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売り上げを、上げていく方法にはいろいろな方法がありますが、単純にこれだけをすればよいという方法は残念ながらありません。(まあ、そのせいでコンサルタントなどはアドバイスをするネタには困らないわけですが・・・笑)ただ、それぞれのお店で、根気よく順番に改善をしていくことで、必ず実現しますので、こんな方法もあると、覚えておいてください。それと、今までに書いてきた、ほとんどのノウハウは、普通の経営指南書には、書いていないと思います。このノウハウを利用してお客さんの心理を捉えると、隣り合わせのライバル店を、つぶしてしまうことはそれほど難しくなくなります。ただ、そういった場合に、実際につぶしてしまうことは、ある地域やある商店街の全体のことを考慮した場合には、よいことかどうかはわかりません。複数のお店が適度に競争をしているように見えることは、消費者からすれば、活気を感じる部分になるからです。誰が勝つかわからない勝負でないと、面白さが半減しますよね・・。次に、コンサルタントを目指す人は、この講座をヒントにして実際に実験をしてみてください。その上で独自のノウハウが出来たとき何処でも十分に通用します。ほとんどのメーカーや小売店では、この中に書かれているノウハウは知りませんし、このような観点からの発想を持っていません。また、消費者の気持ちを的確に捉えているところもほとんどありません。自身のない人は、ためしに知っているメーカーで、売り上げを上げるためのノウハウのひとつもしゃべっていただくと、その効果がわかると思います。(私がしゃべると、よく、上役を中心にして、社内中から人が集まることになりました。・・・笑い)この講座では、お店を運営していく上で、必要なこと、私が実際に経験し実験してきたことを書き記してみました。ただ、読み返してみるとアパレルのノウハウなのに、感性のひとかけらもないので、感覚的なお話を期待された人には、お答えできなかったと思います。また、ここではすべてを紹介しませんでしたが、あまりにいろいろなエピソードがあって、あらためて思い出してみるとずいぶんハチャメチャだったように思います。これまでに、いろいろな人にブティックの運営の仕方も教えてきましたが、さすがにこれほどハチャメチャな実験は、実行してくれた人はいませんでした。でも、出来る範囲で実験してみていろいろと愉快な報告をしてくれた人もいます。実践を通して(理解は経験を通してしか出来ない。)そんな私の口癖を体得してくれた人は、成功の道を歩んでいます。小売業の現場では、マニュアルを作ったり、販売の教則本を手本にしたりしてお店を運営している人が多いと思いますが、どうしても受け答えが機械的になって、本当の消費者の気持ちが見抜けないことが多くなります。まして、雇われている身ならば仕事の本質にまで疑問を持ち、今以上の向上心を持つ人はほとんどいないといってもいいように思います。実際、私が直接に教えてきたスタッフでも、ひとつのノウハウだけでそれなりの成果が上ることが分かった途端に向上心を忘れてしまう人が、ほとんどでした。向上心というものは、ある意味では、実験することに興味がない(おもしろがれることができない)と続かないのかもしれません。時代の移り変わりとともに消費者の心理も移り変わっていきます。特に近年はインターネットの発達で購買方法が変わりつつあります。しかし、物を購入する動機や手順が変わらない限り、売り手と買い手の間に生まれる感情は変わりません。そのことを理解していれば、相手の先回りをするには何が必要でどのような手段をとればよいのかが見えてくると思います。そんなときに、この中に書かれたことを思い出していただければ、少しは参考になると思います。そして、成功する方法には、商品にその原因を求める場合と、販売方法にそのノウハウを求める方法があります。商品にその方法を求めるほうが、簡単で分かり易いことは確かです。ただ、商品そのものが条件にも関わらず売れていくという現象は、なかなかありません。もちろん、商品の流行の要素を見抜く方法はありますし、流行要素の追及はある程度の成功を実現してくれますが、商品寿命が短命であるので、新しい商品の継続的な供給が成功の鍵にならざるを得ないことを示しています。また、そのことは常に売れ筋の確保に緊張感を持たなければならないことを示してもいます。もちろん、先に述べたように、独自の売れ筋を発見することも可能ですが、いろいろな努力を必要とします。一方、商品の販売方法にそのノウハウを求める場合には、それぞれの販売員によって、その実現が出来たり出来なかったりするので、一定の効果をあげるには常に教育が必要にならざるを得ません。しかし、ひとつのノウハウは、どのような商品にも応用が効きますので全体の売り上げを底上げしてくれることになります。つまり、売り上げ向上を目指す二つの方法でも、それぞれに性質が違うのでよく整理して使い分けていただきたいと思います。
2006/05/24
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12番外編 エピソード開店して3年目のお店があり、たまたま店長が所用で抜けることになりました。私がしばらく、代役で通うことになったことがあります。支店は店長任せで、特に具体的な指示をしたことはありません。考え方の基礎や方法は教えますが、後のことは採算が取れている限りそれぞれの向上心に任せることにしています。(水のみ場に馬を連れて行くことは出来ても、水をのませることはできませんよね・・)さて、しばらくぶりのお店ですから様子が分かりません。とりあえずの運営は既存の販売員に頼って私は商品の構成を見直しながら、商品数を減らします。通常、商品数を減らしていっても売り上げが変わらない場合には、少ないほうが管理しやすいので、私はすぐに減らしてしまいます。(これは大事なことですし、限度以上に並んでいる商品は不要な在庫=プラスにはならない在庫だとお考えください。)間引きして店頭商品が3分の2程度になったときにようやくさっぱりしました。何が、どのように売れているか分からないので、次はお客さんの反応を観察しながら、売上帳を確認します。といっても、売り上げ帳には、日付、天気、レジの客数と一日の売り上げ合計を記入し最後に月間の売り上げの合計が書いてあるだけです。まだ、PCが普及していなかったときなのである意味では仕方がないとも言えます。ただ、数字の分析をしないことは、せっかくのデータの意味をなくしてしまうことになります。早速、前年の売上帳と今年度の売上帳を比べながら、簡単なグラフにしました。グラフにしてから、眺めると違和感を覚えました。その原因は、曜日によるグラフの上がり下がり(毎年、日付と曜日は、ずれていきますので・・)と、一ヶ月の間のグラフの上がり下がりが(天候によって若干のずれがあるのですが)毎年ほぼ一致しているのです。つまり、グラフの形が、数字の大きさにかかわらずほぼ同じことが見て取れました。それに気がつけば後は簡単です。私は、売り上げの上っている曜日には、たぶん目玉商品や、売れ筋商品の在庫切れが頻発しているだろうと、仮説を立てました。通常、目玉商品や、売れ筋商品の売り上げ枚数もしくは売上金額は、一日の最終売り上げの一定の割合を占めています。(目玉にした商品の性質によって違うので、どちらの数字を基準に考えればよいのかは、ここでは言えません。)そのため、売り上げを伸ばす一番簡単な方法は、売れ筋商品を中心にして全体を押し上げる方法が一番簡単になります。(今流行のロングテール理論と同じ理屈ですね・・・)そこで、売り上げの伸びる曜日にあわせて、売れ筋商品の準備在庫を2割程度ふやすことにしました。そうすると、すぐにその効果は現れました。3年間特に変化のなかった(毎年前年比105%程度でした。)売り上げが上向き始めました。そうなると、当然入店客数が増えますので、ほかの商品も一緒に売れていきます。おかげで、2ヵ月後に売り上げはほぼ2倍になり、長年溜めていた不良在庫も一掃しました。
2006/05/20
