だけでなく重症予防効果も怪しい事をデータで示してくれている。
2022.10.25

よく「歴史に『もしも』は無い」と言うが、今回の【蒼穹の昴】では「もしも、この時◯◯だったら文秀達の運命は違ったかも知れない…」と思わせる場面が幾つもあり、そうした歴史的視点からも楽しむ事ができた。個人的には、第二幕・第五場Aで「もしも光緒帝と西太后が話し合えていれば…」という場面が最も印象的だが、だからと言ってそれで全ての問題が解決する訳ではない。人生は選択の連続だ。仮に1つ難局を乗り越えても、また次の『もしも』が待っている。間違いだと思った事が功を奏し、良かれと思ってした事が裏目に出る事もある。まことに「生は難く死は易し」である。それでも、劇中で伊藤博文が文秀を諭したように、生き残ったからこそできる事もある。孔子も『論語』の中でこう言っている。「五十にして天命を知る」これは「50歳頃になってようやく、人は自分の人生が何のためにあるかを理解できるようになる」という意味合いである。科挙の試験に首席で合格した文秀なら、伊藤の言葉の意味が解らぬはずはないだろう。だから、若い頃の挫折や困難で簡単に人生を諦めてはいけないのだ。その苦しかった経験が、いつしか誰かの何かの役に立つ時が来るからである。僕も40歳を過ぎてから宝塚と出逢い、まさか自分の知識や経験がタカラジェンヌ達の役に立つとは思ってもみなかった(笑)。そう言えば、大人気ドラマ【逃げるは恥だが役に立つ】のタイトルも元々はハンガリーの諺で、「自分が今いる場所や状況にしがみついて自滅するよりは、逃げる(=自分を活かせる場所へ行く)方が、長い目で見た時に有益である」という意味だった。と、そんな事を書いていたら専科の感想がどんどん後回しになってしまうので、この辺りで止めておこう(笑)。一樹千尋が演じる西太后は、とにかく威圧感が凄かった。月組【桜嵐記】で演じた後醍醐天皇も怖かったが、今回もさすが専科という存在感で紫禁城に君臨していた。(余計な心配かも知れないが、本作では出番も多い上に、あれだけの気迫で舞台に立ち続けるのは体力的にも大変だと思うので、どうか体調には気を付けて欲しい)一方で、春児に思い出話を語る時の表情はとても穏やかで、強権ではあっても暴君ではない人物として描かれている。楊喜楨とのやり取りからは、寧ろ道理を心得た度量のある人物に見える。史実はともかく、本作において西太后が強権を振るったのは、飽くまでも清朝と甥の光緒帝を守るためだった。(だからこそ、光緒帝も2人を頼りにしたのだろう)西太后というと悪女のイメージしか無いが、それはもしかするとマリー・アントワネットがパリ市民に「贅沢三昧で国家財政を圧迫する悪女」と思われていた史実と似ているのかも知れない。(フランスの財政赤字を生んだ主因は軍事費であり、王室が使える金額は国家予算の5~6%程度しかなかった)世間のイメージと本人の実像は乖離している場合が多く、順桂の私怨もこうした誤解から生まれたものではないかと感じた。政敵はもとより、鎮国公載沢やマスコミのように面白半分で有らぬ噂を広めた人達もいただろう。(これに関しては、本人から聞いた訳でもないのに、タカラジェンヌについて好き勝手な事をネットに書いている僕達ファンも似たようなものだ)(マリー・アントワネットをギリシャ神話の貪欲な怪物ハーピーになぞらえた当時の風刺画)西太后と共に、歴史的な『もしも』を感じさせるのが凪七瑠海が演じる李鴻章だろう。「文秀が相談したのが、袁世凱ではなく李鴻章だったら…」と思わずにはいられないが、だからと言って彼がどんな判断を下すかは未知数で、どんな結果になったかは分からない。(西太后が栄禄を復帰させた時も、李鴻章は反対せず理解を示している)凪七瑠海は本作ではポスターにも写り、来年には星組を率いて全国ツアーを行うなど、専科における若手筆頭として三面六臂の活躍を見せている。