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植物シリーズ、またの名を鬼畜医師ものシリーズの最終巻。続きものではないので、どれから読んでもオーケーだけど、この本は2冊目「FLOWER」の医師のその後。前作読んでいると、谷脇の角がとれて丸くなっているのがわかる(笑)。「自閉症」という初期設定からしていちばん危険なニオイがプンプンした「POLLINARION」だったが、内容は3冊中、いちばん平和だった。さすがに少年相手では、鬼畜な谷脇も手加減するらしい。今回、理解不能な人間に振り回される谷脇がなかなかブザマでかわいかったけど、自分的には、誰からみてもオレサマな谷脇視点からのイヤな奴という描写があって面白かった。佑哉の最初の主治医(同期の精神科医)とか、クソミソに言われている。でもそれが、一般人視点から見るとべつに普通に人でさ。アーティストに多いけど、自分の欲望のままに生きている人って、感性が偏って研ぎ澄まされているから、意外と許容範囲狭くて神経質なんだけど、谷脇もそうらしい。ということはよ、木原さんの書く「イヤな奴」にだって本人なりの正義や判断基準はあるわけで、それを知ることでオレサマな人の思考回路がわかるのかなとも思ったのだが。こんないびつな性格したキャラクターに、よもや萌えられるとは思わなかったぜ。冒頭、腹部を刺されて搬送されてきた佑哉を、谷脇が緊急手術するシーンで始まるこの作品、谷脇はなぜか、完全に自分の手中にできないままに失ったかつての恋人と、その子を一瞬重ねて見てしまう~というのがお話の端緒。根本的に違和感があったのは、スタイリッシュな生活を信条とする谷脇が、よくもこの子を手元においたなというところ。男子高校生が家に一人いるってどういうことか、木原さんのリアリティもそこまで及ばなかったんだな。毎日家政婦が入っているような設定だったら納得できるけど、そうじゃないみたいだもんなあ。2人以上の世帯なら、1人増えようが2人増えようが、たいした変化はないんだろうけど、ずっと一人暮らしの人間にとって1人増えるって、それだけですごいストレスなんだけど。夜来て朝には帰る恋人と違って、そこで生活するって、いろいろエントロピーが増大するんだけどな~。谷脇、おまえはそうまでして生きたおもちゃが欲しいのかと。もっともツボだったのは、谷脇がコトの最中に佑哉をかつての恋人の名前で呼び、佑哉がそれを受け入れてしまうところ。一旦それを受容してしまった佑哉の脳は、次に自分の名前で呼ばれることに拒否反応を示して、それが谷脇を無視できない「嫌いな人」(=好き)として認識する端緒になる。こういう仕掛けは読んでいてゾクゾクする。ちゃんと伏線のつもりで仕掛けているのか、単なる思いつきなのか、どっちなの?木原さん!佑哉は自閉症という設定だけど、厳密にいえばアスペルガー症候群だろう。友人の息子くんがアスペルガーで、以前しょっちゅう遊びに行って観察していたから、よく似ているなあと思った。そういえばこの本が書かれたのって、テレビドラマでやたら自閉症を扱っていた頃かもしれない。ちょうどその息子くんが小学校にあがる時期だったから、よおく覚えている。最近だと、草なぎくんが演じていたな。友人は、知能はあるけど社会性ゼロの息子を、なんとか普通学級に入れたくて、教育委員会とケンカして、結局、あちこち手を回して代議士味方につけて乗りきっていたっけ。守られるべき弱者であっても、前例のないことで行政を動かすにはかなりの力ワザが必要だってことがわかった経験だった。で、最終的に味方に付いてくれる経験豊富な教師が見つかって事無きを得たんだけど、高齢者福祉も医療もそうだけど、教育現場も、結局最後は「人」なんだよなあ。てなことを思い出しながら読んだけど、しっかりした後ろ盾があってすら、進学や「普通の生活」が難しいのに、母親に刺されちゃうような家庭環境に育った佑哉がボランティアやソーシャルワーカーの助けなしに生活しているのは、かな~り不自然だったかも。一介の担当医が自閉症児の受け入れ先にまで決定権を持てるとは思えないし。それは福祉行政じゃないの? でも普通学級通っていたら制度が使えないとか? 高機能自閉症ってそもそも障害者認定されているんだろうか?「普通の人の言葉を理解できない」自閉症児の脳の仕組みを、かなりわかりやすく説明していて、木原さん、相当資料よんだり取材したり、勉強したんだろうなあと思われる。で、最近、バリデーションのセミナーを受けたりして、認知症の人とのコミュニケーションについて聞き齧った自分が見聞したかぎりでは、自閉症の人と認知症の人とのコミュニケーション法はかなり似ていると思った。もう1本、書き下ろしの 「NEED」のほうは、佑哉の視点で書かれていて驚いた。高機能自閉症児の視点って珍しい~。しかも、もう一人の人格というか、不完全な自分を代替する「もうひとつの主体」が内部にいるという設定になっていて、これにも驚いた。精神障害者ものはダニエル・キースの一連の多重人格ものしか読んでないけど、高機能自閉症にも、こういう内部人格ってあるんだろうか。架空のお話としても、かな~り面白かった。ところでこの植物3部作は5月以降順次、リブレから新装版が出るらしい。SSがついていたら、結局買ってしまうのか>自分?
2007.03.31
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昨日は2カ月ぶりにワインに合わせたお気に入りの夕食で幸せいっぱい。おいしいものを食べると、腸の周りに多い「幸せ物質」セロトニンが増えるんだと、鎌田實さんが力説していたけど、その意見に心から賛同する!ケーゼはプレーンなフライシュケーゼと、今回は鴨を買ってみた。以前に松屋のデパ地下がリニューアルした時に初出店したショップだけど、日本でどのぐらい普及しているんだろう? 少なくとも「ケーゼ」という名称ではドイツ系のレストラン以外でみたことないし、ローマイヤとかデパ地下系の食肉店でも、「ミートローフ」として売っているような気がする。違うものなんだけどなあ。そもそもパルマハムだけとか、バルブアクーだけとか、ケーゼとソーセージだけのマニアックなあの一角は、銀座のど真ん中でどれだけ需要があるんだろう。客単価は高そうだけど、坪単価あたりの売り上げ悪そうだから、次回のリニューアルでは消えてなくなるかも。ケーゼなんてそもそもスカした食べ物じゃないから、デパ地下で売るのもどうかと思うが。ヨーロッパでは普通にスーパーの精肉コーナーにあるしな。ハムより腹持ちがいいから、ロンドン行くと、常宿近くのサンズベリー(日本でいったらジャスコだ)の精肉コーナーで買ってきて、マスタードソース塗ってパンに挟んで、ランチにして持って歩いたっけ。世界中にアルミホイルを持っていく女(笑)。その程度の食べ物だから、自分にとっては貧乏放浪していた頃のソウルフード。日本でいったらさつま揚げとかはんぺんとか、そういう「練り物系」と同じ扱いかな。アムステルダムの友人の家で、家族全員の夕食なのに、パンとマッシュと冷たいままのケーゼ(とは言わなかったけど、同じものだ)が出てきた時に「はああ、これがゲルマン諸国のコールドミールね」と妙に感動した。しかも何日も同じものが出る。イギリスといい北ヨーロッパといい「腹がふくれればなんでもいい」民族とは、一生分かり合えないな。とにかく昨日は、お手軽きのこソテーを作って、レタスちぎって冷凍しておいたブロッコリーとパプリカのせたサラダと、ケーゼとチーズでワイン2種。グラスはショットツヴィーゼルのブルゴーニュミニ。これが一番使いやすい。きれいなクリスタルをはじくと、1点レ音の音がする(笑)。少し残っていたDON ANTONIOの後、ダース買いしているDRAGANIを開けると、同じフルボディなのに、微妙な違いがわかって面白い。ドラガニが甘いと感じたのは初めてだ。値段が5倍なのに、それほどの差を感じないのは、ドラガニの実力なのか、気の抜けたドン・アントニオが悪いのか、どっちだ? チーズはダフィノアのアイユ&エルプが4カ月ぶりに手に入った。クリーミーななかにガーリックとハーブの香りがするこのチーズは、アレンジものとしては最高の一品だと思う。作り方を知りたい。もう1種は、いつものにおいキツめのブリーがなかったので、クローミエという小さなブリーを初めて買ってみる。フランス産なのに「マダムHISADA」と名前が入っているのはなに?これは、普通だな。ピーコックあたりのスーパーで売っているナチュラルチーズと同レベル。ダフィノアと比べたら無理はないけど、いや、おいしいんだよ、普通に。でも次はない。昨日はケーゼは薄くスライスしてチンして、ちょっとオリーブオイルかけてマスタードとゆず胡椒添え。食べ終わって、葉っぱの追加を求めて冷蔵庫あけたら、数日前のパスタに使ったカニのトマトクリームソースが少し残っているのを発見!いそいそとオムレツを作ってソースをかける。これがまたうっま~い! こんな簡単なのに、すごく贅沢なものを食べているような気がする。甲殻類系+トマト+クリームでは、SOUP STOCK TOKYOのオマール海老とワタリ蟹のトマトクリームスープより、こっちのほうが美味しいと思う。ちゃんとしたイタリアンで食べたら2千円はくだらないパスタのソースと同じ味。生協の個配でしか売っているのを見たことがないけど、MCCってそもそも業務用メーカーだよね? あなどれないな、生協!明日は従兄弟が遊びに来るから、プロシュートも解禁だ~!
2007.03.31
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検診終わった。いつも失敗される採血は、翼状針使って10分ぐらいかけて静脈探してもらって、右がダメだったので左を見てもらったら、2度目で入った。でも貧血ひどくて、採血中に倒れそうになる。その前に血圧計っておいてよかったよ。体重は絶讃増量中。やっぱジム行くかな……。結局20時間の絶食の果て、エコーで胆のうに影発見。ポリープかなあ?昼前に終わったので、たくさんのゲラが待っているのに、このチャンスを逃すものかと乗り換え駅の神保町を素通りして日比谷で降りて、いそいそと松屋へ。チーズ買った~! ケーゼも買った~! ついでにプロシュートも上等のを2種買った~! 軽井沢レザンも買った~!バルブ・ア・クーは今回スルーして自分で焼くことにする。これで今夜はどんなに遅く帰っても、きのこのバターソテー作って葉っぱちぎってワイン開けて、チーズとケーゼと生ハムの夕食だ~うれしいよお~。もう花見しなくてもいいや。DVDはなに観よう~久々に「運命の逆転」とか? ゲイっぽいジェレミーに会いたい。あ~でもチーズはいつものブリードモーダンジェがなくて、4月下旬しか空輸されないとのこと。ショック。なので、久々のガーリック入りのダフィノアと、小ぶりでクセのなさそうなブリーを購入。これで鼻先人参は完ぺきだ。あとは馬車馬のように働くのみ!そういえば、エスクワイアを読んでいたら、浜町にチーズの専門店があることを知る。なんだ近所じゃないの。今回のチーズがなくなったらチャリで行ってみよう。どっろどろのくっさいチーズにまみれたい今日この頃。わははは~10時に帰宅! これからごはん~!!
2007.03.30
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お友達ねこ ニャ~たんと年に数回、我が家に宿泊なされる買い叩かれてY家にもらわれたニャ~たんである。さすが由緒正しいアメショーのニャ~たんは、家に来るなり我が家の駄猫を牽制。食事の順番もベッドの特等席もあっという間に上位に立ち、駄猫たちの親分に。おい、後ろの白黒コンビ、あんたたちにはプライドというものがないのかと小一時間問い詰めたい。
2007.03.30
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昨夜、仕事中に突然偏頭痛の前兆に襲われた。大抵、休日の午前中になることが多いのに、どうしてこんな切羽詰った時期に……。目の前にチカチカと閃光が走り、蛍光灯がまぶしくて目を開けていられない。生憎イミグランは手元になかったので、サングラスをしながらゲラを読む。他部署の同僚が怪訝な顔をして通り過ぎる。ああつらいよ~。そういえば昨日は、撮影の帰りに突然強烈な睡魔に襲われて、途中で助手席で10分ぐらい寝てしまった。なんかまっすぐ歩けないし、撮影中は(ライトのせいもあるけど)やたら汗をかいたし、なんだか全体に体の調子が赤信号だなあ。猫パワーがエンプティなのかもと、仕事中もはっちゃんブログではっちゃんの媚態に癒されながら赤ペン先生をしていたけど、集中できない。光が目に突き刺さる。おまけに特集のデータが重くてプリントにやたら時間がかかってイライラ。指示したとおりに修正してこないデザイナーにイライラ。次号の特集の打ち合わせで同僚とモメてイライラ。だめだ、リンとカルシウムが足りない。なんか体感的には血圧90-60ぐらいの感覚だ。偏頭痛の恐怖におびえながらまぶしくて目が開けられない自分より、連日の長時間作業で目が充血しっぱなしのデザイナーのほうが同情されるのは納得できん。結局あと6ページというところで機能停止してタクシー帰宅。うち帰って自前の猫をかき抱いて、おなかに顔をうずめてモフモフして、イミグラン飲んで安静にしていたらすこし復活。ああもう3時だ寝なくちゃという時間。猫の世話して顔あらってそのままベッドにダイブ。そんな最悪の体調で今日は健康診断だ~。寝てない、固形物食べてない(昨日は料理撮影時の試食のみ)、偏頭痛、めまいという最悪のバイオリズムで挑む検診! さあていくつ再検マークが出るだろう。バリウムなんて飲んだら戻しそうだなあ。パスできないかな。それより採血できるかな~。でも待っている間に本読めるからちょっとうれしい。
2007.03.30
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いろいろと覚書ばかり。思いつくまま。よーいスタート!昨日はやたらと暖かかったせいで、桜はほぼ咲きそろってしまった。なのに仕事は渦中に突入していて、もう今年は花見は無理そう(泣)。一段落したらレンタカー借りて北上するか、GWに実家を起点に一気に弘前あたりまで行くかなあ。今日は朝イチでデザイナーのとこ立ち寄ってデータピックアップ後、社に一旦戻って、昼前にはまた社を出て午後から料理ページの撮影。せめて車中からお花見できるといいなあ。戻ったらまた遅くまでひたすら読んで読んで赤ペン先生生活だ。会社滞留15時間生活、あと2日!昨夜は11時55分に社を出て、なんとか「NANA」の最終回に間に合う。公約どおりワインと浜納豆という組み合わせで夕食ともナイトキャップともしながら見終わる。ああいうラストとはね。せっかくパンキッシュだったのに、あんな日本的な展開になるなんて。原作マンガもそうなのかな。ちょっとチェックしてみよう。ところでDON ANTONIOは開け立てがいちばんよかった。香りが抜けるとまったく魅力を欠くワインだなあ。残念。えー。ネタがない……。そうそう昨日の夜、お風呂で読んだマンガ。『お隣りビルに恋の視線』かんべあきらなぜ買ったのか不明。しかも昨日、新書店で。やっぱり疲れていたのね。読んでいるうちに理由は判明した。なぜかタカツキノボルと間違えた。最近雑誌で読んで絵が好みだったので期待したら、全然違う人だった。両者とも漢字名じゃないというだけで一文字も合ってないじゃないか。しかもかんべあきらは『凍る灼熱』を1冊読んで「あ、だめだこの人」と思った作家さんだったのに。しかもしかも、泣く泣く読んだら『凍る灼熱』のほうがずっとマシだった……。絵も苦手だし中身は限りなく薄めたカルピスみたいだよ。なんだこれ。資源の無駄だ。買った自分が悪いよね。大きな失敗。ていうかこの程度のネームでOKを出す編集ってどうよ。読者をなめている。こんなにこき下ろすことも滅多にないんだけど、あとがき読んだら、小説雑誌中での連載だったようで、あえて薄味・単純・中身なしをねらったのかと深読みもしてみたり。『シガレット・リバティ』藤たまき以前読んだ、パリの日本人画学生とその仲間たちの続編。例によってかなり問題のある過去をかかえた少年が出てくる。でも人は死なない(笑)。12年前の作品になるけど、やっぱりセリフやト書きはすばらしい。でも疲れているとすらすら頭に入ってこないよ。藤さんは元気でないと読めないようだ。小説は、昼食食べながら木原さんの3部作ラスト『POLLINATION』を読み始める。なんだ谷脇! またおまえか。ちょっと期待(笑)。のっけから腹部縫合の手術シーンを読みながら、エビ玉中華定食をおいしくいただく。あ~この話も痛そうだ。自閉症だもんなあ。アスペルガーっぽいけど。木原さんて、起承転結はもちろんあるんだけど、それが小説のセオリーから大きく外れたプロットづくりをする人だとつくづく思う。読者の期待とか予測とかまったく考慮せず書き起こしているからワクワクするんだな。そうだ。ショパンのピウ・レント、レッジェーリッシモのところも弾けるようになってきた。滑らかに動く自分の手にうっとりだ(笑)。結局6度の主音をはっきり出すには、手のひらをわずかに外側に開いて、打鍵が小指側から落ちるようにすればいいんだ。そうそう。あとは、これで音に表情がつけられればなあ。いやいや。ピアノなんて弾いている場合ではないのだが。あああ目の下の隈が取れない。ドライアイで角膜の表面が突っ張る。家の冷蔵庫を二日も空けていない。コーヒーと水とワインしか飲んでない。今日のお昼はどこで食べようか?
