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おとぎ話(3) バラマキ予算復活と財政の悪化(前回までのあらすじ) 小泉前政権の後を引き継いだ安倍は強い意気込みで政権に臨んだが、党内を統制する力を欠き、次々に露呈する閣僚の不祥事も追い討ちをかけ、支持率は低下、夏の参院選では記録的な大敗をした。 今度失敗すれば後はない、しかし弱体化した自民党単独では、難局を乗り越えることはできない、こう思った安倍がたどり着いたのが、野党第一党の民主党と大連立を組むというものだった。逆転の大ホームランを狙うしかない。(今回のあらすじ) 連立した自民・民主連立政権は、民主党の主張と自民党内からも減税や歳出の拡大を求める大合唱のなかでバラマキ予算をつくった。折からの世界景気の後退下、GDP成長率は大幅に減速した。税収の落ち込みと歳出増加でこれまで圧縮してきた公債の発行は再び増え始めた。財政再建の頓挫を見越して長期金利も上がり始めた。 ○バラマキ予算の復活 連立政権とはいえ、参院選の勝利で勢いにのる民主党が政策をリードする形で国会運営が進んだ。障害者が福祉サービスを利用するときの1割負担の凍結、薬害肝炎を対象とした医療費の助成、農家への個別所得補償、最低賃金の引き上げなど、民主党の参院選前からの主張どおり歳出が決まっていった。便乗する形で、自民党の地方選出議員なども地元選挙民の歓心を買おうと減税などを主張した。 一方において秋口から検討するといっていた消費税増税は先延ばしされた。また、安倍の「経済財政改革の基本方針2007」で省益拡大のために、ありとあらゆる施策を盛り込んで主導権を握った各省庁は、民主党の主張する歳出削減に、あの手この手で抵抗し、予算の削減には結びつかなかった。 結局のところ歳出規模は前年度に比べて大幅増加してしまった。これは国と地方合せて6兆円を超える減税を行った1999年度以来の歳出の肥大化・膨張という状況が再来した。○景気の悪化 一方、バブル崩壊で米国の住宅価格が低落し、それまで値上がり益を担保に多額の借金をして、耐久消費財などの消費に充ててきた、いびつな消費構造がいよいよ破綻を見せ始めた。米国GDPの7割を占める消費に影が差し、米国の景気は悪化し始めたのである。 その結果、好調な米経済への輸出で潤っていた国内の自動車メーカーなどは売り上げ不振で大幅な減益となった。好調を保っていた中国など新興国も成長スピードが落ち始めた。その影響で外需依存で内需に力強さのない国内景気も悪化し始めた。とくに地方経済が真っ先にやられ始めた。人間と同じように、経済が悪くなると弱い部分がまず影響を受けるのである。○財政破綻の懸念 バラマキ予算と税収の減少は、ダブルパンチで財政に襲いかかってきた。小泉の骨太方針2006で国民に約束した、平成11年度に年度の財政予算の秩序を取り戻し、それ以降は長期的に国債残高を減らしていくという、目標の達成が怪しくなってきた。地方の債務などを加えた国・地方の長期債務残高は、平成19年度末に800兆円近くとなっており、GDP比で150%に迫る見込みであるが、このところの予算膨張や経済の悪化で、借金依存から抜け出すことができない可能性が出てきた。それを察知したのか、ここにきて長期金利が上昇し始めた。もはや平時ではない。非常事態である。
2007.08.30
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週刊未来経済 07.8.27号 (月曜発行) ●今週(8/27~8/31)の焦点 日・米・欧・アジアの株式市場は、当面、落ち着いた動きを示している。金 融政策当局が、現金をふんだんに供給しているためだ。 しかし、リスクが分散した結果で、どこに飛び火するか、わからないという 状況は変わっていない。1990年代以降の、日本のバブル崩壊のときと同じ 構図である。今回の方が、より軽症であるいとはいえ、いつどこで再び、損失 話が出て、パニック化してもおかしくない。 証券化されて蔓延する資産が、どこまで劣化しているか、不明な点が最大の 病巣だが、最終的には、中央銀行などが、価値が判定し難い、債務担保証券な どにも担保価値を認め、国家が債券管理に関与するなど、大盤振る舞いまで踏 み込まないと終息しないのではないか。 それにしても、安易に金融緩和を続けてきた日本を含めた金融当局、甘い格 付けを放置し続けた格付け会社の責任は大きい。いつもバブルの原因は同じだ。 ●市場動向(先週8/20~8/24の市場動向) FRBの公定歩合の引き下げが、心理的な安心感を呼び、米国を中心に株価 は戻した。東京市場でも下げ過ぎ、という印象は否めなく、自律反発を示した。 ただ気がかりは、それまで4週下げ続けたにしては、東京市場の戻りが鈍か ったことだ。とくに大陰線をつけた先々週に比べ、半分ほどしか戻していない。 