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商品指数連動型投信はカイ?orウリ? 一部で話題となっています。原油や金などの商品市況の騰落で投資成果が左右される投信です。もっとも商品そのものに投資するのではなく、GSCI商品指数(ゴールドマン・サックスが開発したコモディティ市況の総合的な動向を表すインデックス)や、同じような性格のダウジョーンズAIG商品指数の騰落率によって償還価額が変動する債券に投資する投信のことです。 商品価格が値上がりするとその分、債券が増価し、商品価格が下がれば減価するのです。一応、クーポンは付いているものの、商品価格の動き次第で債券価値が増減する仕組み債です。また債券は米ドルやユーロなどの外貨建てなので、為替変動のリスクもあります。 組成するファンド側では3つのメリットを強調しています。第1に、商品市況は今後も上昇するということです。中国やインドなど新興国の需要が高まるということです。第2にインフレに強いことです。好景気が長く続いており、いずれはインフレになるだろう、というのです。第3に、株式や債券と異なる値動きを示すことになり分散投資効果があるというものです。結論的にいうと一般論としてはその通りでも問題があると私は見ます。 実際のパフォーマンスはどうでしょうか。今年の5/31時点のモーニングスター情報です。 a.AIGコモディティファンド「愛称:ネイチャーメイド」(AIG) ・トータルリターン 7.7% ・シグマ値 8.41 ・正味リターン 3.27%(手数料3.15%、信託報酬等1.28%を差し引いた結果) b.コモディティ・インデックス・オープン(日本) ・トータルリターン 7.2% ・シグマ値 7.91 ・正味リターン 2.73%(手数料3.15%、信託報酬等1.32%を差し引いた結果) c.野村コモディティ投信(野村) ・トータルリターン 7.6% ・シグマ値 9.98 ・正味リターン 4.19%(手数料2.1%、信託報酬等1.31%を差し引いた結果) d.ニッセイコモディティファンド(ニッセイ) ・トータルリターン 0.9% ・正味リターン ▲2.5%(手数料2.1%、信託報酬等1.3%を差し引いた結果) 実質リターンは1年間投資して2~4%と低いですね。そのうえ値動きのブレも大きいのです。ニッセイコモディティファンドはリターンがマイナスとなっています。 最もパフォーマンスの悪かったニッセイコモディティファンドの運用状況を見てみましょう。このファンドがとくにパフォーマンスが悪かった理由のひとつには、連動対象となる商品インデックスの違いです。ニッセイが採用するGSCI商品指数は他の3ファンドが採用するDJAIG商品指数に比べてエネルギーの割合が高く、非鉄金属が少ないのです。 ニッセイコモディティファンドの構成指数別騰落の状況は以下のようになっています。エネルギ-▲24%(構成比36%)、農産物▲1%(25%)、非鉄金属15%(24%)、畜産物9%(10%)、貴金属▲1%(5%)となり、トータルでは▲6%となっています。商品別の騰落のバラツキが大きいですね。去年から今年にかけての商品市況は、02・03年のように商品であればすべての市況が高騰していた時期とは明らかに環境が異なってきたことが見て取れます。つまり総合的な商品市況と連動させる手法は、この1年間を見る限り適切ではないことがわかります。 この間、円安が進んだことで、かろうじて、昨年の5月31日に設定時した10,000円から10,010円へわずか1%だけ(10円)上昇しました。分配金はありませんでした。まあ投資としては全く意味のない結果となりました。 以上はこの1年だけの結果でしょうか。たまたま環境が悪かったからなのでしょうか。商品指数連動型投信に私の見るところ3つのリスクがあります。第1に、実質的にインカムゲインがないことです。これはリスクというよりこの仕組み債の宿命です。各投信とも高格付けの利付き外債に投資しているようですが、商品相場が低下すると債券の魅力であるインカムゲインの期待が減少します。債券といえるのでしょうか。疑問をもちます。 第2のリスクは商品市況が変動するということです。それも総合的なバスケット指標を用いているので、昨今のように商品ごとに値動きが違う状況だと、相殺し合って有利な運用ができない結果となります。もともと商品価格がみな高騰するというような状況は平時の経済ではありません。 第3のリスクは為替動向に左右されるということです。基本的に為替ヘッジをしないので、円安が進めば私たちにメリットが出ますが、円高となると損失になります。今は内外金利差で円安基調ですが、いつまで続くかわかりません。 結論としては複数のリスクをもち、かつリスクの幅が大きい難しい投信といえるのではないでしょうか。むしろ分散投資の対象として商品を選ぶのであれば、個別の商品で先物に投資することの方が合理的です。商品先物は、現物に比べリスク・プレミアムの分だけ高くなるはずです(でなければ誰も先物を買おうとはしないはずです)。 インフレ期待という面でも金利以上にインフレが進行することはないと聞いたことがあります。まあ短期的には検討してもよいかもしれないが、長期的な投資対象とはなり得ないと私は判断します。 ファンドを組成する側や販売する側は都合の良いことしかいわないので、私たちは半信半疑の姿勢で臨まないといけません。もっとも今後はきちんとリスクを説明しないと法律違反となりますが。
2007.06.29
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グロソブを例に 債券型投信を考えた。 このブログでお世話になっている楽天ですが、経営の舵取りを間違えてはいない でしょうか。私も株主なので普段から気にかけています。株価は06.1の高値から64% も低下しています。日経JASDAQ平均が同じ時期37%のダウンなので、楽天の株価 低迷が際立っています。楽天が市場から評価されていないことがわかります。 *今、キーボードで楽天と打ったつもりが“悪天”となってしまいました 問題は事業戦略にあります。主力のEC事業が好調なうちに次の柱を造ろうとい ろいろ手を出していますが、問題はクレジット事業です。直近の決算期でも61億円 の赤字です。本業と関連がないとはいえないものの、楽天がやらなければならない理 由が分かりません。加えてきょう株主総会のTBSへの関与問題。楽天案が否決される 可能性が大きいと報道されています。楽天のメディア融合論が株主から疑問視されて いることを示します。 考えるにカネの使い方がおかしいのではないでしょうか。投資キャッシュフロー が、私から見ると無駄と見えるような投資に使ってマイナスとなっています。ROAも非 効率を示して1.2%と低い状態です。投資が悪いというのではありません。なぜクレジ ットやテレビ局のようなオールド産業に手を出すのか、ということです。IT企業を自負 するのなら、グーグルがしているように、未来の鉱脈になぜ投資をしようとしないので しょうか。そういう先を見た投資の結果、業績が悪くなったとしても市場は評価してく れるでしょう。市場は普段は軽薄な行動をしていても将来への洞察をもっているのです。 さてきょうの話題は債券型投信ファンドです。その代表格が「グローバル・ソブ リン・オープン」(国際)です。純資産額が5兆5千億円を超え、これだけで、全部の投信 市場の1割近くを占めようという大型ファンドです。 毎月決算型がとくに人気が高いようです。この半年だけでも1万口当たり40円の分 配をしています(税引き後は36円)。500万口保有していれば毎月2万円の収入が得られ るわけで人気の高さもわかろうというものです。 先進国の格付けの高い国債に投資するため安全性も高いといえます。モーニングス ターで見るとシグマ(標準偏差)は1年で4.05、3年で5.11と、基準価額が年間に4~5% しか変動していないことを示しています。トータルリターンもなかなか優秀です。この 1年で11.2%となっており株式投信にも迫る投資効率の良さを示しています。 しかしそれには背景があります。5月13日に発表された過去6ヶ月間の運用報告書に よると1万口当たりでみると債券要因は▲63円、為替要因が+435円のパフォーマンスと なっています。つまり為替の円安で利益が出ているのです。本来の投資対象である債券 は損失を出していることがわかります。 この時期の「グローバル・ソブリン・オープン」は欧州が61%、米国が29%という のが主要なポートフォリオでした。金利の低い日本国債への投資は7%です。好調な経 済が続いた欧州や米国では金利高が進みました。金利が高くなると債券価格が下がるの で、時価評価の純資産総額が低下したというわけです。内外の金利格差によって為替も 円安が続き、以上のような構造をもたらしました。 つまり債券投信は、金利の動向に目配りをする必要があるということです。今後、 景気が好くなって金利が騰がると考えるならば構成比を低下させ、これから景気が悪く なると思うのなら、金利低下→債券高が期待できるのでポートフォリオを高めることが 有効となります。但し、資産構成のなかで不可欠なジャンルであることは間違いありま せん。 もう一つこの「グロソブ」で気になることは、40円の分配金の内訳を見ると、利子 ・配当収入は28円(いずれも1万口当たり)で、残りの12円は投資家からの預かり資産 である元本の取り崩しであるということです。毎月配当を維持するために無理をしてい なければよいのですが。まあ今のところは大きな問題ではないでしょうが。 但しあまり売買を頻繁に繰り返すとコスト問題が浮上します。信託報酬等は年間の率 を日割りに取られるのでまあよいとしても、購入時の手数料はその都度かかります。こ の手数料は投資家にファンド情報を提供するために、販売側の金融機関に生ずるコスト ということになっています。本当に金融機関がそのようなファンド情報を的確に提供し ているのか、私は疑問に思います。
2007.06.28