劇団としては、「常に主演」だった轟悠とは一線を画し、どちらでも出演できる立場として凪七には専科にいてもらいたいのかなと思う。本作でも、遠目から見ると市村正親のような貫禄で若手を牽引していた。楊喜楨を演じる夏美ようも堂々とした演技で、西太后と渡り合っている。この2人が語り合う場面は、若手では決して出せない人生の黄昏を感じさせた。悠真倫は、ずる賢くあざといだけで天命を背負う程の器のない栄禄の小物感を上手く出している。(李蓮英と並ぶと、余計に小物感が増すのが面白い…笑)汝鳥伶が演じる伊藤博文は、妙に似ていて旧千円札の肖像を思い出した(笑)。白太太を演じる京三紗も、熱のこもった芝居で存在感を見せた。こうしたベテラン勢の役を新人公演で若手達がどう演じたのか、気になる所だ。『カフェブレイク』で主演の華世京がどんな話を聞かせてくれるかも楽しみだ。ありがとう!!さて、これから暫くは観劇予定も無いので、何について書こうか…。
2022.10.24

傑作でした!!(2回言ってみた…笑)昨日は雪組【蒼穹の昴】の2回目の観劇。情報量が多いため物語の表面しか追えなかった前回と比べ、内容を把握している今回は登場人物達の心情がより深く理解でき、また組子達の芝居がより深まっていた事もあり、観劇後は大きな感動と充足感に包まれた。(一度しか観劇予定の無い人は、原作小説を読んでおいた方が良いかも知れない)原作が長編だけに割愛されている部分も多いはずだが、そこは台詞や描写で上手く行間を補っており、それが観る側の想像力を掻き立てる事に繋がっている。本を読んでいて内容の面白さにページを捲る手が止まらなくなる時があるが、正に昨日の鑑賞がそんな感じだった。観劇しながら「早くこの続きが観たい」という気持ちが抑えられなかった経験は初めてだ。改めて鑑賞して、印象が変わった事もある。最も大きかったのは、文秀と玲玲との関係性だ。最初の観劇時は「ただ一緒にいるだけ」に感じられて、トップコンビの描き方としては物足りなかったのだが、2回目は白太太の「2人は不思議な縁で結ばれている」という言葉の意味が理解でき、恋愛関係を超えた2人の絆がしっかりと感じられた。また、彩風咲奈と朝美絢の芝居は文秀と春児の仲が本当の兄弟に見える程に深まっており、こうした印象の違いがラストシーンの感動を大きくした要因かなと思う。そして感じたのだ。傑作でした!!(何回でも言うぞ…笑)それ以外では、光緒帝の「誰も余の命(令)に従わぬ」という台詞は叫んでいると思っていたが、2回目を観劇したら力無く項垂れながら言っており、僕の記憶違いだと気付いた。また、文秀を守るために部屋を飛び出して行く時の譚嗣同にも恐怖心は感じられず、寧ろ覚悟を決めて晴れやかな印象すら受けた。この辺りは、2週間の内に彼らの演技が変わった可能性もある。その譚嗣同と玲玲の恋模様は、単に貧しさ故だけでなく、文秀に対する想いとの間で揺れ動く玲玲の女心が感じられ、より味わい深いものになった。(譚嗣同が文秀を死なせたくないと思ったのは、玲玲のためでもあったかも知れない)そう言えば、最初の感想で「【蒼穹の昴】は宝塚が本気を出すとこれだけの舞台ができる事を示すため、劇団が威信を懸けて挑んだ作品のように感じる」と書いたが、脚本と演出を手掛ける原田諒が毎日新聞の記事で「壮大な世界観を表現するため、宝塚歌劇がどこまでできるかのチャレンジをした」と語っているのを読んだ。その熱意が見事に結実している。傑作でした!!それにしても、今年は原田諒だけでなく生田大和、小柳奈穂子、野口幸作と宝塚の次世代を担う演出家の躍進が目覚ましい。