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7極端な要素が出現するのは流行のピークを越えた時である。流行の要素はどのように変化するのでしょうか?たとえば短いスカートが流行したときに、現象の上では、流行のピークを越えると、一時的に要素の正反対なものが出現します。その理由は、推測するしかありませんが、短いスカートのバランスを最初に受け入れてきた人からすると流行が何段階か進んだところで、飽き始めます。そのときには短いスカートも流行の3段階目に入っているので、いろいろなデザイン展開がされています。そのため、丈のバランスの少しの変化では違いが判らなくなりますし、むしろ丈の少しの変化はまるで時代を逆行するようになってしまいます。そのため、一時的に正反対(街ではほとんど見かけない)の要素を取り入れるのだと推測しています。ただ、このような現象は同時に非常にきわどい部分を持っています。つまり、短いスカートが大流行しても、実際には、街から完全にロングスカートが消えてなくなるわけではありません。(100%の流行はありません。)ロングスカートは非流行期には、特殊な層に支えられています。そのことは、流行の一段階目と同じ現象ということになりますが、残念ながら、必ずしもその要素がファッショナブルで次の流行につながっていくとは限りません。そのため、ミニスカートの対比としての出現が一時的になることが多いのです。それと、今はわかりやすくするために、非常に単純なモデルで説明していますが、実際の商品は、いろいろな要素の組み合わせで出来ていますし、また、要素の表現方法も、多くありますので、実際のところはそれほど単純に2つの反対要素が現れるわけではありません。なんとなく頭に入れていただければよいと思います。詳しくは、流行の法則・商品企画編で説明したいと思います。また、このときにひとつの要素のピークが、反対要素のスタートになるという見方(流行の繰り返し周期論)をしてしまうと、流行の要素には繰り返しの周期律があるというように感じられます。確かに、過去の現象を思い出してみると思い当たる部分は少なくありませんが、残念ながら私としては否定的な捉え方をしています。流行の要素の変化の捉え方を連続と対立という概念の反転による現象という捉え方をすることには、特に問題はないのですが、消滅から再出現までには固有の時間(周期)があるということには、やや問題があるようです。流行商品が、シーズンにマッチして流行してくれれば良いのですが、前に述べたように流行の要素に力のあるときには、その要素の持つプラス面が、季節感や用途やTPOのマイナス部分を補うことがしばしば起こります。たとえば、半そでが流行すると、寒さにかかわらず半そでを着るようになりますし、革ジャンの流行期には、夏にも売れるようになります。そのような現象が起きたときには、非常にわかりやすいのですが、(ただし、たいていの場合、該当商品を揃えていない場合が多くそのために観察できなくなります。)では、商品の側から観察して判断することは出来るでしょうか?商品の特徴を見て、その商品が何段階目にあるかという判定は非常に出来にくいです。というのも、商品の企画の段階で、(売れる)ということを前提にすると、必然的に保守的な発想になるために、商品を構成している要素のほとんどが、無難=過去に売れた経験によって占められることになります。通常のメーカーでは、商品が要素で構成されているという考え方はしていません。デザイナーの意見を聞き、マーチャンダイザーの意見を聞き、市場を調査して、後は過去の経験に当てはめて企画が進んでゆきます。(感性から数値化されたデータに判断の基準が移ってゆく)そのため、各企画の段階順に最初のデザインや企画はどんどんと普通で無難に近づいて行きます。(万人受けしようと考えてしまうため・・)その最大の理由は、リスクを考える比率にあるようです。リスクの側から見ると、新しいことは、簡単に承認できなくなります。ところが皮肉なことにファッションは本質的なところで革新的なので、常に過去の経験を否定するところにしか活路を見出せないことになっています。(懐古趣味などといわれるブームもありますが、実際には過去の商品を引っ張り出してくると古臭く感じられます。レトロという名の流行は現代風にアレンジされていることがわかると思います。)その結果、たいていの商品は新しい要素と古い要素を併せ持つことになります。つまりよほどの目を持たない限りは、正しい部分を見分けられなくなります。実際に、メーカーの企画室などに行くと、次の企画のために買い揃えたサンプルがありますが、それを参考にして(?)出来上がった製品に、元サンプルの欠点もそのまま再現されていることが良くあります。笑い話にもならないような、お寒い現状だといえるでしょう・・・。もちろん、流行の始まりは特殊な用途や特殊な分野での荒削りなファッションの段階です。どちらかといえば、機能的であったり特長のあるディティールであったり、特殊な素材を使用されていたりする段階です。海の物や山の物が多いのですが、この段階では、流行するかどうかは、海のものとも山のものともわからないことが多いのも仕方ない事なのかも知れません。(笑い)以上、流行商品の考え方について述べてきました。一般的にメーカーは売れる商品を見て(何時売れなくなるか・・)ということを考え、同じ商品を見て小売店は(この商品はあれば、もっと売れる)という発想になりがちです。また、メーカーの側では、同時期にいろいろな地域に出荷しているため売れている色の傾向がよくわかりますが、小売店の側では、店舗でいろいろな商品を扱っているため売れているデザインの共通した傾向がわかりやすいのです。その点の違いがわかると、メーカーとの取引交渉は、相手の手の内がわかって、もっと簡単に出来ることになります。ただ、その実例は、ここでは記しません。上のヒントだけにとどめておきます。
2006/05/19
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5月はゴールデンウィークが終わると、丁度、季節の狭間にかかります。小売店から見ると、洋服の季節感は夏に向かっているのですが、消費者からすると、まだまだ、夏物には早いということになります。では、消費者の季節感が何時変わるのか?実は、販売状況から判断する方法もあります。ワンパターンの売れ筋に勢いがなくなり、売れる商品にばらつきが出てきて、忘れられていたようなものが売れるときこそ、季節の変わり目です。覚えておくと、きっといつかは役に立つはずですが、一般の人には関係ないですね・・・・
2006/05/18
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6流行の要素をポイント制でカウントするとディスプレイやコーディネートでカバーできる部分がわかりやすい。商品は、要素の集合として捉えることができます。売れ筋商品には、共通の要素があり、たいていの場合には判定すると同じ要素が売れる理由になっていることがわかると思います。逆に言えば、力のある要素が判っているならば、商品にその要素を付加するもしくは外れている要素を隠してしまうことで、商品全体の要素が持つポイントはアップすることになります。そのような場合には、商品を要素に分解して、プラス1、0、マイナス1というように点数をつけるとわかりやすくなります。感覚的な部分に頼らないで済みますので、特に理科系の考え方の得意な人にはわかりやすいと思います。分かりやすい例を挙げます。肩幅の狭いトップスが流行したときには、私の店では、ディスプレイ用のハンガーはすべて、のこぎりで切ってしまいました。そのため、ハンガーにかけていると良く売れるのに平置きすると売れなくなるという現象が発生したことがあります。ディスプレイ用品を販売している会社では、流行の変化に即座についていけません。そのため、タイミングによっては、既製のディスプレイ器具を使わないで、自分で工夫するだけでほかのお店との格差をあらわすことが出来ることがあります。この場合には、商品に手を加えなくとも、それ以外の部分でプラスの要因を獲得することになります。ほかにも、売れない商品があったときに、ほんの少し手を加えたおかげで、販売枚数が一週間に一枚から、毎日10枚にまでなり、最終的には、600枚以上同じ商品を売り上げたこともあります。(どのような商品かは、説明が煩雑になるので省きます。)たった一つの要素が変わっただけで、劇的に売れ行きが変わることもしばしばあります。(逆に言えば、販売方法のまずさで、売れていないものもたくさんあるということではありますが・・・)また、商品をコーディネートすると、個別の商品のバランスが見かけ上は変わります。商品は、組み合わされることで相対的なバランスを持つようになりますので、印象が変わります。一番簡単なものは、色の要素です。違う色のスポットライトを当てたり、背景の色を変えたりすることで、商品の持つ色は若干変化します。もちろん蛍光灯や白熱灯などの光源によっても、変化します。つまり、売れる色の許容範囲は、結構広いということになります。時々、デニム商品などで、メーカーが(3色展開です)と説明してくれるのに、真ん中の色はどちらかの色に見えてしまいよほど注意しないとわからないことがありますが、違いの分かっているのは売っている人だけということになりかねません。そんな時には、当然買い手も混乱します。色の要素以外でも、基本的には、迷うと買わなくなると覚えておきましょう。迷うことは=決め手がなく、もう少しこうだったら・・・という不満の表れ(無いものねだり)であることが多いのです。同じ心理で、特定の商品の色違いやサイズ違いを一日に何度も尋ねられることがあります。こんなときにも、実は商品に対する不満が表れていると見るべきです。サイズや、色違いがない=他店を探す・・・という結果を生んでいることが多いので、その場合には商品を目に付きやすいところからはずしてください。通常、何か良いものがあれば買おうという目的意識の無い客は非常に少ないので、ほとんどの人が目的買いのために来店していると考えたほうが良いでしょう。もちろんその場合の目的は特定の商品を指すのではなく、もう少し漠然とした、服種であることが通常です。その目的が達せられる事がまず重要ですから、サイズ違いや、色違いを尋ねるのはその商品がある程度まで要求を満たしていることを示していますが、どこか決定的なところで、要素が外れているという判断をしてください。(ただし、その商品が最初の一点目ではなく、お客さんのついで買いとしての問い合わせの場合は、意味合いが違いますので間違えないようにしてください。)それと、色の許容量は広いので比較簡単にカバーできますが、デザインの場合には、別な工夫が必要になります。デザイン上の要素は、物理的に、裾が広がっているとか、狭まっているとか、ということに左右されますので、そのときの流行に応じた対処を実現するようにしなければなりません。そのため、ハンガーを切る、ディスプレイ法を物干し竿方式に変える、ピンチでつまむ、ピンチで引っ張るなどの工夫が必要になりますので研究してみてください。また、裏技としては、常識の枠外でディスプレイする方法もあります。これは、あえて、どのようにして着るのか判らないというディスプレイをすることです。人間は、常識的な思考を停止されると、自ら理解しようと努めるようになっていますので、困ったときには使える技です。