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投資を考えるつもりが、この国の現状を垣間見てしまった 最近の内外の動向は安倍政権の求心力を低下させるものばかりです。「美しい 国」づくりをアピールしたい安倍さんに冷や水を浴びせたのが年金記録漏れの問題 でした。何とか国民の怒りを静めようと、ボーナス返上など、事の本質とは関係ない ようなところまで追い込まれています。選挙を前にして大逆風ですね。 「骨太方針2007」の評価は芳しくありません。「総花」、「役人の予算取り」、「何 をやりたいのか分からない」、「総主流派の安倍さんでは改革は不可能」などの批判 ばかりです。誉める人はいないようです。 国際的にも日本の力が弱体化しています。北朝鮮問題では、日本の主張する拉 致問題は重視されず、うるさい日本抜きで、米・中・韓で北朝鮮との交渉を進めよう という動きが起きてきました。アメリカが豹変して弱気化していることが原因ですが、 日本外しの構図が見えますね。 このままでは7月29日の参院選は安倍自民党が負けるかもしれません。もっとも過 半数を割っても安倍政権の退陣という事態にはならないでしょう。だから安倍さんはそ のときには今のようなお坊ちゃんスタイルを返上した方が良いと思います。破れかぶれ というと変な言い方ですが、自分をもっと前面に出して、文句のいうヤツは総理権限で 排除するくらいの迫力をもった方がよいと思います。まだ若いのだから理想を実践する ことです。駄目ならそのとき考えればよいことです。真面目すぎるのも考えものです。 そのためには、もっと官僚をうまく使った方が良いと思います。官僚の中に自分の 味方をつくり、その官僚が省庁にニラミを利かすことができるような仕組みを作ること です。私もシンクタンク時代に経験がありますが、日本の官僚は優秀で組織力もある 国立のシンクタンクの大集団なのです。これとケンカしてもまず勝ち目はありません。 だから自分の息のかかったブレーン勢力を作らないことには、安倍さんの「美しい国」 もできっこありません。 前置きが長くなってしまいました。今日は投資信託の話をする予定でしたが、別の 機会に譲りたいと思います。日本の投信市場は私たちが買うことができる追加型で60 兆円、大きいようでも総貯蓄額のなかでは、まだまだ小さいのが現状です。今後も拡大 が続くでしょう。個別株は面白いですが大きく下がる危険も否定できません。 例えば、厚労省の企業年金研究会では、今は不可の401Kでの掛け金拠出を従 業員本人にも認める提言を行うようです。また日興コーディアルグループは、インドの 通貨ルピーに連動した債券を発売したとの報道がありました。今、アジアの債券市場は 急拡大していて、いろいろな金融商品がこれからも出てくるでしょう。私たち一般の投 資家にも選択肢がますます広がっていくでしょう。 そのためにも私たち投資家も学習しなければなりません。前回お話ししたコストパ フォーマンスの問題もありますし、リスク管理の問題もあります。投信もリスク商品な ので価格が変動します。相場というものは中長期のトレンドは予測できますが、短期的 には投機もあって乱暴に動き、神様でない限り誰も予測はできません。そこで投資対象 の分散が役に立つわけです。そのような話を具体的な形で勉強していきたいと思います。 投資は奥が深い分野ですが、しっかりと準備すれば成果が返ってくる分野です。私 も一生懸命に勉強をしていきますので、一緒に考えてください。
2007.06.27
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投資信託のコストと基準価額の関係 今後の投資への運用の中心は投資信託(投信)だということは間違いないところ ですね。これから折を見て、投信のポイントに触れていきたいと思います。まず手始 めに、コストの高い投信はパフォーマンスも良いのだろうか?、というテーマです。 今回はこれを検証したいと思います。 コストの主なものは購入時の手数料と信託報酬及び監査報酬(信託報酬等)です。 後者の方は日割りで毎日取られます。私自身このコスト問題にはかなり注意を払って います。パフォーマンスが同じであればコストは最小限にしたいですね。 パフォーマンスは一般に投資金額に対するリターンつまり基準価額をいうことが 多いですね。でもリターンが高ければよいというものでもありません。ファンドマネ ージャーが大きなリスクを取って運用することもあるからです。そこでシャープレシ オという指標を使います。これはリターンと基準価額のブレの幅(標準偏差)を合成 したものです。安全性を求めるならこのシャープレシオの高い方が良いわけです。こ れは一般的なので投信情報サイトでわかります。 ただ投資家によってはリスクをとって積極運用をしたいという人もいるので、そ ういう方は、標準偏差を使うとよいと思います。これは基準価額の値動きの幅を表し ます。これが大きい数値のファンドほど上がる場合でも下がる場合でもリターンのブ レが大きくなります。これらの指標の値はモーニングスターなどの投信サイトでわか ります。シグマというのがそれです。 そこで私は実際の投信で検証を行いました。モーニングスターのウェブサイトか ら、a.株式のみで運用、b.運用1年以上、c.最小買い付け単位1万円、d.運用 期間1年以上、e.購入時手数料3%未満、f.純資産額100億円以上、という6つ の条件で投信の絞込みをしました。 抽出された投信の数は全部で49ファンド。これを3グループに分けました。第1 グループは低コストグループ。4ファンドが該当しました。購入時手数料はゼロ、信 託報酬等の平均は1.035%。トータルリターンの平均は13.6%。シャープレシオの 平均は1.7でした。 第2グループは中コストグループです。10ファンドが抽出できました。手数料の 平均は1.365%、信託報酬等の平均は1.365%、トータルリターンの平均は13.9%。 シャープレシオ平均は1.5でした。 第3グループは高コストグループです。35ファンドを抽出しました。手数料の平 均は2.19%、信託報酬の平均は1.05%。トータルリターンの平均値は12.8%、シャー プレシオの平均は1.4でした。 結論からいうとコストの高い投信が必ずしもパフォーマンスが良いとは限らない ことが分かりました。コストは購入時手数料の差が大きく、信託報酬は1%前後でほ ぼどの投信も同じような水準だった。 購入時手数料の低いものは日経225やTOPIXなどのインデックス指標と連動させる ものが多く、手数料の高い投信は運用サイドでリサーチを行うものが多いようです。 しかし結果的にパフォーマンスが変わらないということは、できるだけコストの低い 投信を選んだ方が効率が良いことを意味します。私の場合は、ノーロード(手数料ゼ ロ)投信をよく利用します。 ただ積極的な運用を行おうとする場合、標準偏差を示すシグマ値の大きい投信を 選ぶのもひとつの方法です。つまりこれが大きいほどリターンのバラツキが高いこと を意味するので、売買のタイミングを的確に掴めば高いパフォーマンスが得られるわ けです。以下の2つの投信を例にあげておきましょう。 ・「さわかみファンド」(さわかみ) 手数料ゼロ、 信託報酬等1.05%、シグマ 値7.45 ・「日興AM中国A株ファンド2」 手数料3.15%、信託報酬等2.21%、シグマ 値73.68
2007.06.26
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週刊 未来経済 6月25日号(毎週月曜日発行)___________________________________________________ ~~ 目次 ~~01: 先週の話題 <6月18日(月)~6月24日(日)>02:今週の市場動向 <6月25日(月)~6月29日(金)> 03:コラム「未来」04:FPの視点◎:編集室━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━01: 先週の話題 <6月18日(月)~6月24日(日)>━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●コムスン問題が喚起した国・地方の役割分担 介護事業者による不正請求などを監視するのは本来、市町村の仕事。一方、 悪質な業者の処分などは都道府県だけが可能。共に専門知識と人が足りない。 またサービスの質と量や介護報酬は厚労省が決めている。この一連のチグハ グさが今回のコムスン問題が浮き彫りにした。財布と権力を手放そうとしない 強欲な姑と表向きは不満を言いつつ内心は安住する嫁の例えに似ている。●15年ぶりの需給超過でも物価は上がらない理由 18日に内閣府が発表した日本経済の需要と供給の差を示す「需給ギャップ」 はプラス0.9%と5月からは0.2%の上方修正となった。それでも物価は上がら ない。要因としてこれまでグローバル化によるデフレが指摘されてきた。もっと も1%以下の数値は誤差の範囲であるという主張もある。日本経済を人間に 例えると退院して近所の散歩程度から足慣らしをする半病人のようなものだ。●また露呈した企業経営者の倫理欠如 東京・渋谷区で発生した温泉施設爆発事故は、運営会社が保守会社へ管理 を丸投げし、保守会社も杜撰な仕事をしていたことが分かった。また北海道・苫 小牧市では食肉加工会社が豚肉交じりのひき肉を牛ミンチと偽装表示すること を経営者自ら指示していた。従業員も唯々諾々と不正に従っていた。この浅ま しさ。”美しい日本”人はどこにいる?●教育改革三法が成立 20日に地方教育行政法、教育職員免許法、学校教育法の三法が成立した。 昨年12月に成立した教育基本法の下で「美しい国」づくりのために教育再生会 議が推進役となる。憲法改正、道州制と共に戦後体制からの転換を目指す安倍 総理としては構想が着々と進んでいる。大誤算は年金記録問題か、命取りとな る可能性も出てきた。●規制改革3ヵ年計画決定 政府は22日、2009年度までの3年間に取り組む重点テーマを決定した。教育・ 研究、競争政策・金融など15分野。しかし農業や医療、雇用などの懸案は手つ かずで先送りしている。新聞の評価は、選挙を意識した、総花で目玉不足、改 革失速懸念が浮上など。私も「骨太方針2007」と同様に改革の機運の後退が見 られるとの印象をもつ。 ━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━02: 今週の市場動向 <6月25日(月)~6月29日(金)>━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・先週は、日経平均が1.2%上昇した。今週は米国市場のリスクはあるものの底 堅い展開の可能性。需給環境は良好だ。株主総会が集中するこの時期は売り が出にくい。外国人も年金基金決算のため売りを手控える。またETFの配当取 りを狙う買いも入ると期待される。利上げは織り込み済みとの見方もある。 ・米国市場は先週末の下落を引き継ぐ可能性がある。金利上昇懸念があるため。 もっとも経済の好調推移を裏づけるものでもある。 ・為替は円の独歩安が続く展開となる。金利差を背景に個人のボーナス資金も円 安傾向に拍車をかけるものと思われる。 ・金利は上昇圧力がかかりやすい。欧米金利の高止まりが背景。29日発表のCPI 次第では上昇する可能性がある。 ●今週の指標と事前予想 ・28日(木) 5月鉱工業生産・速報(前月比) +0.9% ・29日(金) 5月失業率 3.9% 5月全国消費者物価指数(前年比) ▲0.1%━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━03:コラム「未来」 ━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●日本は「型」の文化 俳句や川柳は日本が世界に誇る詩形体だ。五七五の17文字のなかに想いの 小宇宙を作り上げる。私も悪戯で少しやる。まずテーマを決めたら頭の中で情景を イメージする。次にそれを五七五の定型に落とし込む。さらにイメージを膨らませな がら文字を推敲していくのだ。このプロセスが楽しい時間だ。 反物の幅は36センチメートルである。これは歩幅や、ひじから手首などの長さ とほぼ同じだ。この反物を着物に仕立て、着付けを工夫すると縫い目は肩、ひじ、 背骨といった関節にぴったり合い、着心地のみならず機能性でも日本の着物は 世界に冠たる衣料だと聞いた。 以上は日本の「型」文化の一例だ。「型」は無限に創造性を発揮させるため の強力なツールである。柔道や剣道でも先ず習うのは、受身や構え方という基本 だ。基本が備わってはじめて応用ができるのである。 それにつけ暗澹とするのは、政策立案の中枢を担う審議会や委員の惨憺たる あり様だ。私はシンクタンク出身で同じことをしていたからわかるが、主導権は 事務局にある。最近は議事録が公開されるのでよくわかる。 小泉政権時代の財政経済諮問会議などでは、それでも民間議員が存在感を示 した。