2007.03.29
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ネタがないので猫画像。今朝は着ようと思って出しておいたプルオーバーに白いのがもぐりこんで寝てしまったので、別の服を出してくる。こいつはぁ~(怒)。黒いのは相変わらず目鼻がどこかわからんな。
2007.03.28
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東京東部は桜が咲き始めた。毎日通る通勤路の辻々にある桜も三分咲きから五分咲き。並木が続く隅田川の桜は、つぼみが赤くなってパンパンに膨らんではいるものの、まだ天辺のあたりがほころんでいるくらい。運の悪いことに、今週は日付が変わらないうちに帰れればマシという修羅場の週なので、のんびり花見をする余裕もなく。なんとか来週頭ぐらいに満開になってくれるとうれしいのだけれど。昨夜は12時少し前に帰れたので、いつもの通勤路でなく近所の公園の桜を見て帰ろうとちょっと回り道。小学校の対面にあるのに、桜の時期になると夜は宴会になる小さな公園の染井吉野は、まだちょっと早くて2~3分咲きというところか。さすがに12時まで宴会しているような酔狂はいなかった。ストレスウィークなので、昨日は遅いランチタイムに本屋に駆け込んで、BL大人買い。マンガ3冊小説3冊雑誌2冊非BL2冊。毎月末の恒例行事になりそうだな(笑)。なんか魔がさして、エロ最右翼の「BOY'Sピアス」まで買ってしまう。表2から始まるあの下品なピンナップ、なんとかならんかな……あ、これがウリなのか(笑)。あ~でも櫻井しゅしゅしゅと語シスコが描いているんだ。ちょっと楽しみ。今日はもうお風呂入って寝るだけ。なんとか睡魔に取り付かれてバスタブ沈まないようにしながら、1冊ぐらい読めるといいなあ。深夜にここまで書いて沈没。結局小説もマンガも中途半端で沈没。それより!へんしうちゃうにもらった浜松名産「浜納豆」が激ウマ~!なにこれ? 味噌? お茶漬けにもお酒にも……ってなんだと思ったら原料は大豆(北海道産)、生姜、食塩のみ。発酵してる!かなり塩分高いし見た目がなんだけど、ビールに合う。黒豆が赤ワインに合うんだから、今夜はワインに浜納豆だな。
2007.03.28
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『ムーンリット・ウェディング』水壬楓子ひそかにコンプリートしている作家さんの一人、水壬さんの不思議動物シリーズの最終巻。かわいらしいファンタジーでもBLが可能(まあ、単に御伽噺の世界にフォモがいるというだけだが)だということを証明してくれた作品群。なんてことないストーリーなのに、安心して読める安定株の作家さんという印象だ。BL小説の免疫がほとんどない頃に最初の1冊を読んで、「あら、こんなファンタジーなら許容範囲だわ」と思ったのがうんのつき。水壬さんは基本的にエチシーンがエロいのだった。特に積極的に読もうと思ったわけではなかったけれど、結果的に全冊手元に集まったので、マンガを読むような気安さで、個室やお風呂で楽しく読ませていただいた。東方7都ということで、小野不由美さんの十二国記みたいなものかと思って読み始めたけど、全然違って、いろんな動物に変身しちゃう(または動物が人間になっちゃう)ファンタジーだった。狼、こうもり、うさぎ、へびときて、やっと登場、ネコ科×2がオオトリなのね。ホワイトタイガー×ヤマネコ。それぞれ変身する時間帯が違うというのは、昔、まだかっこよかった頃のルトガー・ハウアーとミシェル・ファイファーの「レディホーク」という映画を思い出す。双方ともに人間でいられるわずかな時間に愛を確かめあうという。でもこの本では、どっちもネコ科だから変身しても大丈夫かもね。
2007.03.27
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シリーズ『成層圏の灯』鳥人ヒロミ4巻シリーズ、やっと読めた。はあ~満足。お腹いっぱい。今年の夏ごろ、新書館から文庫版で再刊されることを知っていても、待ちきれなくて買ってしまったけど、悔いのない選択だったな。一体何年かけて描いたシリーズなのだろう。・・・と奥付調べたら、最初の同人誌発表が93年、最後の雑誌掲載が02年。足掛け10年だ。最初の時点で、シリーズのラストまで構想していたとは思えないけど、1枚のマナルスの写真を重要な小道具にして、よくここまでお話を膨らませられるものだ。すごいなあ。しかもテーマはがっつり二人の愛の遍歴なので、BLとしても直球ストライク。仕事も周囲の人間関係も、絡ませ方がすごくうまい。絵は二人の時間的な成長を考慮しても、10年かけて同一人物とは思えないほど変わってしまっている。スタンダードな絵柄という意味では、個性はないけど初期のほうが読みやすかったりする。だんだん登場人物が馬面になってきて、現在の絵柄に至っているけど、色気は、現在のほうがあるな。多分あの重たげなまぶたとか、半開きの口元とかが色気の要因かと(笑)。三浦しおんさんの『シュミじゃないんだ』の冒頭から賛辞を受けまくったリバーシブルの金字塔だという作品だが、そこは全然気にならなかったというか、気が付かなかった。自分の中では喜瀬川が攻め、佐伯が受けだな。クリエイターとしての才能に恵まれ、世慣れていて腹黒くて、淫乱で金もあるという攻めが、実はメンタル面では傷だらけで、一度はすべてを受け入れてくれた受けがいなくては生きていかれない、という設定はめちゃくちゃツボだった。あまりの自分へのめりこみように、一旦は離れようとした受けの決断は正しいよ。で、紆余曲折あって、結構離れている期間が長いにもかかわらず、よりを戻す。離れている間のそれぞれの生活を丁寧に描くことで、どんな相手とできても、結局満たされずに悶々とするお互いの心理が、最終巻へと収斂されていく伏線となっていく。舞台も都内のキャンパスから、日本の地方都市、上海、フィンランド、チベットと、なんか異様にインターナショナルだ。「おまえがいなきゃ生きていけない」ってBLにはよくある設定だけど、でもこれだけ重い背景背負った痛い「いないと死んじゃう」設定は初めて読む。しかも攻め。精神的に頼りないほうが実は計算ができる大人で、受身のほうは計算も嘘もヘタ。ノンケ気質を引きずって煮え切らない佐伯にはイライラさせられる。でも社会人としてやっていくという現実を優先させて、一旦は関係を解消するというのは、ラブだけのBLにはない展開で面白かった。この攻め、拒食症で食べ物受け付けなくなると、とりあえず誰かと寝ることで食欲復活というとんでもない生理を持っている。肉体の欲求が満たされると、食の中枢にもなんか指令が行くらしくて、食欲復活する。で、髪型変わるたびに別人になる喜瀬川が、次第に痩せていくシーンがリアルで、手の甲に静脈浮き上がってつかめそう。ふつうここまで描かないよね(笑)。キングの「痩せゆく男」を思い出してしまったよ。マンガ表現としても、セリフの一切ないシーンが続いたり、心象風景と現実をうまくからめたり、すごく凝っている。商業デビュー作といっても、それまでにかなり描いてきた人だということがわかる。それぞれのお話に言及しはじめたらキリがないのではしょるけど、とにかく偶然ともいえる出会いのきっかけから、10数年を経て最終的には養子縁組みまでしちゃう二人の右往左往ラブは命がかかっているから本気で、重くて、ずっしり手ごたえがあった。あと、脇キャラがみんないい人ばっかりで、恵まれすぎ。ここに木原さんが書くような本当に嫌な奴とか登場したらもっと面白いのに(笑)。新書館から出る文庫、書き下ろしとか同人誌からの再録入れてくれないかな~そしたら買うのに。
2007.03.27
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頭痛がひどくて出社拒否中。しかしそんなことも言っていられない。これから出社。陽の当たる部屋でこんな姿勢で寝ています
2007.03.26
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Love & Catastrophes 語シスコ18禁本です。取り扱いにご注意くださいっと。入手後1カ月もかけて読了。ずっとリビングのサイドテーブルに置きっぱなしで、少し読んではやめ、また繰り返し同じところを読み、そして考え、また最初から読む、ということを繰り返していた。なにしろ、どれも32ページ前後の短編なのに、まるで100ページ超えの長編を読んでいるような気分にさせられる圧倒的な情報量。そして大人の常識が通用しない設定のストーリーが、こんなに読み手を不安にさせるものかと呆然とした。遊びに来た男子(24)が「何読んでるの?」と手に取ったけど、しばらく読んでそっと元にもどし、その後、本の内容には一切触れなかったよ(笑)。ノンケの男の子が読んで、どういう感想をもつのか、今度じっくり問い詰めてみよう。描き下ろし1本を含め、短編が6本。最初がボニー&クライド男子高校生版(笑)。一人にとってはそれは現実で、もう一人にとっては夢の中の遠い世界だった1カ月間の遠飛行。セックスとバイオレンスと犯罪行為のオンパレードで、反社会的でないものが一切ないというスバラしさ。お次はドレッドヘアのスーパー中学生(!)と、塾講師と不倫(しかもDV付き)しているゲイの青年の話。ゲイで不倫でDVというトリプルアンチモラルだ。ブラボー! それでもこれはコメディで、この本の中ではもっとも安全圏か。次はキュンキュンせつないLD少年と小説家の話。コインロッカーベイビーズの設定もいいし最後は人でなしだと思っていた捨て子仲間のヒモ兼マネージャー(笑)が粋なことをする。ちょっとベタな予定調和のラストが逆に語さんのマンガのなかでは稀有で新鮮(笑)。登場人物3人きりの詩のような話で、自分的にはもっともツボ。そして成長過程で両親とのかかわりにトラウマのあるエロマンガ描いている青少年(ハタチは青年かな?)、というテーマの連作が3本。エロエロ祭り。面白すぎて文字にできない。モノローグがセリフで語られるので、まるで小説と漫画の2本立て作品のようだ。しかもページあたりのコマ数も多いので、なんつーか全体に高濃度・高密度で要希釈! みたいな読むのに時間がかかるお得な漫画。触れるな危険!シールが必要かも。表面的にはお気楽底辺層の若者の愛とセックスみたいな話なんだけど、いずこからともなくやって来る攻めは、みんな秘密結社みたいな謎のタトゥーを入れていて、男前な床上手。ホモエロ漫画家の女顔受けを主人公にした連作が見事でさ、セックスとヴァイオレンスとその場限りの快楽主義のように思える現代若者の底辺層を描きながら、切ない愛の形を描いてみせる。それと、形容詞というか比較対象のレトリックがどれも新鮮だった(笑)。問題 以下の修辞が表す対象物を答えよ。1)瀬戸内海に沈む夕陽のように情熱的な色2)かつてご相伴にあずかってちびちびねぶったドンペリのピンク3)昔ぱくって喰った山形のさくらんぼ4)学生時代買い食いをした肉まん5)人魚姫の涙回答は1)チンコ、2)乳首、3)乳首、4)直腸、5)ザーメン。ははは。これが大概、攻めのセリフで語られるんだよ。文学的修辞法万歳!悲惨な事件で肉親をなくし、けなげに生きる遺族の前に現れた加害者が贖罪の意を表すというストーリーが連作の1本目で、結構普遍的なテーマだと思うんだけど、語シスコさんの作品はその最左翼の表現だろう。ファンタジーにも感動巨編にもできるテーマを、男同士の愛とセックスに凝縮してみせるあたり、並外れた表現力を感じるのだが。でもこの本全体の立ち位置は、それまで女性向けフィールドになかった男性エロをBLに転写して、そこにいくばくかの文学的なテイストをふりかけただけのようにも思える。惜しむらくは、この後に出された何冊かの中で、この本を越えられるものはなくて、すでにピークを極めた作家さんなのかなあと。エロの表現は、女が美少女ポルノを見る時の、あのなんともやるせない嫌悪感に近いものを感じる。そこが狙いなんだろうなあ。たとえそこに愛があっても、よくもまああそこまではっきりくっきり描くなあ。楽しそうだなあ、語さん。萎えたチンコが新鮮だったよ。プロフィールとあとがきのコメントを見るたび、こちらまで赤面するような竹中直人ぶり! 作者は本当はすっごい乙女なのかもしれないと思う。でも、「明日どうやって笑えっちゅーの」とか「昔の名前ででてんじゃねーよ。」とかタイトルからだと、時々、何を考えているのかわからなくなるよ。
2007.03.26