2006/05/18
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5 季節感に逆行する商品が流行したときには、商品が一時的に不足するので、その後のジャストシーズンで一時的に過剰供給になることが多い。ただし、タイミングによっては需要が上回るので、再び供給不足になる場合がある。季節感に逆らった商品が流行するときには、供給するメーカーが及び腰のまま供給を続けていきます。それでも、売れ続けると、ジャストシーズンには、いつもにもまして強気な観測をするようになります。ただ、この思惑は、すべてのメーカーで共通しますので、シーズンの初めには、一致した思惑で商品は一時的に供給過多になることになります。ただ、3段階目に突入した時点では、需要が上回りますので、実際には、期中に再びバランスは取れることになります。メーカーの思惑は、このような現象により、振り回されますので強気と弱気が交錯することになります。ま、このような思惑が、3段階目の供給過多を引き起こすと考えても良いかもしれませんが、2段階目の商品は、オールシーズン不足しますので揃えておくと独走できます。また、急成長するブランドやメーカーはこの段階の商品を中心にしたところです。ただ、どうしても、一定のイメージが発生するので、一定期間稼いだ後は、ブランドの名前を変えるなどして、戦略を変える必要に迫られます。
2006/05/17
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商品価値が1.5年で半分ですか・・。ま、アパレルも良く似たもので、たいていの場合には、流行に気がついてからだと、丁度その程度の期間で、価値は半減します。(その倍の時間もたつと、ほぼ0になりますね・・・)実際のところ、現象の上からは流行に気がつくのは、過ぎてからということがほとんどです。対処方法としては、販売の対象客層を変えることで、もう少し長く保つことも出来ますが、お店などの場合には、お店全体のイメージに引っ張られるので、部分(個々の商品)を生かすのか全体(お店)を生かすのか、難しい決断を迫られることになります。そのほかにも、マイナス要素をカバーすることで、価値を保つ(価値をつける・・?)方法もありますが、商品によっては大胆な判断を迫られることも多いので、よほど要素主義を理解してもらわないとお奨めできません。また、何処の業界でも大手は良いところを掻っ攫っていくように見えますが、その実、内情はお寒いことも多いようですので、(笑い)なんとも言えません。私が商品の企画をしていたときには、一番のお得意さんは、各大手メーカーのデザイナーであったりしましたので、何処ともそれなりに苦労はあるようですよ・・・笑・・・。ま、小さな規模だから融通が利くという点もあるので、柔軟性を持って、戦略を練るのが楽しみになれば良いのだと思います。何しろ、大手になると価格ひとつ変えることができないですから・・・ちなみに、以前、どうしようもない在庫品などは、値段ではなく、イチゴ1パックと交換などとやってみたことがありますが、なかなか受けは良くて、その後は差し入れが増えましたよ・・・笑。このような例は極端だとしても、経済学の観点からすると物々交換は非効率的であるとしても、アイデアとしては頭の片隅に持っておかないといけないということなのだと思います。例えば、ネット環境が発達したことで、特に家電製品などの、ナショナルブランドの品番管理をされている商品などは、検索をかけると即座に価格の比較も出来てしまうので、大変な激戦になっているようです。そのため、既存のTV通販なども、複数の商品を組み合わせて価格を比較できないようにして、まとめ売りという小手先の方法をとり始めているようですね。これからの戦略としては、個々の商品の価格を比較できないようにするのか、検索にかからないようにオリジナルの品番化するのか、徹底して販売経費を縮小して価格比較の出来るようにするのか、それとも・・・いずれにしろ、発想方法の転換を要求されているのだと思われます。異業種での異端児の、お話も少しは役に立てれば良いですが・・・・
2006/05/17
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4素材の流行は4年間売れるデザインそのものではなく、特定の素材の流行時には、面積の小さな部分使いから入っていき次第に使われる面積が増えてゆきます。(こだわりの側からの観察ですから、新素材やこれまでの用途とは違うような素材使いについて言えることで、既存の素材の流行期には、もっと早く浸透します。)全身にまで広がるには約3から4年程度かかる場合が多いようです。ただ、素材の流行は素材メーカー(川上)での生産に依存するために比較的長期間供給不足が続きます。そのことは、流行の命を延ばすことになります。また素材に対する消費者のこだわりの変化の期間は比較的長いので、流行期が長く続くように見えます。そのため、素材の特徴を捉えてヒットしたメーカーは、長生きできることが多くなります。(ただ、流行期が長いために、流行が終わってから、再度復活するまでの時間も長くかかることになります。)そして素材の流行時には、ほかの素材もヒットしている素材の風合いを実現しようと努力しますので、別な角度からヒットしている素材を見つけることも可能になります。たとえば、強撚糸のポリエステルが一時期、流行したことがありますが、その時は素材に張りやシャリ感を実現するためのメーカーの苦肉の策でした。ここで、重要なことは素材の流行といってもポリエステルやナイロンなどといった材質が流行することではありません。張りや光沢や厚みなどの素材感が流行するので、それにふさわしい素材(材質)が流行することになります。(簡単に説明すると、硬い⇔やわらかい、厚い⇔薄い、などのように素材の持つ要素が流行するので、特定の素材が、その特性を表現しやすいということから、結果的にはある材質がヒットしているように見えます。)それ以外には、素材が流行すると、全身にまで拡がった頃(素材の流行のピーク時)には、まったく違うアイテムにも使用されるようになります。(ふーん、変わった使い方だね)と思うときには、仕入れは慎重にしてください。流行もピークを過ぎれば下るだけでしかありません。
2006/05/16
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3価格は高価格から始まり次第に下がっていくが、3年目以降は2極化する。流行商品を需給関係で捉えると、2段階目から3段階目の途中まで需要が供給を上回ります。そのため、価格の側面を見ると高値から始まって、次第に低価格化していくように見えます。ただ、これは流行を受け入れ始めた特定の客層(年齢層)に目を向けて観察した結果ですので、実際には2段階目から3段階目にかけては、より洗練された客層にもその流行が広がることで、高額な商品が出現します。そのため、流行の要素の側から観察すると価格はまるで2極化していくように見えます。高額化してゆく商品はミセス商品を中心に取り扱っているお店などではその頃からが稼ぎ時になります。また、価格に値ごろ感が出来ますので、うまく利用すると、一番の集客力・販売力を持つ時期になります。ただ、安値のほうに進んだ商品は、急速に供給が増えてますます安くなっていきますので4段階目からは逃げたほうが勝ちという状態になります。ちなみに、メーカーが、(思い切りますよ)とか(値段で売れませんか・・)とかささやくのはこの時期(3段階目後半から4段階目にかけて)の商品です。
2006/05/15