事前に集まって独自にペーパーをつくって理論武装した。安倍政権になっ てからの民間議員は一言二言の発言をするばかり。いくら専門知識をもっていて も準備なしでは単に評論家になってしまう。閣僚と省庁のペースで推移している。 つまり、この場合、「型」がそのまま「型」で終わっていることになる。こ れを「形骸化」という。審議会をもっと実質的なものに変える必要性がある。━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━04:FPの視点 ━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●平成19年度の税制改正のポイント-電子申告制度の創設 申告・納税についてインターネットで手続きが行えることとなった。税務署 に行く手間を省くことができる。但し、電子申告を利用するためには事前準備が 必要。届出はe-TaxHPでも可能だが、市役所などで電子証明書を取得する必要が ある。また場合によってはICカードリーダーライタが必要になるが、その分とし て5000円の所得控除ができる。自営の方は利用されたらよいだろう。━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◎: 編集室━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ありがとうございました。今後、精進して、”読めば経済の風向きが分かる”と 言われるようなメルマガを目指していきたいと思います。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━経済・社会を斬るFP エルダープロジェクト elderproject@a5r.highway.ne.jpブログへもどうぞ http://plaza.rakuten.co/jp/40016075/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2007.06.25
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安倍さんの制度改革 政治ネタはブログに不向きだと思いつつ、きょうは敢えて政治テーマでエントリー する。党内外の反対を押し切って、安倍総理が会期延長を決めた。何でも参院選前 の国会延長は過去2回いずれも大敗だったという。そこで党内からも選挙で負けたら、 安倍さんは退陣しろという声も聞かれ始めた。狙いは年金事件への国民の怒りを冷 やすためというのが”定説”だが、私の見方を聞いていただきたい。 思うに安倍さんはどうしても国家公務員法の改正をしたいのだ。道州制への関心も 表明している。中央が支配するこの国の仕組みを変えたいのだろう。教育も安倍さんの 重要テーマだ。昨年末の教育基本法、今月の教育3法の改正で骨格ができた。後は教 育再生会議が推進エンジンとなる。憲法改正でも5月に国民投票法が成立して枠組み ができた。 戦後体制からの脱却を志向する安倍さんとしては、就任後1年目までに今後の安倍 政治の骨組みを完成したいのだと思う。小泉政権は機能不全に陥っていた経済を改革 した。後継者を意識する安倍さんは、自らの役割を制度改革に置いているのだと思う。 この経済構造改革、制度改革の両輪が揃って、ニッポン丸は大洋に向けて通常の 航行ができることになる。今考えるともっと早くにやっておくことだった。怠け呆けていた あの10余年のツケはあまりに大きい。 世界も待っていてくれるかしれない。けさの日経新聞19面「大機小機」に面白い記事 が載っていた。今世紀に入ってからの世界景気の上昇は3つの局面に分かれるそうだ。 きっかけは中国の離陸である。2000年~01年が第一期、国際商品価格が上昇に転じ た。第二期が02年~06年の世界景気拡大、そして今第三期が始まろうとしている、と あった。このところの長期金利上昇がそのシグナルだという。 そういえば三菱UFJリサーチの嶋中雄二さんも同様のことを新聞に書いていた。今は 短期・中期・長期の景気サイクルが上昇に転じつつあるというのだ。スクラップを見つけ ることができなかったのでウロ覚えではあるが。 この先、景気拡大が続くのであれば(私は懐疑的であったのだが)今、安倍さんがや ろうとしていることに天が時を与えてくれることになる。もっともジンクスどおり自民党が大 敗した場合には安倍さんも政権も動揺することになるだろうが、覚悟の上に違いない。
2007.06.22
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経営者を見て行動しましょう 東京都・渋谷区の温泉施設で従業員が3人死亡した事件を考えた。最初、渋谷 の松涛での温泉施設ということで、風俗店かなと思った。東京以外の方にはわから ないだろうけれど、近くの道玄坂周辺はラブホテル(今はレジャーホテル?)街だか ら新手のフーゾクかと思った。でも報道では女性専用だというし真面目なものらしい。 利用客に被害がなかったため、それほどパニック的な反響を社会に起こしてい る状況ではないようだが、この事件は2つの問題がある。 第一は当事者の無責任、第二は担当官庁の監督の甘さだ。まず第一の問題は、 この施設を運営する会社は危険性を知らないままに保守管理会社に任せっきりにし ていた。保守管理会社も運営会社との契約条項だけをチェック対象としていた。さら に問題は、子会社に業務を丸投げしていた。その子会社も「温泉掘削で天然ガスが 発生することは知らなかった」などと間抜けな発言をしている。 私の住む千葉県の御宿や白浜方面でも客寄せのために温泉を掘ったりしてい る。行ったことがあるが、1キロも掘ると出てくるそうだ。真っ黒な重油のような温泉? だ。私は1キロも掘って環境に大丈夫なのかな、と素朴に思ったりした。素人でも感 じることに、事業をしようとする者が、それも誰でも知っているような大きな会社がこ、 んな体たらくとは怒りを通り越して呆れるばかりだ。儲けを優先するばかり、安全面 が思考停止状態となっているに違いない。 思考停止は役所も同様だ。環境省は全国の同様施設に緊急点検を指示したと 伝えられた。いつもの対処的後手策である。何回同じことが繰り返されるだろうか。 なぜ守るべき基準を事前にきちんと準備しておかないのか。委員会や諮問会議はそ のために活用するべきではないのか。専門家はどうして安全のため発言しないのか。 きょうの「NB online」でワタミの渡邊社長が「もう国には頼らない」という記事で 以下の発言をされていた。「官がすべきことはたった2つだけだと私は思います。自 由競争のルールを決めて、違反したものを厳しく罰すること、セーフティガードをきっ ちりと組むことです」。おっしゃるとおりです。 なかで今回も全く抜け落ちていたのは、国がセーフティガードを定めずに法令だ けを決めて放置していたことだ。仏作って魂入れずとはこのことだ。ルールがないと ころで世論の関心が高まると、今度は行政指導となる。コムスン事件と同じ構図だ。 そして今度は国の関与を高めようとして新法の制定に動く。きのう強行的に成立させ た教育改革三法などはその典型である。規制緩和の流れとは逆方向で事態が進む。 いずれにせよ国も企業も信頼できないとなるとわれわれ生活者はどうしたらよい のだろうか。社会の倫理がここまで落ちてしまうと、後は経営者の質を見るしかない。 そのためには経営者の発言や行動をしっかりとチェックすることだ。投資の分野では これは常識だが、消費の場面でも必要だ。悪徳企業の犠牲にならないために。
2007.06.21
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安倍さんの骨太方針 日経はじめ各紙の社説を一通り読んだが酷評という感じだ。“総花”、”焦点が ぼけてる”などのコメントが目立つ。私が以前のブログで指摘した通りだ。しかし各 紙とも触れていないことがある。 諮問会議のメンバーの突進力の問題だ。まとめ役の太田弘子大臣は、小泉時 代の竹中平蔵さんに比べてあまりに個性がない。民間議員も遠慮気味に写る。安 倍さんも育ちの良い“お坊ちゃま”的だ。小泉時代には蚊帳の外だった党や官僚に は今年の方針は勢力挽回の突撃ラッパとなった。安倍政権は初手からつまずいた。 予算編成でどこまで踏み込めるかがポイントだ。 情報通信法(仮称)の危険性 総務省の研究会で中間報告(年内に最終報告)をまとめた。来年に新法制定 に動くという。通信・放送の融合化で競争を促すという点は問題ない。ただ中に「ネ ット新聞やブログなども規制の対象に」、「有害な番組の規制基準を統一」との指 摘がある。 むしろ国が表現を統制しようという意図が覗ける。ブログやテレビに品位を疑 うものがあることは事実だが、そういう下らないコンテンツは社会が淘汰する。法 律で規制するべきものではない。国の権限を強めるばかりだ。この研究会も機能 不全に陥っている。 イランの動向を注視したい きのうパレスチナ問題に関する不安を取り上げたが、今、イスラエル主導で欧 米がパレスチナ自治政府の分断に躍起となっているように見える。一方でイランの 動きが不気味だ。新聞もあまり報道しない。 アメリカなども従来の敵視政策からイランとの対話方向に転じているようだし、 元々大国である。イランが劣勢のハマスへ肩入れをすると中東情勢はまた泥沼化 する。日本人は関心が薄いがもっと注視するべきだ。参考記事は以下の通り。 http://tanakanews.com/070529mideast.htm 皆様に これまで私のブログでは、下調べをしたうえでエントリーをしてきました。試行 錯誤なのですが、ブログの機能は、早とちりではあっても、個人が独自の見方を 表現する場であり、読者が「こういう見方があるのか」と知る場だと思います。そ こが新聞の社説などとの違いだと思います。 そこで、日々その瞬間に感じることを率直に書いていこうと思います。検証不 足なので偏ったコメントがあり得ますが、その時には遠慮なしでご意見をください。
2007.06.20
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きな臭くなるパレスチナ きょう、ちょっと気になったことがある。パレスチナ問題だ。パレスチナ自治 政府はアッバス議長率いる穏健派のファタハが政権を握っているようなのだが、 多数派はより過激な主張をするハマスである。 今、欧米はファタハを支援し、ハマス包囲網を形成しつつあるように見える。 このままでは、窮地にあるハマスが暴発する恐れはないか、心配になった。 われわれ日本人には遠い地域なので、ピンとこないところが多いのだが、地 図を見るとパレスチナの周りは、シリア、ヨルダン、イラン、イラク、エジプトなどの のお騒がせの国々が取り巻いている。これらの国々の動き次第では大きな騒動 になるのではないかと感じた。 このことと関係あるかどうか、わからないが、原油価格が70ドル近辺にまで跳ね 上がっている。金は今のところ安定しているようだが。投資家の端くれとしては世界 がなるべく静かであることが嬉しいのだが、嫌な予感を受けた。 以下は気になる江戸趣味グッズのマイセレクト江戸切子で一杯 風呂敷は万能だ風呂敷part2東京散歩に持ちたいい草でリラックス休みの日は藍染で
2007.06.19
