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2013.05.28
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カテゴリ: ほめ言葉
あなたのものは大変大変面白いと思います。
20130528

【ほめられた:芥川龍之介 ほめた:夏目漱石】

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『ほめ言葉大事典』著者の清水義範氏は言う。

ほめられれば、人は成長し、子供はよい子になり、奥さんは優しくなる。

わかっているのだが、でも人をほめるのは難しいのだ。

人をほめるというのは、プラスのエネルギーがいることである。ほめるよりけなすほうが絶対に楽だ。

ほめるには実際の行動がともなう。しかも我慢や無理を強いられるというわけだ。
でも、人が成長し、子供がよい子になり、奥さんが優しくなるならおおいにほめようではあるまいか(^o^)

~~~~~~~~

芥川龍之介の『鼻』を読んだ夏目漱石は、こうしたため手紙を送ったそうだ。

『あなたのものは大変大変面白いと思います。』

芥川と夏目、野球で言ったら高校球児と松井秀喜、サッカーで言ったら高校イレブンと香川真司といったところか。

芥川にとって夏目は、それくらいの人であった。

「上品な趣があります」
「文章が要領を得て能く整つてゐます」

手紙が一部であり、また読みにくいので文献を紐解いてみた。
すると手紙にはさらに漱石のほめ言が羅列されており、さながらほめ言葉のデパートといったところなのだ。
漱石の社交家ぶりを垣間見るようで興味深い。

それにつけても芥川の狂喜乱舞を想像するに難くはない。
いの一番は菊池寛。
芥川は意気揚々と伝えたことであろう。

「おい君、菊池君。夏目先生から僕の『鼻』をほめる手紙をもらったよ!」
芥川は、ひと言ひと言かみしめるように漱石の手紙を読み上げた。
人のよい菊池は、友人の武勇を目の当たりにして、感涙にむせんだことであろう。
さめざめと泣いた後で、芥川の手をとりこう言うのだ。


文学の本道を目指す芥川と、ビジネスに道を見出しつつある菊池の、根本的なずれを想像するのは楽しい。

それにしても、夏目漱石はほめ上手なのである。
夏目門弟から一角の人物が多出した所以であろう。
人はほめるべし。おおいにほめるべし(^^)そういうことなのだ。

ほめられれば、人は成長し、子供はよい子になり、奥さんは優しくなる。

ときに先日の話。

試合に興味がなかったわけではない。
解説者に閉口したのだ。
いわく「ここがダメ」「あそこがダメ」
選手のマイナス面ばかりを語るのだ。
とどめは「だから勝てない」
まことにもって興醒めした。
(※参考まで、私はどちらのチームを応援しているわけでもない。)

解説者には選手を貶すつもりはないであろうが、貶していると感じた人もあったであろう。
ほめ言葉と反対に貶し言葉は聞き苦しい。
ほめられ、のせられ努力を重ねる人はあろうが、貶されて発奮する人は少ないはずだ。
やはり人を育てるにはほめるに限る、おおいにそう思った。

20130124aisatsu





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最終更新日  2013.05.28 06:29:06
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