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かもめ食堂去年公開された脱力系映画。確か、もたいまさこの隣人にして猫仲間の群ようこが書き下ろした脚本だと聞いている。フィンランドに突然オープンした「かもめ食堂」。経営者兼シェフ兼ホール係はなぞの日本人女性(小林聡美)。自分たちとは毛色の違う人種がいるカフェは遠巻きして覗き込むだけで、何日も(もしかしたら何ヵ月も?)閑古鳥。そこに、アニメオタクのフィンランド青年が最初のお客としてやってきて、ガッチャマンの主題歌の歌詞をたずねる。その後、あてもなくフィンランドにたどりついた片桐はいりやもたいまさこが店を手伝うようになって……。シンプルで静的で過去も未来も語られない映画。メルヘンだな。音楽の一切ない映画で、そうだ、何かに似ていると思ったら、やっぱりアキ・カウリスマキの映画だ。シベリアみたいな、北方領土みたいな、永久凍土みたいな辺境感というデジャビュ。自分的には小林聡美が料理をつくるシーンがひたすら素敵だと思った。丁寧で愛情がこもっていて、とてもプロの料理人とはいえない、まるでおかあさんが作るような食事。コーヒーをおいしく入れるおまじない(忘れちゃった)やコスケンコルヴァというスピリッツを憶えた。脇役は当地の住民ばかりで、かしましい3人のおばさんや、夫との愛の不毛に悩んでわら人形に釘をうつアル中志願の女性や、定食を食べに来るご夫婦とか、多彩。ひとり、ちょっとリーアム・ニーソン似のおやじが出てきて、おいしそうなコーヒーを入れる。こういう前後との関連性のない小さなエピソードがとても丁寧に描かれる。知らない国の普通の人々は見ていてわくわくする。北欧3国は行ったけど、フィンランドは行ってないし。あそこにはなにがある? ムーミンとシベリウスか?イケアの家具みたいなシンプルな白木の椅子とテーブル。とにかくいつも食器を拭いている3人。清潔なキッチン。まな板は日本から持ち込んだ?なんか最初気になっていた、ビザの問題や営業許可の問題や小林聡美の資金源や言葉の問題が、次第にどうでもよくなってくる。ノービザの国でも仕事していたらまずいだろうとか、日本で誰も心配してないのとか、メニューはどんなの?とか。社会派作品だったら細部が気になるけど、片桐はいりが居ついた時点で「あ、そういうこと考えちゃいけないのね」と納得。日本だって、知らない田舎に方言の違う人間が紛れ込んだら、同じような状況だろうと思うし。小林聡美ともたいまさこと言えば、名作「やっぱり猫が好き!」のコンビだな。片桐のはいりの代わりに室井滋が入れば、トリオ再結成だったのに。もたいまさこがなんといってもやっぱり上手い。ほとんど動かないし、表情だってあるかなしかなのに、コスケンコルヴァ飲んで倒れたおばさんを家に運んで、言葉も通じないのにせっせと介抱する様子は、母であり看護師でり介護士のようだった。あと、なくしたトランクを求めて、エアに電話かけるシーンが幾度と登場するけど、あんな丁寧に聞いてたら相手に危機感は伝わらないぞ!(おそらく危機感は抱いていない)。あの普遍的な演技は喜劇女優のそれだな。お客がいないと、とにかくテーブル拭いたり食器を磨いたりばかりの女性たち。とくべつ美人でもおしゃれでもない小林聡美が、りりしく見えるから、清潔感は重要だ。普通のかっこうしている片桐はいりが浮浪者のように見えてしまうもの。あとださいかっこうだったもたいまさこが、現地のブティックで洋服を調達しちゃうところ。まるでミッドセンチュリーみたいな大胆柄のコートが意外に似合っていて目からうろこ。シナモンロールを作るシーンは、榎田尤利のルコちゃんシリーズ読んでホットケーキを焼きたくなった時と同じ衝動に駆られたが、いかんせん求められるスキルが高すぎて断念。シナモン苦手なのに、おいしそうだったよ~。この匂いでおばさん3人組が初来店するんだよね~。フィンランドもデンマークのようなバター過多のソフトブレッド文化なんだろうか。終わりのほうに、「幻のコーヒー」というのが登場する。なんとかいう小動物が甘いコーヒー豆だけを食べて、消化酵素でどうにかなって排出されたものをピッキングするとか言ってたけど、本当? 中華の蚊の目玉のスープのようなもの?「自分」というものが出来上がった30~40代女性の強さと自信が美しさとなって表出しているような佳作だった。でも映画館でみなくてもよさは伝わる系かな。
2007.03.25
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雨の日は狩りができないので、終日体力温存のために寝て過ごすのだと、加藤由子さんの本に書いてあった。いつも寝てばかりの我が家の駄猫たちは、さらに寝る。ひたすら寝る。これでもかというぐらい寝る。遊んでくれなくてつまらないので、過去フォトアップ。
2007.03.25
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昨日のレッスンについては記録から抹殺したいほどメタメタだった。惨敗だ。午前中きっちり弾き込んでいったつもりなのに、もう何もかもうまくいかない。気持ちが後ろ向きな時はなにをやってもだめってことか。バッハもシューマンも翌月まで持ち越し。ショパンのエチュードは1回目だったので、軽く流して先生の指示を待つ。せっかくコルトー版を手に入れたのに、分解練習しなくちゃだめよと先生はおっしゃるが、コルトーの分解練習は本編より難しいんである。時間がたっぷりあれば、そりゃ取り組みたいけど、勘弁してほしい。あーでもブログ始めて、確実にメカニックに費やす時間が減っているのは事実。やっぱり朝弾きを復活させよう。せめて30分でも。でも25-5は先生も苦手だったらしく、中間部終わって3度6度でテーマが再現されるところでちょっと弾いてみて「これ難しいわよねえ」を顔をしかめていた。そんなものが私に弾けるとでも? 25-3と似てますねと言ったら「でも3番のほうがずっと簡単。これは嵌ると弾きやすいのよ」とのこと。そうですかあ?小指でとる主音が安定しないこと、指の長さが違うからどうしても2指が先に鍵盤到達しちゃうと必死で訴えたけど「そんな科学的に言われてもねえ……感覚で覚えないとだめなんだけど」って、音楽は数学の仲間じゃなかったんでしたっけ? ああでも身体機能はファジーで個人差大きいから、身体能力違うとわかってもらえない感覚なんだろうなあ。先生の試弾を見ると、明らかに指は曲げている。小指は曲がりっぱなし。そのほうが音が安定するのはわかるけど、私が指曲げると鍵盤とどかないよう(泣)。やっぱり10度の和音がっつりつかめる手と、オクターブの和音すら力が入らない手では比較できないよ。シューマンの4番「気まぐれ」もそうで、オクターブ和音で速いテンポで移動するフレーズを何度も教えてもらって練習したけど、2,3指を曲げて黒鍵を移動させると、オクターブがつらい。せめて小指がもう少し長ければなあ。なんだかだんだん自分の身体能力以上のことを要求される曲が増えてきた。あーでもアルペジオのエオリアンハープは10度でも12度でも弾けるんだから、5番やシューマンは単に身についていない技巧というだけならいいんだが。
2007.03.25
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午前中は良い天気だったのに、午後になったらすっかり曇って雨の予感。雨が振る前に家にたどりつきたかったので、今夜は中食贅沢メニューは取りやめにして、おうちで地味に自炊することにした。久しぶりに駅の反対側に行ったら、大通りの辛夷並木がもう盛りを過ぎていた。どこぞのお宅の庭木の木蓮も大きな花をつけていて、本格的に春到来。 桜はまだかいな~。レッスン後、予定変更して銀座ではなくチャリで5分の錦糸町へ。生協からは生鮮品はレタスとブロッコリーしか届いていないので、クイーンズ伊勢丹で野菜いろいろ。やなか珈琲店に行く時間がないので、つなぎでスタバで豆を買う。あとは魚寅でお刺身を買って、隣の丸井でパステルのプリンを買い込む。妖奇士をちらちらみながら野菜たっぷりのお味噌汁を作って、サラダを仕立てて、上等のお刺身で和食ごはん。久しぶりにご飯も炊いた。サラダには温玉投下してたんぱく質を強化。これでよし、と。うおおお~味噌汁おいしい~! さすが佐野みそ店の満年味噌!料理は基礎はあるけどセンスがないから、結局素材の良さに頼るしかないからねえ。お、久々に和食器出そう。有田の染付けと織部の平皿。さ、「かもめ食堂」を観ながらひとりごはん。
2007.03.24
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ゲイの話で腐女子ねらいでも、掲載誌が『週刊モーニング』の場合、BLとは言わないのだろうかと真剣に考えた。だってコミックス出す時は多分、モーニングコミックスだよね。青年コミックス売り場だろうし。おそらく『働きマン』あたりと同じ束と装丁で初版10万。ま、1年以上先のコミックスは待っていられないので、2回目をいそいそと読む。筧史朗 弁護士にしてゲイ。「えっ、その顔で43歳? 気持ちワルイ!!」と言われる、若さと美貌が不評な男。今回、弁護士事務所の同僚も、相方も登場せず、主婦(主夫)仲間のおばちゃんとの出会いとなりゆきを丁寧に(笑)描く。筧史朗、お前は余った食材を捨てられないタイプだな? 法人弁護士だったら(違うと思うけど)8桁の金額なんて普通に扱うだろうに、なんでそんなに吝嗇なんだ?今回、レシピは書き文字でさらっとしか紹介していなくて、早くもうえやまとちとのバッティングを考慮したのかとかんぐってみる(笑)。なんだあ。楽しみにしていたのに。ああでもあのぶっかけ素麺は8月号の料理レシピにもらった! 無論そのままは使わないけど。しかし月1連載なのに1回16ページって少なすぎない? よしながさん、現在連載抱えてるのって「大奥」だけだよね。そんな寡作家じゃないはずなのになあ。編集さん、結構反応待ちで戦々恐々しているのだろうか。心配しなくてもいいのに。よしながふみは男女年齢問わずに面白く読める普遍的な作品描ける作家だぞ(笑)。扉のタイトルキャッチに「2LDK2人暮らし 食費、月2万5千円也」とあって、あまりの節約系主婦雑誌臭さに苦笑。同じ間取りで1人暮らし 食費4倍の私の立場は……。いや酒代外食込みですけどね。おいしいものに目がないなら、安い食材工夫して料理つくるだけじゃなくて、高級調味料に凝ったり、キッチンツールに凝ったりするのが正しい男子の趣味じゃないのかしらん。ルクルーゼだのシャトルシェフだの各種そろえていそうなのに。当然お取り寄せもしていると思ったのだが。エコとかマクロビオテクスとかデトックスには興味ない? あ、玄米菜食は手間がかかりすぎて、仕事しながらじゃ無理か。第一たんぱく質と脂質がないとおいしくない……。ところで筧さん、そんなに節約してお金貯めてどうするの。やっぱりゲイ同士では世間の風も冷たかろうと、老後の備えに貯蓄しているという設定なのだろうか。利殖はしてるのかしら? 株はリスキーだから手を出さないとしても投信ぐらいやってそう。あの暮らしぶりで賃貸、子なし(当然だ)だと、筧と相方の職業・年齢・年収から推察すると二人で年間500万ぐらい貯金できそうだ(いやもっとかも)。億ション買っても20年で返済できるのに。もしかして莫大なお金を費やさざるをえない「何か」が今後登場するのだろうか。過去に互いに×1で子供がいるとかだったら面白いのになあ。ああ妄想膨らむ二人の暮らし。次回は美容師やってる相方の私生活だね?
2007.03.24
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よく考えたら、昨日は不運の3連発で散々な日だった。・まず税務署で高額医療費控除が認められなかった。・ヤマハに行ったら建て替え工事中で、7丁目から1丁目まで歩かされた。・また7丁目戻って、ネルズキッチン行ったら店ごとなくなっていた。トラブルでもアクシデントでもないけれど、すべて空振り。なんか悪いもんでも取り付いていたのだろうか。元気だったらポジティブシンキングで、いやたくさん歩いて運動になったしとか、最終的にはただ飯食べられたしと思えるんだが、仕事キツキツでへたっているところの空振りは効いた。そんな不幸は、取りあえず自腹ではキツいFISH BANK TOKYOのディナーで癒されたわけだが。しかし現実は厳しい。今日も会社出られたのは10時少し前で、まだ2ページ原稿残っているのに、手配と修正とゲラ読みと次号の料理ページの打ち合わせで日が暮れた。週末はなんとか休めそうだが、月曜にやらなくちゃいけない仕事をリストアップしていたら、暗澹たる思いに駆られてますます気分が落ち込んだ。A型って損だよなあ。心配性すぎる自分の性格が嫌いだ。そして夜はサラダとワインとおにぎりの夕食。たんぱく質が足りん! リンとカルシウムも(多分)足りてない。明日は月1のレッスン日なのに、ショパンがさっぱり上がらない。バッハもさぼっているのでフーガが上がるかどうか自信ない。だめだ。生きるためのモチベーションが限りなくゼロだ。そんな時にはお買い物。明日は物欲(というか食欲)を満たすため、レッスン後松屋にチーズを買いに行くぞ。ケーゼも生ハムもバルブアクーも浅野屋のパンも買ってやる~。食べ物のことを考えていると幸せになれる。なんか寂しい女のようだ。明日は午前中ピアノ弾く! 絶対弾くぞ! 掃除も洗濯もして本屋に行ってレッスン行って松屋行って、高島屋でお茶と長命寺の桜餅買って帰るぞ~。コーヒー豆も切れそうだ。きのこも山盛りかってソテーしてワインと食べるぞお。そうだ給料も出てる!わーーーーーっと。食べ物なんて買ってもせいぜい数万。春の洋服は買わないぞ~。ところで先日久々に飲んだドン・アントニオが、普段テーブルワインにしている同じイタリアのモンテプルチャーノダブルッツォに比べて、香りが段違いに良かったので、探し回って2003年(一応ヴィンテージイヤー)を見つけて4本ポチッとする。昨年末に仕入れたバローロは今一つ外れだったので、とくべつワインはネッビオーロに拘らなくてもいいかなと。でもドン・アントニオに使われているネーロダヴォラという品種はかなりネッビオーロに近いような気がする。ブルゴーニュのように薫り立つのに、一口目で力強い土の味がして、その後、カシスとチョコレートの余韻。無論、バローロ、バルバレスコのほうが高価だし、当たればめちゃくちゃ好きな味だけど、塩分の高い土壌だと推察されるシチリアで、ピエモンテやトスカーナのワインと同じような品格もあって力強いワインができるのは面白い。早く届け~ドンアントニオ! 気に入ったらその弟分のネーロダヴォラをマイハウスワインに指定するぞ。数年ぶりの交代なるか?