昨日も雪組の舞台を観ながら「小池修一郎の演出作が最近増えているのは、若手達の作品に刺激されてクリエイターの血が騒ぐのかな?」なんて思った(笑)。もしかすると、それは専科の面々も同じかも知れない。専科というと「指導する立場」だと思いがちだが、彼らもかつては「研1」を経験した人達だ。今回、もの凄い熱量と集中力で舞台に挑む後輩達の姿に感化されて、彼らもあれだけの熱演を見せているのかなと感じた。宝塚はやはり「本気の集団」だ。(ただ、公演は長丁場なので、体調だけは気を付けて欲しい)ありがとう!!という事で、専科の感想を書くつもりが思いのほか長くなってしまったので、また次回に。それと、これは飽くまでも個人的な意見として受け取ってもらいたいのだが、デュエットダンスのリフトは無理にしなくても良いのではないかと感じた。今回のリフトがどれくらいの確率で成功しているかは知らないが、トップコンビへの負担も少なくないだろうし、何より怪我をしては元も子もない。僕としては、芝居であれだけ素晴らしいものを観させてもらっただけで充分に満足だし、体力的にも厳しいであろうあの場面で2人に無理をさせる必要は無いように思うのだ。ちょっと気になったので、差し出がましいとは思いつつ提案させてもらった。
2022.10.19

前回「女性メタル・シンガーは苦手」という話をしたので、今回は僕が実際に好きな女性ヴォーカルのタイプ(声質・歌唱スタイル)を紹介してみたい。(一応、HR/HMの中で選んでいる)最も僕の理想に近い声をしているのが、スウェーデン出身のTHUNDERMOTHER。MOTORHEADやAC/DC直系のストレートな爆音に負けない、パワフルでタフな歌声に痺れる。タカラジェンヌのように清くも正しくもない彼らだが(笑)、ロックン・ロールはこうでなくちゃ。米国出身、THE PRETTY RECKLESSを率いるテイラー・モムセンの歌声もかなり好きだ。
2022.10.17

昨夜、雪組公演の感想を更新した後にHR/HM専門誌【BURRN!】のHPをチェックしていたら、思わぬ文字が目に入って来て叫びそうになった(笑)。『BURRN! ONLINE』NEWS⇒ 宝塚歌劇団出身のAKANE LIVをフィーチュアしたシンフォニック・メタル・バンドLIV MOONが6年振りのニュー・アルバムを12月にリリース!た、宝塚歌劇団出身やてッ!?Σ(゚Д゚;)まさか、HR/HM専門サイトで「宝塚歌劇団」の文字を目にする事になろうとは…(笑)。気になって調べてみると、AKANE LIVは柚希礼音と同じ85期生で雪組の男役だったらしい。在団中の芸名は神月茜。宝塚は5年程で退団しているのでどれだけのファンが覚えているかは不明だが、退団後は音楽活動と舞台俳優を両立して来たようだ。最近だと、2017年のミュージカル【グレート・ギャツビー】にジョーダン・ベイカー役で、2020年のミュージカル【ボディガード 日本キャスト版】にニッキー・マロン役で、そして今年はミュージカル【フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~】にトウ/トヨ役で出演している。(これ以外にも、多数の舞台に出演)LIV MOONの結成は2009年。新作からの音源はまだ無いので過去の楽曲を聴いてみたのだが、やはり声楽をきちんと学んでいるからか表現力の幅がかなり広い。男役を経験していたおかげか、低音もしっかり出ており聴きやすい。正直、女性メタル・シンガーは声が細いので苦手なのだが、彼女の歌声はミュージカルやオペラの延長で聴けるので抵抗感は無い。フィンランド出身のシンフォニック・メタル・バンドNIGHTWISHに衝撃を受けてバンドを結成しただけあって、曲調は非常にドラマチックで幻想的だ。