商いも薄かった。この弱さが気になる。買手は個人投資家だけで、投信なども 弱体であるため厚みに乏しいためだ。 NYダウ 13378.87 (+2.3%) 米国債金利 4.620 (▲1.3%) ドル円 116.17-23(114.28-34) WTI原油先物 71.09 (+1.6)%) 金先物 677.5 (+2.8%) 日経平均 16248.97 (+6.4%) TOPIX 1585.58 (+7.1%) 日経ジャスダック 1895.77 (+1.4%) マザーズ指数 726.97 (+5.6%) ヘラクレス指数 1154.14 (+3.6%)(今週の市場予測) 今、起きているのは、証券化された債券の劣化状況が、判定できず、債券 市場での価格付けが機能していない、ということだ。したがって、根本解決に は、政府機関が、こういうリスクの高い債券を引き取ってしまわなければ、解 決しないのではないか。政府系の住宅ローン会社を使えばよい、と思うが、政 策当局が、どこまで踏み込めるかがポイントとなる。また対処療法的には、F RBがFF利下げをするか、どうかも焦点となる。 東京市場は、相変わらず海外要因で株価が動きそうだ。国内は、政局不透 明感、薄ぼんやりした景気など、不透明な要因が多すぎる。投資家に、これか らの日本経済・社会に明るい展望を感じさせることが必要だが、それには政治 リーダーシップをとることが必要になる。しかし、現状は可能性に乏しい。 ●指標発表と予想値 とりあえず大出血が止まった状態だ。この後、何か支援材料が欲しい。 8/27(月) (米)7月中古住宅販売件数 28(火) (独)8月IFO景況指数 (ユ)7月マネーサプライ (米)8月消費者信頼感指数 (米)FOMC議事録(8/7) 30(金) (米)第2四半期GDP改定値 (米)第2四半期個人消費・改定値 ●FPの視点-乱高下が当たり前の時代 このところの株式市場には、長期保有は必ずしも賢明とはいえない構造要因 がある。「長期」をどこまでみるかにもよるが、少なくとも3年や5年の間は、持続 保有は、あまり利口な運用法ではないかもしれない。 端的に分かるのが、東証で発表する、投資主体別売買動向だ。ひところは個 人投資家と外国人が、それぞれ35%程度と、シェアが拮抗していたが、最近 は、個人が減少するのに比べて、外国人は50%以上に高まっている。投信の 売れ行きが良くても、多くが海外債券向けであったり、エマージング株式を対 象としたものである。国内株式向けは、精彩を欠いている。結果、国内投信の 売買関与は弱体で、売買シェアは3%程度に止まっている。 この構造変化の背景には、近年行われてきた、欧米の金融緩和にある。自国 の株を買い上げ、余波が、日本の株式市場にも流入したのである。さらに低利 の借り入れをして、てこを利かして投資資金を膨らませる。資金の収益率を高 めようする当然の資本の原理である。 こうしたリスクマネーはささいな情報にも反応する。リスクが高いと見れば 投資を引き上げ現金化すると共に、カラ売りを行う。相場を動かそうとして仕 掛け的なテクニックも多用するのだ。つまり相場は乱高下することとなる。 本質的な原因が、実体経済を超えた、カネ余りにある限り、この状況は変わ るはずがない。本来であれば、投信などの長期マネーが支え役となるのだが、 上記のように、東京市場の売買シェアは小さく、とうてい支え役は果たせない。 これまでの構図は外国人の売りに対して、下げたところで個人が買い支える格 好となっているが、資金量からとてもではないがかなわない。 このように、株式相場が乱高下を繰り返す、という環境のなかで有利な投資 を実践するためには、下値で買って高値で売る、という逆バリ方法が有効だ。 例えばTOPIXの業種別の騰落率を見てみると、TOPIXが、今年3/2の 直近高値に比べて、8/17終末には約19%下げているが、その落ち込みより 大きく目立つのが、水産▲33%(6/11高値)、輸送用機器▲32%、その 他金融▲35%となっている。 したがって、個別の企業の内容を吟味しながらも、このように大幅に下げた 業種に属する銘柄への投資は有効だと思う。実際には、言うは易く、行うは難 し、というのが現実ではあるが・・・。 ■17文字の小宇宙┗■ きょうの感動: 縁台 └──────────────────────────── ┗■ 悠悠と 縁台広げ 長屋路地 ゆうゆうと えんだいひろげ ながやろじ └──────────────────────────── ┗■ その心 今は、もう長屋という言葉自体が、死語に近いのですが、私 は東京の下町生まれですので、おぼろげですが、隣近所の人が 集まって、将棋をさしたり、氷水を飲んだり、花火をしたりと いう光景を覚えています。 今風にいうと、地域コミュニティというのでしょうが、都市 はいつの間にか、こういう余裕を無くしてしまいました。 └────────────────────────────