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2流行が見え初めて約2年は売れる流行が見え初めて約2年は売れると書きましたが正しくは、2段階半の間は、商売として成立するということになります。また、あえて、2年と書いたのは気がつきやすい流行には、5年程度の長さを持つ流行の要素が比較的多いので、わかりやすく捉えるためです。(何度も言うようですが、商品の流行の波の大きさと長さはそれぞれの流行の要素へのこだわりによって変わります。たとえば、Tシャツなどのプリントは、1年半程度しか流行しませんが、ネクタイの幅などの流行期間は10年以上になります。こういった違いは、そのファッションが持つ要素に対するこだわりが生み出すと考えられます。そのため要素によっては2から3ヶ月ごとに段階が変化していく流行もありますのでお気をつけください。)通常、流行に気がつくのは、2段階目のおしまいか、3段階目の最初だと思います。チラホラと聞こえてくる、売れているという情報を頼りに店頭に並べることがほとんどです。それでも、最初のうちは、動きは鈍く店員の期待ほどには売れない場合が多いと思います。(ただし、ファッションの中心地などでは、そんなことはないのでその点は立地条件を加味してお考えください。)ただ、最初のうちは、不思議にシーズンに関わらず(逆行しているのに)売れていくという現象が起きます。そのような現象が起きたときには、いわゆる売れ筋パターンの前兆だと考えても良いと思います。そして商品が、売れることに気がついてから、2年間は、ほぼ問題のない売り上げが出来ると思います。ただ、商品はいろいろな要素の組み合わせで構成されています。そのため、各要素の変化に伴って色やディティールが、変化していきます。(たとえばベルトありとなしは、3年で変化しますので、デザインも若干変化してゆきます。)そのため、まるで同じ商品が、何年にもわたって売れ続けることは、厳密に言うとありません。その点の説明は、非常にややこしいのでこの場では、避けたいと思います。(希望があれば別な方法で考えたいと思いますが、理論的なお話になりますのであまり面白くはないと思います。)
2006/05/15
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1服飾商品の流行は、比較的小さなサイズから売れ始め、年を追うごとに売れる中心サイズは大きくなる流行の発端となる人々(ファッションリーダー)にはファッションの流行に関心があり、また、自分の容姿にも自信を持っている人が多くいます。職業では、芸能界、モデル、アパレルなどの専門分野にかかわる人たちが多いと言えます。つまり、どちらかといえば、職業的にも嗜好的にも体型もファッションのうちと考えている人々が多いので、サイズはどうしても細めのサイズが中心になります。ただ、体型については、努力というよりも、もともとやせ型、もしくは病的部分が原因になっているようにも感じてしまいます。そして専門の職業に就いていなくとも、当然その予備軍もたくさんいます。流行の初期にはその人たちが消費の中心になります。そのため7号サイズや9号サイズが、売れる商品の中心サイズになります。実際、某自称ブランドブティックなどでは、店員の採用時に服のサイズによる規制もしている例もあります。また、ファッションは必要経費と考えている場合も多く、価格についてはあまり気にしない人が多いようです。(ただ、生活のスタイルは、若干キリギリス型と言えますが、特に共通した定型がありませんが、なぜか好きな食べ物は焼肉や甘いものであることが多いような印象があります。)次の段階で流行を受け入れる人たちは、もう少し一般的な人々です。特に美容体型である必要はないので(理想はそうであっても・・・)9号からのサイズが中心になります。ただ、ときたま理想が高く現実の体型とのギャップがあるときには、試着室に小さなサイズをもって入ったきり、そのままお買い上げになることもしばしばあるようです。(笑い)また、ブランドや、お店の情報に非常に詳しかったりします。そのため、(○○ブランドの○サイズがぴったりだ)というような一般的には理解の出来ない基準を持っている人が多いようです。そのため着られなかったときの言い訳は(ここの○号は小さめね。)という場合がい多いようです。そして、個々の人は個性的であることを口にするのですが、なぜか同じ髪型、ファッション、メイクのように見えますので、ちょっと年をとった人からは、誰が誰かの区別がつきにくい層でもあります。当然、ブランドショップでは、一番のお得意様ですが、移り気なところが玉に瑕です。その次の段階になると、普通におしゃれな人で、ヤングミセス層も含みますので、必然的にサイズはやや大き目が求められるようになります。ただ、意識はまだ、スリムなので(永遠の9号サイズ)を求めるようになります。ちなみに某メーカーでは、実寸とサイズ表示をひとつずらせることで、対処しているという例もありますが、悲しいことに傍目にはしっかりとわかってしまいます。ただ、この理由は、年齢によるものか、生活感によるものかは、いまだにわかりません。いずれにしろ、体型もファッションのうちと考えていた時に比べ、人間の価値は、見かけではないという悟りを得てゆくことで洋服のサイズにもゆとりが必要となるようです。また、服装以外の小物に満足感を求める場合も多くなりますので、比較的高級ブランド商品をお持ちの方が多いようです。次の段階では、体型にこだわりがないのか、流行にこだわりがないのかよくわからなくなります。卵が先か、鶏が先かという不毛の議論をするよりは結果を素直に受け入れても実際の売り上げにはほとんど影響はありませんので、深く考える必要はないと思われます。ただ、このあたりの客層の人は、商品やブランドよりもどちらかといえばブティックの店員さんを気に入ることが多いようなので、結構、押し付け売りも有効な営業方法になります。同時に、友達と買い物に出かけたときには、店員の代わりにセールスをしてくれるのですが、なぜか、ご自身のものは買われない事が多いように感じます。サイズのことは、記載する必要はないですね・・・。最後の段階では、ほとんどファッションには関心がなくなったように見えます。買い物の基準が、価格であったり特殊な好みであったりしますので、ある意味扱いにくいとも言えます。いわゆる独立独歩とでも言えるタイプになります。また、収入の中で被服費の割合もあまり高くありません。流行の要素の観点からすると早々と次の流行の要素を持っている場合もあるのですが、いかんせん極小部分だけなので、ほとんど気づかれません。そして、趣味や嗜好で分類しているだけなので、体型的には特に特徴はありません。サイズは、ばらばらになります。
2006/05/14
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流行の要素の種類によっては、段階を進んで行く(移ってゆく)ときにかかる時間の長さが変わります。たとえば、素材の流行などでは、2段階目から5段階目にいたるまでに約6年の時間を必要とします。また、プリントなどのディティールなどでは1年と少ししか持ちません。流行の要素はそれぞれにこだわり感が違うのでこういった時間の差が出てくると考えられます。しかし、どのような流行でもその流行が引き起こす需要と供給によって生じる現象には共通点があります。その共通点は、流行商品に対するメーカー側の思惑(供給)と、消費者の側から見た商品の魅力と手に入れにくさ(需要)の間に生じるものなので、起きる現象だけを取り上げてみると同じ現象が繰り返されているともいえます。こういったことを前提にブティック運営に役立つ流行には、大きな分類として1お店の形の流行2お店の販売形態の流行3お店で扱う商品の流行があります。1や2の部分については、流行にかかわらない消費者の心理の部分を述べてきました。それ以外の流行部分は、時代によって変化しますので、実際の商店街やファッションビルなどに観察に行っていただくほうが良いと思い、あえて書いていません。これから説明する商品に対する物の見方を理解できれば、自分でも出来るようになると思います。さて、3の商品についてですが、現象から判断できる商品販売の流行過程では、一定の法則があります。以下、まず箇条書きに並べます。1服飾商品の流行は、比較的小さなサイズから売れ始め、年を追うごとに売れる中心サイズは大きくなる。2流行が見え初めて約2年半は売れる3価格は高価格から始まり次第に下がっていくが、3年目以降は2極化する。4流行素材は4年間売れる。また、素材の流行は部分から始まって全体に及ぶ5本来季節感のある商品が季節感なく感じられるときは流行の2年目にあたり、一年中需要が供給を上回る。また、季節感に逆行する商品が流行したときには、商品が一時的に不足するので、その後のジャストシーズンで過剰供給になることが多い。6流行の要素をポイント制でカウントするとディスプレイやコーディネートでカバーできる部分がわかりやすい。7極端な要素が出現するのは流行のピークを越えた時である。多岐にわたりますので、全体的なまとめはせずにそれぞれについて説明を加えていきます。
2006/05/13
