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2014.05.14
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カテゴリ: 映画/アクション
【ブリット】
20130512

「あなたって人が分からなくなったわ。あなたには何か本当に心を動かす事があるの? もうすべてに麻痺したの? こんな酷い生活が毎日よくできるわね!」
「生活の半分はそうだ。仕事だからな」
「見ている私がたまらないわ! 酷さでいっぱい! あなたの生活と言ったら暴力と死よ。あなたはすべてに無感覚になったのよ・・・私とは遠い世界ね」


何ぶん古い作品なので、名作なのは知っていたが、なかなか食指が動かなかった。そんな中、ストレス性の神経症に罹ってしまった友人から電話があり、「何か映画の話をして欲しい」と言うので、「いつものネタバレでいいの?」と訊くと、「それでいい」と言うので、『ダイ・ハード』につてい全てしゃべり尽くしてやった。
DVDを見る手間が省けるとは言っても、所詮、私の「それからジョンが怒ってワーッとわめき散らしてテロリストがガンガン撃って来て・・・」というネタバレ解説じゃ面白さが半減してしまうので、いっそのことDVDを貸してあげるよと言ったところ、見るのが面倒とのこと。
結局、私の解説で『ダイ・ハード』って面白い! と、友人が喜んでくれて(私のネタバレ解説で映画を見た気分になったようだ)、スティーブ・マックイーンの『ブリット』を思い出すと言い出した。
前置きが長くなってしまったが、そこでやっと私も『ブリット』とやらを見てみようという気持ちになったわけだ。
実際、見てみると『ブリット』のアクションは主にカーアクションで、それこそが見どころとなっている。おそらく友人は、私のネタバレ映画解説を耳で聴きながら、この格好良い『ブリット』のカー・アクションに置き換えて想像していたに違いない。

舞台はサンフランシスコ。ある日、サンフランシスコ市警のブリット警部補は、チャルマース上院議員から呼び出される。
それは、ジョニー・ロスというマフィアの一員で、200万ドルを横領し、暗殺者から命を狙われている者の保護を依頼するものだった。
というのも、チャルマースがロスに、裁判所の証言台に立ってくれることを条件に、その身柄を保護するという取り引きをしてのことだった。
ブリットは、自分が指名されたことを不審に思いながらも、ロスの宿泊するホテルに他の刑事らと共に交代で張り込みをする。

重傷を負った部下のスタントン刑事からロスの不審な行動を知らされ、ブリットは疑問を抱く。
病院で手を尽くしたものの、ロスは絶命する。だがブリットは、まだロスが生きていると見せかけ、背後にある巨大なからくりを暴くため、捜査し始めるのだった。

スティーブ・マックイーンのムダのない演技に思わず惚れ惚れする。とにかくスタイリッシュでクールなのだ。
しかも、カーチェイスではスタントマンを使わず、スティーブ・マックイーン本人があの危険なドライブ・テクニックを披露してくれる。
途中、黄色のポルシェに乗ってブリットが登場。スティーブ・マックイーンが乗っていると、なんだか普段は縁のない黄色というカラーが、優雅で華麗に見えるから不思議だ。私もできることなら、こんなふうに近所のファミレスまで(作中では、ブリットが恋人の運転でファミレスに出かけるシーンがある)、ポルシェで出かけてみたいものだ(笑)
監督はピーター・イェーツで、元レーサーという経歴の持ち主。当時、スティーブ・マックイーンのハイレベルの運転技術を引き出し、映画史上に残る名作に仕上げた監督でもある。
一方、スティーブ・マックイーンは50歳という若さで病没しており、残念でならない。

これだけデジタルが普及した今見ても、このアナログの世界観は色褪せず、見事な出来映えだ。
未見の方はぜひともご覧いただきたい。必見の逸品だ。

1968年公開
【監督】ピーター・イェーツ


20130124aisatsu





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最終更新日  2014.05.14 06:04:20
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