2007.08.27
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おとぎ話(2) 安倍自民党の参院選の大敗 前回は、「安倍の決断は民主党との大連立」というテーマで、妄想を書いた。ほとん どの方はもう忘れてしまっただろうから、あらすじを再掲する。(前回のあらすじ) 参院を大敗した安倍が、起死回生の策として、安倍がたどり着いたのが民主党と連 立政権を組む、というものであった。衆参のネジレが続けば、法律や予算の審議が進 まないことで、微妙な段階にある景気を悪化させることにつながる。また年金不信も 収まらず内閣支持率も低迷する。対外的にも、テロ特措法の行方で、対米関係も気ま ずくなり、安全保障面でも問題が出る。すべての解決策は参院第一党の民主を政権に 巻き込むだ。 今回の物語は、安倍の大連立作戦の発端となった話だ。(今回のあらすじ) 国民の高支持率を背景とした小泉路線の継承が、安倍の基本戦略であった。小泉 が経済・金融面の構造改革で突破口を開けた後、自分がなすべきことは、戦後システ ムの構造改革だと、自らを位置づけた。誤算は、小泉が傷口を広げた国民、とくに地 方の傷みに気づかなかったことである。地方が反乱すれば、独断を可能とする支持率 という基盤が失われるということに考えが及ばなかった。そこに年金問題の失策、閣 僚の失言、政治家とカネの問題など国民をウンザリさせる不祥事が続き、07年の参 院選で大敗した。 懸念 安倍政権は、最初から、うまくいかないのでは、という意地悪な見方があった。それ も一理あった。闘いのなかで権力を勝ち取った小泉と違って、66%と高い支持を得て 総主流派的なリーダーであったからだ。権力闘争を経ないので、政策は党内に気を遣 い、切れ味を欠くことになるだろうと、と辛口のメディアは論評した。 成功体験 しかし安倍は、予想を裏切って独断的な政治手法に出た。前政権の小泉の側近にい て、国民からの高い支持率を武器に、自分の主張を貫き通す方法が有効なことをよく 知っていたからだ。この成功体験が安倍の方向を決めた。事実、裁選前の各種の世論 調査などでも安倍の国民の人気は高く、安倍は、手ごたえ感をもっていたのだ。 美しい国 安倍は、総裁選前に政権公約ともいえる著書で「美しい国」構想を掲げた。半世紀 の自民党政治のなかで、表れた問題を洗い出し、新しい時代への船出を図ったのであ る。つまり、経済的に豊かになったものの、家族や地域、国への思いが失われている、 と主張した。そこで憲法改正、教育再生、公務員制度改革などが必要だと主張したの である。また政治手法でも、理念や政策を旗印にし、派閥の枠に囚われない政策を進 めると主張した。このことで、後から自民党の古い政治家からのしっぺ返しを招くこ とになる。 スタートダッシュ スタートダッシュは良かった。アメリカを中心に、世界は、前任の小泉が作り出し た日本と中国の不和を心配していたし、当事者の中国もいつまでも日本と対立する ことは自国の利益にならないと判断していた。ちょうど世界は転機を必要としていた のである。 そこに色の付いていない安倍が総理となったわけだから、まさに「渡りに船」であ ったわけだ。安倍は、9月27日に首相に指名されると、初めての訪問国としてアメ リカではなく、中国・韓国を選んだ。直前の日経新聞の世論調査でも内閣支持率は 71%と高率を記録した。このときが、結果的に安倍の絶頂期となった。 つまずき 安倍に対する自民党のしっぺ返しは、小泉から退場させられた郵政造反議員を復帰 させる働きかけで火蓋が切られる。安倍が総裁に就任する以前も、「造反組」を復党 させようという動きはあった。例えば、総理経験者の森は06年7月30日にポスト小 泉政権は、かれらを復党させるべきだ、との主張している。国民の高い支持を武器に、 安倍としては、このような「党内圧力」を本来であれば排除するべきだった。 しかし人の良い、悪くいうと優柔不断な面のある安倍は次第に党に主導権を取られ ていくことになる。10月20日に、党内では、復党の条件の詰めの検討を始めた。 23日には安倍が復党の条件の検討をするように党に指示する。27日には復党のた めの手続きを開始するよう指示するのである。そして12月4日に造反組の復党を決 定した。この決定を受けて支持率は51%に急落した。自らリーダーシップで改革を 約束したはずの安倍が、党内の圧力屈し、国民を裏切った形となった。一番、高いと きは71%であったので急落である。ここから安倍の歯車は狂い始めるのである。 乱暴さ さらに、安倍が国民からの信頼を失うこととなったのが、強引な議会運営である。 安倍は「美しい国」に盛った自身の政策を進めるのを急ぎすぎた。