これだけの実力とキャリアがあれば「宝塚歌劇団出身」という肩書きはもはや必要無いようにも感じるが、【BURRN!】がこのような形で紹介してくれたのは「宝塚OGの活躍を少しでも後押ししたい」という僕の考えに共鳴してくれたのだろうか。(いよいよヘヴィ・メタル界が合流か…笑)まあ、さすがに退団してからHR/HMの道に進むタカラジェンヌは少ないとは思うが、AKANE LIVの活躍が何か次へ繋がって行けば良いなと思う。これからも注目しよう。せっかくなので、AKANE LIVが衝撃を受けたNIGHTWISHの『The Phantom Of The Opera』。
2022.10.15
和希そらが演じる順桂は、普段は口数も少なく沈着冷静な印象を受けるが、実際は胸の内に激情を秘めた男だった。その使命感にも似た熱意が、ある事件を切っ掛けに暴発してしまうのだが、和希は順桂の燻(くすぶ)る気持ちを上手く滲ませながら演じていた。妻子持ちという設定も、彼が最後に見せる行動に影響している。(事前に、毬で遊ぶ子供達の演出を入れたのは良かった)光緒帝を演じる縣千は、西太后と楊喜楨の間を取り持てば良かった即位前の穏やかさと、自ら政務を執り行うようになってからの不安や葛藤を上手く演じ分けていた。時代の激流に飲まれ、何が正解かも分からぬ状況の中で国の命運を左右する決断を下さなければならない難しさは、月組【桜嵐記】で暁千星が演じた後村上天皇に通じるものがある。根は優しい若者だけに、「誰も余の言う事を聞かぬ!」と叫ぶ若き君主の悲痛は胸を刺す。西太后と共に歴史の授業で習ったものの、何をした人かはすっかり忘れてしまった袁世凱は、登場した瞬間から一癖ありそうな雰囲気を漂わせていた。で、結局何をした人かは最後まで思い出せなかったが(笑)、やはり一癖ある男だった。こうした一癖の付け方が、真那春人は上手い。出番は限られていたが、自身の役目をきっちり果たしている。一癖と言えば、鎮国公載沢役の咲城けいも、どこかインチキ臭い貴族を楽しげに演じていた。既に雪組に馴染んでいるように見える。星組での新人公演を(映像で)観た限りでは、芝居心もありポテンシャルは高そうだ。今はまだ同期の彩海せらと同様に可愛い弟タイプだが、声が良いのでそこを起点にどう男役を極めて行けるかだろう。本作の新公では李鴻章を演じるようなので、ここぞとばかりに凪七瑠海から多くを学び、自分なりの男役像を掴んで欲しい。(専科総出で色々と指導してもらえるのだから、役を貰った若手達は運が良い)同じく102期の一禾あおは、咲城よりも目立つ役を与えられているように感じた。新人公演でも春児役を演じるし、注目してくれという事かも知れない。覚えておこう。演じている王逸は爽やかな好青年といった印象だが、ベテラン勢の中に入るとやはり役作りに甘さを感じるので、もっと個性を押し出せるようになると良いだろう。まだまだこれからの学年なので、色々と模索してみて欲しい。岡圭之介役の久城あす、柴五郎役の叶ゆうりは、限られた出番でしっかりと印象を残している。特に、岡は爽やかなだけでなく終盤に正義感ある日本人として行動するので、個人的にかなり好感度の高いキャラクターとなった。同じジャーナリストのトーマス・バートンを演じる壮海はるまも、先輩に引っ張られて上手く存在感を出していた。 それ以外では、専科顔負けの役作りで魅せた安徳海役の天月翼、いかにも嫌な奴という感じの笑い方で場の空気をさらった李蓮英役の透真かずきなど、専科が6人も参加しているにも拘わらず組子達の印象が薄れる事はなく、皆がそれぞれの役をしっかり生きていた。ただ、薮下哲司が指摘するように、娘役の出番が少ないのが残念なところか。(次期トップ娘役の夢白あやも、目立ってはいるのだが出番が少ない…)専科の感想は、18日(火)の観劇後に改めて。ありがとう!!