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道州制の前に地方は事業リストラを 地方主権は時代の流れ 今月の14日の新聞に道州制に関する自民党が中間報告を出しました。これを 参院選の争点にするそうです。ただでさえ国民の関心が薄いうえに、悪質な年金 “事件”で社保庁どころか政権への怒りが充満しています。どこまで有権者の興味 を引くかわかりませんが。 でも道州制が良いか否かは別として、地方が主体的に統治を行うのは時代の すう勢ですね。江戸時代の幕藩体制の下では、基本的な部分だけ幕府が定めた 後は、藩の自主性を認めていました。実態は、幕府が自分のことしか考えていな かった、というのが正しいのですが。まあ結果的に地方主権が機能していました。 実際問題として通貨制度は幕府が決めましたが、各藩では藩札などが流通し ていました。教育でも藩校や寺子屋などが発達していました。また産業振興など も積極的に振興されていました。 流れが変わったのはむしろ明治以降なのです。官僚機構が強大となり、西欧 へ追いつけとばかり、工業化を推し進めます。地方は、中央の指令にしたがって いる限り、潤うため自主自営というリスクを採ろうとしませんでした。 今でもそうです。例えば、地方交付税は基本的には使い道は自由だという建 前になっていますが、省令などで規制され実際には地方の自主性が活かされる 形にはなっていないようです。 地方はまず事業リストラを 今回の道州制に関する自民党の中間報告は、法律化したうえで2015~2017 年をメドに移行するというように年限を具体化していることが評価できます。 地方政府の裁量権が大きくなることで、経済面でも独自性が発揮できるでしょ う。例えば北海道などはロシアや中国の東北部などと連携を深めることもできるで しょう。沖縄は東南アジアとの協働の道も開けるでしょう(元々、沖縄はそういう歴 史をもちます)。 その前に、地方は、事業のリストラを図らなければなりません。船橋市では今、 役所がする事業と、民間に任せる事業を仕分けする作業をしている最中で、市民 に意見を求めています。問題点はありますが、小さな政府を創ろうという姿勢は良 いと思います。 住民という無形資産を含めた地方のもつ“資産”に対するリターン:ROAをどう高 めるかを私たち住民が主体となって考えたいと思います。 余談ですが、企業ももっとROAを高めることが必要です。いつまでも世界水準に ほど遠い状態を放置すると株価は低迷し、株価が下がったところを海外ファンドに買 われてしまいます。購入後、かれらが直ちに着手することは無駄な事業のリストラで しょう。 <関連本> <傘> いい雰囲気ですね。たたんで持ち歩きたい傘です。
2007.06.18
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19世紀:農業社会→20世紀:工業社会→21世紀は? 気候の温暖化サイクルと人為的な温暖化が並存する今 気象庁が入梅を発表してからも関東は快晴の毎日、おかしな天気が続きます。 ところで日本は歴史的にも温暖化のサイクルにあるそうです。 寒冷化は17世紀から19世紀ごろまで、江戸時代の初期から中後期に起きました。 その間、北国で飢饉が頻発したことは歴史で習いました。 その後、温暖化傾向となり現在に至っています。これを根拠にアンチ環境派は 温暖化対策は無意味との主張をしますが、最近その主張はめっきり影が薄くなりま した。メディアでもあまり耳にしなくなりました。 自然の摂理以上に人間の活動が自然に脅威を与えているということですね。自 然は意外と脆いのです。人間は自然と妥協点を見出さなければなりません。 土地を基本とした江戸システムの上限人口は3千万人 さて歴史の話をしましたが、きょうは人口の減少という話です。徳川幕府が成立 したときの日本の人口は1500万人程度でした。断言するのには根拠があります。 日本は今でいう戸籍調べ的なものが当時から発達していて人口規模を類推でき るからです。これは当時では世界的にもこの国だけで高く評価すべきです。 1600年代に新田開発が盛んに行われ人口は増加しました。1700年代になる と少し人口が減少しました。寒冷化のためです。 中後期になると気候が温暖になり農産物の収穫が増えたため人口は3000万 人にまで増え、幕末に至ります(もちろん新田開発は終始進んでいきます)。 幕藩体制の終焉は、経済システムの限界という見方もできるので、土地の有機 利用というそれまでの経済システムがもはや機能しなくなったともいえます。つまり 土地の生産性に頼る限り、日本では3千万人が人口の上限ということになります。 工業による20世紀システムの上限は1億2千万人 この後の歴史はご存知の通りです。原動力は土地から資本になり、主役は農業 から工業にバトンタッチされます。日本の経済力も高まり人口も大幅増となりました。 日本の復興が世界の奇跡だともてはやされました。 そして今は人口が減少する社会へと入りました。象徴的な人口減少と地球温暖 阻止への関心の高まりは、工業社会が支えることができる日本の人口は1億2千万 人だという主張はあまりに乱暴に過ぎるでしょうか。 少子化対策には限界あり 景気変動などで多少の改善の期待はできます。例えば江戸時代の文化・文政期 (1804~1829)には人口が増えました。この時期には、品位を落とした通貨の改鋳 を繰り返し幕府が等価交換をしたため、幕府は大きな利益を得ました。 幕府はその資金を使って新田開発など公共投資を行いました。周辺部から都市 へ人口が集中し、商業流通も盛んになり、折からの消費ブームのなかで需要喚起を 伴うインフレとなり、人口が増加したものと思われます。 でも長続きせず社会の矛盾は高まり、幕府の滅亡へと歴史は進んでいきました。 つまり少子化対策をしても歴史の大きな流れは変えられないということです。 人口減でも未来は豊かな社会? では未来は暗いのかということになりますが、私は楽観的に捉えています。根拠 もあるという気がします。キーワードは海外力、文化力、地域力の三力です。ただ長 くなるので、日を改めて考えてみたいと思います。
2007.06.17
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景気は踊り場に入っている感じがします。生産も去年から増加と減少を繰 り返しトレンドとしては横ばいです。そのうえ今年に入ってからは動きが弱くなっ ています。結果、在庫も増えています。消費は去年の秋ごろから良くなってきま したが、これも先行きは心配です。今月から住民税が増税されるし、参院選が 終わると消費増税が話題となってくるでしょう。内需面では今年は景気が冴えな い動きになるのではないかと感じます。 内需がぱっとしないので相変わらず輸出頼みとなりますが、今のところ世界 は好調を続けているようですが、環境問題が重しになりそうな感じがします。と くに中国ですね。旅行に行ってホテルの歯磨きなどは使えませんね。まあメチャ メチャな国です。少しはあの国も反省しなければいけません。まあ来年は北京 でオリンピックがあるので、それまでは何とかもつでしょうが、景気が好いと感じ にはならないだろうと思います。例えると風邪の引きかけ状態ですね。熱はない ので床につくような状態ではないが何となく気だるい、といった景気実感になる と思います。このところの世界経済拡大は長かったので、ここで一調整あっても おかしくないですね。 ここにきてコムスン、NOVAとコンプライアンス問題で揺れていますが。背景 はそれぞれ別だろうけれど、真理は、“盛者必衰”ということですかね。月が満ち た後は欠けていかざるを得ないということですね。サイクルですね。ときには謙虚 にならなければいけないところを暴走が止まらなかったのでしょうか。結局、すべ てを失うことになる可能性も出てきました。 サイクルといえば、新興株式市場が持ち直しつつありますね。最悪期は脱した といってよいのかな。私のもっているいくつかの銘柄も2番底をつけて上昇に転じ てきています。去年のライブドアショックから1年半ぶりの回復です。まあ考えてみ ると一部市場銘柄に比べてのあまりの売られすぎだったからね。新興企業の経営 陣も勉強したことでしょうから。これを機に外国人に押されっぱなしの株式市場に 個人が戻ってきて欲しいものです。短期売買ではなく長期投資としてね。
2007.06.16
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政策評価をしよう きょうは面白い発見をしました。私はこれまでの自身の経験から審議会や 委員会といったものは所詮、半ば出来上がったシナリオ通りに進む、いわゆ る“シャンシャン会議”なのかな、と思っていました。きのうインターネットで見つ けた資料でそれが裏切られたことで嬉しくなった次第です。 資料とは、昨年の9/24に城西大学で開かれた「政策分析ネットワーク第7 回政策研究・教育カンファレンス」の議事録です。テーマはズバリ私の関心であ る「政策決定プロセス:経済財政諮問会議の意義と課題」。パネリストは伊藤元 重(東京大学大学院教授)、林 伴子(内閣府参事官)、城山英明(東京大学教 授)、山田厚史(朝日新聞社編集委員)、田中秀明(財務総合政策研究所客員 研究員)の5氏です。このなかで注目は林伴子さん。小泉さん時代の経済財政 諮問会議の事務局を務めていた方で、諮問会議のウラの事情を知る人物です。 どうやらこのパネルディスカッションは、大学などの政策研究者のための場 であるようなのですが、小泉さん時代の経済財政諮問会議における議論の状 況と政策決定のあり様が手に取れるように語られています。 全体の印象は、小泉時代の経済財政諮問会議は、以前の同種の会議と違っ てかなりホンネの議論が展開されたようです。内閣府の官僚が議事資料を用意 するのは従来の審議会と同じですが、4人の民間議員が独自のペーパーをつく って省庁の声を代弁する出席閣僚に反論するなど、これまでとは違って実質的 な議論が展開されたという印象です。 ただ、このような本質的な議論ができた背景は、環境に恵まれていたという 印象も議事録から読み取れます。小泉さんの時代は、それまでのバラマキ財政 が極限まで達し、構造改革をしなければ、この国の未来はないという危機感がと くに民間議員のコンセンサスとなっていたように感じ取れます。とくに竹中さんの リーダーシップは素直に評価できるでしょう。 議事録のなかからは安倍さん時代の経済財政諮問会議の展開を危惧する声 も聞こえてきます。景気は回復し税収が増えるなかで、安倍政権が重点的に取り 上げるテーマがない、ということです。そういえば“美しい国”というような曖昧なス ローガンは、逆解釈をすると重点戦略がないのかな、という疑問も生じます。近く 発表される「骨太方針2007」は成長路線を打ち出しています。一見、聞こえは好 いのですが、実態はというと施策のオンパレードとなっています。各省庁が望むこ とを全て書き出したという印象で、総花的という評価はまさにその通りです。その 結果、骨太と言いながら100ページ以上の分厚い報告書となっています。今回の 経済財政諮問会議がどこまで機能したのか疑問です。 そこで政策評価ということですが、この国では各省庁が自分で自分の政策評 価をしています。外国の状況はまだよくわかりませんが、これではどこまで効果 が出るか疑問です。委員会などをつくっても自分の息のかかったメンバーを入れ るなら無価値です。その意味で小泉時代の経済財政諮問会議は役所の立案す る政策をしっかりとチェックをしたという意味で役割を果たしていたと思います。 今、私の住んでいる船橋市やお隣の市川市では、住民の声を積極的に政策 評価に生かそうという試みが行われています。この先、どうなるかわかりませんが その意気込みは素直に応援したいと思います。民間の政策評価NPOも一部です が登場してきました。一般の住民が自治体や国の政策を評価するという仕組みが 必要です。栽培員制度の政策版があっても良いと思います。私は早速思いました。 ”政策評価NPOを自分でつくるか”。一緒に考えていただける方はいませんか。 ホームページアドレスを載せておきましたので関心のある方は覗いてみてください。 http://www.seri.sakura.ne.jp/~branch/060924policynet1.shtml
