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2026.07.23
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エドワード・ヤン「海辺の一日」シネリーブル神戸 1980年代半ばころから2010年代くらいの間 に評判になった映画は見ようというのが、徘徊老人の目論見です。今でも、若い人たちにとってはそうだと思いますが、30代、40代、働いていた財布には映画は高くて見る余裕がありませんでした。60代を過ぎて、シニアとかいうんですけど、老人割引になって他の娯楽に全く興味がないこともあって、映画館徘徊が生活化しているのですが、まあ、そんな老人には 「台湾の名匠」 とか呼ばれている 監督 1983年デビュー作 というチラシを見ると​
「ヨシ!出かけよう!」
​ですね。
 今年の始めに、 2007年 に亡くなった 監督エドワード・ヤン の遺作であるらしい 「ヤンヤン夏の思い出」 という作品に感心したこともあってとび付きました。
 見たのは エドワード・ヤン監督 「海辺の一日」 です。​
疲れました(笑)。 
 愛し合い、勇気を奮って一緒になったはずの二人が、どうしても一つになれないという結末を女性の視点から描いた作品といえばいいのでしょうか。
 夫の行方を失ってしまった 「海辺の一日」の記憶 を、かつて、 兄の恋人 であり、憧れていた ピアニスト、 ウェイチン(フー・インモン) との十数年ぶりの再会を機に語る ジャーリィ―(シルビア・チャン) 哀切極まりない表情の変化 から目が離せない 150分余 りでしたが、正直、疲れました。
40年前 、だから、 主人公の女性 と、ほぼ、同世代だったボクがこの作品を見ていたとすれば、どう感じたのだろう。浮かんできたのはそんな問いかけでした。おそらく、 一人の女性の記憶 に沿って徹底的に問いただされていく、同世代の男女の 「夫婦」 とか 「家庭」 とかいう制度に対する 鋭い批評的作品 として、恐らく、躊躇なく 拍手! していたと思うのです。 で、なぜ、今、ボクはこの作品に疲れてしまうのだろうかというのが、見終えた心にわだかまった感じで残ったことでした。
 なんか、寂しい言い訳なんですけど、年齢のせいでしょうか。この作品の中で、 20代後半らしい主人公の女性が問いかけ続ける「愛」とか「しあわせ」とかいう問い が40年後のボクの中で空転する印象なのです。 主人公のリアリティ を受け止めきれないんですよね。
恋人だった男性の妹と 十数年ぶりに再会した ピアニストである女性 が、 主人公の語り の聴き手であるという構成であることもあって、 映画 ベートーベンのピアノコンチェルト で始まります。ボクは、映画を 彼女の演奏 で終わらせてほしいと願いながら見ていましたが、途中、多分、交響曲 「田園」 が聞こえてくるシーンはあったのですが、彼女がもう一度ピアノを弾くシーンがなかったのは残念でした。
 それから、 主人公ジャーリィ― とピアニストの恋人で会った 兄ジャーセン の妹兄の実家である住居が縁側風廊下と障子で仕切られた 日本式家屋 であったことも、興味深く見ました。 1980年代の台湾 に色濃く残る 「日本」 を映している映画なのですね。
 あれこれ興味深く見たのですが、 1983年 、当時、30代だったはずの エドワード・ヤン監督 が、 「美しい海と繰り返し打ち寄せる波」 で映像化しているのが 「失われていく時間」の記憶 であることが辛いんですよね。
エドワード・ヤン という監督には 拍手! を惜しみません。いい作品だと思います。ただ、生きていれば、今頃同じような年齢になっている主人公は​
「しあわせ」になれたのだろうか?
​そんなことを思う映画でした。 拍手!
監督・脚本 エドワード・ヤン楊徳昌
脚本 ウー・ニェンツェン
撮影 クリストファー・ドイル チャン・ホイゴン
編集 リャオ・チンソン
キャスト
シルビア・チャン(林佳莉 ジャーリィ)
フー・インモン(譚蔚菁 ウェイチン 兄の恋人)
メイ・ファン(母)
リー・リエ(欣欣 友人)
デビッド・マオ(徳偉 ドゥウェイ 恋人・夫)
ミンシ・アン・ツォー(佳森 ジャーセン 兄)
1983年・167分・G・台湾
原題「海灘的一天」英題「That Day, on the Beach」
2026・07・20・no138・シネリーブル神戸no398



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最終更新日  2026.07.23 09:47:30
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