2022.10.14

宝塚時代からずっと聴いていたはずなのに、たまきちの歌声ってこんなに心地良かったっけ?歌が始まった瞬間、彼女の声がすっと心に入って来て、何かちょっと泣きそうになった(笑)。その歌声や表情からは、男役を卒業して本来の自分を取り戻した開放感と充実感が伝わって来る。それでいて、ひたむきで挫けない強い気持ちは宝塚時代から何も変わっていない。それが分かって、嬉しくて泣きそうになったのかも…。そして、もう一つ分かった事がある。やっぱり、俺はたまきちが大好きだぁああああッ!!☆*:.。. o(≧∇≦)o .。.:*☆これからも、自分らしく楽しみながら頑張って欲しい。素敵な歌声を、ありがとう!!
2022.10.12

いつもは何かしら記事のタイトルを考えるのだが、記事は書き終えているのにタイトルが決まらなくて更新が遅れるといった事も時々あるので(笑)、今回は普通にしてみた。梁文秀を演じる彩風咲奈は、これまでになくスケールの大きさを感じさせる男役になっていた。己の賢さを他人や祖国のために使う優しさと熱意を兼ね備えた文秀の人柄は、そのまま彩風の人柄と重なり、舞台に立っているだけで「昴に導かれし者」だと分かるオーラを発している。一方で、進むべき道に迷う後半は、運命に翻弄される人間の焦りや不安を繊細に表現していた。芝居だけでなく、歌でも感情表現がどんどん豊かになり、第1幕ラストの絶唱には心を震わされた。文秀の弟分、李春児を演じる朝美絢は、もう1人の主人公とも言える活躍を見せている。序盤で2人のやり取りを見た時、何となく春児の方が主役のように感じたのだが、どうやら原作小説では春児が主人公らしい。ただ、舞台を観る限り、春児は西太后の良き理解者ではあっても時代を動かす立場にはおらず、その辺りが宝塚版で文秀と主役が入れ替わった理由かなと感じた。とは言え、さすが本来の主人公だけあって春児の生き様にも心を打つものがある。裕福で聡明な文秀とは対照的に貧しく無学だが、決して卑しい人間ではなく、心根は非常に純粋で思いやりがある。度が過ぎて文秀に心配を掛ける時もあるが、彼の真っ直ぐな生き方は周りの人間に希望を与える力を持っている。そんな春児を、朝美はプレアデス星団の如き煌めきを瞳に宿しながら体現していた。京劇「挑滑車」も息を呑む程に素晴らしく、黒牡丹を演じる眞ノ宮るいと共に相当の鍛錬を積んだのだろうと思われる。眞ノ宮もここに来て一気に男の色香が増し、これからどんな飛躍を見せるか楽しみだ。和希そらや諏訪さきと組ませてみると、新たな魅力を発揮するのではないか。朝月希和が演じる妹の玲玲は、貧困から抜け出そうと形振り構わぬ兄とは違い控え目な女性だ。と同時に、幸せになる事を諦めてしまっている人でもある。そうした玲玲の内面を、朝月は繊細に表現していた。僕は最初「玲玲は文秀に想いを寄せているのだろう」と思っていたので、彼女が譚嗣同のプロポーズに躊躇う理由を聞いた時はハッとした。澄んだ歌声も耳に心地好く、文秀との恋愛要素があればもっと宝塚らしくなっただけに勿体無い気もする。とは言え、朝月の退団のためにこの役が与えられたのではなく、彼女が退団を決めたタイミングがこの作品だったという事なので、そこは致し方無いのだろう。玲玲と同じく、彼女の未来も幸多からん事を祈っている。その玲玲と恋仲になる譚嗣同は、血気盛んな改革派にあって朴訥で控え目な印象を受ける青年。2人のささやかな恋模様は、物語に立ち込めるきな臭い空気を一瞬だけ晴らしてくれる。演じる諏訪さきは台詞の「訛らせ方」が絶妙で、それだけで譚嗣同の人柄や改革派内での立ち位置まで想像させたのは見事。