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2009.02.11
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カテゴリ: 映画/青春

「最後の試合で神様の声聞きました。“お前にはこれしかない”そう言ったんです。」

地味だが、地に足の着いた作品・・・それが本作の感想である。
若さだけを全面に打ち出してエネルギッシュに表現する作品もあるが、地道にコツコツ、無理せず、日に一度の神様への感謝を捧げ・・・のような青春映画があっても良いと思う。
漲るパワーとほとばしる汗なんて、所詮映画に求められていないことをこの監督はよく心得ている。
そういう熱いものは、スポーツ観戦をライブで見れば満たされるのだから、映画ではもっと違った形で表現世界の扉を開けねばならないのだ。
周防正行監督は、立教大学文学部仏文科を卒業しておられるためか、ロケは立教大学のキャンパスが使用されたらしい。
ユニークなのは、実際にある大学の名前をもじった架空の大学の名前で、たとえば次ようなものが登場する。
立教大学→教立大学

東北学院大学→北東学院大学
などである。(笑)

教立大学4年生の山本秋平は、すでに就職先も決まっていたが、フランス語の単位が取得できそうになかった。
フランス語の先生であり相撲部の顧問である穴山は、相撲大会に参加することで秋平に単位を与えるという駆引きを持ちかける。
廃部寸前の相撲部には、現在、青木という8年生の部員しかおらず、大会に出るためにはまず頭数を揃える必要があったのだ。

ストーリーとしては、廃部寸前の相撲部に新しい風を吹き入れた爽やかな青春ドラマに仕上がっているが、何と言ってもおもしろいのは一人一人の豊かな個性であろう。
キャラの違いを認め、受け入れた中にある友情、仲間としての絆、それでいてギトギトした嘘くさいものを感じさせない絶妙な距離間、さらにはところどころツボを押さえた笑い。
良い意味で計算し尽された青春映画は、正に周防監督のストライクゾーンかもしれない。

後味の良い、スッキリとした甘さの映画であった。

1992年公開
【監督】周防正行


また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2009.02.11 08:02:37 コメントを書く
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