吟遊映人 【創作室 Y】

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2011.01.09
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「(私は)正しい選択を促せたと思います。少なくとも今回は」
「そうか」
「・・・そう信じています」

これだけ情報量の溢れた社会になると、同じ恐怖感を植えつけるにしても、ソンビやモンスターでは驚かなくなって来ているのだろう。
唯一絶対の神を信じているお国柄でも、いかにも人間サマが作りましたと言わんばかりのお伽話には、限界を感じ始めたということか。
そこで最近の主流と言ったら、人間の作り出したハイテクが一人歩きを始め、やがて人間の支配下から独立して意思を持ったコンピューターが出現する、というものだ。
この発想はあながちありえなくもないだろう。
リアリティの面から言ったら、墓場から死体が生き返る恐怖より、コンピューターによって世界が支配されるという方が、より身近なものに感じられるからだ。


ビジネスでタイのホテルに滞在中、マックス宛にケータイが送られて来た。
そのケータイには、送信者の分からない相手から、度々メールが届いた。
内容は、ホテルの宿泊費半額キャンペーン情報に始まり、株の儲け話に至るまで、マックスには思いがけずもラッキーな話題ばかりであった。
そんな中、カジノで、ケータイに届くメールの指示通りにチップをかけていたところ、やっぱり大儲け。
イカサマではないかと警備員のジョンに目を付けられる。
一方で、やはりそのケータイを手にしたマックスを、FBIのグラントが追跡しているのだった。

作中には、追って追われてのカーチェイスシーンもあり、それなりにアクションとしておもしろい演出になっている。
出演している役者陣は、正直な話、一流どころではないかもしれないが、自然な演技で充分観るに耐える。
「エネミーオブUSA」は、作品としてどうしても二番煎じ的なところが目立ってしまい、新しさに欠ける。
だが、映画という娯楽が自然と現代の有り様を反映する代物だとしたら、本作を鑑賞することで、アメリカの大衆が何を危惧しているのかがよく分かるだろう。
徹底した娯楽を追求するアメリカ人が、観客に身近な恐怖を与えるために扱ったテーマが、“ハイテクノロジーの危険性”であるというのは、なんとも社会性を帯びているではないか。

20110110b

2009年(米)公開 ※日本では劇場未公開
【監督】グレッグ・マルクス
【出演】ジェーン・ウェスト、エドワード・バーンズ

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^





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最終更新日  2011.01.09 08:18:20 コメントを書く
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