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2011.10.05
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この作品は、冤罪事件を扱ったものだが、その根底には暗に白人至上主義を糾弾する意味合いも感じられる。
様々な人種が混在する中で、まだまだ人種差別の越えられない壁があることを訴えている。
さすがはクリント・イーストウッドだと思うのは、そういう社会風潮の批判を前面に押し出すことを回避し、どちらかと言えば、主人公のエベレットがなんとか無実の死刑囚の死刑執行を止めさせるまでに奔走する、時間との戦いの方に重点を置いていることだ。
20111005b
そのおかげで陰気で暗い作風にならず、冷静で客観的な作品に仕上げられている。
もちろん、そこにはハラハラさせられるストーリーの山場も存在し、充分に計算された構成の素晴らしさも感じられる。

カリフォルニア州オークランドに本社のある、トリビューン誌の新米記者ミシェルは、死刑執行の確定したフランクの立会人として出席することになっていた。
ところが土砂降り雨の夜、車の運転を誤り、即死。
代わりに引き継ぐことになったのは、ベテラン記者であるエベレット。

上司の妻にまで手を出す女グセの悪さで、記者生命を危うくさせている始末だった。
そんな中、死刑囚であるフランクの事件を洗い直してみると、現場の物的証拠と目撃者の証言に大きな誤りがあることを発見してしまう。
エベレットは、フランクが無罪であることを確信するのだった。
20111005c

全体を通してすばらしい出来映えなのだが、一つ難をつけるとすれば、やはりクリント・イーストウッドのキャラクター設定であろうか。
これまで硬派な役柄が多かったせいか、女性にだらしないキャラは、多少違和感を感じさせる。
20111005d
白人、東洋人を問わず、あの手この手の口説き文句で女性に語りかけるが、長きに渡って演じて来たハリー・キャラハンのイメージが強いせいか、ハード・ボイルド路線からはなかなか変更できない固定キャラが存在してしまう。
だがそうは言っても、クリント・イーストウッドの存在感たっぷりの代わりの利かない演技力は、終始一貫輝いていた。
20111005e

1999年公開
【監督】クリント・イーストウッド
【出演】クリント・イーストウッド、イザイア・ワシントン

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。





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最終更新日  2011.10.05 08:44:12 コメントを書く
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