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このような分類をすると、各層の特徴が見えてきます。たとえば、2段階以降の客層ではどうしてもサイズが大きくなる傾向にあり、3段階目の中心をいわゆる標準サイズと考えていただくと、売れるサイズが流行の後半には大きくなることが感覚的にわかっていただけると思います。このような観点からすると流行は、1段階目から始まって(流行が発生する)順に5段階目まで進んでいく(消滅する)と考えられます。では、流行の1段階目の部分は、どのような状態でしょうか?通常はその段階では、ファッションは個人的な趣味や特殊な分野の段階にとどまっています。それは、たとえばジャンルの違うスポーツや音楽などのファッションかもしれません。また、特殊な民族衣装などの場合もあります。いずれにしろ既存のファッションにはないことは、新鮮さ、目新しさにつながる部分ですが、その段階では、デザイナーやファッションリーダーたちに受け入れられるだけで、一般的な流行をするわけではありません。したがって、多くのメーカーなどでは、偶然以外、認知も出来ません。2段階目になると、いろいろなメディアやファッションリーダーをお手本にしてその中でも新鮮でかわいいという物が、受け入れられます。この時から、流行は初めて一般的な日の目を見、一人歩きを始めます。そういった流行を取り上げたメーカーの場合では、おっかなびっくりで作る商品が意外な高値で売れることになります。つまり、需要と供給のバランスの上では、商品が不足する状態が続くので、値引きをする必要がなくなります。流行も3段階目に入ってくると繁華街ではチラホラ見かけるようになります。また、メーカーの側からも良く見えるのでいろいろなメーカーが参入してきますし、供給量は3段階目の半ばで、需要を追い越すところまで伸びます。それと、同時に価格戦略の手段も取られますので、価格は次第に下がり始めます。いわゆる値ごろ感が生まれるのはこの頃です。バーゲンになると、価格引下げの効果が一番良く現れます。そのため、たいていの場合その商品は、バーゲンの初期に完売します。4段階目に入ると価格中心の競争になります。メーカーの側でも安ければ売れるだろうという発想になりますので、一気に価格が崩れますが、品質もそれに伴いますので製品の仕様などに注意すればわかります。一方、アダルト仕様の企画もスタートします。こちらでは、流行が無難に取り入れられていくので非常に控えめな表現になります。このようなタイミングでは極端な価格下落が始まることも多いので、商品は初期に売り逃がすと結局捨てる覚悟で販売しないといけなくなります。そのため、仕入れと販売(売り切り)のタイミングが命になります。5段階目は、流行の終わった状態だとお考えください。(アダルトな商品の流行はまだ、残ります。)もともと特殊な分野から流行が始まっている場合には、流行は元の場所に帰っていきます。ただ、流行期を通してデザインや機能などの特徴はファッション化されている場合が多いので、元の場所に戻っても、本来の用途からすると違和感をおぼえます。以上駆け足で、流行の流れを説明しました。
2006/05/12
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10流行のツボ商品は、お店を運営していく上では一番重要です。売れる商品をいつも揃えられるのならきれいなお店も必要ありませんし、販売の技術もさほど必要ではなくなります。ただ、ファッション商品の場合には、購買者が着用するという宿命から、小さな町などでは一定の量しか販売できないという制約が発生します。そのために、ファッション商品の流行を考えるときには、どうしてもマス販売のときの条件を中心にして考えなければなりません。その点を考えると、これからの記述は一般のブティックでは参考にならない部分があるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。また、ファッション業界では、弱小メーカーが多いこともあり、はっきりとした統計資料などがなく、マクロの視点で捉えることも難しい部分があります。そのことは、どうしても流行そのものの現象も自分の価値観で判断してしまうことにもつながります。その点のあいまいさが、占いなどと同じように思い当たるという感覚を、あたかもそれが正しい判断であるかのような錯覚に誘い込むきわどさを持っています。まずその点を理解した上で、以下にお進みください。流行現象があることは皆さんわかっていると思います。商品や言葉や生活の様式など文化的なものすべてに流行現象があるといっても良いと思います。商品が流行することとは、新しく感じられるが、最初はとっぴな格好に見えるかもしれない一つの傾向や様式が時間とともに多くの人々に受け入れられ、伝播して拡がっていくことです。そして、拡がったものはやがて縮小して消滅する運命も持っています。流行を受け入れていく人の側から観察すると、流行は、まずファッションリーダーとも言える人々からスタートし順にセンスがあり普段からおしゃれに気を使う人、流行を控えめに取り入れる人、流行には流されたくないという保守的な人流行にはまるで関心がない人に伝播していきます。その段階まで入れると、通常は消費者全体の中でのそれぞれの層の分布は標準分布のグラフを5段階くらいに分けたところを想像して考えていただければよいと思います。各階層の人の特徴は○ファッションリーダー=ファッションを生きがいにしていたり職業にしていたりする場合が多く、年齢層も比較的若くなりますが、職業的な理由から、いろいろな年代の人が構成しています。○センスがあり普段からおしゃれに気を使う人=大学生やOLさんが中心で可処分所得が多い場合が多く、ファッションに対する関心も強くなります。○流行を控えめに取り入れる人=堅実で計画的な生活をしていることが多いので、ファッションも慎重に選択して取り入れる場合が多いです。また、結婚してからは特に計画性を求められたりしますので、年齢からするとヤングミセスなどがこの層に多く見られます。○流行には流されたくないという保守的な人=経験を積んでくると、商品の選択眼が出来ますので、流行よりも品質を重視して選択をするようになります。ただ、流行の要素は第一の選択基準から外れるだけで、はっきりと意識しないまま良いと思った商品が流行の要素を持つものであることが多くなります。年齢層では、ミセス以上の人が多くなります。○流行にはまるで関心がない=どちらかといえば無頓着な人になると思います。経験豊富なので、実質的な部分で商品を選択するようになります。これらの分類法は厳密なものではありません。また、各層は、趣味や嗜好によって分けられるので実際には年齢層を特定したりは出来ません(混在しています)が、なんとなくイメージは理解していただけたでしょうか。
2006/05/12
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いよいよ流行の法則を説明しますが、その前に前フリです。今回の講座はブティック経営のための講座でしたので流行については、商品の仕入れや販売についての側面から説明していくつもりです。理論的な点を説明しだすと、非常に長くなりますし実際的ではなくなってしまいますので、あくまでも小売業を営んでいる人のための、使える“流行の法則”にするつもりです。ただ、最初にお断りしたように、ブログという形では掲載期間を長くするつもりはありません。あまりに内容が濃いので、今までの講座も含めて別なサイトに移すつもりにしていますので、あらかじめご了承ください。そして、流行の法則を説明した後は、街のファッション観察報告の機会を増やすつもりにしています。ただ、小売店の経営者の人は、“流行の法則”を一応、頭に入れておいていただかないと、きちんとした理解が出来ないと思いますので、これからしばらくの間は、見逃さないようにね・・・。
2006/05/11
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昨日、たまたまテレビで“ガイアの夜明け”を見ました。丁度、ファッション販売についての特集で商品企画から店頭に並べるまでの超スピードを題材にしていました。3つの会社を取り上げていましたが、放送時間のほとんどの時間を国内の某企画直売小売店2店に絞って紹介していました。私のこれまでのブティック講座を読まれた方だと、きっといろいろと思い当たる部分があって3倍楽しめた・・?と思います。私は、見ていて、突っ込みどころ満載でした。笑いそして、自社の戦略を、(競馬でいうと第四コーナーを回ったところで馬券を買うようなものなので、当たる確率が高い)というように述べておられたのが、今のアパレル業界を象徴しているようで印象的でした。丁度、次からの講座で説明してゆきますが、売れるものがわかってからすぐに商品を供給すればよいという考え方が中心になる時代があります。いわゆるコピー屋さん(偽物という意味ではないのでご注意)の流行する時代ですが、企画から商品供給までの時間競争そして価格競争になります。ただ、本当の意味での企画力が失われていきますので、デザイナーは、やがてより若いデザイナーやマーチャンダイザーに取って代わられる運命になります。ま、でも経営者がお年寄りばかりで、若い人の意見を多数決で聞かなきゃいけない状況なら、まだまだ、大丈夫ですけどね・・・ほかにも、緯度作戦と称して、南北に長い日本列島の南の端と北の端で売れた夏物、冬物を流行の兆しと捉えて、季節の時差を利用してそのほかのお店で大きく展開しようという戦略を紹介していました。確かに頭の中では(理屈では)成立するのですが、流行が、それほど単純なことならもっと早くに気がついている人がいるように思うのですが、・・・なんだかナポレオンの時代か?と思ってしまいました。・・・ちなみに、売れ残った冬物はオーストラリアに輸出するというのも、同じような発想のように思いますが・・・。 うーん、社長賞!?・・・辛口コメントでごめんなさい。本日は、ちょっと息抜きです。