2007.03.23
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『ショーが跳ねたら逢いましょう』えすとえむEst emなわけね。不思議なペンネームだと思ったけど、欧文表記にするとわかるな。フランス語? リエゾンして読まないの?お初作家さんのデビュー作らしい。同人誌再録と描き下ろしばかりで、いろいろな作品が収められているサンプルみたいな本だった。スタイリッシュな作画はいかにもサブカル系。東京漫画社って、ヤマダサクラコとか草間さかえとか、ツウ好みの本ばっかり出している。BLの棚では目立つ背表紙とマット系の紙が珍しくて、まだ作品少ないのに気になる会社だと思っていた。この本も去年新刊の時から気になっていたけど、中身見られなかったから迷っていた。別に目新しい作風ではなくて、80年代後半ぐらいから、この手のモノクロのきれいな大人絵の漫画はあった。加賀景子さんや初期の茶屋町さんもそうだったな。この人は写真起こして描いているような絵で、かっこいい。コマとコマの間に余白を取らないのは草間さんと同じ。自分的には草間さかえ+オノナツメ+初期のおおやちきみたいだと思うんだけど。あと一人知っているな、こんな画風の人。お話はすんごいドラマティックなわけでも、どきどきはらはらするわけでもないけど、なんだかじんわりあとから来るタイプのものが多い。ブラックタイの双子の話がツボった。そうかそうなのねと、猫キチとしてはにんまりうれしい連作。こんな双子欲しいよう。ラテン色濃いダンサーものから和ものまで、幅広すぎていまいちどれが持ち味なのかわからない。エッチはあっさりで、好みの作画なので、長編を読んでみたい。
2007.03.23
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久しぶりに読む高井戸さん。99~01年にかけて発表された、珍しく明るいトーンでコメディタッチの作品が多い短編集だった。へええ~こんなのも描いてたんだとちょっとびっくり。しかし、明るくてみんな罪悪感なさそうだけど、やっていることは半ばレイプで青少年をその道に引きずり込むという(笑)。中には中学生もいるし。それなのに襲うほうも襲われるほうも、なんだかみんなおちゃめさん。つるつるしたきれーな男ばっかり出てくる、美しいレイプシーンは、BLのひとつの理想なんだろうなあ。襲われるほうもそれほどいやがってないし(笑)。生活感のない話を描いているイメージのある高井戸さんだけど、最初の話はめずらしくご飯食べるシーンがある!連作で登場するのがロンゲでタッパのあるスタントマンで、こいつが誰かれ構わず手を出すんだな。しかも初物喰い(笑)。でも喰われてみんな開眼、感謝~って、ああファンタジーって素敵! 田舎の高校生の進路を決定づけちゃう話はよかった。臨採の美術教師が童貞童顔の生真面目ちゃんを食っちゃう話は「プリンス・チャーミング」の原型なのかな。いや、あの3巻本は喰われる教師の話だったが。ゲイの出張売春組織みたいな話も、全員モラルはどっか置き忘れているから、夢のように美しい話になっちゃってる。この現実世界のエグさとの落差がまたツボかと。あとは、ノンケを装うリーマンが、出張先で同僚にゲイを見抜かれる話。どうってことない小さなエピソードで1本描いちゃう力技。中学生が食われちゃう作品が2本あって、今ではこれNGだと思うんだけど、なんだか楽しそうに悪戯してて罪悪感なさそうで、襲うほうも全員女顔で線が細くて華奢だから、ついごまかされてしまうけど、やっていることはみんな鬼畜だ。でもかわいいから許す。なんだかこの本の作品、あらすじを文字にしちゃうと、アホエロ系のBLになってしまいそうなんだが、高井戸さんの絵で読むと、ちょっとおかしな爽やか系に思えるところがマジックだな。
2007.03.23
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10日間休みなしで仕事してきたので、隙をねらって今日は代休。やることがいっぱいある。とりあえず家の中のことは放置。掃除も春物の入れ替えも週末にやらねば。料理、しばらくつくっていないことに愕然とする。キッチンの生ゴミはコーヒーカスばかりとは。先週、生協の個配休んで正解だった。午前中はグダグダと寝室で本を読み、午後になってまだ混んでるかな~とおそるおそる税務署に行って確定申告。レーシックの高額医療費控除の件で税務職員とバトルを繰り広げる。自由診療だって、アレルギーもちでコンタクトできなくなったんだから認めてくれてもいいでしょうと、長年通院していた眼科の領収証と薬局の領収証をつきつける。上司登場。源泉徴収表の住宅特別控除の欄に目をつけられる。「所得税がまるまる控除されていますからねえ、これ以上は控除できませんよ」「えっ? 住宅ローンと医療費が同じくくりになるんですか?」「世帯あたりの収入に対しての控除ですからねえ。医療費だろうとなんだろうと、これ以上は控除できないんですよ」「はあ」・・・負けた。わざわざ出かけていったのに、負け犬の気分……。ああ、とっくに負け犬だが。気を取り直して銀座のヤマハに楽譜を買いに行く。・・・ない?そんなばかなと、ガスホールまで来て引き返し、工事中であることを知る。仮店舗は1丁目……仕方ないから春のお洋服のウィンドウショッピングをしながら歩く。なんだか青山~表参道あたりはヒラヒラふわふわした洋服が多かったのに、銀座のウィンドウはまた趣向が違う。いつもガラガラで店員のしつけのいい松屋銀座のアクアスキュータムも覗く。売れてなさそうだから、秋に見た一重のラインのきれいなコートがまだあるかも、と思かったけど、さすがに冬は越さないんだな。日本だったらお直しもできるから買っとけばよかったな~。>春も秋も同じ服の人ヤマハではコルトー版のショパンエチュード集Op.25とペーターズ版のシューマンを手に入れ、今日の夕食の相手と落ち合う。予約していなかったので、とりあえず以前よく行ってたグリーンビルまで戻ったら、ネルズ・キッチンがない! 最後に来たのはいつだった? 去年の春ごろ? ううう~またひとつお気に入りの店が消えた。もう、おうちご飯がツボに嵌ると、一旦帰って着替えて外出するのが面倒で、新規開拓してないからなあ……いかんなあ。ということで、帰り1本で帰れる汐留まで歩いて、夜景のきれいなFISH BANK TOKYOへ。よく夕食の後、お酒だけ飲みに来ることがあって、ダイニングルームより一段高いカウンター席からだと、カップルウォッチングができて面白いんだ。いかにも不倫、いかにも別れ話、いかにも「今夜やったる!」風情を高みの見物できる劇場空間(笑)。しかし今日は自らウォッチングされる側になる。で、どうせ今日の相手は会社経営者(社員3人!)なので、「次、ごちそうするから、今日はおごって」と強気な私。もちろん「次」は財布にやさしい店にする。ご飯は、もう出回っているらしい空豆のスープに浮かべた赤鯛とトリュフコンソメジュレが絶品。おかわりが欲しかった。メインも金沢直送のアマダイのグリエの香草風味。子羊も食べたかったけど、ぐじは春までだから、今日は鯛づくし。なのにワインは赤も空ける。ゲスト用のワインリストに値段が載ってないのをいいことに、「選んでいい?」と聞いたら「ダメ」だってさ。くそう。満足の2時間半を過ごして、結局タクシーで帰宅。恋人じゃないとさ、タクシー拾ってくれるけど、送ってはくれないんだよ(涙)。どうせ酔ったふりをしても信じてもらえないクサレ縁ではね。さあ、これからお風呂でマンガを読むぞ。
2007.03.22
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前半は鬼畜の限りを尽くしたえろ、後半はジェットコースター・トラジック・ラブストーリーだった。ストーリーの構成としてめちゃくちゃバランス悪いのに、これまたおもしろくて一気よみした。しかも、結末知っている、あらすじみたいな話に泣かされたのははじめてだ。登場人物の名前をほとんど覚える気のない自分が、あのどうしようもない人間のクズみたいな医師の名前、覚えちゃったじゃないか。谷脇、おまえだよ。『WEED』に続く鬼畜医師ものの続編。前作で腑抜けになった医師の同僚で、10ページ目でかわいそうなノンケを3Pで襲っちゃうえろ外科医、谷脇。前作の医師以上に心をどっかに置き忘れてきた冷酷薄情魔人。こういう人間が出てくる話は面白いに決まっているじゃないか!ミステリーでもなんでも後ろから読んでも全然平気で楽しめるタイプなので、この話も、どこまであるのかな~と何気にページをめくったら、最後がわかってしまった。であるにもかかわらず、その最後までまっすぐ突き進むんじゃなくて、途中で「えっ?」「ええっ?」「えええぇ~っ!」という小エピソードで紆余曲折し、でも谷脇の利己的な脳みそ以外、登場人物の心の動きや葛藤はほとんど語られなくて、ただ事実が時間経過とともに客観的に説明されるだけで、まるであらすじを読んでいるような話。なのに、結末知っているから、半分読み終わったあたりですでに涙腺と鼻の奥にビンビン刺激がきていた。こんなとこで、こんな文章で、こんな破天荒な筋書きで泣かされたらたまらないと思いつつ、敵の術中の嵌る心地よさ(笑)。これが計算した上での作戦なのか、何も考えずに書いてこういう話になったのかがわからないよ。どうなんだろう。前半はあのラストを導くための長~いプロローグなんだろうな。どれだけ谷脇が面白半分に受けをもて遊んだかを、これでもかと描くことで、急転直下なあらすじだけの後半を修飾している。このプロットで丁寧に心理描写描いたり、セリフの応酬書いたりしたら、上下巻の本がかけるぐらい濃い内容なのに、心理描写も時間経過もすごく大雑把であっという間に読み終わって、なおかつ最高の悲劇。同時にあまりに不幸が重なりすぎて笑うしかない受けと、どこまでいっても人間らしさのかけらもない利己主義魔人な谷脇は喜劇の人でもある。ああ面白かった。ツボだったのは「骨」だな。からかい半分に身体をむさぼった受けの、自分が執刀して内臓のほとんどを切除した恋人の、焼き場に行って自分で拾った自分になびかなかった男の、骨のかけら。BLじゃなくて普通の小説読んでいるみたいだったよ。なんでもない(でも日常からは乖離した)こういうシーンに色気を感じてどきどきした。森博嗣のミステリーに出てくる人間が、たいがい理科系で、殺人現場で惨殺死体を見ても「あら、人が死んでるわ」という爽やかさで新鮮だったけど、この谷脇の冷たい心臓はそれ以上だな。世の中の外科医ってみんな、近しい人が死んでも毛ほども心乱さないものだろうかと思う。でも予想以上に浸潤していた細胞を、鮮やかな手つきでバンバン切り取っていくところは男前だったよ。リンパ腫とか難しいって聞いているのに。ブラックジャック~!この頃の木原さんは、ちょっと文の書き方というか構成にクセがあって、場面転換が唐突で、読み手を翻弄して不安にさせる。ラストも、トンと踏み板踏んだら奈落に落ちちゃったみたいな結末で、最後の谷脇の涙は、多分自分にも説明がつかなくて、現国の試験で「この場面の主人公の心中を60字以内で説明せよ」って問題にできる。これも作戦だったらおそろしい話だが。こういうどうしようもない人間を主役に据えてお話最後まで書いてしまうことにも驚きだが、最後は「ざまあみろ」と「やっとわかったか」となぜか勧善懲悪ドラマ読んだ後のすっきり感におそわれた。木原さん、最近の作品はそれほど痛い系じゃないのに、この頃はすさまじいな。「GREEN GREEN」表題作より長い収録作。6歳下の弟攻めのキンシンソーカンもの。小説だと抵抗ないなあ。自分にきょうだいがいないせいか? 基本設定は、このシリーズの通奏低音になっているプライド破壊大作戦な話。こういう優等生いるいる、と思う。なにがなんでも自分は正しい、自分が法律、自分は正義って人。どうしてこう、嫌な奴書くのうまいかな、木原さん。
2007.03.22
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アニメについて書くのは数ヶ月ぶりかな。1月からのアニメがほとんどスルーだったので、原因を考えてみたら、声萌えできるキャラや声優さんが出ていなかったことが大きい。とりあえず録画していたものがのきなみ最終回なので、そのあたりから。「アンジェリーク」ゲーム1作目からKOEIの戦略の乗せられた身としては、テレビオンエアは10年越しの夢だったから、前作から一応見ているけど、1回ごとの作画のクオリティにばらつきがありすぎてつらい。それに守護聖様たちが総入れ替えになって、世代交代したら途端に興味を失った。まあ、そのうちの半分は初代守護聖の協力者だったわけだけど。声萌えできるアニメが少なくなったので、「いい人」キャラを演じる関さんや、消えたと思っていた岩永くんの声が聞ける貴重なアニメとしてだけ記憶。「パンプキンシザース」24回シリーズと長めだったけど、最後の数回はもうほとんど見ていない。時間とまっていたし。せっかく三宅くんの準主役級で期待していたのに、大暴れしないでハッピーエンディングとはもったいない。鳥海くんがよい。そして、最後数回出てきただけの三木さん、例によっておいしいところを全部サラってしまう。おそるべし!「金色のコルダ」あと1回で終了これもKOEIの策略。音楽ものの女子むけゲームから派生。おいしい設定だったけど、ヒロイン目立ちすぎて、せっかくの個性豊かな男性キャラが沈んでしまう。でも岸尾くんのお耽美キャラという珍しい役を聞けたので満足。みんなそこそこ上手いんだけど、半分以上の声優さんがもう知らない世代なんだ。声を覚えられないのは残念。プロの演奏家とのコラボという金のかけかたが、渋澤さん好みだ。のだめのどじょうは追えないと思うが。ラスト1の今回は、ブラームスの「雨の歌」が聴けたよ! なんてツウ好みな!岸尾くんで思い出したけど、ドラマCDも久しく聴いていないし、もう好き声優さんたちが若手に押されて登場率少なくなると、アニメも見続けるのは限界かと思うんだけど。個人的には、岸尾~鳥海くんあたりまでが自分のなかでは声を覚えられる限界で、特に鳥海くんは、かなり上手くなってきた。時々井上和彦さんとまちがえるほど色っぽかったり、鬼畜ヴォイスだったりと多彩。この人は残るだろうなあ。あとそれより下の世代では神谷くんと福山くんが上手い。たくさん出ている杉田くんも声質はいいのに、演技がなあ。Gyaoでみていた「マイネリーベ」(終了。最初のシリーズのほうがよかったけど)と「幕末機関説」は面白い。とくに後者はどんどん面白くなる。鳥海くんもチョイ役だけど印象に残るし、井上さんはかっこいいし。ナレーションが津嘉山正種でなぜ地上波オンエアできないんだろう。作画レベルもとても高い。「妖奇士」これも半年で終わるとは。「鋼」と同じ製作陣なのに、やはりお子様ゴールデンタイムにこの設定、あの年齢層の主人公では視聴率とれなかったということか。藤原さんはもっと評価されていい。いつまでもしんちゃんのパパではいかん。三木さん、ここでもいろっぽい。「少年陰陽師」「ゴーストハント」「NANA」軒並み今月終了。かろうじて見られるのはナナとハチだけだなあ。深夜にお子様ものをやるのはもう勘弁してほしいよ。もっとゴシックホラーとかエロいのとか放映してもいいんじゃないだろうか。そうそう、BLを忘れていますよ、UHF局さん!