2007.06.15
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マイ情報整理術、あなたの場合は? ふだん自分自身がしている情報のまとめ方です。お読みになる方には そんなものはどうでもよい、といわれそうですが、お付き合いください。読 者の方に尋ねられたことがあるので。自身の記憶のためでもあります。 1.ココロに刺さる情報を見つける 日々、情報が氾濫しています。取捨選択をしなければなりません。私 のやり方はアンテナを立てて“オヤッ”というモノに注目することです。怒り、 疑問、感動、喜びなどいろいろなケースがあります。これを自分では“ココ ロに刺さる情報”と呼んでいます。自分の感性を働かせるわけです。 メディアはやはり新聞が中心になります。毎日配達される日経新聞の他、 インターネットで全国紙、地方紙のほとんどをチェックします。ネットの場合、 ニュースはほとんど見出しだけしか見ません。注目しているのがコラムです。 朝日新聞の「天声人語」、丹波新聞の「丹波春秋」、福島民友の「編集日記」 の類です。公式見解の社説と違って、書いた人のホンネが出ているので、世 の中の“風向き”がよくわかります。また地域での肉声を聞くことができるのも 魅力です。船橋に住み千葉都民のような自分にとっては貴重な情報源です。 このように書くと大変なようですが、興味のあるものだけ熟読するので時間は 多くかかりません。せいぜい30分程度でしょうか。 2.情報をスクラップ化する 気になった記事は、新聞であれば切り取ってノートに貼り付けます。ネット から得た情報は特別のフォルダーをつくって保存します。保存する場合はワ ードなどに落としてから保存するようにします。ウェブ上に載せておく期間が 短い新聞もあるからです。雑誌の記事の場合は立ち読みで済ませることもあ ります。 3.情報の取捨選択、補強 以下の作業は時間がかかるので休みのときに行います(夜はアルコール が入っていることが多いのでそういう気分になりません)。時間を置いてスク ラップを読み直します。そのことで当初は重要だと思った記事がそうではなか ったと気付くこともあります。ここで必ずすることは重要な記事のポイントとな る部分にアンダーラインを引いてそれをノートに書き写すことです。ネットの場 合も同じでコピー・貼り付けで保存します。 この作業を行うことで情報不足部分が出てきますので、まずネットで調べ ます。役に立つ情報があれば保存します。必要な場合はさらにノートと消しゴ ムを持って図書館に走り関係書籍で調べます。熟読する時間はないため斜 め読みしながらキーワードのところにアンダーライン(もちろん鉛筆で薄く、消 しゴムをもっていくのは後で消すため)を引き、ノートにその部分を書き写しま す。図書館の方にはこの場を借りてお詫びします。 こうして作ったノートの内容をまた別の紙に書き写すと、そこには自分の 問題意識が入っているので全体として意味のある内容物となります。最終的 にできあがった自分の考え方を紙のままにしておくと紛失してしまうことがあり ます。そこでキーボードで打ち込んでパソコンに保存しておきます。この場合、 外付けのハードディスクにも保存しておくことが重要です。それをしないままパ ソコンが壊れてしまうと取り返しのつかないことになります。 4.さらに達人は この方法はこれまでも無意識にしていたことですが、意を強くしたのは数ヶ 月前に、経済学者の伊藤元重さんが同じ方法を取られていることを雑誌で読 んでからです。何でも伊藤さんはある著名な経済学者から直接教えられたとい うことでした。私はその経済学者の名前を忘れてしまいましたが、かれは一連 の作業を“memo on memo”と呼ぶそうです。そして何度も“memo on memo”を重ねることで、最後には一冊の本を書けるほどの情報の質と量に なるとのことでした。いやはや私の場合にはそのレベルにはほど遠いですが。 そこで、きょうのココロに刺さる新聞記事は以下の通り ・「『ミニ会社』活用進めよ」(永野芳宣さん、福岡大学客員教授) 日経「経済教室 昨年5月に施行された新会社法で資本金がゼロでも、一人でも会社を設立 することができるようなりました。永野さんはこの制度が注目されていると書か れています。こういうときに、私の発想法は“その割りにあまり起業ブームが来 たという話しはきかないな”となります。 ・「道州制移行、8-10年で 自民党調査会が中間報告」 日経 今、地方分権の議論は迷走しているように見えます。う~ん。これは地方主体 への流れを決定づけていくかもしれません。こういうときの私の発想法は、“江戸 時代の幕藩体制の時代にはどうなっていたのかな”。
2007.06.14
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FPがみた「骨太方針07」-歳出削減に踏み込みを きのうの経済財政諮問会議で「骨太方針2007」案が了承されました。昨年 の9月に発足した安倍政権による初めての方針であり、企業に例えるなら日本 国の中期経営戦略にも位置づけることができます。 冒頭での「今、我々はバブル崩壊後の長い低迷から脱却し、新しい成長の 姿を確立していく重要な時期にある」、また「戦後の持続的な人口増加と高い 経済成長を前提としてきた我が国の経済制度や構造は・・・制度疲労を起こし ている」との問題認識は全く同感です。 そのうえで方針は成長力重視の戦略で臨むことを基本戦略として、目玉は 中小企業やサービス業の労働生産性向上を柱に置いています。しかし、元来こ れらの産業は中小・零細規模の企業が多く、ITを活用して生産性向上を、とい うのは現実的に難しいような気がします。それよりも今、強い産業をもっと強くす る方策を採ることの方が現実的だと思います。また起業をもっと支援するような 方向性が出ても良かったと思います。まあともかくはこの成長重視の考え方は 理解できます。 納得のいかないのは「歳出・歳入一体改革の実現」です。「2010年度にお ける基礎的財政収支の黒字化や、2010年代半ばに向けての債務残高GDP 比の安定的な引き下げを図る」と昨年の小泉路線をそのまま継承しています。 諮問会議の議論の中では、将来の景気がどうなるかわからない以上、早期の 改革が必要との発言があったようですが、突っ込んだ論議はなく原案どおり了 承されたようです。 昨年の「骨太方針の2006」のときよりは、雇用環境も良くなったり、今の方 が経済の足腰がより強くなっているので、歳出削減をより強化するべきなのに、 公共工事については「更なる重点化・効率化の推進」という曖昧な表現に止まっ ています。他に遠慮したとも取れる内容です。 他に、税制改革、公務員制度改革、独立行政法人改革、特別会計改革など に触れていることは評価できるでしょう。また地方資産債務改革や地方分権改革 などにも言及していることも当を得ています。 1990年代以降に長い停滞をもたらしたのは、国が事態を軽視して安直に財 政支出に頼り、苦境の本質に目を背けてきたからです。01年に主要行の破綻懸 念先以下の不良債権を原則3年以内に直接償却するとの方針が表明され、小泉 政権が構造改革路線を打ち出したため安心感が広がり、企業もバランスシート調 整をし02年以降の持続的な経済復興に結びついたのです。今度は官がバランス シート調整をする番です。 とはいえ、やや総花的ではありますが、初めて打ち出した方針ですのでまあこ れで良しとしたいと思います。唯、「歳出・歳入一体改革の実現」についてはもっと スピードを加速するべきです。 歴史を見ると、財布の紐を一時は締めても、時が経つと安易にながれます。最 近のことは別にして、江戸時代の寛政期に財政改革をしたものの、30年ほど経つ と文化・文政の大狂乱へと走ってしまいました。人間は忘れやすいのです。
2007.06.13
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あなたは低負担・低福祉国を選択しますか? 以下は国の19年度予算をわかりやすくしたものです。 19年度予算 (収入)82.9兆円(100.0%) 税金など57.5兆円(69.4%)、借金25.4兆円(30.6%) (支出)82.9兆円(100.0%) 社会保障21.1兆円(25.5%)、借金返済と利払い21.0兆円(25.3%)、地方 交付税14.6兆円(17.6%)、公共事業6.9兆円(8.3%)、文教・科学振興5.3 兆円(6.4%)、役所の維持費5.2兆円(6.3%)、 防衛費4.8兆円(5.8%)、そ の他4.0兆円(4.8%) 言えることは、国民のために使える政策的経費がほとんどないことです。 まず支出の面からみると25%が借金の元利返済分です。社会保障も支出の 25%を占めています。役所の維持費が6%、防衛費が6%と4部門で全体支 出の6割を超えています。 これらの経費はなかなか減らすことができないのも現実です。例えば社 会保障費などは黙っていればどんどん増え続けていきます。この結果、政策 的に使えるお金は全体の4割と限られてしまっています。それにしてもこの国 の未来を担う役割をもつ文教関連の予算が防衛費とほぼ同じ、ということに は考えさせられます。 以上のように支出構造は硬直的となっていますが、収入面はどうかという と、このところの税収増によっても新たな借金が収入の3割も必要なほど厳し い状態です。収入が少な過ぎるのです。 歳出を削減するというだけではこの国を再建することはできないかもしれ ません。例えば無駄な公共工事を止める、ということだって抵抗する人たちを 説得するのに時間がかかるでしょう。特殊法人や独立行政法人の改革でも 今日や明日スリム化できるわけではありません。まず借金残高(800兆円以 上)を長期的にどう減らしていくかということについても明確なシナリオはない のが現状です。 嫌なことですが、やはり増税を考える必要がありそうですね。国民負担率 をOECD比較でみると私たちの国は低い方から数えた方が早いというデータ があります。そのうえ上記の数字でみるように借金の返済に追われ、日本は 低福祉国でもあります。つまり低負担・低福祉の国だというのがこの国です。 私たち日本人は、「高福祉高負担」(北欧など)、「低福祉低負担」(アメリカ が典型)のどちらを選ぶかという選択をこれまでしてきませんでしたね。国の活 力を再生するためにも考える時期のようです。個人が借金を抱えたままでは元 気が出ないのと同じように国も力が出ません。本来ならば7月の参院選はこの ような国の未来を国民が選択する場のはずなのに政治家は何も発言せず避け て通ろうとしています。新聞などがもっと取り上げればよいのですがね。
2007.06.11