06年12月の改正 教育基本法を成立させた後、07年になるともはやスピード違反である。5月には憲法 改正を視野においた国民投票法、教育改革3法、6月になると社会保険庁改革法を成 立させた。いずれも野党との議論を打ち切る強行的な、数の優位性を背景にしたもの だ。このような数の暴力に等しい愚行に国民はノーと言い始めた。6月24日の日経新 聞の世論調査では内閣支持率は36%にまで低下した。 不祥事 安倍内閣では閣僚の不祥事も多発した。12月には佐田行政改革大臣による政治資 金収支報告書への虚偽記載が発覚し辞任に追い込まれた。また同様の問題で追及され ていた松岡農水大臣が自殺した。また後任の赤城氏も架空計上の問題が発覚したが、 安倍は庇い、結局、更迭に踏み切ったのは参院選の敗北後と、後手に回ってしまった。 また柳沢厚生労働大臣の「女性は産む機械」発言、防衛大臣の「原爆投下はしょうが ない」発言など、安倍の統制能力を疑わせるような閣僚の不祥事が次々と発覚した。 大敗 既に選挙前の7月21日には、内閣支持率が27%にまで低落し、民主党と逆転して いた。 この段階で安倍自民党の敗北は決まっていたといってよい。結局、打開でき ないまま、選挙当日を迎えることとなり、大敗したのである。■17文字の小宇宙┗■ きょうの感動: 縁台 └──────────────────────────── ┗■ 悠悠と 縁台広げ 長屋路地 ゆうゆうと えんだいひろげ ながやろじ └──────────────────────────── ┗■ その心今は、もう長屋という言葉自体が、死語に近いのですが、私 は東京の下町生まれですので、おぼろげですが、隣近所の人が 集まって、将棋をさしたり、氷水を飲んだり、花火をしたりと いう光景を覚えています。 今風にいうと、地域コミュニティというのでしょうが、都市 はいつの間にか、こういう余裕を無くしてしまいました。 └────────────────────────────
2007.08.25
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おとぎ話:自民・民主連立政権 暑さで、ぼおっとして、このような物語をつくってしまいました。これからも、この夏の猛暑でアタマがやられたせいか、妄想が次々と出てきそうです。 参院選大敗を受け、起死回生の策として、安倍がたどり着いたのが民主党と連立政権を組む、というものであった。衆参のネジレが続けば、法律や予算の審議が進まないことで、微妙な段階にある景気を悪化させることにつながる。また年金不信も収まらず内閣支持率も低迷する。対外的にも、テロ特措法の行方で、対米関係も気まずくなり、安全保障面でも問題が出る。すべての解決策は参院第一党の民主を政権に巻き込むことだ。盆休みの安倍 安倍は、お盆休みを使って、秋の臨時国会を乗り切るための内閣改造・党の役員人事を考えた。リゾートでゆっくり静養という気分ではなかった。小泉流の独断政治を継続してきたこともあり、頼みの国民から反感をかう現状では、党内の求心力を高めることはきわめて難しい。 それに仮に求心力を回復できたとしても、7月の参院選で生じた衆参のネジレは国会運営を難しくする。参院第一党の民主党の案を丸呑みするか、参院で否決された後、自民党が3分の2の議席をもつ衆院で可決するしかない。そうした場合は、参院で示された民意を無視するのか、と国民の批判がさらに高まるリスクを抱える。 一方、課題は山積みで、一瞬たりとも政局の停滞は許されない。11月1日に期限が切れるテロ特措法がまず問題だ。失効させることは日米関係に与える影響があまりにも大きい。米国との関係を悪化させることは日本の安全保障にも暗雲を投げかけることになる。 これから始まる来年度予算の審議にも悪影響は避けられない。年金不信もこのまま放ってはおけない。住宅産業のバブル崩壊で米国の個人消費にも変調が出始めている、景気が低下する可能性もある。輸出型の大企業がまず先導し、コップの水が溢れるように、その恩恵が従業員や地方に波及していくシナリオを想定していたが、それも怪しくなりつつある。景気後退ということになれば、格差批判がますます昂進するだろう。 戦後、ずっと続いてきた自民党支配の政治に国民が飽き飽きしていることが、7月の参院選大敗のもうひとつの側面であり、自民党が単独支配をこれからも続けられるか、というとこれも無理がある。八方塞がりだ。何とかしないと駄目だ。今、必要なのがイチローの確実性ではなく、マツイの一発だ。究極の解決策は自・民連立 こう考えてくると、やはり解決策はひとつしかない。民主党を政権に巻き込むことだ。民主党は乗ってくるだろうか。もともと水と油のように基本政策が違っているわけではない。民主党としても政権運営の経験を蓄積し、世間にも政権担当能力を見せつけたいはずだ。頭から自民党憎しの小沢は反対するかもしれないが、周りが説得するだろう。