2007.03.21
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今頃気づいたこと。やってもやっても上手くならないショパンエチュード25-5のPiu lentoの部分、テーマ再現部で右手が16音符になるとことは、もしかしてハーフタッチが正解?なんだか丁寧に弾けば弾くほど全然滑らかに流れないので、今朝、出掛けに10分ほど弾いたときに、遊び心で軽~く流してみたら、あ~ら不思議! 弾けてしまった。ガスパールのオンディーヌ(最後まで弾けないが)の多重トレモロ弾くときみたい。それにしてもここのところ、毎日エオリアンハープ弾いていて、普通にハーフタッチで弾いていたのに、どうしてこのエチュードのこの音型で気づかなかったんだろう。ばかばかばか。ということは、ちゃんとマスターするにはデジピじゃだめじゃん。ううむくそう。デジピだと簡単なんだよな。上手く聴こえてしまう。これからレッスン日まで4日しかないし、仕事詰まっているからレンタルのアコピを弾きにいく時間なんてないよう。先生のとこのスタインウェイはキーは軽いけど、古いから音がこもってあまりよく響かないしなあ、うまくハーフタッチで弾けるのだろうか。やっぱりアコピ欲しいなあ。実家の運んだら運送料だけでアプライト買えそうだし、そもそもマンションに防音もしないで小型とはいえグランド入れたらマズいだろう。第一夜弾けない。サイレントはどうしてもキーが浅くなって感覚つかめないからイヤだし、今のデジピはキーの重さもレスポンスも申し分ないんだがなあ。アクションがアコピじゃないだけで(笑)。防音……高いよなあ……。
2007.03.20
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「EVER」(『WEED』収録)木原音瀬へんな読後感だった『WEED』の後日譚。この作品もなにからなにまでへんだよ木原さん。あの奇妙なカップルの同棲はじめて2年経っている設定なのがいちばん驚いた。もうさ、この先生、終わったね(笑)。すでに主役ですらない。これほど自分となにもかも境遇の違う相手に、しかも一度はレイプした平凡な男にこんなに骨抜きにされて、どうせベッドじゃ嬌声上げさせられているんだから、いまさらかっこつけなくもていいのにさ。2年も一緒に暮らしていて、未だに敬語の攻めも攻めだが、この二人はセックス以外に共有するものはないのかと。あと『WEED』で鬼畜で腹黒いやつだと思った同僚の外科医が、なんだか気になって気になって(笑)。普段からろくでなしの悪党がデフォルトだと、ほんのちょっとやさしい言葉を吐くだけで、すごくいい人みたいに思えてくるのな。新しい発見。これはジョークの構造でいうすり替えのトリックに似ている。いやちがうな、DVの夫や恋人が一瞬悔悛する時と似ているのか(笑)。職場で普段から無能のレッテル貼られているぼんやりさんが、ちょっと目新しい企画出しただけで「ほおお~」と感心されるようなものか。こういう自分を変えずに周囲を驚かせる省エネな生き方にも憧れるぞ。木原さんは榎田さんと対照的に、小説書く時に複数のエピソードをどうからめるかとか、ここで山を作って、みたいな全体の設計図はなさそうだ。ていうか物語を収束させようというつもりがあまりなくて、局部的な自分の萌えを小説に落とし込みたいだけのように思える。それでこれだけ読ませるものになるんだから、それはそれですごいことなんだが。去年ホリーノベルズから出た作品は全部読んだけど、だんだんBLっぽくなくなっているよね。どこへ行きたいのだろうか、木原さん。
2007.03.20
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『彩おとこ』(1)(2)鳥人ヒロミイナセなおにいちゃんたちがいっぱい出てくる「彩おとこ」。派手な男物の襦袢柄のようだったり、女ものと見まごうようなきものを草案して仕立てて売る店の3兄弟(一人はこども)と吉原の用心棒とハーフの陸軍少尉の話。時代は大正、場所は浅草らしいけど「うそだろ?」。震災も出てこないそうだから13階もないのか? 「禁句(NGワード)」とかセリフにしつこくルビ振って、時空を超えようとしているのが「フィクションですから」とエクスキューズしているようでおもしろい。こういう遊びのおもしろさは、わかる人にしかわからないかも、しれない。まあ、なにからなにまでフィクションめいていて、ここまで架空のお話で面白いと、時代考証気になる自分も、齟齬があっても「ま、いいか」という気分にさせられる。でかい男が好きだよな、鳥人さん。手も大きくて画面に安定感がある。でもこの時代に、あの鴨居に頭ぶつけるほどの長身男子の着流し用長着を縫える着尺はあったのだろうかと余計な心配をしてしまう。全然関係ないけど、栄貴さんだったか蔵王さんだったかがティーンズものに描いているらしく、そのポスターを書店でみかけたんだけど、気持ち悪いぐらい頭が大きくて、首から下が棒でできたみたいな細い首と身体で、子供が描くマンガのようだった。BLマンガばかり読んでいると、少女マンガらしい頭身を受け付けなくなることを発見した。で、鳥人さんは注文生産なんてしないもんね、と一般受けしそうな題材は敢えて避けて(なにしろ中央線文化人だ。武士は喰わねど高楊枝だろう)、好きなものだけに徹底してこだわって描いているような一面がありそう。心は「ガロ」な人かも。そんなに技術的に上手い人ではなくて、作画には苦労していそうだ。でも、こういうBLらしい身体表現(手が大きくて、ガタイが大きくて、頭は小さくて、指には爪もある。足の指とかすね毛とか胸毛とか陰毛とか……むろんアソコも)は、リアル男性にちょっと育ちすぎた(つまり腐った)乙女脳の理想を注ぎ込んだものだということがわかる。自分のお気に入りのリアルを投影した二次元半ぐらいだといいなあと思っているんだが。ええっと、ちびちび時間かけて読んだうえに、現在も連載中の途中も途中の話なので、詳しくは触れないけど、1巻の勢いが2巻になるといきなり停滞して、そろそろ鳥人さんおなじみのトラウマものにすりかえられていく。軍人×長男、用心棒×次男という図式でいいのかな。女顔の長男は淫乱だから、いろんな人とできちゃうんだけど。この呉服屋の兄弟(ひとり腹違いの3男はのけもの)は、血が濃くて業が深いというような設定がまた……。京極が好きそうな民俗学的マージナルな村の出身でというのが浮いている。あと軍人さんと用心棒の過去話があんまりはっきりしなくて謎。父親がガイジンらしい少尉と違って、用心棒は米と魚喰ってなんであんなに大きくなれるんだ! 奇跡の人か?陸軍少尉は、女性向け恋愛(一応な)マンガ表現では珍しいすごい鷲鼻で指は欠損しているわ、身体は傷だらけだの満身創痍で、しかも退役して神父になるためイギリスに渡るというストイック設定。この標準的な美男と大きくかけ離れた造形はどうなんだろ。長男には「男前」に見えるようだし、「抱かれてぇー」らしいのだが、乙女のツボは刺激しないんじゃ? いや、鳥人さんのことだから、なにか理由があるのだろうな。3人兄弟の名前の付け方が、染料(つまり植物だ)の名前からきていて、なかなか美しい。蘇芳に丁子に藍だったかな。きもの好き、色の和名好きにはたまらん。「蘇芳さん」というのは、山岸涼子の幻の名作「ドリーム」の長女の名前だったな。あの作品好きだった。兄弟二人が、その身体におしろい彫りを彫っている理由もよくわからん。着物を描きたいばかりに、設定より先に萌えで描いちゃったような感じかも。あと中年の女の人が下手。おかあさん、魅力的な設定なのに、なんとかならないか。
2007.03.20
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デザイン入れが終わったのがお昼少し前だったので、西麻布の裏通りをランチをもとめて新規開拓。テラットリア風なのにしっかりクロスかかっているカジュアルなリストランテを発見。リストランテ・レ・サリーネ 表には英語・イタリア語のメニューも掲示してあって、あきらかにこの界隈の外国人狙い。一人、英語の堪能なスタッフがいるらしく、ビジネスマンとその同僚(女性)ふうのカップルにコースランチの説明を延々していた。ランチパスタはサラダ、フォカッチャ、コーヒーがついて1000円。まあ無難だな。ニンニクベース、トマトベース、クリームベースが日替わりで3種あって、ニンニクベースの黒豚とブロッコリーと香草のパスタをチョイス。当然塩味。テーブルに豆皿がおいてあって、ノースモークと言ったのに灰皿か?と思ったら、その皿にフォカッチャのためのエキストラバージンオリーブオイルをサーブしに来た。あ、この店当たりかもと、午後から会議だけどいいよね、1杯だけと思ってハウスワインをオーダー。もちろん赤だ。フルボディだけど、香りがよい。知っている味だなと思ってラベルを見せてもらったら「ドン・アントニオ」だった。シチリアのワインで、そこそこいい価格帯のワインだったはず。このクラスをハウスワインにしているなら、かなり期待がもてる。サラダはちまちましたミニサラダではなく、普通の平皿に山盛り出てきた。グリーンだけでなく、ハムの角切りとクルトンと塩漬けの豚肉を粗く挽いたものとパルミジャーノレッジャーノ入り。おいしい。やっぱりほんの少しでも肉っ気が入ると、ボリュームが出てよいな。パスタ登場。あ、ランチパスタにしては珍しく太い。2ミリぐらいある? 細切り肉はかなりよく叩いて筋を切ってあるらしく、やわらかい。ブロッコリーも小さめで食べやすい。香草はイタリアンパセリだった。ドライトマトが入っていて、かすかな酸味が豚肉と良く合うのだった。量はそんなに多くはないけど、満足の出来。ワインとの相性もよし。仕上げのエスプレッソはもう少し量が欲しかった。ワインおいしいし、サービスもよかったけど、リストランテにしては内装が雑。もう少しお金かけないとこの立地ではきびしいかも。
2007.03.19
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土曜もセミナーの後、会社行って仕事。昨日も午後ずっと仕事。21日も対談2本セッティングしているから、これで連続10日休みなしだよ~。でも昨日は久々に仕事脳発進してて、仕事モチベーション稼働中。なんか脳から出てるよ。仕事しろって。で結局本は一冊も読めず。こんなの年末以来。あ、お風呂でマンガは読んだ。とりあえず手持ちの原稿上げて、台割落とし込んでサムネ切ってイラスト発注までは終わった。インタビュー相手の写真を手配して、デザインイメージまとめて、今日の午前中にデザイン入稿すれば、とりあえず山をひとつ乗り越えられる。残り4ページは午後の原稿アップを待ってファックスで入稿指示。2時からの会議のあとは、後ろの細々したページをやっつければ、あとはひたすら読むだけだあ。はああいつも思うんだけど、とりかかってしまえば2日あれば終わるのに、なんでいつもこんなに引っ張るかな。いやだもう。向かない、この仕事。
2007.03.19
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お風呂から上がったら「情熱大陸」で桜沢エリカのドキュメントをやっていた。友人の獣医師が勤めていた広尾の動物病院によく来るという話を聞いていたり、彼女の猫まんがエッセーは好きだったけど、写真以外で、動く本人を見たのは初めて。なんだなんだ、なんで今頃? 今、なにか彼女のマンガがブレークしているとか? いや聞かないよ。功労賞みたいなものか?私生活では作為的な演出だけど、銀座の「ザ・ギンザ」で試着だけして、その場では買わず「必要なときは電話して届けてもらうの」などと言う。まあ、デパートの外商と同じだな。なんか「世界の一流品の最新作がいち早く入る高級店」とかすごい言われようだったけど、普通にОLさんが買い物できる店だけどなあ。10万ぐらいの服って、洋服好きな子ならボーナス時とかに普通に買わない? ハンドメイドのセーターだって数十万するものはよくあるし。ま、彼女が試着したものはどうみても50万の価値はなさそうだったが。プラチナの糸ででも織っているのか?何日カメラが張り付いていたのかわからないけど、外出時はフォックスっぽいファー(このへんが庶民)のカラーがついたチャコールのコートとクロコのバーキンがデフォだった。顔が童顔だからゴージャスにはならない。でもご本人、背がスラリと高くて二児の母とは思えないスタイルなのでなんでも似合っている。やはり人知れず努力しているのかな。でも夫婦でベルファーレで夜遊びって、バブルっぽいなあ。自分はこの頃、きものと海外旅行に夢中だったから、お金の投入ジャンルが違ったけど(笑)、今は両方から手を引いたし(そんな収入もないわけで)、後悔はないけどあの頃が異常だったのは自覚している。なのに桜沢さんがあの頃のテンション保っているのはちょっとびっくり。これはちょっと痛い映像。でもマンガ描くために必要な栄養なのかもしれないな。ところでバーキンてケリーの妹ラインだよね? なのにクロコだとメルセデスのCクラスが買えるのか。すごいなあ。理解を超える。着物なら驚かないけど。自分へのご褒美だね。うん。かっこいいよ、桜沢さん。子供二人いて、みずもののマンガ描いて一家を支えていくのはこれぐらい男前じゃないとだめなんだな。 普通、若くして成功した女性クリエイターは縁遠い人多いのに、やさしい年下の夫とかわいい子供もいて、仕事もずっと一線。これはやはり運だけじゃないよね。20年も漫画家やっていたら、絵も変わるしお話も受けなくなって傾いていく人が多いのに、若い子のファッションとか情報収集に余念がないんだろうなあ。マンガそっくりで完全専業主夫のダンナがいればこそだろう。ご主人、かっこいいのにちまちま子供のお弁当手作りしちゃって、いい人っぽい。はっきりと「自分の稼いだお金で自分の好きなものを買うのが好き」と発言していたから、桜沢家はダンナが年下で家に入ることに抵抗なかったのが成功の秘訣だな(笑)。ダンナさん、「なんかヒモみたいでしょ」ってご自分の立場を言い切っていたし。ちらっと黒っぽい猫が移っていたけど、みどりちゃんだっけ、ひとみちゃんだっけ、猫エッセイ終巻時点の最後の一匹は元気なのだろうか。ところで人もうらやむセレブな暮らしと思いきや、広尾のマンションは賃貸だというし(税金対策なのか?)、さぞや仕事場もハイテクでおしゃれかと思いきや、普通の六畳一間で3人のアシさんたちはトレース台もなくて雑誌を台にしてちゃぶ台並べて描いていた。おお古きよき家内制手工業の世界。なんかほっとする映像。コピーマシンが一台あるだけで、パソコンすらない仕事場は新鮮。色塗りはコピックかな? テレビもパソコンもないと、逃げ場がない感じ。本気で仕事するしかない部屋だった。これぐらいじゃないと一家の大黒柱は勤まらんのね。ちょっと見習おう。きっとオンとオフの切り替え早くて、物事の決断力というか見極めも迅速で迷わない人なんだろうな。かつてのイケイケ漫画家四天王のうち、一人はすでにこの世になく(中尊寺ゆつ子)、一人は実質廃業で(岡崎京子)、自分が唯一読んでいた原律子も今は評判を聞かない。唯一生き残ったのが、すべてを手に入れた桜沢エリカというのは象徴的だ。自分はこういう脱少女マンガ系のおしゃれなマンガは読んでこなかったので、彼女の作品は猫マンガ以外ほとんど知らないけど、なんかちょっと読みたくなったよ。「見た目がすべて」(と自分で発言していた)のトレンディマンガでここまでこられたというのは、そうそうあるもんじゃないだろうな。
2007.03.19
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こんなに天気の良い休日なのに仕事に行かなくちゃならないと思うと、悔しくて世の中をうらみたくなる。や、自分が仕事終わらなかったせいなんですけどね>休日出勤日曜の午前中はピアノを弾く時間なのだが、レッスン曲をさらう気にもなれず、譜面台においてあるショパンのエチュードを弾く。Op.10-12、25-1、25-2は奇跡的に昔習っていて、なんとかまともに弾ける曲なので、連続して弾いてみる。むろんインテンポ。音はもちろん盛大にはずす(笑)。で、インテンポで弾くと、革命が終わったあたりで左の前腕がかっちり固まったようになる。明らかな疲労だ。これって脱力できてない? 昔からこんなになったっけ? エオリアンハープも、音型は左右同じなのに右手には5指での旋律があるので、ここで手首が鍵盤を離れて脱力できるけど、左は1-5指を大きく開いたまま鍵盤上を水平にスライドするだけなので、これがつらい。なにかが間違っているのだろうか。それがなにかがわからない。1-5間を広げっぱなしでアレグロで弾く曲は、次のフレーズに移る時に一旦手のひらをシュリンクすればいいのだろうか。するとミスる確率が高くなるよ。次からレッスンで見てもらう予定の25-5のピウ・レントのところ。ゆっくり弾いてもさっぱりきれいに響かないので、久々に頭を使って考えた(笑)。移動中に親指曲げるクセがあるので、動かさないこと。連続した音型において無駄な動きは命取り(大袈裟)。2-5指での6度音型は、5指を意識して先に鍵盤に下ろす。ていうか、練習では2指は弾かなくてもいいかもしれない。でもなあ、このフレーズも指を開きっぱなしで弾くと音が硬くなって伸びないんだよ。できれば6度で2指を上げる時に圧をかけて、その勢いで手首を引き上げて指をシュリンクして脱力したい。水平の動きに上下の動きを加えちゃだめですか? せんせー!