(訛り過ぎると単なる田舎者だし、今の「訛りが残っている」くらいの感じが丁度良い)玲玲と話す時の緊張した様子や、文秀を助けるために恐怖心を振り払おうとする時の表情などどれも丁度良く、しっかり役柄を掴んでいるのが分かる。後は、この「丁度良さ」が自分の中で馴染んで来れば、自然に役も深まるだろう。譚嗣同の師である康有為は、第1幕で自身の理想論を文秀と順桂にあっさり論破されるも、光緒帝が即位すると独断で改革を押し進め、宮廷内に混乱を引き起こしてしまう残念なキャラクター。その残念さ加減を、奏乃はるとは上手く表現していた。(今見ると、スチール写真も何となく残念っぽい人に見えてしまう…笑)長くなったので、他のキャストの感想はまた後日。ありがとう!!そう言えば、ミュージカル【SPY×FAMILY】のシルヴィア・シャーウッド役に、朝夏まなとが決まったと知り驚いた。【SPY×FAMILY】が舞台化されるのは知っていたが、その一員に我らがまぁ様が選ばれるとは…。実咲凜音はインスタグラムの「私のおすすめ」にも挙げる程このアニメが好きみたいなので、かなり喜んでいるのではないだろうか。宙組の次回作もスパイものだし、離れていても何処かで繋がっているのだな。(宙組【カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~】の先行画像が出たら、並べてみたい…笑)
2022.10.10
星組公演【ディミトリ ~曙光に散る、紫の花~】は11月15日(火)に観に行ける事になったが、チケットが手に入ったのはこの1回分だけ。ARIの星組デビューを1回しか観られないなんて…。どげんかせんといかん!!(どげんかなると?)なんて思っていたら、来年3~4月に専科の凪七瑠海が舞空瞳との主演で全国ツアーを行う事が発表されて驚いた。バウ公演とかなら分かるが、全国ツアーで専科が主演を務めるのはかなり珍しいのでは…。まあ、まこっつあんはつい先日も全国ツアーを行ったばかりなので、負担を軽減させようという意図なのかも知れない。(いや、知らんけど…笑)と、それ以上に驚いたのが、綺城ひか理の組替えだ。古巣・花組への復帰なので本人の精神的負担は少なくて済むだろうが、せっかく星組でも個性を発揮していただけに寂しさは否めない。人事に関してはまだ何か動きがあるかも知れないので、ここで邪推するのは止めておこう。そして、本日は新人公演の主な配役が発表された。主演は天飛華音。よし、頑張れ!!☆*:.。. o(≧∇≦)o .。.:*☆ついでながら、【ディミトリ】繋がりでジョージアの話題。14年前、ロシアがジョージアへ侵攻した際に空爆を受けた体験から、ジョージア中部のニコジ村では2011年から毎年「戦争による破壊に代わるもの」として『ニコジ国際アニメーション映画祭』を開催して来た。コロナ禍により2020年と21年は中止されたが、10回目となる今年9月6日に日本からの初参加作品として片渕須直監督の【この世界の片隅に】が上映された。映画祭側は以前から日本作品の上映を希望しており、ジョージアの日本大使館の働きかけで実現したのだとか。関係者は「ウクライナの戦争をジョージアの人達は切実に感じており、その意味では去年とかその前ではなく、今年やったという事で凄く意義深くなったと思います」と語っている。今年はジョージアと日本の国交開設30周年らしく、それを見据えて生田大和は【ディミトリ】の舞台化を決めたのだろうか。何れにしろ、この世界の片隅と片隅でまた一つ素敵な巡り合わせが生まれた事に感謝したい。そして、一日も早くウクライナに平和が戻りますように…。因みに、僕は映画【この世界の片隅に】をまだ鑑賞していない。