今、あの党は流れに乗っているが、次の選挙でも確実に勝てるという自信はないだろう。勢いがあるときに政権党になりたいというのがホンネだろう。大局判断に立てば民主党にデメリットはないはずだ。 党内はどうだろうか。理念などないいい加減な党だから、なかなか読みにくい。総裁に就任するまであれだけ、もちあげておきながら、今では事あるごとに足を引っ張る。もっとも本気で自分を引っ張り降ろす度胸はないだろう。自分に取って代わることができるほどの人気のある総理人材はいないはずだ。それに妙に肌感覚で危険を察知する体質をもっているので、今の自民党が置かれている存立の危機は皆、分かっているはずだ。大臣の競争率が高まるわけだから、中堅以上の代議士や議員からは反対が出そうだ。むしろ長老と若手を抱きこむことで押さえ込むことができそうだ。世論の力で反対派を黙らせる そうだ、ここは世論の力を借りよう。小泉はこの手法で成功してきたし、自分も官房長官の時代は、北朝鮮への強硬姿勢で国民の支持を集めた。参院戦で民主党を勝たせ過ぎた、と一番、驚いているのは国民自身だろう。そして今、当惑している。今後、与野党の対立で、重要なことは何も進んでいかないのではないか、景気も悪くなるのではないか、またあの長期低迷に逆戻りするのではないか・・・と予感しているはずだ。 この大連立構想を打ち出せば、国民は賛成してくれるはずだ。政治のネジレの元である自民党と民主党がくっついてしまえば、不安はなくなる。そしてその国民の声が党内を動かしてくれるはずだ。よしこれでいこう。 ■17文字の小宇宙┗■ きょうの感動: 水引の花 └──────────────────────────── ┗■ お静かに 水引鳥が 食事中 おしずかに みずひきどりが しょくじちゅう └──────────────────────────── ┗■ その心 枝に小さな赤い花が列をなして咲きます。表が赤、裏は白、 紅白の水引に似ているので、水引というようです。 でも一番下の写真を見てください。小さな鳥が、餌となる虫 を加えているように見えませんか。とっさにこのような表現が 思い浮かびました。 「季節の花300」から写真をいただきました。 http://www.hana300.com/mizuhi2.html └────────────────────────────
2007.08.22
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週刊未来経済 07.8.20号 (月曜発行) ●今週(8/20~8/26)の焦点 先週末に米FRBの公定歩合下げで、とりあえず米国株式市場は落ち着いた 形となったが、世界の株式市場がパニックから脱することができるか、が焦点。 但し、我々が知ってしまったことは、いろいろな金融商品に、低い信用力の 債券が、組み込まれ、外見では判別のつかないまま、世界中にウィルスのよ うに蔓延していること。さらに金融政策当局も実態を把握できないでいること だ。本来であれば、実体経済の発展のため使われるマネーが投機に向かっ ている。原因には、うま味のある投資先の減少(20世紀システムの成熟化) 及び、国内で使いきれないほどの外貨が溜まる新興国の存在がある。あり余 るマネーが、行き場を失って投機ゲームに走ったのである。 なお、20世紀の鉄道や自動車、製鉄などに代わる、21世紀のキー産業が 大きな流れとなって見えていないので、この流れはまだまだ続くと思われる。 21世紀のキー産業は、新エネルギー、燃料電池、航空機、遺伝子治療など 考えられるが、まだ、萌芽段階で、投資先としてはリスクが高過ぎるためだ。 したがって今後、いつ、どのような爆弾が破裂するかは、誰にもわからない。 とすれば前週のような動揺の連鎖が、再び、いつ起きてもおかしくないわけだ。 新たな気がかりは、世界の金融当局が金融緩和へ舵を取ると思われること。 さらなるバブルマネーのバラマキとなる可能性がある。 とはいうものの、これだけの大下げを生じた後であり、当局のテコ入れに敬 意を表して、とりあえず、沈静化、反転の方向に向かうのではないか。 ●市場動向(先週8/13~8/17の市場動向) 8月に入って大きな騒ぎとなった、サブプライム・ローンを契機とするリスク 回避の動きから株価の下げが続いた。当局の資金供給にも係わらず動揺は 収まらなかったが、先週末にFRBが公定歩合の引き下げを発表したことでと りあえず出血が止まった格好となっている。 東京市場では、とくに急速な円高が強烈なストレートパンチとなり、株価は急 落した。外圧に弱い株式市場の脆弱さを露呈した。日本企業の実害は少ない と報道されたにも係わらず、換金目当てのヘッジファンドと思われる売りに押 され、ここはどこの国だと疑わせる一週間だった。 