2007.03.18
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ソファに横座りなオレサマな猫ども。人間サマはどこへ座れば……?左にちらっと見えるオリエンタルブルーの物体が、あっという間にぼろぼろになった「観賞用」クッションカバー bought at CONRAN SHOP in Marunouchi。クッションとして使っていたせいか? そうなのか?(笑)……と反省したけど、この画像みていたら、犯人はもしかしてあんたたちでは……?買ってくれたハニーはまだこの事実を知らない……。あ、壁をよじ登るパンダのCMが……癒されるなあ。仕事終わらず……午後から会社行って来る(涙)。
2007.03.18
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『well』でこんなのこの人しか書けないし、出版してもらえないだろうと妙に感心し、『脱がない男』で普通っぽいのも書けるんだ~とちょっと驚いた木原さん。好き放題やらせてもらえるホリーノベルズと他社レーベルでは、一応レーベルカラーに合わせて書き分けているんだろうか。で、ついでだから、この際手元にある木原さんの未読本を読破しよう……(あ、一冊途中で止まっている。吸血鬼のやつ)と思ったまではよかったが、手を付けたのが『WEED』だったのがいけなかった。昨日、ランチもぐもぐ食べながら読みはじめたら、開始1ページ目で恋人の浮気現場に遭遇、10ページ目で娘を亡くした傷心の男を拉致して3p……しかも犯るのは外科医×2。なんだかいきなり食欲なくして最初の60ページでストップ。続きはすごく気になるんだが。出てくる人間は、もう一人の主人公(受だよね?)以外は全員、狡猾と凡庸と小悪党の3重唱。ずっと雨が降っている。夜のシーンばっかり。あ~~真っ暗。大学病院の医局の話で、医者がたくさん出てくるだけど、かっこよく書こうとかハナから眼中ににない木原さんの手にかかると、外見かっこよくても善人が一人もいない気配……医者なのに。しかも職場シーンを手抜きしていないから、設定が妙に細かい。う~~かんべんして~。よくもまあ、ネガティブ要素をこれでもかと畳みかけるように繰り出せるものだ。これが木原節か。痛いっ、痛いよ木原さんっ! これは弱っている時には読めない話だな。……ここまでを外出前に書いてでかけ、オベンキョ会へ。今日のお題はLDとバリデーションとムンテラ。ヤッパリ途中で眠くなった。『WEED』は移動中に読了。併録されていた「EVER」はこれから。してやられた。どん底で始まって上昇する作戦だったか。深海でもがいていたのに、一気に海上自衛隊のヘリで空中高く救出された気分。クール受けだと思ってたやつがベタベタのえろ魔神攻めだった。こういう予想を裏切る展開が多くて、木原さんから目が離せないよ。プライド魔神だった医師があっというまにとろけて心はワンコになっていく過程がすごい。何でも思い通りになる、思い通りにするのが当たり前の傲慢医師がさ、頼まれもしないのドキドキしながらレイプした相手に時計を買うんだよっ! そしてつっかえされて「ポカーン」とかしちゃって。オレサマな人間の価値観を「それがなにか?」とスルーできる人間を好きになっちゃうって、マゾ風味漂っているよな。自分の趣味で自信たっぷりに高級ワイン送ったりしても、運送業で引越し屋のガテン仕事やっているにいちゃんには、その価値わからんって、あんたわからんかとひとしきり……(笑)。こういう、プライド破壊大作戦な話はツボだ。だって、もともと攻めな傲慢医師は、そのなびかない君のためなら受けになっちゃうんだ。揚げ句に妙に下世話な同僚医師(セッ○スフレンドにして、一緒にごーかんした相棒)に、「自分の高価な花を自慢したい」なんて言う。あのお~お花が攻めですか~?一緒に襲ったした同僚医師が何気に言うたった3行の台詞が、そのまま1本のBL小説になるような筋書きでコワい。二人の仲を取り持つふりして、「実はこじれて刃傷沙汰になるのを期待していた。そしてベッドでお前のその傷を『これはあの時の傷だ』なんて言って舐めたりいじったりしてみたかった」なんて言うんだぜ。さすが外科医。そして木原さん。これだけで1本お話書けますが? ハァハァ。いやあ、暗い初期設定から救出されてからは、ひたすらベタベタらぶらぶ、嫉妬でぐるぐるな普通のBLになってしまうんだけど、なんか「二人で快楽の頂点を極める」という話ではなく、その快楽が収束しないで拡散している感じがする。これもまた独特。やっぱり面白いなあ。木原さん。
2007.03.17
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弾くなと抗議する代わりに狭い鍵盤に寝そべるやつ。どうせ私のピアノは耳障りですよ。すみませんねえ。あ、もう一匹も写ってる。うわあ天気悪い。休日なのに午後から仕事だよ~。セミナー行って、その後、自分で書かなきゃならない5ページを力技で片付ける。どうか明日は休めますように。
2007.03.17
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『夏の名残のばら』藤たまきそろそろ仕事が佳境に入ろうとするのに、今頃になってピアノのモチベーションが戻ってきた。なんか久しぶりに弾き始めたエオリアンハープが楽しくて。手首の旋回思い出してきたし。今朝も久々にショパンの舟歌だのノクターンの13番をざらーっと弾き飛ばしていたら、遅刻しそうになってタクシー出勤しちゃったよお。しかも、今日から読み始めた活字のほうで、とんでもないのにひっかかって救いがなさそうなので、マンガのほうはきれいな作品を読もうと決めて帰宅した。で、藤さんのこの本。音楽マンガだったよ。タイトルはイギリスのフォークソングだね。母が好きな曲だった。いい話だったよ~。藤さんの作品にしては珍しく、本当に奇跡的に、トラウマなし、人死になし、精神障害なしのまとも設定。そして「キャラ」連載なのにBLですらない! これは驚いた。まあちょっとはニアフォモの香りはするんだけど。99年に発表された1回目は読みきりの形で描かれ、4年後に連載開始で全7回。藤さんのほうにネタがあったのか、ファンのリクエストか、編集さんの要望なのかは謎。で、ほぼ1回ごとに視点が変わる。これも藤さんの得意技かな。「アナトミア」にもあったな。1回ごとのナンバリングがさ、POSITION 1、2、…と続いて、凝ってるなあと。そう、ヴァイオリンかじった人間にはおなじみのヴァイオリンの基本フォームの呼称だ。や、自分はヴァイオリン好きだったのにこればっかりは本当に適性がなくて、短期間で脱落したけど、このポジションはちゃんと憶えているぞ。ええと、受け・攻めの関係が成立していないので、登場人物の名前覚えられないと、書けないことが発覚! おいおい、どうしよう。仕方がないから、も一回ページをめくる。……ああ、あった。ヴァイオリン職人(でも少年)データと、学校にも行かず、亡くなった兄の親友だという男と暮らしているヴァイオリンの上手い少年ルース。データは自分の作ったヴァイオリンを弾いてくれたルースの演奏に魅入られ、ちゃんとした教育を受けるよう勧める。でもルースと一緒に暮らすアッシェは音楽を習うことに反対している。その理由とは……。という導入。データも子供なのに働いているせいか、大人でね。思いやりがあって、ルースの才能に惚れ抜いている。ルースはまた、ストラディヴァリやガルネリに囲まれて暮らしているのに、その価値に気づいていない。保護者のアッシェなんてそんな名器を雨のなか、外で弾くという暴挙にでる。これには泣きそうになった。3回目ぐらいから徐々にルースの兄とアッシェの過去が明らかになり、どうやらこの二人は深い友情以上のもので結びついていたと思われる。つまり過去話がホモ。ルースがアッシェの元を去り、学校の寮に入るあたりから、「あ、アッシェは死ぬな」と思ったんだけどな。こういう予想は外れないのに、死ななかったよ(笑)。自分の愛する人(ルースの兄)を殺した音楽に没頭するルースに絶望するか、病気になって死ぬ運命のように思えたのに。蓮實重彦仕込みの説話論的先読み手法もたまには外れるんだな。で、ラストの2回ぐらいがいいんだよ~。ルースが、周囲の期待と正規の音楽教育受けることで壊れていく自分の音楽に絶望しかかったところに、データがやってきて救いの手を差し伸べるところ。悲劇でもドラマティックでも、トラウマも人死にもないのに(笑)、ゆるゆると涙腺が膨張してきた。もう、こんなさらっとした作品で泣かせるなんて、やっぱり藤たまきはおそろしい。ヴァイオリンが主役の音楽マンガというと、竹宮恵子の変奏曲を思い出すけど、やっぱりあの時代のあのテの作品群って、「何も知らない日本の少女たちを私たちが啓蒙しちゃる」ムードに溢れていて、今読み返すとことごとく大袈裟で恥ずかしい。藤さんもどちらかというと耽美を引きずっている人だけど、この作品は「教えてやるもんね」ムードはなくて、二人の少年の深い、そして未来へと続く友情の話なのがよかった。音楽も、ラヴェルのツィガーヌが出てきたあたりで「む、やるな」と思ったけど、本当に心揺さぶる演奏は、誰でも知っているフォークロア(その代表が「夏の名残のばら」)なんだということを教えてくれて、クラシックバカの自分でも、そのテーマ提示には賛成。まあポリーニ聴いていた人が、フジコ・ヘミングにも感動できる、みたいな感じかな。
2007.03.16
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月に1回ぐらいしかすりよってこない我が家の女王様。でもはなたれ小僧。お願いだからシルクサテンのベッドスプレッドの上でくしゃみしないでくれ。
2007.03.16
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『この恋はハードボイルド』依田沙江美まあ珍しい。A5版だわ。まあ珍しい。描き下ろしが110ページも。まあ珍しい。茜新社。そして依田さん商業デビュー作も収められている。10日以上前に買っていたのに、昨日ソファにねっころがった時なんか当たるなあと思ったら、クッションの下から本屋の袋に入ったまま出てきた。もちろんシュリンクかかったままだ。雑誌なんかは買っただけで読まずにしばらく放置して、期限切れになることはよくあるけど、小説や単行本は、一応袋から出して、「早く読め」と自分にプレッシャー与えるためにリヴィングのボックスに積み重ねてあるんだけどなあ。買ったことすら忘れているのはもう末期かも。しかも好き作家さんなのに。これはこれは、なんとも初々しいニアフォモもの。いや、初期設定で攻め(多分)の作家はすでにゲイなんだが。茜新社が出していた「Ovis」というのはアンソロジーだったのかな。なんか新書館の「Wings」掲載でもおかしくない内容。もうこのぐらいだと、ドキドキすらしなくなった自分、汚れたな……。でも気の弱そうなハードボイルド作家って、あれ、どこかで……と脳内記憶をたぐったら、数日前に読んだ榎田さんの羽根深雪くんじゃないか! まあ羽根くんは家事全般万能だったが、こちらは生活能力欠如で隣人のけなげな高校生に世話されているんだが。ピンクとエメラルドグリーンとオレンジとスカーレットの表紙って、一体どれだけ乙女なんだよと、ちょっとあまりのセンスに引いた。なのにA6……。よくこれ書店で買えたな>自分。肌色率高いエロい表紙のBL買うより勇気が要る。プロローグのエピソードはなかなか面白い。庭とか庭木が重要な小道具として使われていて、一口にいったら「リリカル」(笑)。95年発表だけど、これ以降の依田さんの作品にもずっと浸透している、彼女の特徴がはっきり出ている。作家さんの仕事道具が、今は懐かしいワープロ専用機でさ、時代を感じるよ。力技の長編は、ストーリーはサスペンス仕立てになっているけど、ラブがどっかやられちゃって、普通のホームドラマになっている。女性がいっぱいでてきて、しかもそれが母親、おばちゃん、おばあちゃん(一応悪役)と見事に高年齢。あんたBLなめてるでしょ、って感じの配置だけどなあ(笑)。ああ、火曜サスペンスドラマ。でも依田さんの絵は好きだし、デッサンしっかりしていて、おばちゃんはおばちゃんらしく、子供はこどもらしく描けているから安心して読める。いや、そんなことで満足していちゃいけないんだけどさ。商業デビュー作は、さすがにちょっと。絵は安定しているけど背景ほとんど描かれていないし、顔以外はミリペンでまったく線に勢いがない。そして画面が白い。これA5じゃなくてB6だったらまだマシだったのに。首はすでにこの頃から長い。いろんな意味で習作っぽい一冊。予想はできたのに、なぜ買ったんだ? いやそれは依田さん好きだから。なにより03年発行の4版が新書店になぜあったのかが謎だ。ちなみに隣は語シスコさんの「おとな」と「こども」だった。去年からこの棚にあったことには気づいていたけど、A5の新刊ってほとんど出ないから、そのまま放置されていたんだな。買えてラッキーなのか? ていうか、いつから棚にあったんだ? こんな初期作品並べられたら、作家さんによっては虐待に近いだろ。藤さんの本読んだ後だと、かなり分が悪いな、依田さん。作家としての力量というか、もっているもの、表現したいものの差を見せ付けられたような気がする。いやどっちが上、下という話ではないし、自分はどっちも好きなんだけど。依田さんは疲れを癒してくれる系だ。
2007.03.16
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『アナトミア』藤たまき昨夜の風呂本。この人の絵柄にも慣れてきたなあ。まだ未読本が8冊ほどあるけど。かわいい絵柄の人って、ご本人もいつまでも若くてファンシーなイメージあるけど、キャリア長いんだよね。藤さん。ご本人のサイト見ると、ファンシーというのは当たっていそうだけど。この人のなにがすごいって、いつも言葉がすごい。日常とは隔絶した、ひとつひとつが詩になっているようなセリフ。そしていつもいつも誰かが死んだり、大きなトラウマがあったりと、傷付いている子供たち。「はみだしっ子」の衝撃にも似た子供の扱い方なのに、詩のような言葉がついているからファンタジーになってしまうんだな。病気、死、傷、狂気という小道具は、ジュネ系耽美の専売特許だけど、その要素を現在にまで引きずっている作家さんで、しかもそういう作品を出してもらえる地位いる人なんだろう。子供ばっかり出てくる作品が苦手の自分でも、藤さんの描く子供には「やられた~」と思わせる良い作品が多いので、「じゃあ大人を描かせたらどうなんだろう」と思って読んだのが『密告』。いろいろなタイプの短編があって面白かった。『アナトミア』も表紙だけみて「大人の話かも~」と思って期待したら、大人と中人(16、17歳)の話で、美術教師とその生徒という設定だった。しかも話の根幹は子供時代にかかっていた。やっぱ子供なのね。「アナトミア」といっても解剖とは関係がなくて、フィレンツェにあるラ・スコペラが、主人公の幼少時の記憶に絡んでくることからつけられた題名。でも、いいよね。こういう想像(妄想?)膨らむタイトルって。藤さんもあとがきで「行きそびれた」と書いていたけど、珍博物館めぐりの得意な自分もここはノーチェックだった。昔の聖人の舌だの心臓だのが展示してある修道院まで行ったのにな。でも、漫画家さんもそうだけどアート系の人って、人体模型とか骨格標本とか、基本的なリファレンスだと思うんだ。だからこの作品でも、人体のパーツにとりつかれて子供をモデルにして執拗に絵を描く狂気の画家(これは過去話として語られていて、主人公ではない)が登場して、ちょっと猟奇っぽいエピソードがあって、当然モデルの子は虐待もされていて、でもたぶんストックホルム症候群かなにかで離れられなくて、なのにその画家は焼身・投身自殺して(ダブルで自分を殺すところがエグい)、残された子供がトラウマ負って成長して、大人になって自分の生徒にその傷口を掘り返される……。あらら~、これまで読んだ藤さんの作品のなかでは、いちばん傷が少ないわ~と思ったのに、やっぱり結構痛いわ……。今回は攻・受の関係はどうでもいいような作りになっていて、読み終わって「あれ、どっちがどっち?」と思ったぐらいだったけど、ラストはほんのりハッピーエンドだし、読み手の心拍数上がるようなマンガばっかりの藤さんの作品の中では、あっさり系かもしれない。主人公たちが淡々としているのに、勝手に読み手がドキドキするのって、なんだか「してやられたっ」て気分になって複雑だ。藤さん、エンタテイメントでないところにある作品多いから(いや、あえて純文とは言わないが……)、なおさら。誰もが褒めちぎる作品を褒めるのは、いやなんだよ(へそまがり)。「アナトミア」つながりで、毎号人体模型のパーツがついてくるアーサーくんが欲しいわたし……。でも全巻一括だと10万近くするんだよ。しかもこんなの家にあったら、確実に猫の餌食……。肉襦袢は着せたくない……。
2007.03.15
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というわけで、面倒なことは苦手なのに、よっこらしょと画像を貼り付けてみる。自然光で撮ったまぶしそうな猫たち。5センチしかないソファの背とクッションに無理やりはりついて寝なくてもいいと思うんだが。黒い子は白い子といっしょに撮ると、いつも目鼻がどこにあるのかわからなくなるけど、このショットには目があるぞ。
2007.03.15
