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2015.02.21
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カテゴリ: 読書案内
【石田衣良/夜の桃】
20150221

◆肉欲は愛情よりも濃し
図書館で4~5冊借りて来ては読書するのが習慣となっているが、それらのどれもが感銘を受けるほどの格調高い作品とは限らない。
中には、公立図書館所蔵とは思えないものもある。
今回借りて来た『夜の桃』は、作者が石田衣良で、これまでこの作家の本は未読だったので、たまには読んでみようかと思って手に取った一冊なのだ。
カテゴリは恋愛小説として振り分けて問題ない、と思う。
しかし、新潮に連載していた作品とのことでちょっと驚いている。
この手の小説は、どちらかと言うと“週刊現代”とか“オール読物”的な誌面に喜ばれそうだからだ。

石田衣良は、成蹊大学経済学部卒で、代表作に『4TEEN』などがある。
その知名度もさることながら、直木賞作家であるのは周知のとおり。
テレビのコメンテーターとしても活躍されているし、作家としても売れっ子だし、申しぶんないと言えばそうなのだが、、、

もしかしたら私の思いすごしかもしれないが、ちょっとだけ自国民を過小評価してはいないだろうか?

「ボクは日本人が持つ正義のスイッチって恐ろしいと思う。日本人が正義を人に押し付けるときの厚かましさや考えの至らなさは怖い。それこそこれだけ“思いやり”とか言ってる割には押し付けるときってどちらもまったく関係なくなってしまう。その強制力の強い感じがボクはイヤでたまらない」

話の前後をいくら読んでも、この言葉の真意を探るのは難しい。(早い話が島国民族としての全体主義に我慢ならないということなのか?)
余談になってしまい、恐縮。

『夜の桃』のあらすじはこうだ。
45歳の雅人は、広告代理店のマーケティング部に勤めていたが見切りをつけ、独立してネット広告のプロダクションを立ち上げ成功していた。
美人の妻とも上手くいっているが、子には恵まれなかった。
他に34歳でナイスバディの愛人もいる。
体の奥底からわき上がる欲望は果てしなく、同世代の疲れた男たちとは比較にならない強靭な肉欲を誇っていた。
そんな中、雅人の事務所ではもう一人社員を増やそうとしていた。
面接にやって来たのは25歳の初々しい女性だった。

その後、機会があって食事をし、飲みながらお互いのことを話し合った。
結果、雅人はその新人にも手をつけ、深い関係となっていく。
雅人はこれまで何十人もの女性と関係を持って来たが、その女性との貪るような激しいものは初めてだった。
肌と肌との触れ合いだけで微弱な電流が流れ、快感が押し寄せるのだった。

どう言ったら良いのだろう?

少なくともひまつぶしにはなる。
病院の待合室に持ち込んで読んだら、長く待たされてのイライラ感からは解消されそうだ。
女性ならレディースコミックなどを好む方にはおすすめだ。
難解な表現もなく、とにかく肉欲を謳歌するシーンに事欠かない。
一歩間違えたらポ○ノ小説にすり替わってしまうかもしれない。
いや、直木賞作家に限ってそんなことはありえまい。
あくまで、恋愛小説の域にある作品だ、と思う。

『夜の桃』石田衣良・著


☆次回(読書案内No.158)は未定です、こうご期待♪


コチラ から
★吟遊映人『読書案内』 第2弾は コチラ から



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最終更新日  2015.02.21 07:24:13
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