NYダウ 13079.08 (▲1.2%) 米国債金利 4.683 (▲2.6%) ドル円 114.28-34 (118.36-42) WTI原油先物 71.98 (+0.7%) 金先物 666.8 (▲2.2%) 日経平均 15273.68 (▲8.9%) TOPIX 1480.39 (▲9.4%) 日経ジャスダック 1869.67 (▲9.7%) マザーズ指数 688.46 (▲9.7%) ヘラクレス指数 1154.14 (▲8.1%)(今週の市場予測) 先週は、あれだけの大下落を受けたのだから、今週は落ち着くだろう、とい うのが常識的な見方だが、世界の投資家の動揺が収まっていないこと、再び、 外国の金融機関でネガティブなニュースが出れば、また、同じような下落の局 面となることは 否定できない。FRBなど金融当局がどこまで実態を把握して いるのか疑わしい。今後も、大小の発作を起こしつつ収束していくのだろう。 東京市場では、本来であれば下支えする役割をもつ内需・振興市場も全体相 場の悪化に押され下値の底が見えない状況だ。外国は金融政策当局による利 下げなど支援策を取り得るが、日銀には物理的にその余裕はない。救いは、記 録的に株価水準が低くなっていることぐらいだ。自律反発は期待できる。 ●指標発表と予想値 現下の状況は、投資家心理がびくびくとしている状態であり、回復には物理 的時間が必要となる。したがって個別の指標はあまり材料とはならないだろう。 8/21 (日) 全産業活動指数 (ユーロ圏)8月ZEW景況感調査 /23 (日) 日銀政策決定会合・発表 /23 (米) 7月新築住宅販売件数 ●FPの視点-20世紀システムから脱却できない日本 先週末の東京市場は、後場に入って、為替が円高方向に向かうと、株価は下 げ幅を急速に拡大し、800円を超える下げとなった。このような大幅の低落は、 滅多に経験できるものではない。 この、自国の通貨が高くなると株価が下げるという構造は、日本だけではなく アジア各国に共通する。他のアジア市場の下げ幅が小さいのはドルペッグ制を 採用しているからだが、輸出に頼る発展途上型の経済であるのは日本も変わら ない。 例えば、内需型の事業の多い振興株市場は、見るも無残な状態となっている ことはそれを証明する。また地方経済の疲弊は、工場が海外に逃避してしまっ たためである。それに至るまでの間、効果的な手を打つことができなかった地 方政府の無能ぶりも問題であるが、戦後、一貫して輸出型産業の育成に力を 注いできた国が最大の加害者だ。 あわてて内需拡大に走ると、大都市部の再開発という下策の発想に至り、日 銀に金融緩和をやらせた結果があの80年代バブルである。70年代のオイル ショックで経済のパラダイムは変わっていたのであり、外需依存から内需振興 へと政策のカジ取りを変更するべきであった。 この政策転換をうまくしていれば、あの不動産バブルも起きなかったであろ うし、世界にも恥ずかしいような財政悪化も生じていなかったはずだ。また先 進国のなかで最悪水準の格差や低福祉状況も存在していなかったはずだ。 ベンチャー開業率も、労働生産性も高まっていたかもしれない。地方ももっ と元気になっていたかもしれない。自殺者にしても、もっと少なかったと思える。 当時の政策当局者は、政策の失敗というよりは、犯罪者に近いかもしれない。 本来ならば「塀の中」にいなければならない(とは言っても当事者は多額の年 金をもらって、のうのうとしていることだろう)。 しかし、「たら」や「れば」をいくら重ねても現実は現実だ。今の私たちの国 は、膨大な国と地方の借金の利払いのため、先進国のなかで最も民が虐げ られている国である。これは大げさな言い方ではない。インターネットでOEC DのHPを見れば分かる。負担する税金は高いとはいえないが、高い貧困率 と低福祉の国に成り下がってしまった。減らない自殺者や、景気が相変わら ず、ぱっとしないのも、個人が苛められているからである。今回の選挙結果 は、これまでの失政の連続にイエローカードを出した、と見るべきなのだ。 一方、救いもある。調べたところ、国有財産の時価は85兆円、公務員と独 立行政法人の人件費6兆円、民営化する日本郵政公社の純資産1兆円、特 殊法人への国の政府出資40兆円である。これだけで130兆円を超える。他 に、バランスシートを発表しないので不明(そもそもどうして発表なしいのか!) だが、地方の純資産も相当あるだろう。仮にこれを100兆円とする。国の財 政投融資残高が280兆円あり、ムダ遣いをチェックできる。また公益法人の 正味財産額だって18兆円もある。以上を合せると、500兆円となる。この うち半分を売却したとして、250兆円を借金の返済にまわせる。金利の支払 いを7兆円程度減らせることになる。 この浮いた7兆円を、今の日本経済の病根である需要不足の財源として、政 府支出を増やしたり、減税に当てれば、景気は回復するだろう。