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『脱がない男』(下)木原音瀬(画像は上だな)なぜ(下)かというと、(上)は去年の夏に読んでいた。シリーズではなく上下巻で、面白いところで「続く」だったのに、なぜ(下)を読むのを忘れていたんだろう。まだブログも始める前で、そのヘンの記憶が定かではない。木原さんの小説はどうやら自分には合うらしい。一旦作家萌えすると、地獄の果てまでついていくタイプなので、彼女の小説に愛がなくてもキャラの性格悪くても不細工でも、BLになってなくても全然平気。駄作が続こうが続きを何年待たされようが我慢できる(のか?)。ただ、盲目的な信者ではないので、やっぱりいろいろツッコミどころはあるわけで。この本はこれまで読んだ彼女の作品のなかではとびきり健全で普通のお話だったので、そこが意外といえば意外。そう、自分の中では木原音瀬は、エロという意味ではない「イロモノ」扱いだから。まず初期設定で「おおっ、今度はこう来たかっ」と驚かせることの多い木原さん、この作品では仕事ができてかっこよくて女たらしのエグゼクティブ(受)が犠牲になった。よりにもよって、こんなみっともない設定にしなくても……。こういう身体的特徴(この場合明らかに欠陥だ)を具体的なBLネタにするというのも、他ではあまり見ないけど(いや、小説のスキルは頗る低いんだが)、仕事の現場が「ありえない架空の職場でのなんちゃってサラリーマン」の多いBL小説のなかではかなりリアルな展開で、取材してるのか、現場に詳しいブレーンがいるんだなと思わせる。実際のセールスプロモーションはメーカーだけではできるわけがないんだが、一つの製品を開発ラインにのせて商品として世に送り出すまでの経過にウソはないな。まあ圧縮して分かりやすく整理すれば、こういうことだという筋は通っている。上巻はかなり鬼畜なシーンもあったように記憶しているけど(せっかく職場設定がまともなのに、肝心のキャラの行動が奇抜すぎた)、下巻は仕事中心でなかなかよかった。ギリギリまでどんでん返しの連続で、「ラブはどこ? 攻めの妄想で終わっちゃうの? 最後どうなっちゃうの?」とハラハラさせるプロットで、なかなか面白かった。野球のエピソードはほほ笑ましいけど、いきなり青春しちゃって、ちょっと唐突なエピソードで消化不良かな。もっと引っ張ってラストにつなげるか、あそこまで具体的に受けに行動起こさせなくてもよかったよ。でもあそこまで高飛車(じつはヘタレ)な受けが、グローブ買って……というのは、予想を裏切る展開だった。登場人物少ないし(ゲイバーと同僚数人とデザイン会社の友人ぐらい)、行動半径も極めて狭いんだけど、気にならない。こういうプロットだと世界観広がりようがないし。結局ワンコな責めが、尊敬するつれない上司に対してちぎれんばかりにシッポ振っているところが一途でよい。でもちょっと暑苦しいから萌えはないな。……ストーリーを収斂させるために、一人悪役が出てくるんだけど、水壬さんあたりだと、どんな悪役にも作者の愛が注がれていて本物の悪者になりきれなくて、読んでいてどこかで悪役に同情したりしてしまうけど、木原さんは悪いやつ、イヤなやつは徹底して醜く最低の人間にしちゃうところもツボだな。単純なだけなのか、すべての人間に愛は注げないタイプなのかもしれない(笑)。萌えどころ……攻めに愛されるシーンがリアルなのと、ベッドでは俄然かわいくなっちゃう上司かな。職場での顔と寝室での顔が別人というのはよくある設定だが。ところで、リーマンものを読んでいると、よくこの作品の受けさんのように、お金のかかった生活しているエグゼクティブ(死語?)が登場するが、役職ついていようとたかだか日本のメーカーの被雇用者が、いったいどれだけサラリーもらっているんだよっとツッコミ入れたくなる。実は自分もネクタイとシャツの仕立てで男の価値はわかると思っているんだが(笑)、身体に合わないスーツしか買えないなら、せめてネクタイぐらい、上等なもの締めてよね~と、口に出して言ったことはないけどさ。この本の受けさんも「株やっているからいいんだよ」ってブランド物をバンバン攻めに買い与えるんだけど、株やっているヒマなんてなさそうだし(デイトレやるほど閑職じゃなし、長期運用なら簡単には資金引き上げられない)、そもそも株やっているような人間は貯蓄型だからむだ遣いなんてしないよ~。こういうウソ臭さがイヤなんだよな~なら読むなって? ごもっとも。あららこの本、今月新装版がでるのね。う、売れるのか?
2007.03.15
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あーうーちょっとアルコール残っているなあ。久々にあう友人と調子に乗って飲みすぎた……。深夜に書きかけて沈没した夕べの晩御飯。ついでに画像アップの練習。えいっ!やっと写真貼り付ける方法はわかった。でもまだ固有名詞にリンク貼る方法がわからん……。みんなどうやってるの?ほぼ1年ぶりに九段のさくらさくらでディナー。家は近所なのになかなか会えない友人ともほぼ4カ月ぶり。お互いの近況を交換しあううちに、介護が必要になったお父さん(廃用症候群+胃ろうで要介護5)のために、4階建てのバリアフルな家を出て、新たにバリアフリーの家を都心に建てるというとんでもない計画を聞かされる。住宅改修ではなく、別に土地買って建てるというところが、さすがに東京の資産家の娘は話の内容も壮大だ。それまでお父さんがもてばいいね……。そういえば、バブルの頃、彼女の家に遊びにいくと、たいていお母さんのところに高島屋か三越の外商が来ていた。なんだか家具や寝具はもちろんのこと、植木鉢ひとつ、傘立て1つとっても、べつにゴージャスでも大げさでもないのに妙にホンモノ感あって安っぽさとは無縁のものだということは感じていた。しょっちゅうお泊りにいくような娘の友人である私にも、普通にヘレンドのカップで飲み物出てきたし。「ああ、本当のお金持ちってさりげなく全部一流品なんだな」ぐらいには思っていたよ。それが証明されたのは、ある時偶然、高島屋の外商から緞通を買う現場に遭遇した時だった。それが70万とか80万とかごにょごにょ言っているので「緞通にしては安い……」と思ったら、玄関マットの値段だった……。玄関マットに緞通ですか……。「いいなあ」とかいうレベルではなく、ただ「ぽかーん」とするだけだった。でも本人は平気でユニクロ着て電車に乗って銀座にきちゃったりするんである。健康、仕事、老後のこと(笑)、そして共通の友人の話題などを肴に食べて飲んで語り明かして、気が付いたら4時間近く滞留していた。厨房の照明落ちていたよ。マネージャーさんごめんなさい。今日の目玉はのれそれかな。高知でしか食べたことのないアナゴの稚魚(ほぼ透明で寒天みたいな物体)を東京で食べられるとは思わなかった。菊花に仕立てた真ダコしゃぶしゃぶも絶品。お店自慢の味の濃い引き上げ湯葉もおさしみで供される。うま~!青々した桜の葉に包まれたほっくりねっとりした黒米と白魚の桜蒸しも、おかわりがほしいぐらいだ。ここのだしはまったく魚のにおいがしない。そして、のどぐろにダシをかけて蒸し焼きにした一品と稚鮎の煮浸し。鮎なんて6月以降解禁になってからしか食べないので、なんだかもったいなくて泣けた。こんなちっちゃいうちに食べてしまってごめんよ~でもおいしかったよ~。友人が食べていたオーガニックポークをゆず胡椒でいただくグリエも絶品。ああ~体が喜んでいるよ~。野菜は国産のパプリカが、皮をひいていないのにふっくらやわらかで、噛むとじゅわっと甘みが染み出してきて美味だった。苦手な豆類も、さやごといただけるスナップえんどうが青くさくなくて、しょりしょりしていて「ああ~緑色が血になる~」という感じ。だらだらと飲みながら(結局ワインはブルゴーニュとシャブリ、2本空けた)のペースなのに、タイミングよくサーブしてくれる手際も良いし、素材の産地の話題を振ると、店長さんは嬉しそうに返してくれるし。グリンピースをふっくらやわらかく仕上げるには、鞘から出すときにできるだけ空気にさらさずすぐに水にさらすとか、プロの技も伝授される(えっ? もしかして常識かな)。
2007.03.14
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『やらしい昼下がり』山田ユギお風呂本2冊目。麗人コミックスゆえ、エロが濃いけど、やっぱり安定した面白さがあって安心して読める。つい2月前までは、絵が受け付けなくて読めなかった作家さんなのに。成長したなあ、自分。短編が7本。リーマン、オヤジ率高し。ユギさんの絵は大体にして大人の身体に童顔なので、最初違和感あったけど、例外的にオヤジはほどよく色気があってよい。ただしかっこよい割りに行動ヘタレで情けないこと多し。そしてそこがお話作りのキーポイントだったり。笑いのツボだったのは、電気屋の小僧とお耽美なリーマンの話。エアコンの修理に来るたびやってたら、よろめきドラマで「奥さん!」て家に上がりこむ米屋みたいですが。魔性の男っていう設定も、ユギさんの絵柄だと冗談みたいで、この落差が面白い。どの作品も男たちが本当によく泣くし、どいつも即物的にすぐにやっちゃう。平凡な日常の、ありがちな設定なのに、その2点で見事にファンタジー。ユギさんマンガの男たちのなかには、とりあえず男女の差別なくさかって、女はほとんど登場しないから必然的に男とやっちゃうということなんだな。竹書房の営業展開よめてきた。内田さんの本の異様な重版のかかりかたに驚いたけど、この本も2年で6版まで重版かかってる。おそらく年に数回在庫見直して、設定部数を切ったら少ロットでも簡単に重版するんだろうな。おそらく1000部切る単位で。版下まで自社で作成して入稿、初版以降はフイルムは印刷会社にあるから簡単に重版かかる。その代わり修正・訂正はなし(追加料金発生するから)。おそらく表紙は最初から大量に刷っている。竹さん、ちがう?『君さえいれば』鹿乃しうこ あれれ本の画像がないのでCDジャケで代替。これまたとんでも設定だなあ。義理の親子の関係でがっつりできちゃう(というか受けさんには最初からその気があって、惚れたオヤジの娘と結婚→死別って、あんた女の立場をなんだと……)。シリアスなんだかコメディなんだか判別としない。「息子さんを僕にください」って挨拶はありなのか? 鹿乃さんのチャレンジ精神、おそるべし! なまじ絵がゴージャスなのでごまかされてしまうけど、本物のオヤジを知ってしまうと、こんな話は地球圏外SFより遠い話だとわかる。やっと画像のサイズ変えて貼り付ける方法を学んだので(遅っ!)貼ってみる。冬毛の家猫。
2007.03.13
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風呂本1冊目。バリバリのヒゲリーマン(企画営業)×夜はストリートライブやっている理系白衣青年(開発部)。最初はどっちもノンケで女たらし、でも別にヘテロであることへのこだわりがないという設定。受けさんが性格悪くて、関係長続きしないところを攻めが女を捨ててまでかまって更生させていく。男同士であることに慣れなくて、それでもポジティブシンキングにセックスを楽しもうとする攻めさんと、さんざん抱かれた挙句に「げー男のにおいがする~」とかいっちゃう受けさんがちょっとツボ。この二人はきっと、お互いの相手以外の男はだめだろう。心はノンケのままだから。でも世の中の男がこんなに簡単に男オッケーになっちゃったら、BLなんていらなくなるだろうに。挿絵でおなじみの作家さんだったけど、ストーリーがわかりにくいかなあ。
2007.03.13
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市ケ谷での午前中からの仕事が昼前に終わったので、九段の「さくらさくら」でのランチを目論んで、靖国通りをてけてけ歩いて移動。朝晩はまだちょっと寒いけど、昼はもうジャケットとストールだけでも平気になってきた。「さくらさくら」はお花見シーズンになるとまず席がとれないので、今年は早めに行こうねと、実は明日の夜も予約を入れてあるのだったが。数年前に友人に教えてもらったこの和のお店は、代々木公園の洋の店(あはは~未だに店名がわからないよ......)と並んで、吟味した野菜を食べさせてくれる店だと思う。友人の中では「割烹」らしいが、私の中では「魚と野菜の店」だ。もちろんお造りも天ぷらも煮物もおいしいんだけど、普段、慢性的に野菜不足な食生活なので、ここで食事をすると血管がフラボノイドで満たされるような気分になって元気になる。お料理に合わせた器もサービスも、高級すぎずカジュアル過ぎず、CP高いと思う。酒飲みのオヤジや男の子には量が物足りないらしいけど、女同士で妄想話をするにはちょうどいい店(カウンターではできないな……)。なにしろ男ばっかり6人という布陣がおいしい(えっ?)。和のお気に入りの店は恵比寿と目白にもあるけど、いずれもサービスするのは女性だからなあ。白衣にネクタイは研究職だけでなく板前だってデフォルトだぞ~。その後、例年より開花が早いらしい桜を観察するため、通り道の靖国神社と千鳥ケ淵で道草。靖国神社の標準木は先客がいて近づけなかったけど、千鳥ケ淵の桜は、もう黄緑色の新芽がパンパンに膨らんで、もうじき桜色に色づきそうだ。ソメイヨシノが不思議なのは、花穂だけでなく、花穂のついた枝全体がなんだかほんのり赤っぽくなることだ。開花寸前の、枝全体がピンクの霞みで覆われたように全体が色づき、蕾の重みで枝がたゆんでいる姿が好きだ。1番好きなのは枝垂れだけど。そういえば去年は青山墓地でお花見をしたのだった。墓石の前でおしゃれにシャンパン飲みながら宴会しているガイジンさんが多いのにたまげたっけ。今年はどこへ行こうかのう。
2007.03.12
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幻想小曲集の4番がなんとか形になってきたので、調子にのって6番をさらっていたら、中間部のあの3度のストレッタはジャズっぽいことに気が付いた。だって体が勝手にスウィングする! そういえば昔、ポゴレリッチの弾くシューマンの「トッカータ」(誰も言わないけどこれは歴史に残る名演だぞ)を初めて聴いた時にも、中間部のシンコペーションの進行がまるきりジャズに聴こえてきて、困ったことがある。だって「ジャズは19世紀にアフリカからつれてこられた奴隷がアメリカ大陸に渡って~」云々という常識はどうしたんだ? そんなことがあるわけがないと思うわけ。でも、この6番もトッカータと同じようにデジャビュった。この進行形はジャズでない? シューマンなのに。もちろんリズムパートはないんだけど、ロマン派の語法ではない。昔から、シューマンの速いリズミカルな曲には、なんだかロマン派じゃないような違和感を感じていたんだけど、それが何なのかわからなかった。作曲法や和声学の専門家から見たら無論ジャズなんかじゃないよ、と言われるんだろうけど、少なくともこの時代のヨーロッパにはないものだよね。1歳違いでしかないのに、これがリストだったら一足飛びに現代曲に聴こえるというのはありうると思うんだ。「巡礼の旅」なんてもう和声も形式もぐちゃぐちゃだし。旋律的な曲書く作曲家だから、ジャズにはならないけど。でもシューマンなんだよ。あの美しい歌曲を書いた人の曲とは思えない。ライン川投身自殺未遂起こしたりしていたし、晩年頭がおかしくなっちゃっていたから、未来から怪しい電波でも届いていたんだろうか(笑)。シューマン、やっぱり時々ショパンより天才(ギリギリ紙一重だが)だと思うことがあるなあ。ショパンは弾きにくいことはあっても、予想を裏切る展開はないし、どこまでいってもショパンでしかないけど、シューマンは駄作と駄作の間に、こういうとんでもない曲が紛れ込んでいる。侮りがたし!で、ショパンなんだが。早くも挫折ムードいっぱいのOp.25-5。自分で弾いていて、あまりのたどたどしさに涙が出る。この曲、同じ作品25の3番と対になっているんだな。語法がそっくりだ。3番は両手で同じモチーフ(しかも左右で反行音型)だから5番よりはずっと難しいけど。とりあえず先に、大好きなPiu Lentoの部分をさらう。メトロノーム60から始めて、完全に音を指にトレースさせる。いろいろ複雑な要求をされる部分で、1)いかに脱力できるか、2)指の長さが違うため鍵盤への打鍵角度が異なる複数の指を、いかに同時に同じ重さで打鍵させるか、3)鍵盤上の手の水平移動を肘を動かさずにいかに肩の水平移動だけで自然に行えるか、あたりが課題だ。特に2)が難しい。たかだか2-5指を6度の和音でスライドさせるだけなのに、鍵盤上の打鍵位置も、指と鍵盤までの距離(打鍵スピード)も違う。これ、どういう練習すればバランス良く響くかな。ゆっくり弾くと、余計にその粗さが目立っていやになる。で、3連符の装飾音が1音増えて、16符音符になるところはもうお手上げ。まずしっかり進行パターンを指に覚えこませないと無理だ~。でもこのキラキラした響きはいかにもショパンらしい。自分が勝手に「星屑」と呼んでいるスケルツォの3番の両手の3度アルペジオ下行進行の部分とよく似ている。すごくきれいなところなのに……なめらかに弾けないよ。ぐすん。Vivace……ここなくてもいいよ。難しい。嫌い。画像がなにもないので、ネットで拾った「死のワルツ」。一応ピアノ曲なんだな、これ。どうやって弾くかは謎だ
2007.03.12
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身内を仕事で安く使おうと、「夕飯おごるから、出てきなさいよ~」と従兄弟に甘く囁く。「ごちそうするならリーズナブルでおいしいから七條だよね♪」と思って予約の電話を入れたら、日曜は休みだったのね。ショック……。仕方がないので銀座3丁目の響で飯を食べさせる。ここの「あさりの酒蒸しショー」は何度見ても笑える。クレープシュゼットのようにテーブルサイドで調理されるパフォーマンス。これ見せるだけで若い子は陥落する(笑)。あさりなのに(爆)。今回は「天皇献上トマト」とかいう、またへんてこなものがあったよ。外さないな、響! はったりかますには絶好の店!先月、本を出したからと20年ぶりに連絡してきた彼の記憶では、私は「まんがのおねえちゃん」だったらしい。あんなにピアノも弾いて聴かせたし、小学館の図鑑シリーズもあげたのに、まんが読んだことしか記憶に残っていないのね。むかつく。でもきょうだいのいない自分にとっては、年の離れた弟みたいなものだからなあ。ペットの一人に加えることにしよう。特技は手品だ。って、本業だし。これで6月号からの連載はもらったぞ!