2006/05/10
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長すぎて途中で切れてしまいました・・・では、バーゲン時などはどうでしょうか。普段は単純な安売り戦略が正しいわけではないのですが、バーゲンという大義名分があるときには、消費者の意識は逆転します。(安売りの理由がある=つまり、安物ではない)という気持ちが、安い価格を肯定するほうに働きますので、価格戦争が中心になります。ただし、バーゲン時期にも消費者心理は変化してゆきます。最初は価格そのものよりも割引率のほうに心惹かれますが、バーゲンも、慣れてしまうと今度は価格が購入決定のポイントになります。つまり消費者の心理は、順次変化していくのですから、1実際の売値は赤字で書く割引価格=赤い字という習慣がありますので、赤い字=割引価格という逆の認識もされやすいのです。遠目に見ても、割引価格と感じてもらうためには、有効な方法です。2もとの価格を記載する関東と関西では、消費者の価格の捉え方が若干、変わるようです。割引率を中心に価格を捉えるか、最終的な価格の金額を中心に考えるかという点で相違があるようですが、明確な価値観を表現するためには元の割引前の価格は売り消しとしてあったほうが良いようです。3期間や数量制限を表示する。あるTV番組でこんな実験をしていました。スーパーでスープの特売をするときに、単に特売の値段をつける場合と、同じ特売の値段に、ただしお一人様12缶までという制限をつけた場合で販売数量はどのように変わるのか?結果は、販売数量は条件付の場合には何も制限のない場合に比べて、5倍以上の差が出ていました。期間や数量の制限は有効な手段です。ただし約束で成り立っていますので、最初に決めた制限は守ってください。調子に乗って繰り返すと誰も見向きもしなくなります。4バーゲンの前期は割引率の表示を大きくし、バーゲンの後期は価格を中心に考える。最初に述べたように消費者心理はバーゲン期間の間でも少しずつ変化していきます。そのため、厳密に言うと細かな価格表示法の変更をしたほうが効率が良いようです。また、バーゲン時期に一番間違いやすいのは、価格の不明瞭さです。特に日を追って価格の変更が発生しますので、2重3重の価格表示になったりします。お客さんが溜まるのに売れないという場合には、価格表示で混乱を引き起こしている場合がほとんどです。(値引きをシールなどを貼って表示しているときに、同じ商品のうち、ひとつだけ値引きシールをはがしておくと、たいていの場合最後まで売れ残ります。)値引きや、割引のスタイルは千差万別なので誰が見ても解かる表示を心がけてください。売り手の側に立つと、在庫の状況や、セールの予定などがお客さんにも分かっているだろうという錯覚に陥りがちです。特に固定客を中心に考えているお店では、お客さんとの馴れ合いが生じる傾向にあります。価格表示は、始めての客でも(どの価格が正しいのだろう)と考え込むようなことがないように心がけて点検してください。それ以外にも細かな注意点はありますが、本質的なことが理解できると思いつくはずですので自分で考えてみてください。
2006/05/09
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以前、メンズのスーツセットが少量入荷したことがありました。スポット入荷なので、売る値段は気にする必要はありません。実験用です。さて、この商品を目玉商品として、店頭に2980円で展示しました。ところが、いつものようにお店は繁盛しているのに一時間経ってもそのスーツセットだけは売れないのです。不思議に思い、店頭を観察しました。すると何人もの通行人が立ち止まっては眺め、行きかけては戻りまた眺めるということをしています。もちろんラベルを見たりする人もいますが、やはり気にしながら去って行きます。しかも顔は不審気です。そこで、ポップの2980円という価格の下に(ただし10円玉298枚持ってきた人だけ・・)という表示をつけ加えました。すると、次の10分間に3人の人がレジに来て同じ事を尋ねます。(あの表示は本当ですか?)私は(もちろん、本当です、ただし、10円玉以外はお断りしますので10000円出すといわれてもお売りしません。それと、一着しかありませんので、早い者勝ちになっていますのでご了承ください。)と答えました。その後10分ほどして、3人の人が10円玉6本を持って、どうやら、皆さん走られたようで、はあ、はあ言いながら戻ってこられました。もちろん、最初の方にお譲りしてすぐに売れてしまったのですが、実は価格は単純に安くても売れません。消費者の中には、それぞれの商品について、街で一般に販売している(購入できる)価格帯が形成されています。(価格帯という表現をしないといけないのは、お店のランクもいろいろあって、さまざまな価格で販売されているからです。)そして、消費者は自分の持ついろいろな情報と照らし合わせてお店で販売している商品を買うべきかどうかを判断しています。ところが、売り手はそんな消費者の気持ちを考えてジャストミートした価格をつけているかというと実は少しずれている場合が多いのです。価格には、1安いほうが売れるだろうという信仰の対象になりやすいですし2競合に気がつきにくい3売り手と買い手との間の合意部分なのに売り手しか判っていないことが多い、という特徴があります。安いほうが売れるだろう、安ければ売れるだろう、これは売り手しか持ち得ない感覚です。そのとき、もしも自分が買い手なら売り手が想定している値段で買うのかどうか?という点がすっぽりと抜け落ちている場合がほとんどです。同時に、商品にデメリットの部分があっても、価格でなら補えるだろうという発想が根底にある場合がほとんどなのです。ファッション商品のように身につけることで、価値観を表現するようなものの場合には(価格の低い物=安物を身につけさせる。)ということになってしまいます。逆に言えば、価格が高額であれば良いものであると思い込んでいる人も多く存在するということでもあります。(高額なビニールバッグが良く売れていることを考えるとよくわかりますよね・・)つまり、ファッション商品においては、安い価格には、あまりメリットなどないことになります。バーゲンには人があふれているではないか・・確かにそうなのです。バーゲンという大義名分があるときに販売されている物は、安物ではなく普段は高い価格のものが安くなっているということが人を行動させるのです。同じようなことは、免税店でもおこります。(最近は、商品にかかる税が少なくなったのであまり値打ちがなくなってしまいましたが・・・)つまり相場よりも安いということには、理由が必要なのです。その理由がなくなると、急いで買う理由はなくなりますし、あえて、安物を買う理由もなくなることになります。そのため、一年中、バーゲンを続けると非日常から日常になりますので、誰もありがたがらなくなります。(流動客の多い場所では、常に新しい客が来ますので、年中バーゲンも成立します。)さて、あなたのお店では、いわゆるスーパーマーケットの理論などで言われる980円や1980円などの9表示8表示が多くなっていませんか?いわゆる8,9表示ですが、8,9表示にすると安く感じるという心理から生まれたものです。1000円というよりも980円といったほうが20円の差で安さがもっと大きく感じられるという程度のあいまいな根拠から習慣化しているのが本当です。しかし、ファッションにおいては、安い価格は決してプラスになりません。私は、時々、一つの商品を前にして、何人かのスタッフと、価格について考えて見ます。価格をスライドさせてしだいに高くしていくと、ある金額で、微妙な壁を感じるところがあります。また、その心理的な壁は価格帯によって何段階もあるように感じますので、丁度価格に対する価値観は、変則的な階段状になっているとでも言えるでしょうか・・・そして、そのようにして感じる価格の壁は、必ずしも8や9の数字のところで感じるわけでないことがわかると思います。つまり、細かな部分でも利益の追求をするときには、いくらの価格をつければよいかわかると思います。価格は、一般的な経済学を学んできた人からすると、(特に経済学という学問でなくともテレビのバラエティショーでの説明程度でもかまいません)価格の高低と需要の大小が反比例するという常識を持っています。そのため、売れない=価格の引き下げという公式を頭の中に持っています。それは、本当に正しいでしょうか?社会が成熟して、物あまりの時代という表現をされるようになると低価格化=販売量の上昇という単純な図式がかけなくなります。たとえば、100円ショップが全国的にありますが、最近はそんなお店にも少し変化が出てきました。88円や99円という価格競争を前面に打ち出すところ、100円ショップなのに200円や500円以上の商品を展開するところなどが出てきて、100円ショップも苦しみ始めているように見えます。実際のところ、100円ショップでも慣れてしまうと、必要なものしか買わなくなりますし100円商品の中でも選択をするようになります。つまり、100円均一のお店の中でも、売れない商品が出てくることになります。こういった状態が価格の競合と考えても良いと思います。