田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2023.05.13
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カテゴリ: 新潟、佐渡
基本は新潟県産コシヒカリなのです。

ところが、「新潟と言っても広いよ。うちの米は特別だから一緒にされてはかなわない」と個別ブランドとして名乗りを上げたのが「魚沼産コシヒカリ」です。にいがた和牛の例に倣うなら「地域別にいろいろ要望はあるでしょうが、ここは新潟県を一つにしましょう!」となるとことなのに、なぜか魚沼産だけが特別扱いされている。

実は新潟には、魚沼産以外に「岩船産コシヒカリ」「佐渡産コシヒカリ」も東京の市場で正式に存在しているのです。魚沼産が名乗れるなら、岩船も名乗らせろ!いやいや佐渡産だって美味しいぞ!なるところです。

本来ならそんな争いごとを避けたいなら、にいがた和牛の例のように「ここは新潟産コシヒカリ一本でいきましょう!」となるところなのに、結果は魚沼産だけが取り上げられています。相当魚沼からのゴリ押しがあったと思われます。

  • IMG_3064.jpg

新潟サミットのレセプションのメニューです。

ところがその上を行くゴリ押しがあるのです。それは一番最後にある「塩沢産コシヒカリのムース」です。塩沢産?県外の方には耳慣れない名前でしょうが、これは魚沼産コシヒカリの中の一つの地域の名前なんです。つまり式でいえばこうなります。
日本のコシヒカリ>新潟県産コシヒカリ>魚沼産コシヒカリ>塩沢産コシヒカリ、となります。

ちなみに塩沢産コシヒカリは東京の相場では正式なブランドにはなっていません。つまり正式なブランドである岩船産、佐渡産を差し置いて、超小さなエリアの地域名を公式の場でブランド米として出しているのです。これには岩船や佐渡も黙っていなかったと思いますが、どこかの政治勢力で決着したのでしょう。

ちなみに新之助はまだ新潟県産としてアピールするのが精いっぱいで、地域対立もありません。というか、どうも新之助は県主導で作られたブランド米で、思ったようには人気が出ていないようなのです。そんな大した人気もない米に地域が頑張って地域ブランドを作るほどの熱意もメリットもないのでしょう。

次に怪しいのは、しろねポークです。実は新潟県にはブランド豚が非常に多いのです。朝日豚、甘豚、越後あじわいポーク、越後米豚越王、越後村上岩村豚、越後もちぶた、北越後パイオニアポーク、越乃黄金豚、佐渡島黒豚、純白のビアンカ、しろねポーク、津南ポーク、妻有ポークの実に13種類ものブランド豚があるのです。

もちろん、県外どころか県内でも知っている人は少ないでしょう。そんな中、「しろねポーク」だけが、このサミットに取り上げられたのです!これではまるで、県が「にいがたで一番美味しいのはしろねポークだ!」と宣言しているようなものです。これには他のブランド豚も黙ってはないでしょうが、これまた政治の世界で決着ついたんじゃないかと思います。

肉ついでに言えば、鶏肉もあります。ここでは「越の鶏たれカツ」に使われているブランド「越の鶏」が採用されています。が、これまた翠鶏(みどり)、にいがた地鶏、越後ハーブ鶏などがある中で、越の鶏が選ばれています。じゃあ、越の鶏は他の鶏より美味しいと県知事は言うのか?となります。同じ話の繰り返しですね。

肉以外でもあります。県産珍味に佐渡一夜干しイカがありますが、これは新潟県内では一目置かれるおいしい珍味ですから、問題ないでしょう。その次の「サケの酒浸し」があります。

これは確かに美味しいのですが「越後村上が生んだ味の芸術品」ともいわれるくらいに村上であることが有名なのに、なぜか村上の名前がありません。村上は、村上茶(日本のお茶栽培の北限地として有名)でも名前が載っていますが、なぜか酒浸しには「村上サケの酒浸し」とはなっていません。もしかして、村上以外で作っている業者から「村上だけじゃないぞ!」という声が上がったのかもしれません。

笹団子に至っては、新潟には老舗ブランドが多いですが、その中でどこか特定のブランドを書いたら、収拾付かなくなるのかもしれません。

ここには書かれていませんが、佐渡産のえごも入っていたようです。私はこれが大好きなのですが、実は新潟産(佐渡ではなく、新潟市で作ったもの)もありますから、これまた産地名で揉めるかもしれません。もっとも、佐渡産のは新潟産とはとは比べ物にならないくらいに美味しいですけど。

当然、これらのメニュー以外に、メニューに載せたい有名な食べ物はたくさんあったことでしょう。代表的なのは「加島屋の鮭製品」や日本トップクラスの生産を誇るかまぼこ(堀川など)や米菓などもアプローチがあったに違いありません。

こうしたメニューは少なくとも半年以上前から検討を重ねて来たことでしょう。当初はシェフを交えて、純粋におもてなしメニューとして最高のものを!と考えたことだと思います。でも、そんのことは恐らくあっという間に政治家ら関係業者らによって蹴散らされたことでしょう。

はっきりしていることがあります。

「特定のシェフが最高の料理を作るために考えに考えたメニューを作る」という視点、つまり「世界から来られるVIPのための最高のおもてなしと」という視点ではなく、そうした視点は建前上はありながらも実質的に「県内業者、県内政治家による対外向け宣伝、プロパガンダを第一優先にした新潟県物産展的発想のメニュー」だということです。しかもブランド間の扱いの不平等さを見ると、とても「オール新潟が一丸となって!」とは全く感じられないメニューだなと思いました。

VIPたちの本当の感想を聞きたいです。「ニューヨークやパリで一流日本人シェフによる美味しい和食を食べたが、やはり本場の和食を堪能したい。ものすごく楽しみにしてきた!」というVIPの舌を唸ならせることができたのでしょうか、この新潟物産展で?

(完)





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Last updated  2023.05.14 07:38:30
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