2007.03.11
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『ハードボイルドに触れるな』榎田尤利榎田さんの本は久々に読む。……あああ~またやっちゃったよ。シリーズを逆から読んでしまった。通巻ものでない場合、タイトル違うと別の話だと思って読むから、「なんでこんなにキャラの相関関係が説明不足なんだ」とか不審に思って、その後に、読んだその本がシリーズ完結編だったことを知る。もう何人失敗しているんだっ! ちゃんと調べてから読もうキャンペーンを張らねば。羽根くんシリーズは3カ月前に『ロマンス作家は騙される』を読んでいた。この主人公の優柔不断さは、すでに最初の一冊から筋金入りなのだな。で、「ロマンス~」のラストがありえない3Pだったので、こんな話やだ~と思っていたけど、最初に書かれたこの本を読むと、とりあえず主人公は置物なんだということがわかる。まぐろちゃん。攻め二人のほうがパワーもオーラも強すぎて、いいように扱われている。だったらああいうラストもありえるかもと思った。ほかにもずっと男性だと思って読んでいた妹と、その恋人のけなげなはっちゃけ障害者とか(手っ取り早く♀×♀のカップル出してくるあたり策士だな、榎田さん)、周囲のキャラが強烈すぎて、主人公はモノローグでしか主張できない。素直でいい子なんだけどなあ、羽根くん。どうにも女々しくて耐えられない。これが性別受けというものだろうか? このシリーズのテーマは「メリハリ」だな。強・弱、明・暗、動・静という対照的なコンビネーションがうまくストーリーに落とし込まれている。主人公の性格と書いている小説の対比、攻め2人と主人公の性格の対比、主人公と妹の対比、攻め二人の受けへのアプローチの対比etc……。なりゆきではなくて、ちゃんと設計図のある小説を書ける人だというのはわかった>榎田さん。……でも子供の頃のDV話はちょっと説明過多。せっかくの軽い楽しい読み物がさ、その一点だけで二人の兄妹を同情の対象としてみてしまう。こんな性格になった理由の説明は必要だけど、あんなにまじめに書かなくてもよかったかも。キャラ的には猫キチの怪しい整体師がマンガちっくでいい味出している。ツボ押しやら鍼やら、作家さん自身の体験も生きている模様。居職はつらいものね~。でもあんた、ただのストーカーですから。
2007.03.11
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大正デモクラシーの時代に、余りある親の財力でソルボンヌに留学した山田珠樹とその妻・茉莉。無論、鴎外の長女の森茉莉のことである。晩年の「ゴミに埋もれて夢見る永遠の乙女」ぶりばかりが強調されるが、そんな彼女の素地を形成したのが、このパリ時代だというのは疑いようもない。16歳で結婚し子をなしても自分では育てず、その子を日本において渡欧。18歳の若妻は自分が子の親であることなどきれいさっぱり忘れて、毎日カルチェラタンで夢のような生活を送る。フランス語の家庭教師にピアノの個人教授。そして毎夜の遊行。レオニード・マシーンやニジンスキーとの交流。わずか1年のパリで「パリジェンヌ」となった茉莉は、その記憶を遺産として、孤独な老後を食いつなぐこととなる。多感だったころ、むさぼるように読んだ森茉莉のエッセイや小説も、自分が齢を重ねることでまた違った読み方ができる。3日前にドイツの貴腐ワインを飲んでいて、唐突に「彼女は何を飲んでいたんだ?」と疑問が沸いた。で、全集をひっぱりだしてワインについて言及している箇所を探し出す。「パリの降誕祭」というエッセーにはシャトー・イキェム、シャトー・ラフィットの名が、単行本未収録で全集のみに収められた「葡萄酒」というエッセーには、上の二つに加えてサンテミリョンが登場する。いずれも、いまや高級ワインとして名の知れたシャトーのワインだ。イキェムは一般にシャトー・デュケムと呼んでいる貴腐ワイン。貴腐がつくられる年代は限定される上、ぶどうの木1本からグラス1杯分しかできないといわれるほど濃厚なデザートワイン。こんなものが当時は簡単に手に入ったのだろうか。ラフィットロートシルトはムートン・ロートシルトよりは手軽だが、それにしてもヴィンテージ・イヤーなら新しいものでも日本では3万~5万が相場だろう。ソムリエ常駐しているフレンチ行ったら10万だな。サンテミリオンは自分がワインに凝り始めた頃はまだ安かったけど、どこかの誰かが「ロマネコンティと同じ土壌」とバラしたおかげで、10年ほど前から高騰した。でもこの3種のなかではもっとも庶民的なワインで、自分も比較的飲むチャンスは多い。一般のイギリス人がふだんは100パック1ポンドぐらいの安いティーバッグを飲んでいるの同様、フランス人が日常口にするワインなんて、AOCどころか名もないヴァン・ド・ペイがほとんどだ。日本でいったら2・5Lハンドル付きペットボトルの焼酎ですな。あ、でも80年前なら格付けだってなかっただろうし、世界中に輸出して過大評価されることもなく、ラフィットもヴァン・ド・ターブル並みに飲めたのかな。茉莉のエッセイでは、飲みにくい重いヴァンルージュ水で割って飲んでいるという記述も出てくる。なのに、山田珠樹や辰野隆、矢田部達郎たちは、贅沢な名シャトーのワインを親の金で飲んでいたんだな。なんかムカつく。まあ、帰国後の成功を保障されている彼らにとっては、フランスのすべてを自分の血肉とする必然性があったのはわかるよ。しかし、たかだか18の小娘でしかない森茉莉が、味もわからず飲んでいたかと思うと、なんか悔しい。昔は憧れていた「森茉莉」という人間が、今は欠点だらけのおバカな世間知らずのお嬢ちゃんにしか思えない。代わりに、今は森茉莉の言葉でしかその人となりをうかがい知ることのできない山田珠樹のやるせなさがわかるようになった。三田の珠樹の実家で暮らしていた頃は、大家族の中でお人形でいられた茉莉も、パリではどう贔屓目に見てもお荷物でしかない。自分の妻が「言葉の通じない血統証付きの動物」だと知ったときの夫の心中たるや察するに余りある。
2007.03.11
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そろそろ春野菜のてんぷらで、おいしいそばが食べたいなあとつらつら考えながら歯医者に通う。家の近所にはほそ川、京金というそばの名店が2店あって、いずれも土曜などは長蛇の行列なので、敢えて近づかない。でも山菜のてんぷら~と考えはじめたら、いてもたってもいられない。そういえば毎週土曜に通っている小滝橋近くの歯科の近所にもおいしいそば屋があったと思って、今日、昼過ぎに治療終わって小滝橋から神田川過ぎたあたりを探すと、ありましたよ「薫屋」。そして「春野菜天ぷら盛りあわせ」がメニューに。やった~!うど、こごみ、タラの芽、野芹、ふきのとう、ぜんまい、菜の花、こしあぶら。それにせいろ中盛りで2250円也。こんな半端な立地で、内装とか器にこだわりなさそうな店にしてはちょっとお高いかな。ああでもお~、山うどいい香り~はふはふ。ふきのとう苦い~うまうま。こしあぶら春の味~しょりしょり。満足じゃ~。山菜はやっぱり粗塩で食すのがいいよねえ。……京金だったら、抹茶塩かゆず塩が出るんだけどな。ま、これは好みだし。それにしても芹とか、あんな細いもの、よく揚げられるなあ。天ぷらは高級店の揚げ方ではない、庶民的な仕上がりで、そばは更級系の上品な細切り。アクの強い山菜天ぷらに合わせるには、ちょっと弱い感じがする。でもしっかりコシと艶があって、美味しい蕎麦だったな。時期的に香りが立つような仕上がりではなかったけど、代わりに山菜の香りが立っていたからよしとする。ところで、薫屋はまだ若そうな二人だけで切り盛りする小さなお店だったけど、あのご店主は果たして女性? じゃないよね。声は男性だったけど、ひっつめお団子のヘアスタイルにうりざね顔は、まるで女性のようだ。体もいかにも蒲柳の質っぽい。どきどき。←考えすぎだっちゅうの。
2007.03.10
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『僕にだって言い分がある』山田ユギ山田ユギさんは長編がツボだったんだけど、ふと未読ダンボールを覗いたら、まだ読んでいない本が9冊もあった……。今月は小説強化月間にしようと思って、やっと木原さんを読み終わって榎田さんに手を出したら全然進まないので、面倒くさくなってマンガに浮気じゃ。軽~く読める楽しいお話だった。しかも東北弁。似合わないなあ、BLに東北弁(笑)。いや、途中で東京来ちゃって標準語になっちゃうんだけどさ。その濁音だらけの吹き出しが全然ひっかからずにすんなり読めたので、「もしや伊達藩?」と思ったら、どんぴしゃ宮城弁だった。でも住んでいるエリアは仙台よりもっと田舎だな。宮城じゃしいたけ栽培はちょっと寒すぎてできない気がするけどなあ。原木じゃなくて菌床栽培なのかな。全然出てこなかったけど(笑)。ストーリーは予定調和的なんだけど、5回連続の流れがとても自然だし、ちょっとしたキャラの反応がかわいかったり、意外だったりで、小さな萌えがあちこちにあった。家族の愛があって、同性への切ない思いがあって、純情ボーイの筆おろしがあるという、いつものユギさん節炸裂の一冊。こういう軽いのはいいなあ。でも、一番強烈なキャラクターが祖父母っていうのはどうかと思う。はじけすぎだよ。あと今時の青少年は自分のこと「僕」とは言わないと思う。……あ。この本、2冊持っている……。がーん。
2007.03.10
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昨夜はサラダときのこソテーの軽い夕食(とワイン3杯。禁酒の誓いはどこへ……)のあと、爪切ってピアノに向かう。朝、出掛けに20分弾いた時、なんかシューマンが弾けた気がしたので、ちょっと期待して幻想小曲集の4番から弾き始める。あ、やっと指に馴染んできた。しっくりくる。5音オクターブの和音は相変わらず力が入らないけど、ロンド形式とわかった途端に「おそるるに足りず!」とか変に自信ついちゃったよ。Cのコラール部分も、今日ずっと仕事中頭のなかで響いていたので、違和感なく弾けるようになっていた。やっぱり繰り返し繰り返し、弾いて聞いて、鳴らして響かせないとだめなんだな。調子に乗って5番、6番も流してみる。うううシューマンの左手はストライド大きいからすんなりとは初見できないけど、右だけでも曲の感じはつかめる。6番の中間部、3度のアルペジオがカノン風にずれて弾かれるところが好きだ~!こういうところを諧謔的に弾けるとさまになるんだけどな。シューマンだからバラードみたいに物語があるんだろうし。なんだか4番は2回で上がるような気がしてきたから、ずるずる長い「夜に」は飛ばして、次は6番を弾かせてもらおう。で、シューマンの音型が指になじんだところで、さらに調子に乗って、先生が弾かせたがっている「幻想曲」も通して弾いてみる。1楽章は速いのですんなりとはいかないけど、エモーショナルなところとか、緩急のバランスの妙とか、なんとなくわかってきた。主題提示部だけでなくて、いままでスルーしてきた推移部もなんか弾けそうな気分。細かくて速いパッセージが苦手で、ろくに向き合ってこなかったので、いわゆるシューマン的な語法の半分は全滅だったけど、なんとかなるかもしれないな。自分に足りないのは慎重さと正確さだ。それにしても井口版はバーナンバーついてなくて使いにくいなあ。シューマンの輸入版はどこのがいいんだろう。ペータース版かな? どうせショパンの作品25のコルトー版買いにいかないといけないから、来週あたりヤマハ行って十数年ぶりにシューマンの楽譜も探してこよう。何版でもいいけど、バーナンバーと強弱記号のついているやつ。2楽章はスルーして大好きな3楽章。いいなあこの曲。6度の協和音がだんだんゆらいでいく感じに、もううっとり。ロマンティックの極致! 好きだ~。幻想曲、この楽章だけでもいいなあ。コンクールでこんなゆるい曲弾いちゃだめなのかな。シューマンの様式が身につくと、なんとなくショパンが弾きにくい。なぜだ。
2007.03.10
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