100円という最近では使用感がほぼ最小単位に近い金額で、買い物をするときにも、何が得で何が損なのかを考えることは、お店の形態や状況を意識しなくともごく自然に行うようになります。つまり、消費者は、何回も同じお店を訪れることで、価格と商品とお店に対するセット化された慣れの感覚を持つようになります。ファッション商品においても、同じように価格に対する慣れの感覚があります。この感覚は、バーゲン時期などには販売者の側にも、意識されやすいのですが、普段はあまり意識されません。(わかっていない・・・?)一般的に、消費者はそれぞれの商品について価格の相場感を持っていて、その価格帯は少しずつ街の情勢によって変化しています。特に意識をしないでも、商品の性格(どのような商品で何時、流行し始めたのか、供給の度合いはどうかなど・・)によって市場でのその商品の価格帯を上下に調整しています。そして、売れ筋商品の価格設定をするときに、消費者が持つ価格帯を打ち破ると、商品は爆発的に売れることが多いようです。また、そういった価格設定をする際に、通常のサービスとして納得できる価格は3割引き程度になります。それ以上になると、むしろ商品に対する不信感のほうが大きくなり販売数量はやや、減少します。もちろん、もっと割引率が大きくなり商品の値段が0に近づくと通常の経済学が教えるように販売量は急激に増加します。(バーゲン時期などには商品に対する相場観が、まとめて変化します。そのため、通常では不信感を持つ価格帯が、当たり前の感覚になると考えられます。)商品の性質や周りの環境(消費者の相場観はそれほど広い範囲の影響で形成されるのではありません。)によって、販売数量は変化しますが、小売業者が一番間違いやすいのはここです。売れ筋商品という性質と時期などの要因により消費者の行動が変化するにもかかわらず、どのような商品でも安ければ売れるだろうというワンパターンな思考が、売れない=値下げという方向に価格を向かわせます。また、通常の発想では価格は、一度下げると上げることが出来なくなるという下方方向性を持っていますので、お店の商品は入れ替えるまで、次第に二足三文の売り場に堕ちてゆくことになります。そのため、私はいつも(売れないときにはまず、値段を上げろ)と指導していました。値段を上げると売れるようになるか・・・?もちろんそれだけでは、売れるようになりません。ただ、価格を上げるほうが、売り場全体で見ると実は全体のバランスが是正されることが多いのです。そして、価格を上げても販売数量の変わらないものと、思い切った価格で勝負をする物(目玉商品)とのメリハリをつけることが必要になります。根底には売れてなんぼ・・という考えたたがあるのだと思いますが、得られる利益をトータルで考えることが出来るようになると、目玉商品を作り出すことができるようになり、商品の価格決定の主導権をメーカーから奪うことができるようになります。そのため、販売では同業他社には負けなくなります。(目玉商品を作るときには、販売のノウハウの逆を考えます。販売価格を原価割れで設定しても、その商品はなるべく売れなくする方法を駆使することで、マイナスの影響は小さく出来ます。その後、客数を稼いでそのほかの商品で利益をカバーするように考えます。ちなみに、初期のスーパーマーケットは、このような商法を中心にしていました。卵や牛乳を目玉にして客数を稼ぎ、その他の商品の“ついで買い”で、カバーする方法でした。しかし、創業者がいなくなり、制約ができたので、そのような商法はほとんど見られなくなりました。また、卵や牛乳は何処で買っても違いがわからない、日々の必需品である、供給も十分にされる、単価が安いという理由でよく対象商品になりました。そのことを考えると、今の某スーパーがダメな理由がわかります。・・・笑)一方、価格を下げることにより悪循環にはいると、在庫が増え、商品回転率が落ち、商売の形態が、現金から手形へ、買い取りから委託へと変わらざるを得なくなります。皮肉なことに商売の形態が変化すると、利益率は少なくなるのですが、リスクを他人が持つようになり、商品の販売価格が上ることで、一時的にはお店の経営状況は改善しますので、それもひとつの方法かもしれません。ただ、上で述べたようにファッションの本質は安売り価格とは矛盾したところにあるのです。そのため、売れないときの解決策を単純に価格の引き下げに求めるのは正しいとは言えなくなります。つまり、下げた値段は元に戻す、もしくは、上げるほうが正しい結果を導くことが多いのです。
2006/05/09
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9価格だって競合するお店での販売価格は、仕入れをして販売する関係から、基本的な上代が決まっていることが多いようです。ただ、小売店の側からすると、小売価格は、どちらかといえば人まかせの部分があるので、勘違いのおきやすいところでもあります。以前、あるニットメーカーの社長と話をしていたときに、価格の決定は売り場の女の子に決めさせるほうが、バランスが取れるということを話していました。メーカーの立場からすると、基本的な製造コストの3倍程度を上代にすることが当たり前になっています。そのため、海外に製造拠点を移すと、その感覚では、製造コストが下がりますので、それまでの倍率を適用すると商品の上代が今までに比べてどんどん安くなってしまいます。(実際、ほとんどのメーカーは上代を引き下げたので、デフレーションの一因にもなりました。もともと、価格破壊などの戦略が安売り競争=従来の経済学からスタートしているので無理もないのですが、大量に生産することで価格が引き下げられれば、大量に売れるだろうという思惑の図式に合致しているのでどうしても低価格、大量販売が発想の原点になってしまいます。もちろん、その戦略で成功したところもありますが・・。)そのメーカーの社長は、丁度私との付き合いがあったことを契機に海外生産に比重をかけるようになったのですが、小売業出身の私の影響(見た目が同じなら小売価格は下げなくて良い・・・。)もあって、小売価格は特に引き下げることをしませんでした。そのため利益率は従来の2から3倍になり、その後、企業のスタイルが製造直販売という形に変わってきたのでその波に乗って大きく成長されました。このケースの場合、製造コストの低下に伴って販売価格を引き下げなかったのが大正解でした。もしもという仮定の話は出来ないのかもしれませんが、製造コストの低下とともに、販売価格を下げていたら、今の成功はなかったと思われます。ちなみに上昇した利益率については自分で計算してみてください。ヒントはすでに記載していますので、勘の良い方ならわかると思います。また、第二のヒントですが、海外に生産拠点を移すことで、製品の原価は約半分になります。ただし、L/Cなどの金利負担や、製品の不良ロス等が発生しますので、その点は考慮する必要がありますが、・・・あんまり、内情をバラスと、・・・コメントできません・・・笑。ひとつのお店で、しかも短い期間ではどうでしょうか?アパレル業界では、値引きが当たり前のようになっていて、商品の先受注の分だけがプロパーでその後の追加やフォローについては、よほどの売れ筋商品以外は値引きがあたりまえになっています。(下手をすると、先受注している商品まで納品時には値引きになることもあります。)そのため、メーカーの側とすると次第にその値引きの部分まで含んだ上代の設定をするようになります。そうなると、同じ商品でも、取引の形態によってメーカー希望小売価格が変わってくることになります。それでも、街には同じような商品があふれているので誰も気がつくことはありません。一物多価の時代とも言えますが、考えてみるとおかしいですよね。同じ商品を同時に比べるわけではないので価格の違いがわからないともいえますが、違う場所にあるとそれぞれにその場所で違う価格で問題なく治まっているとも言えます。つまり、物の価格は相対的な価値観で支えられていると考えられます。さて、次回はこの点です。価格によるパフォーマンスも有効な販売方法になることを勉強しましょう。
2006/05/07