理由は単純で、観たらきっと泣いてしまうだろうから…(笑)。参照記事 → 読売新聞オンライン【「この世界の片隅に」14年前に空爆受けたジョージアの村で上映...片渕須直監督「どう見ていただけるか知りたかった」】 そう言えば、日本初演ミュージカル【エリザベス・アーデンvs.ヘレナ・ルビンスタイン -WAR PAINT-】で、明日海りおが戸田恵子とダブル主演する事が発表された。相手役は珠城りょうでもなければバディものでもなかったが(笑)、タイトルは似た雰囲気だし女性2人のダブル主演だし、これは僕の妄想が微妙に実現したと言えるのか…。NHKの番宣によるとドラマ【アストリッドとラファエル】も来年5月頃にシーズン2が放送されるようなので、あのタイミングで記事を書いてアピールしておいて良かった(笑)。
2022.10.07

色々と書いていたら星組関連の話題が意外に長くなってしまったので、それは別の記事に回して、先に宙組と雪組の話題から。(と言っても、人事考察ではなくジョージア関連なので悪しからず…笑)宙組トップコンビ、真風涼帆と潤花の退団が発表された。真風は任期から考えてそろそろではないかと言われていたが、潤も添い遂げ退団となった。少し早いような気もするが、次回で4作品目である事を考えれば順当なのかも知れない。(僕はまだ【シャーロック・ホームズ】と【HiGH&LOW】しか観ていないので、早いと感じてしまうのだろう)単に格好良いだけでなく、大人の色気で魅せられる男役でもあった真風のサヨナラ公演が、小池修一郎の描くジェームズ・ボンドというのは運命的。今のところチケットの争奪戦になる予感しかないが(笑)、先ずは【HiGH&LOW】の東京公演が滞りなく進む事を祈っている。さて、4日(火)は雪組【蒼穹の昴】を観劇。相変わらず敢えて原作は読まず、公式HPの解説だけで臨んだ。物語が二転三転する後半はやや分かり難い部分もあったが、全体的には長編小説を上手く纏めたなという印象を受けた。月組【グレート・ギャツビー】以上に複雑に登場人物達の思惑が絡み合い、重厚な群像劇に仕上がっている。何より、本作からは「宝塚らしさ」よりも「宝塚が本気を出すとこれだけの舞台が出来る」事を示そうとするかのような熱意が伝わって来た。「雪組が」というより、劇団が威信を懸けて挑んだ作品という感じだ。だからこそ、これだけ専科が総出しているのだろう。そんな専科に負けず、雪組生達も誰もが役を生きており、男役とか宝塚である事を忘れて純粋に一つの舞台作品として楽しませてもらった。芝居といえば月組と言われるが、本作における雪組はそのイメージを覆(くつがえ)す程に高い集中力で熱演していた。特に、彩風咲奈と朝美絢の集中力は凄まじく、一分の隙も無い芝居で舞台を牽引している。その姿からは互いへの厚い信頼が感じられ、本当に良い相棒になったと思う。そこに朝月希和、和希そら、諏訪さきらが続き、幾重にも人間模様が折り重なって行く。18日(火)に再び観劇する時には更に役が深まり、より濃密な舞台となっているだろう。(キャスト別の感想はその時に書いた方が良いような気もするが、とりあえず初見の印象でも纏めてみようと思う)フィナーレの男役群舞ではコートも中国風となり、格好良さの中に妖艶さが感じられた。ロケットやパレードの衣装も面白く、最後まで劇団の意気込みが伝わって来る内容だった。個人的には、デュエットダンスの時に彩風咲奈と朝月希和が手を繋いで下りて来た所で一瞬泣きそうになった(笑)。素晴らしい舞台だ。ありがとう!!
2022.10.06
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