吟遊映人 【創作室 Y】

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2023.07.01
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カテゴリ: 読書初心者



ここで言う〝無人島〟というのは、その名のイメージ通りで、未開の土地であり娯楽はなく、話す相手もいない。漂流物や自生の樹木で作ったほっ建て小屋に、孤独と闘いながら日々自給自足の生活を送るーーという過酷な環境の中、たまたま自分が所持していたバッグの中に、3冊だけ本が入っている。さて、あなたにとってその3冊とは何か? どんな本が思い描かれただろうか?
まぁそんな状況下でのんびり本なんか読んでいられないというのが現実だろうが、仮に、娯楽のない孤独な世界をイメージして欲しい。
果たして私はどんな3冊を思い浮かべるのだろう?
50を過ぎた今、もう恥も外聞も捨てたわけじゃないが、無人島には純文学モノとか哲学、思想系の小説なんか絶対に持っていかない。
どうせそんな過酷な環境の中、長生きは望めないだろう。つかの間のひと時を癒してくれたり、現実から逃避させてくれるようなお話を繰り返し読みたい。
そんな私が選ぶ本は、ラノベ(ライトノベルの略)である。私が学生時代の頃は、〝少女小説〟と呼ばれていたジャンルに相当すると思われるが、現在では若干違うかもしれない。
それでは私が無人島へ持って行くだろう3冊をご紹介したい。


①『楽園の略奪者』荷鴣・著 ソーニャ文庫


一方、ミースの人懐っこさと純粋さで、すっかり毒気を抜かれるヨナシュは、人違いと知った後もミースを殺さず、何かと世話を焼きつつ共に旅をする。
お互い、いつの間にか惹かれ合い、心を通わせ合うが、そんな2人の旅は決して許されるものではなかったのだ。

この作品はラノベとは思えないほど完成度が高く、ラストが素晴らしい! 物語の背景は重く、グロテスクなシーンもあるが、そんなことも気にならないぐらい物語は魅力的だ。16歳の小柄で細身の少女が、高身長でイケメンでめっぽう強い男性と繋がる閨のシーンは、そのギャップもさることながら官能的だし妖艶だしクセになる(?)そして何よりイラスト(挿し絵)が最高に素晴らしい‼︎
無人島に持って行きたくなる筆頭書なのだ。



②『黒騎士は敵国のワケあり王女を奪いたい』ふじさわさほ・著 ベリーズ文庫

荒くれ者達から襲われていた美しいフェリシティを助けた、一騎当千の強者騎士であるギルバート。しかしフェリシティは敵国の王女だった。フェリシティには様々な困難がまとわりつき、可憐で儚げでギルバートは放っておけない。しかもフェリシティにはすでに婚約者がいたが、政略的なもので、決して望んだものではなかった。
フェリシティは徐々にギルバートに惹かれていくが、ギルバートも同様で、フェリシティを愛さずにはいられなかったのだ。

この本の残念なのは、まず表紙のイラスト。内容と全く合っていないなぁと思うのは、私だけだろうか? さらにはタイトルも。まるで2時間ドラマの長いサブタイトルみたいだ。
だがそれらを差し引いても内容は感動的である。『アーサー王と円卓の騎士』を彷彿とさせるものだし、まるで英国文学を翻訳したような文体となっている。
乙女心を鷲掴みするような、愛と感動の作品なのだ。



③『獣人隊長の(仮)婚約事情 突然ですが、狼隊長の仮婚約者になりました』百門一新・著 一迅社文庫アイリス


ある時、獣人貴族のレオルドは、成長変化のため理性を失ってカティに発情してしまい噛みついてしまう。結果としてそれは獣人にとって求婚を示す痣を残してしまったので、慣例としてその痣が消えてなくなるまで仮婚約者になることが決まった。
成長変化の時期を終了し、冷静さを取り戻したレオルドは、カティのことを男の子だと勘違いし、自分が同性に求婚してしまったような形になったのを最初こそ後悔するが、なぜかカティのことが可愛く見えて仕方がない。
一方、カティは、狼獣人のレオルドの体格が大きく、いつも怒ったような表情をしているため、半ば恐怖感を隠せない。ところがしだいにレオルドがカティにお菓子をくれたりスキンシップを求めてくるため、少しずつ心を許していくようになる。

この作品は〝ザ・ファンタジー〟と言った方が伝わりやすいと思う。まず獣人という種族が存在しないリアルな今を生きる私にとって、とにかく面白かったとしか言いようがない。獣人族と人族が種族の垣根を超えて愛し合うストーリーは、LGBT問題に揺れる今の時代にピッタリなテキストかもしれない。(著者はあえてそんなことは考えもせず、素直に、ユニークで心がほっこりするような作品を届けたいとペンを取ったに違いない)
様々な動物や生き物に遭遇する無人島に持って行ったら、きっとつかの間の癒しになるのではと、この本を選んでみた。




ここからは筆頭管理人が選んだ〝無人島へ持って行きたい本〟である。
では、どうぞ〜

◆筆頭管理人記す
でも、無人島に三冊を持って行っても読むかどうかは別問題ですよねぇ・・・(^_^;)
きっと、


そも、この課題は吟遊さんがあまりに暇そうで、『小人閑居して不善を為す』となりそうだったもので、「つまらないことをする前にひとつ助言をしてやろう!」と提案したわけで、まさかこちらに飛び火するとは思ってもみなかった(-_-;)

まあ、私も聞かれればお答えしますが、そうは言っても当方すでに前期高齢者の仲間入りを控えて、吟遊さんより先が少ないぶん、無人島に行っても三冊は必要はないわけですよ。ということで私は一冊で十分(^_-)v
そして(^o^)/
その一冊と言えばこれしかありません!!

中村元著 ​ブッダのことば(スッタニパータ)​

仏教をこれほど明確に定義した言葉は他にはあるでしょうか。「どのように生きたらいいのか」それを追求したら無人島でもきっと人間らしく充実した時を過ごせることでしょう。
余談まで、私はこの座右本を書籍とkindleの両方で所有するものです。無人島でも使えるようにダウンロードしてあるので、その折は両方持参したいと思います(*^_^*)
でも・・・
問題は充電か(>_<)


20130124aisatsu



コチラ から
★吟遊映人『読書案内』 第2弾(100~199)は コチラ から
★吟遊映人『読書案内』 第3弾(200~ )は コチラ から





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最終更新日  2023.07.01 08:00:16
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