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厚労省は正義の味方?ORポピュリズム? きょう考えてみたいことは国の行政指導という問題です。以下はコムス ン事件における同社と厚労省のやりとりを時間順に抜き出したものです。 ・6月6日 厚労省が指定・更新の禁止を都道府県に指示。 ・6月6日夜 グッドウィル・グループがコムスンを別の子会社に譲 渡と発表。 ・6月7日夜 厚労省が「事業譲渡は凍結していただきたい」行政指 導。 ・6月8日夜 グッドウィル・グループが記者会見で「グループの中 で介護事業を続けたい」と発言。 ・6月9日未明 グッドウィル・グループ「原則的に外部に譲渡先を探 す」と発言。 この一連の報道から読み取れることは、厚生労働省の行政指導がグ ッドウィル・グループの意思決定に対して決定的な影響を与えていること です。もっとも事態はまだ進行中ですが。行政指導は適切だったのでしょ うか? 行政指導とは、行政機関が一定の範囲で事業者に指導、勧告などを行 うことであって処分ではないとされています。但し日本では“指導”は即、事業 業活動への一定制約効果をもつことから適用は厳正にしなければなりません。 また裁量的だと内外から批判を浴びました。そこで1993年に行政手続法で基 準を明確にしました。 基準では「相手の任意の協力」が必要であって、強制と取られることはダ メだと書いてあります。求められたら書面で提示しなさい、と書いてあります。 これに照らしてこの行政指導が妥当であったか否かについて各種のメディア においてしっかりとした検証がされた形跡はないと感じます(あくまで私の見 聞きの範囲では)。 私は別にグッドウィル・グループと折口会長を擁護するわけではありありま せんが、コムスン以外にも、介護事業者の不祥事が相次いでいたのは事実で す。新聞には“一罰百戒”を狙ったものだという解釈も載せていました。 そもそも事業を子会社へ譲渡することは禁じられているわけではありません。 今回の件は道義的には呆れる話ですが、法律に触れているわけではありませ ん。判決を下すのであれば、上場している会社なので株価低落という形で市場 がするべきなのです。あるいは業績悪化という形で社会がグッドウィルに退場命 令を下すべきなのです。 それを一役人(阿曽沼老健局長)が記者会見で言うのはどうかと思います。 新聞の論調もそれを支持するような気分になっています。世論の怒りはわかり ますが、もうちょっと冷静になるべきだと思いますが。気分で社会が動かされる とろくなことにはなりません。歴史もポピュリズムの弊害を証明しています。
2007.06.10
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ET史観 きょうは自分自身が漠然と思っていることをメモ的に書いています。何らの データ的な裏づけはありません。だから雑感としました。公表するのが個人の ブログなのでお許しください。 歴史的な視点 ときには歴史的な視点でものごとを見る必要があると思います。林のなかを 歩いているとします。目に入るのは個々の木や枝や葉だけです。でも林を抜け て後ろを振り返ると大きな森を発見することができます。私たちは目の前のこと に囚われます。しかしときには長い目で見つめなおすことが必要でしょう。歴史 の重要性はそこにあります。 この国の2つの興隆期 歴史は進化しないと思います。波のように潮位が上がったり下がったりして、 うねっていくものだろうと考えるのです。私の見方では、これまでの歴史で2つ の潮位上昇期がありました。第一は奈良時代から平安中期までの時代であり、 西暦でいうと8世紀~10世紀です。政治が安定していたことで国風文化が起こ り、日本という国の骨格が形成された時期です。その象徴が「平仮名」の成立と 国家事業で編纂された「古今和歌集」です。 その後、私見では潮位は下がります。鎌倉幕府や室町幕府など武家政権が 誕生したものの長続きせず歴史は混乱します。但し文化面は日本人の精神の 姿を形づくる美意識が誕生しました。その象徴が西行の有名な歌に集約されて いると思うのです。「願わくば 花の下にて 春死なん その如月の 望月のこ ろ」。日本人ならだれでも納得できる気分です。 再び、潮位が上昇するのが江戸時代の中期以降から江戸幕府の終わりまで、 西暦でいうと17世紀から19世紀までです。徳川政権の下で政治が安定し経済も 成長したことから生活レベルの“底上げ”が実現しました。庶民が主体のポップカ ルチャーが花開いた時期であり、その流れは現代にまで及んでいると言えるでし ょう。この国の大衆文化の起源はここにあると思います。 近代の位置づけ その後、現在に至るまでの100年あまりは、短い期間で歴史は上げ潮と引き 潮を繰り返しています。潮位の上げ下げの周期が短いのは、世界がオープン化 したためだと思います。中央集権の政治システムを確立して興隆したものの、エ ネルギーの出口を軍事に求めて破滅しました(1945年の敗戦)。その後、今度は 経済面にエネルギーの捌け口を見出しこれは短期的に成功しましたが、行き詰ま りました。これがバブル崩壊です。この発展を支えたのは中央集権システムです (立役者の大久保利通は人気がないようですが、先日、命日をむかえました)。 “今”というとき 今はすべてが逆転しています。「環境の包容力は万能だ」(現実には地球 は意外と脆かった)、「人口は増え続ける」(既にもう人口減少社会となってい る)、「経済成長は続く」(現実は安定という名をつけた低成長時代)、 「化石 燃料は無限だ」(無限でない証拠に高騰している)、「中央集権統治システムが 最も効率が良い」(これはまだ健在だが崩壊への始まりを見せている)、「人間 の幸せは物質的な豊かさだ」(自殺の高止まり)・・・。 これからは この“20世紀システム”は崩壊の最終段階にあり、今後は“21世紀システム” へ移行する今はその過渡期と私は思います。“21世紀システム”のキーワードは、 全体の成長→個人の豊かさ、大きいことは良いことだ→小さくてもキラリと光る、 中央統制→地域が主体、収奪経済→再生可能な社会・・・となるでしょう。財政 改革の議論、温暖化防止の国際対話、新産業の萌芽(燃料電池、環境、 ユビキタスなど)はその文脈で捉える必要があると思います。
2007.06.09
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私たちの年金を安全に増やしてください 社会保険庁とコムスン問題は、一見関係ない不祥事に見えますが、リーダ ーの危機管理という点では同じ問題を抱えています。私たちFPの常識から言 えば、問題が起きるのを未然に防止することはもちろん大事ですが、ミスが分 かってから迅速に、的確に対処することの方がより重要なのです。 そういう面では、安倍首相は国民の不安を払拭するために真っ先に直接国 民に語りかけるべきでした。またコムスンの親会社のグッドウィル・グループの 責任者はまず記者会見に応じ国民に説明をするべきです。ディスコで一世を風 靡した爽やかさがないね、折口サン。お二人ともFP試験には落ちますよ。 さて年金の問題では、一昨年だったと思いますが、年金は100年安心です よ、と言ったばかり(カッコ悪い)なのに、舌の根が乾かないうちに、今回の 記録漏れの問題が露見し、国民は以前にも増して、不安を昂じさせています。 そのうえ、遅れた分の年金には利息を払わない、と厚労大臣が発言しました。 全く国民をナメるのにも程がありますね。自民党は参院選だいじょうぶなの? ところで年金積立金管理運用独立行政法人という半役所をご存知でしょうか。 以前は年金資金運用基金と称していました。例のグリーンピアなどの無駄遣い で批判を浴びた厚労省が看板を付け替えて昨年の4月に発足させた組織です。 でも理事長と理事は旧年金資金運用基金の人事がそのまま横滑り。言葉どおり 看板の付け替え組織です。政治家はどうして人事に関与しないんだ!。 この組織は私たちの納めた社会保険料を運用する組織です。従来は、郵便 局(郵政公社)の貯金などと合わせて、財政投融資へ資金が流れていたのです が、行政改革の流れから市場で自主運用することに改められたのです。直近で 運用資産87兆円、他に財投債分が29兆円あるので最終的(08年度)には100 兆円を突破して世界でも有数の官ファンドとなるわけです。05年度の収益率は 14%。まあまあ悪くはない数字ですね。まあ株高局面にも恵まれたかな?。 財投債が完全に償還される08年度の基本ポートフォリオは、国内債券67%、 国内株式11%、外国債券8%、外国株式9%、他5%となるそうです。債券75 %、株式20%ですから大きな問題はないと思います(安全性が第一条件だと 思いますので)。でも貴金属や商品などもポートフォリオに加えてもよいですね。 但し、くれぐれもライブドアなどのアブナい株にはもう手を出さないでね。もっとも 年金積立金管理運用独立行政法人の職員はわずか80人。実際の運営会社を しっかりとチェックしてください。私たちも自分たちの資産を監視しましょう。
2007.06.08
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民の風が吹けば国が儲かる 格差論議が賑やかです。都市と地方の格差、個人の間の格差、大企業 と中小企業の格差・・・。共通しているのは社会全体のお金をどう分配するか という話です。“あなたに比べて私の取り分は少ない。これは不公平です。も っと私にください”と、わかりやすくいうとこうなります。これまでの歴史を見て も経済が成長すると格差問題が顕在化した、という識者もいます。その論法 でいくと日本経済は復活しつつあるのかもしれません。 国の政策でもこの格差を是正しようという動きがあります。近く発表される 「骨太方針2007」で経済全体の底上げで格差を解決しようということが盛り込 まれるそうです。焦点は労働生産性。5年間で50%増加させようと目標を掲げ ています。ちなみにこの目標値は「成長力加速プログラム」で提唱されている ものです。 労働生産性は分母が労働投入量、分子が付加価値で労働効率を表します。 値は先進国のなかで日本が最悪です。この国が人口減のなかで豊かであり続 けるには、この労働生産性の向上が不可欠だというわけです。そのなかで製造 業に比べて見劣りする小売・サービス業の生産性向上が最優先だといいます。 生産性向上の武器がIT活用だと言っています。ICタグや情報インフラを拡充 して電子的な対応を増やし、人手を減らそうという趣旨だと理解します。2000年 以降になって労働生産性が向上したアメリカがそうではないか、というわけです。 私はやや疑問をもっています。むしろ逆だと思います。アメリカはむしろ政 府や自治体が関与を減らし、誰かが言った「民間でできることは民間に」政策 を推し進めました。民間企業も主婦層の社会進出の積極化で、ワーク・ライフ ・バランスを推進し、従業員への子育てなど支援を積極化させました。その結 果、サービス業が活発化して事業規模も大きくなり、IT化をするための資金も 備わったのです。原因は環境の整備、結果がIT導入による労働生産性向上 ということなのです。 “風が吹けば桶屋が儲かる”の関係性のロジックで言えば、国や地方の仕事を できる限り減らして、民間に任せるということがサービス業の労働生産性向上の 特効薬だと私は考えます。 もっとも規制緩和をすると、今、問題となっているコムスンのような問題が 起きるでしょう。そのときは監督を強化して罰すればよいのです。 (もっともコムスンの場合はまだわからないところが大です。しかし新聞 に載っていた、グッドウィルのしようとしている、コムスンを自社の子 会社に譲渡しようという発想は社会的に受け入れられないと思います。) ITを活用することでサービス業の労働生産性を向上させることができる、と 考えているのならあまりの短絡的です(もちろん知恵のある方々なのでそうは考 えていないとは思いますが)。それよりも官業サービスの民間開放を進めるべき です。