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客を溜めるためには、どのようにすれば良いでしょうか?まず、すべての動作はゆっくりとすること、また、別な仕事をすることで、わざと待ってもらうことも、良いと思います。そして、お店のすべてを、少人数で(出来れば一人で)切り盛りすることは、実はお客さんに待っていただくための、一番簡単な演出法だということがお分かりいただけるでしょうか?いずれにしろ、スピードアップをするための方法には限界がありますが、待っていただくための理由は、無限にありますので、考えてみてください。肝心なことは、気持ちよく待っていただくノウハウだということになりますね。(笑)一生懸命努力していたり、小刻みにあと2分16秒待ってください。などと声を出している店員さんには、待たされた感を持たないように感じます・・・・すでに、お話したように、店内に複数客がいるだけで、どのような宣伝よりも効果があると思って間違いありません。ただ、常に(開店から閉店までの間)複数のお客さんをお店に溜めるためには、お店として(店長としての)一連の考え方の流れが必要になりますので、その点は、間違えないようにしてください。思い付きでは、すぐに途切れます・・・いろいろな、お店を見に行くと、ほとんどのお店がこういったことを理解していないようです。良い立地条件のお店でもそんなところが多いのでもったいないな・・と思ってしまいます。・・・逆に、ノウハウがわかれば、お隣のお店には負けないような・・・・笑他に効果のあるテクニックとしては、レジの終わった、もしくはレジの勘定途中でお客さんに価格を折り込んだ商品説明をする方法があります。購入前のセールストークは、半分以上割り引かれて、売るために言っているのだろうというように受け止められますが、お客さんが、購入を決めてからのセールストークは、(売るために・・)という目的がなくなるので、同じ事を言っても肯定的に聞こえます。そして、この場合肝心なのは、レジにいる直接に話しかけているお客さんではありません。まだ、購入を決めていないお客さんになります。特にバーゲン時期などに(この商品は、どこどこのお店では、いくらですので、参考までに・・・)という言葉は、直接に言われるよりも説得力を持ちます。自分が見ている商品の噂話や評価は、とっても気になりますよね・・・笑接客する店員によって売り上げが変わるということは良くあることですが、最大の原因は、言葉のかけ方に問題があることが多いようです。(ちなみに知らない方のために、お教えしますが、同じ条件で接客したとしたら、できる人と、できない人との差は、売り上げにして3倍以上になります。)言葉は不思議なもので、特に間の取り方でも正反対の意味を引き起こしたりします。以下に、私が実際に試して効果の有った接客言葉を紹介しますが、効果があった理由については特に解説はいたしません。3月に水着が入荷したことがありました。昨年からの持越し品で販売価格は、一着1000円です。早速お店に並べてみました。が、何人かは見てくれるのですが、売れません。値段に問題があるのか・・とか、ディスプレイ方法に問題があるのか・・・とか、いろいろと試してもさっぱり売れません。せいぜい2日か3日に一着です。10日間ほど試行錯誤して、時期が早いから(寒いから)・・と勝手な納得をして、ほぼあきらめました。そんな時、ダンボールの箱に掘り込んだままの商品を、一人のお客さんが見ていたので、やけくそで、からかい半分に声をかけました。(その水着は、何故安いか分かりますか?)(・・・?分かりません。何で、ですか?)(実はそれは泳いで上ってくると溶けてなくなっているんです。だからその値段なんです。)その途端、そのお客さんは(えっ)と声を上げて持っていた水着を放し、立ち上がりました。一旦帰りかけてふと、思い直したように、(あなた、私を、からかっているでしょう・・・そんな水着があったら見せて欲しい。)といって、もう一度さっきの水着を手にして、(これをください。)・・・と購入されました。その反応を、不思議に思ったので、次の人にも同じように対応すると、ほぼ同じような反応をして、買っていかれます。とうとう、そこからはその水着の売り方は、(溶けてなくなる・・)という言葉がノウハウになってしまいました。それ以降、毎日売れる枚数が増えて行きます。一人で複数を買って帰る人もいたので、10日後には一日に30着以上売れるようになっていました。半月ほどして、やはり同じように声をかけていたら(まだ、それを言っている・・でも、この間の水着は、残念ながら溶けなかったから、今度は、ぜひ本当に溶ける水着を入れてください。)と2回目に買いに来た人にやり込められたことがあります。もちろん、笑って、ごまかしましたけど、つくづく言葉は不思議だと感じました。オリジナル商品で、スウェットスーツ(?)が入荷したことがあります。商品はパンツスーツ。上下とも、薄手のポリエステルのジャガード織りのジャージで作った商品で、販売価格は、上下セットで2980円なのですが、お世辞にもかわいいとは言えません。もちろん、やっぱり、・・・売れません。(売れない商品の話ばかりで申し訳ありません。名誉のためにお断りしておきますが、売れなかった商品はそれほど何種類もあったわけではありません。)いつものように、値段を変え、ディスプレイを変え、とするのですが、やっぱりビクともしません。ほかのお店(支店がありました。)でもやっぱり全滅です。困ってお客さんを観察することにしました。お店の中心に置いているので、客足は一瞬止まるのですが、すぐに次に移っていきます。丁度、親子連れが足を止めて何か小声で言っています。耳を澄ますと(・・・パジャマみたい・・・)と聞こえました。そこで、私は理解したのです、スウェットスーツと書いていても、一般の人が見るとこれは、パジャマにしか見えていない。では、どうすればよいか・・と一計を案じ、ポップを変えました。・・(スウェットスーツ。フリーサイズ。上下で2980円(ただし、パジャマにする人は、5900円)・・・の条件付です。そして、それからはポップを読んでいる人がいたら後ろから声をかけます。(その商品は、2980円ですが、パジャマにしようと思っている人は5900円になります。・・・あっ、今そう思っていたでしょう・・)(えっ、いや、いや、そんなこと思っていません。)それでも、私はニヤニヤしながら続けます。(いや、そんなはずはない、思っていましたと、顔に書いてあります・・・)ほとんど、お客さんをからかっているだけですが、その日から商品は売れ始め、最終的には全店の在庫約800着をすべて引き受け、2ヶ月程度で売り切りました。こんなこともありました。お店をオープンして半月程して、やっと最初のアルバイトもレジに慣れてきた頃に、次のアルバイトが応募してきました。(レジができますか=声が出せますか)と聞くと、(やったことが無いので、声は恥ずかしくて出せません。)そこで、私は(わかりました、では一度レジを試してください。ただし、レジの打ち方は教えますが、一切しゃべる必要はありません。・・・というよりも、絶対にしゃべらないでください。私がフォローします。)と言いました。さて、私はちょっとしたアイデアを思いつきました。白紙を持ってきて、(私はハワイから来た留学生なので、日本語はわかりません)と書いてそのアルバイトに渡しました。(レジにこれを置いて、何か言われたらこれを指差しなさい。絶対にしゃべらないように・・その間は私がフォローしますから・・・)さて、レジに入った彼女は怪訝な顔ですが、すぐにお客さんが来ます。私はほかの仕事をしながら、後ろから声をかけ(その人はアルバイトで日本語がわからないけれどレジはできます。わからないことは私に聞いてください。)と大きな声で話しかけます。ちゃんと私という通訳(?)がいますので、特に不信なところはありません。スムーズに、レジは進んでいきますが、その時、おばさんの二人組みがレジに並んで話していました。(このひと日本語がわからないらしいんだけど、ハワイは何語だっけ?)もう一人は(英語じゃないの・・)(そうするとありがとうは、サンキューよね)と話していたかと思うと、レジが終わったとたんに、彼女に(サ、サ、サンキュー)とどもりながら礼を述べられました。おばさんの二人組みは、すぐに帰られたのですが、レジ係りの彼女はすぐに真っ赤な顔をしてバックヤードに飛び込んでいきました。事情を聞こうと、彼女の顔を見ると涙を流して笑っています。そして、私を見てすぐに言いました。(わかりました、声を出します。こんな風に笑いをこらえるのは、苦しすぎて無理です。・・)おかげで、わずか一時間で優秀な店員さんが誕生しました。(もう時効ですよね、だましちゃったおばさん達、ごめんなさい・・・ご好意は感謝しております。)商売を営んでいると、時々、B品が発生します。メーカーに返品の出来る場合はいいのですが、自店で処分をしないといけないときもあります。(B品だから、安くします。)という表示も良いのですが、私流には、こうします。(傷を見つけられた人は○○円、見つけられなかった人は○○円。)このように表示すると、傷を見つけたときに喜んでいただけます。ただし、いたずら心で、完全品にこの表示はやめたほうが良いと思います。(笑)心理的な状況は、言葉で解決ができたりします。特にあがり性の人などには多いのですが、緊張すると肩から力を抜くことができにくいことがあるようです。以前、知り合いがある球技のダブルスの試合に出たことがあるのですが、試合前に(ダブルスを組む相手が、緊張する性質で試合に勝てるかどうかが心配だ)と相談されたことがありました。そこで、(大丈夫、試合の前に実は私の調子があまりよくないので、もしも負けたら、ごめんなさい)と言うようにアドバイスしました。その結果、相方は本来の実力以上の働きをして、見事に試合で優勝したそうで、後に感謝されたことがあります。日常の中でも結構そんな部分があって、力んでしまうと、事の本質が見えなくなります。気楽に、考えること、・・ちょっとしたいたずら心のあるほうが、本質がよく見えたりします。形式にとらわれない実験をすることで、自分独自のノウハウが出来上がります。そして、そのノウハウを会得すれば、成功は保証されたようなものです。ぜひ、お試しください。
2006/05/05
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