但し、この国 は平時では、何も動かない。既得権を喜んで手放す善人はまずいないからだ。 外圧か、日本経済社会の破綻、国民の声のいずれかで、無理やり、動かすしか ない。手垢がついた道州制という言葉は別として中央政権の権限を縮小し、地 方の裁量を増やすことが必要だ。もはや、中央政府が1億2千万人を支えよう という発想自体が古いのである。法律ができたのだから、自民党でも、民主党 でもよいから、地方主権を問う国民投票を実施して欲しい。 ■17文字の小宇宙┗■ きょうの感動: けいとう(鶏頭) └──────────────────────────── ┗■ 後れとる 恐れはないよ 赤鶏頭 おくれとる おそれはないよ あかげいとう └──────────────────────────── ┗■ その心 鶏頭となるも牛後となる勿れ、という諺がありますが、この 赤鮮やかな鶏頭ならば、後れをとる心配はありません。 遠目からもよく目立っています。南国原産らしく色彩のはっ きりした花です。 「季節の花300」から写真をいただきました。 http://www.hana300.com/keitou.html └────────────────────────────
2007.08.19
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週刊未来経済 07.8.13号 (月曜発行) ●今週(8/13~8/19)の焦点 今週だけの問題ではないが、世界に広がる信用リスクが経済実体に波及するか が気になる。というのも長年続いた金融緩和がこのところ引き締め方向に向かって いる事実があるからだ。緩和期に膨張したマネーは、国の実体経済成長への活用 という、本来の政策当局の意図とは違って、住宅を始めとする資産の高騰を世界中 で招いた。その結果があり余るマネーそしてバブル崩壊の不安となって表れた。 この環境が変わった今、単にマネーが収縮するだけに止まらず、個人消費の落ち 込み→企業業績悪化→設備投資低迷、という形で景気悪化に繋がらないか懸念が ある。そうなると中国をはじめとするアジア経済や輸出に依存する日本経済も無事 ではあり得ない。このような悪い連鎖とならないことを祈るばかりだが、その場合は 経済金融政策の舵取りが重要となる。 その場合、欧米は政策金利の利下げという方策が採れるが、日本の場合、この 低金利の下では制約がある。また財政悪化の下で公共工事の出動もできない。打 つ手がない、というのが現状だ。残るは規制緩和を進める、ということだが、格差批 批判から競争自由化も図り難い。安倍さんの腕力では現状これも望み薄。まさにレ ームダック状態だ。外部環境の好転に身を任せるしかないのが今のニッポンである。 ●市場動向(先週8/6~8/12の市場動向) 予想通り、信用リスク問題が米・欧・アの世界市場を襲った。どこまで損失が 拡大するか予測がつかないところに投資家の不安があり、リスク資産を手放し、 現金を保有するという指向を呼んでいる。放置すればアジア金融危機などの悪夢 再来になりかねないのだが、救いは各国の金融当局の断固たる姿勢と、原油・金 などが落ち着いた動きを示していたこと。また先週末の米国株式市場も最終的に 動揺の程度は小さかった。連鎖暴落はとりあえず避けられた、というところか。 日本も世界の動揺を受けた展開となった。日本の金融機関はあまり実害を受け ていないとしても、グローバルにバブルマネーが駆け巡る状況では無傷ではいら れない。また政局不透明という固有の事情があるだけに事態はより深刻となった 一週間となった。煽りを受けた形で新興市場の下げがきつかった。 NYダウ 13239.54(+0.4%) 米国債金利 4.810 (+2.6%) ドル円 118.36-42(118.02-08) WTI原油先物 71.47 (▲0.8%) 金先物 681.6 (▲0.4%) 日経平均 16764.09 (▲1.3%) TOPIX 1633.93 (▲2.3%) 日経ジャスダック 1966.98 (▲3.3%) マザーズ指数 762.53 (▲8.6%) ヘラクレス指数 1255.19 (▲6.3%)(今週の市場予測) 日米欧の金融政策当局が資金を潤沢にする政策を採ったことで、パニックは避け られたのが先週の動きだ。今、米国当局はサブプライムローンを組み込んだ資産が どれだけ蔓延しているか調査しているが、この結果が注目される。リスク連鎖底なし 化への懸念が払拭されれば相場は安定に向かうことも。但し、日本以外の市場は、 高騰の調整過程という見方もでき、反転して再度高値への挑戦ということは考え難 い。一進一退の値動きとなるだろう。 日本市場は安倍政権の弱体という背景はあるものの、明らかに下げ過ぎである。 世界の株価が宴に酔っていた間にも蚊帳の外で低迷していた。