2007.06.07
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委員会は機能しているか? きのうのNHKの「クローズアップ現代」で市場化テストで民間委託された山口 県の刑務所のことが報道されていましたね。公務員の刑務員と落札した民間警 備会社の社員が一緒に受刑者を管理するという体制です。 受刑者には一人ずつICタグが付けられ、警備会社によって居場所が管理される そうです。面白いのは、受刑者が逃亡を図った場合、民間は追いかけることはでき るものの、拘束どころか手を触れてもいけないそうです。警備会社の社員は刑務官 を呼び、実際の拘束は官がするそうです。 去年の7月から通称、「公共サービス改革推進法」が実施されました。つまり 市場化テストです。これから本格的な民間開放が進んでいくことになります。上記 の刑務所はその、さきがけですね。どれを民間開放し、しないのかを議論するの が官民競争入札等監理委員会です。最終的には閣議で決定されることになります が、事実上の決定機関ですね。 昨年の12月に07年度は25の事業で実施することが決まりました(民間からの 応募は193)。面白いのは、委員会のなかの会議のやりとりです。議事録を全て公 開しています。第一回目の会議の冒頭に、内閣府の事務局がこう発言します。「委 員長につきましては、皆さまとご相談させていただきましたが、落合先生にお願い いたしたいと思いますが、いかがでしょうか」。会議のメンバーは遅滞なく「異議 なし」と答えます。おいおい最初から決まっているんですか? それからほぼ1ヶ月に2回の会議が開かれます。まず基本方針の事務局案が配 られ(事前に資料は委員に渡っていても委員多忙なので詳しく勉強する時間はない でしょう)、事務局が延々と説明し、委員は一言二言、発言をするだけです。なかに は的外れの質問もあったと見受けますが。 次の段階では、民間開放の候補事業の省庁担当が出席して、意見(もちろん反 対意見です)を述べます。そうすると基本法新案はその度に書き換えられ(骨抜きと いう言い方もあります)、最終的に委員会案となり、閣議に提出されるのです。 つまり専門家による委員会とはなっていますが、議事の全体を仕切り、結論を導 いていくのはお役人なのです。これは委員会の議事録を読んだ一個人の感想では ありません。私自身の経験から言えることです。私は役人ではありませんが、民間の シンクタンクで国から受託を受けて調査などをしていた時期があります。 調査を受託すると委員会を何回、どんなテーマでやるか、結論をどう描くか、と いったことを考えます。同時に委員をどういう人選にするか、委員長は誰になっても らうかなどは重要です。委員会の開催の前には、会議資料をもってあいさつ(根回 といった方が正確)に行きます。つまり、あくまで私の担当した範囲で言えば、ナビ を付けて車を運転しているようなものです。道は間違えません。これが実情です。 話題にしている官民競争入札等監理委員会もそれに近いのではないかな、と感 じています。もともと内閣府は省庁の調整機能をもっているので打ち合わせはできて いる、考えるのが普通です。ただ、事務局のお役人を責めることはできないな、と思 うこともまた事実です。会議の進行に道筋をつけることは必要ですし、もし委員会が 混乱すれば責任を負わせられるのは事務局です。もっとも委員人選でいえば、大学 の先生や業界人のような人だけでなく、良識の働く一般の人も入れたら、とは思いま した。 いろいろ書いてはきましたが、このような民間開放が法律化して民主的な手続き で決められていくのは良いことです。実際に民間の仕事が増え、事業のコストも下が る効果が出始めているのですから。始まったばかりの制度ですから今後に期待をし たいと思います。6月は、応募事業の集中受付月間だそうです。あじさいキャラバン といって全国で説明会もするそうです、何で“あじさい”なの?
2007.06.06
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未来は日本文化が花開く第4の時代か? 今日はとりとめのない、独り言のような話をします。もっとも私が思いつく ようなことは、とっくに専門の方が言っているとは思いますが。 私は歴史や文化は好きですが、専門知識をもっているわけではありません。 しかし朝起きてコーヒーを飲んでいるときに、日本の文化について、突然、思い が及んだのです。現在までこの国には3つの大きな歴史的なうねりがあったよ うに感じました。そして3つの時代に共通するのは、やはり、これも3つで政治 的な安定、経済力の高まり、外国の影響力の低下、だと思えます。この3つが かみ合ったとき、この国にはいつも日本独自の文化が花開きました。 第一のうねりは平安時代(794年~1192年)です。この時代にはやや陰りは見 られ始めましたが奈良時代からの律令制が健在で政治は安定していました。富裕 な貴族層もまだしっかりしていで経済力もあった時代です。対外的には894年に遣 唐使が廃止され、先進国の中国からの文化流入も途絶えました。この条件がそろ ったことでまず最初の日本文化が誕生したのです。 この時代に成立したのが「ひらがな」です。例えば漢字の「安」→「あ」、 「以」→「い」というように漢字を崩しながら考案されたのです。「ひらがな」その ものはその前からありましたが、中国の影響力が強い間は、漢字が公用語で した。しかし中国との交流がなくなると「ひらがな」は勢力を増し、勅撰の和歌 集も「ひらがな」で編纂されるようになりました。ついでですが、ここで小野小 町の珍しい短歌を発見したのでご披露させていただきます。美人の典型の彼 女のイメージが変わりますよ。6/3の「河北春秋」(河北新報)に載っていました。 我死なば 焼くな埋むな 野にさらせ やせたる犬の 腹こやせ うねりの第二波は安土桃山時代(1566~1600年です)です。信長と秀吉が覇権 を握った時代です。国内的に政治は安定し新興商人が経済力をもった時代です。中 国は明朝の末期(明国は1644年に清に滅ぼされます)に当たります。国力が弱体化 した中国に代わって南蛮文化が流入します。 この時代に一世を風靡したのが、わび茶、楽焼・織部焼きなどの陶芸、桂離宮に 見られるような和式建築・・・です。今に残る日本文化の原型といってもよいですね。 現代と料理法は違いますが、天ぷらも発祥はこの時期です(ちなみに今のさつまあ げのようなものだったらしい)。 第三派は江戸時代です。しかも2つの波に別れます。第三派の1番目は元禄文化 です。時代は1688年から1707年までです。幕府は1633年に第一次鎖国令を発し、 このときから基本的に対外との交流が経たれます。また徳川時代は安定してきます。 また経済面では関西を中心に商業流通が盛んになり商人が力をつけてきます。 このときに科学、文化で幅広い文化が花開きました。数学の和算、尾形光琳の 琳派、野々村仁清の陶芸・・・。伊原西鶴、近松門左衛門などもこの時期に活躍しま した。中心は京都や大阪、江戸はまさに「下らない」地だったのです。 第三波の2番目は文化・文政期(1804~1828年)にやってきました。元禄文化が 上方の富裕商人が中心であったのに対し、今回は江戸の町民が推進役となりました。 このときには、川柳、黄表紙、蘭学、浮世絵などが盛んになりました。藩校や寺子 屋なども生まれ、教育に熱心な日本人の文化もここから始まったのです。 さあ、どうでしょうか。日本固有の文化は、対外的な孤立・政治の安定・経済 力の高まり、という3つの背景要因が絡みあっていることがわかると思います。も っとも私の場合は先に着想があって、やっつけでインターネットで調べ、理屈をこ しらえた、というのが実情です。ですから漫談として捉えてください。 さてそこで現在の日本です。戦後、日本は政治面でアメリカの影響を受けてき ました。しかし確実にアメリカの影響力は弱まり、世界は多極化してきました。ま た経済力の面では人口減で総体の力は落ちても、一人当たりの所得では30年経 ってもこの国はビッグプレゼンスを維持するでしょう。やや頼りないのは政治の安 定めということですが、2大政党化が今後も続き政策のブレは少ないでしょう。 となると条件がそろい、今後は日本文化の第四の興隆期とみるのは、楽観過ぎ るでしょうか。でも現に“マンガ”という言葉は国際語になっていますし、“もったいな い”という言葉だって同様です。“すし”や“天ぷら”だけではない新たな日本文化が 花開くかもしれません。ひょっとしたらケータイやブログがその立役者になるかもしれ ません。以上です、失礼いたしました。
2007.06.05
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夕張の苦難、明日はわが身 財政再建団体となった夕張市を助けようという動きが高まっています。菓子 メーカーが夕張特産のメロンを使った商品を発売しその売上の一部を寄付しよ うとしたり、一般の人々が応援基金をつくる、などです。吉永小百合さんなどの 著名人も支援の声をあげています。もっとも夕張市民にとって事態は深刻です。 そして夕張問題の本質はあすはわが身ということでしょう。 夕張市はこれから18年間をかけて財政を立て直していくこととなりますが、そ の影響は市民生活を直撃します。住民税、固定資産税、軽自動車税、水道料金 などが値上げされます。ゴミ出しも有料となります。市の職員と議員の人数は半 減、施設の維持補修費は4割カット、市立総合病院も診療所となりサービスは縮 小されます。市民1人当たり年間16万円の負担増という推計もあります。もちろん 時間をかけて実施されることになるのですが、人口の40%を占める高齢者は、市 から“逃げる”わけにもいかず、耐え忍ぶしかないのが現実です。 産炭というまちの産業が斜陽化し、人口がピークの約10.8万人から1.3万人に 激減してしまったことが夕張市の悲劇の直接的な背景です。なにしろ19年度予算で は歳入に占める市税割合は12%に過ぎません。この厳しい状況のなかで市債を乱 発して“ハコもの観光事業”を拡大してきたことは、あながち夕張市だけを責めるわ けにはいかないでしょう。もっとも市の戦略と人材の登用に問題がなかったか、とい う点は検証されなければなりません。怪しげな火事場泥棒的なコンサルタントが介 在したという噂もあるようです。 本質的な問題は仕組み全体が無責任化していたという面があります。地方財政 制度には、基準財政需要額や財源保障機能というコンセプトがあり、最終的には国 が面倒を見る仕組みになっているからです。したがって地方も国に依存するように なる、融資をする金融機関なども国の後ろ盾があるので自治体の財政状態などをチ ェックしない、ということになります。まあ、自治体の財政は単年度主義ですから、借 り入れと返済を同じ年度のなかでやりくりすれば実態を把握するのが困難だ、という 事情もあります。 夕張市も景気がいつか回復するだろうという甘い見込みのもとに、財政リスト ラを先送りしてきたようです。夕張市もそのことを認めています。議会のチェック も不十分でした。先ほど市民の苦難を書きましたが、議会が市民の選良の場と いうことであれば、その議員を選んだ市民の責任ということにはなりますが。 夕張市の教訓は、日本のどこでも同じ事態が生ずる可能性があるということで す。バブル崩壊のあと、自治体は例外なく借り入れを増やし、公共事業を拡大し続 けてきました。(もっとも中央の後押しもあったわけですが)その結果、行政は肥大 化しています。私の住む船橋市でも同様です。 船橋市の場合、今のところ歳入に占める市税の割合は60%以上を占め、夕張 市のような破滅的な状況にいきなり陥る恐れはないようです。それでも一般会計歳 入1400億円に対して地方債も1000億円ほどあります。毎年の収支も借入金を使 って帳尻を合わせているのが実状です。 まだ人口減によるマイナス影響が出ていない今のうちに、肥大化した事業をリ ストラする必要があります。いま市では、全部課に必要な事業と不必要な事業とを 区分けする作業をやらせています。しかし効果は疑わしいといわざるを得ません。 内部の職員に“あなたのやっている仕事は不必要ですか”と聞いてみても、必要だ と答えるのは当たり前です。 仕事の切り分けの第一歩ということではよいとしても、本質的には、もっと住 民を参加させて、市民を職員が一緒になってナショナルミニマムを探ることが必 要でしょう。様子をみて市に発言しようと思います。
2007.06.04
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視点、表現、言葉 私の好きな小説家に、レイモンド・カーヴァーがいる。本来は小説などを 読む柄ではないのだが、かれの書く作品は例外だ。村上春樹が多くを日本語 訳にしているが、その魅力も大きいかもしれない。もっとも原書は読んでいない ので何とも言えない。 さてそのカーヴァーのエッセイに「書くことについて」という作品がある。 そのなかで一人前の書き手というのは「ユニークかつ正確に物事を見ること、 また、その視点を文章として表現する正しいコンテクストを発見すること」だ と言っている。もっとも両者は「別の話だ」とも書いている。要するに「自分が 表現したいと思っていることを十全に伝えてくれる平易な言葉を見つけなさ い」ということだ。 ブログというメディアが誕生したことで、普通の人々が自己表現できる機 会が広がった。誰しもがカーヴァーのように工夫しながら、毎日、書き続けて いるのだろう。もっともユニークにものごとを見ること、そして自分だけの言葉 を探すことは簡単ではない。 他の人のブログを読んでいて時々感じることは、自意識が出すぎていたり、 ときには自己陶酔的な表現にぶつかることもある。こういうときは、思わず後 ろへ引いてしまうような気分になる。書き手は興味深く読んでもらおうとしてい るつもりでも、行き過ぎるとかえって嫌味を感じさせてしまうこととなる。 知らず知らずに自分もそうしていることがあるかもしれない。自己主張とそ れを冷静に見つめる自分、この二面性がオープン・メディアであるブログには必 要なのだろう。気をつけよう。 きょうの花:亜麻 亜麻は涼しい地域で育ちます。名前が似ている麻がロープ など実用的なものに使われるのに対して、着るものや寝具などに 使われるより高級な素材です。亜麻の茎を材料とします。ランジ ェリーの語源は亜麻を表すフランス語からきているってご存知で したか。でも今はすっかり化繊品にその地位を奪われてしまった ということです。インターネットで調べたら、青紫と白によるグラデ ーションの品の好い花です。文字の色を亜麻色にしたつもりです。
2007.06.03
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ブログのココロは伝える心 ブログを考えた。まずツールとしての使い勝手の面から。メールは返事を待つ ということが前提にあり、返答が遅れるとイライラしたり、ときには、無視されてい るのではないかとストレスを感ずることがある。それに本来2人の個人間でやりと りするものだ。 似た形でメーリングリストというのがある。一人が何かコメントを書くと、予め 登録しているすべての人に同報されるというものだ。欠点を挙げると、まず嫌に なるほど大量のメールが来るし、メンバーのなかで気のあった同士でチャット状 態となることも多い。それが嵩じてときには誹謗中傷の舞台となることもある。ヤ フーの株式掲示板もそうだ。匿名が故だろうが、嫌になって今は敬遠している。 対してブログはしごく居心地が好いという感じだ。ほとんどが匿名であること はメーリングリストや掲示板と同じだが、悪質な中傷というものには、今のところ 出会っていない。なぜだろうか。それはブログの性格にあると思う。 ブログの特徴は、ものごとに対して自分の独自の見方を発信するところにある。 逆に言えば(言い方が適当でないかもしれないが)、他人のことにはあまり関心が ないということだ。だから非難合戦というものが成立しない。ただブログの世界は 広大無辺であるため、中には考え方が近いブロガーもいるため仲間を発見できる 可能性もある。 この“発信”ということは、自分でホームページを立ち上げることでも可能だ が、やった方はお分かりだろうが、手間がかかる。ある程度の勉強も必要だ。 この点、ブログは最低限、ワープロができればよい。とても簡単だ。 最大の効果は、ブログを書くことで世の中への目配りをする癖がついた、とい うことだろう。ブログを書くときには、当然、ものごとへの独自の視点をもつことに なるから、新聞や雑誌などの二次情報を、ある距離をもって観ることになる。はっ きりと言えば“疑ってかかる”ということになる。そして気になったことは、自分の目 と耳で確かめる。つまり一次情報を重視するということだ。この観察眼を養うのが ブログではないだろうか。他人に見せるという意識から注意深くもなる。常に見方 が偏っていないか、気付きの訓練にもなる。 思わぬブログの威力に気がついたことがある。新聞の書評を見て本の通販 サイトへ行って内容を確認しようとしたが、“立ち読み”ができなかった。早速、ブ ログにそのことを書いたら、翌日に出版社から「早速、中身検索の手続きをしま す」と返事が来た。企業もブログの力を意識しているのだ。 ブログの可能性は、一般の人が企業のマーケティングに参加できる点にある のではないだろうか。アフィリエートなどは既に盛んであるが、商品を宣伝するだ けでなく、企業や商品を批判・評価していく、といったことも今後、広がっていくの ではないか。私も今後、固有名詞をあげてバシバシ、ブログで取り上げていこう、 と思った次第だ。 ブログが将来どう進化していくのかということも関心がある。よくわからない、 というのが率直な感想だ。巷に出回るメディアは全般にブログが社会を変えて いくといったバラ色的な論調のものが多い。私としては否定的な意見も聞いて みたい。何事にもポジティブとネガティブの両面を見て自分の意見をもちたい。 きょうの花:おだまき(苧環) 5枚の花びら(実はガク)の内側に守られるように小さな花を つける。下向きに花を咲かせる。ピンク、黄などの色のバリエーション があるが、青紫色がこの花の特長を最も表すようだ。紫は古来より貴 人のみが使うことのできる特別な色だ。別名は糸繰草(いとくりそう)。 おじぎするとは もったいない 青紫の糸繰草
2007.06.02
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本当にイノベーション戦略? 物価が騰がり始めたという記事が目につきました。景気が好くなるなかで の物価上昇は良い傾向ですが、このところの経済はそうとも見えずちょっと気 になりました。 さてきょうは5月25日にイノベーション25戦略会議がまとめた「長期戦略 指針-未来をつくる無限の可能性への挑戦」について考えたいと思います。 結論を先に言うと、ほとんど納得できるところはありません。冷静な事実 認識に乏しく"おとぎ話"に近い内容です。戦略との言葉がタイトルに使われ ていますが、戦略とは似て非なるものだという印象です。大体、サブタイトル に「未来をつくる無限の可能性への挑戦」とありますが、これがいかにも嘘 っぽいですね。無限ということは、絞りきれない、ということと同じ意味です。 まず戦略の意味を考えます。私はマーケティング戦略をこれまでやってき ていますが、私の理解では、戦略というのは、環境を分析し、自分の強み・弱 みを認識し、最も自己の力を集中できるところに特化するということです。そ の意味では、今回の報告書は、これもできる、あれもできる、と可能性ばかり を挙げて、未消化に終わっています。 たとえば、第2章で人口減少・高齢化への危機感をあげ、潜在成長率が 低下する可能性を示しています。第3章では、だからイノベーションが必要だ と言っています。これはその通りですが、第4章で「イノベーションで拓く2025 年の姿」で「ここで示される社会像は、我が国が人口減少下であっても生産性 の向上等を通じて、持続的な経済成長を達成できることが前提となっている」 と書いてあります。この段階で既にレポートは"脳死状態"となっています。 極めつけは第5章の「『イノベーション立国』に向けた政策ロードマップ」 です。3年以内に取り組むべき政策課題としながら挙げられているものは抽 象的であり、総花的です。「努力とチャレンジを正確に正当に評価するしくみ づくり」、「ワーク・ライフ・バランスへの取組」・・・。具体的に何をするのでしょ うか。また政策が小粒ですね。「銀行代理店に係わる諸規制の緩和」、「外 国で上場されている金融商品の販売」、おいおい、言いたい感じになります。 私にとって最大に異論があるのが教育の問題です。レポートでは国際的に 通用することを目指す大学改革にのみ焦点を挙げていますが、2025年を視野 におくのなら、幼児や小中高校の改革によりポイントを置くべきです。人口が減 少するなかで、一人ひとりの資質の向上が重要なことはその通りですが、だっ たら未来の日本を担う子どもたちにもっと目を向けるべきです。 このレポートに対する反応は、次の通りです。 竹中平蔵さん-「残念ながら最近の動きを見るかぎり、改革はもうほどほどで いいではないかといった空気が散見される。安倍内閣が標榜する『オープ ン&イノベーション』の象徴となるべき技術革新の長期戦略指標のイノベ ーション25」の中間報告が先般発表されたが、これはいままでの霞が関の 作文なかでも最悪の部類に入る中身のないものだった。日本経済の現状 に対する建設的な危機感がそこには欠如している。」 日経の社説-「それぞれの省庁に不都合とみれば換骨奪胎し、予算分捕りの 口実になるのなら何でも盛り込む。それでイノベーションの道筋がつけられ たというのだろうか。安倍政権が重要施策に位置づけていた技術革新の長 期戦略指針『イノベーション25』の最終報告はそんな疑問を抱かせる。」 サンケイの社説-「課題を克服することで、経済を発展させ、国際社会にも貢 献していきたい。そうした気概がひしひしと伝わってくる内容となっている。」 と、ほめているのはサンケイのみです。ホントにそう思う? きょうの花:バラ(薔薇) バラは古来、日本人に愛用され、俳句や短歌にも詠われてきました。 江戸時代の園芸ブームのなかでも愛好された、ということです。華やか なイメージでいかにも"花の女王"を彷彿とさせてくれます。最近では青 いバラでニュースにもなりました。人々のロマンをかきたてる存在でも ありますね。私の地域は、京成バラ園、谷津バラ園があり、バラの有名 地でもあるんですよ。今が満開だそうです。お近くの方は訪ねたら、い かがでしょうか。 君は知るか 幻の 青い薔薇
2007.06.01
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