この間、発表された 企業業績も総じて良かった。テクニカル面でも歴史的な大底圏にある。したがって 動揺が収まれば反転、上昇に向かうと想定する。但し、これまで物色されてきた国 際優良銘柄よりも、これまで無視されてきた内需型の銘柄に関心が移っていくので はないかと考える。具体的には、通信、小売などを考えている。もっとも銀行株は、 この環境のなかでは手がけ難いだろう。 ●指標発表と予想値 今週も米国で発表される経済指標から目が離せない。小売業売上高で消費の堅調 さを確認できるか。消費者物価指数で物価上昇していないことが確認できれば、利下 げも検討できる。ニューヨーク連銀製造業景気指数が良ければ米国経済の腰の強さ を判断できる。相変わらず日本発の材料は指標面からは出てこない。 8/13(月) 8:50 (日)6月経常収支 +1兆6095億円 8:50 (日)第2四半期GDP・一次速報 (前期比) +0.2% 21:30 (米)7月小売業売上高(前月比) +0.2% 8/14(火) 21:30 (米)7月生産者物価指数(前月比) +0.1% 8/15(水) 21:30 (米)7月消費者物価指数(前月比) +0.2% 21:30 (米)8月ニューヨーク連銀製造業景気指数 18.0 22:15 (米)7月鉱工業生産(前月比) +0.3% 8/16(木) (米)住宅着工件数 140.0万件●FPの視点-経済の未来への不安 冒頭で述べたように、今の経済の問題点は、あまりに投機的な資産投資へ偏り 過ぎていることである。最近、起きた米国での橋の崩落なども国として固定資本の 形成を怠ってきたことが背景にある。 日本でもGDP統計によると、政府による固定資本形成は長期間の間、実質で 前年比マイナスを続けている。財政が逼迫しているとはいえ、あまりにサボルと 米国で起きたようなインフラ災害が発生しないとも限らない。また将来の成長に も弊害が出兼ねない。最低限、国が責任をもって投資するべきこともある。 もうひとつ気掛かりがある。文科省の科学技術白書によると、政府研究開発投 資のGDP比率が、先進国で90年代の後半以降、伸び悩んでいることだ。無論 日本もそうだ。伸びているのは中国と韓国のみである。 研究開発投資は、将来の成長の源となるものであり、これが近年、低調となっ ていることは、未来経済への不安要因となるものだ。国として公的資金を金融市 場で運用しようという計画があるそうだが、とんでもない話である。そんなときで はない。目先のカネを稼ぐより、将来に向けて投資を行うべきだ。たまには野に 出て遠くを見詰めるべきだ。近視眼になってはならない。■17文字の小宇宙┗■ きょうの感動: チューリップ └──────────────────────────── ┗■ 永久保存 画布は路上の チューリップ えいきゅうほぞん がふはろじょうの ちゅーりっぷ └──────────────────────────── ┗■ その心 子どもたちが、舗装された道路の上にチョークで描いた絵を 見かけることが、ときどきあります。この光景に出くわすと、ど こか潤いめいた気持ちになります。 女の児が描くらしく、お姫様や花の絵が多いようです。花は その形が子どもの興味をそそるようでチューリップが多いよう です。なかにはとても上手に描かれていて、保存しておきたい というようなものもあります。しかし、やがては車や雨で消え ていく運命にあります。 └────────────────────────────
2007.08.13
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身動きできない状況からどう脱するか 「民主党代表代行の菅直人氏、安倍改造内閣で厚生労働大臣へ」。もちろん空想の話であるが、もし当方が安倍さんだったらどうするか、ということで考えてみた。私が安倍さんだったら、今の事態をこう考える。(安倍さんの独白) -こんなに年金不信が広がるとは想定していなかったことが誤算だ。確かに 民主党の追及を軽く見ていたことは事実だ。ただ自分には教育や公務員の 改革で、この国の未来を切り開いている、という自負があった。そして自分 の任期中に、21世紀の日本にふさわしい新憲法をつくるための土台をつく りたいという目標があったのだ。それがこんなことで躓くとは、年金加入記録 漏れの不祥事は自分の責任ではないのに、こんな仕打ちを受けるなんて・・。 ツイテない。でも今、負け犬のまま辞任するわけにはいかない。- 実際に安倍さんがどう考えているかは、もちろんわからない。私の想像である。でもそれほど違ってはいないのではないかなと思う。 しかし現状は相当深刻である。衆議院と参議院の力関係は逆転した。自民党内で反安倍運動が公然とするなか、安倍さんは目指す政策を進めていくことが困難となっている。このまま推移すればまたあの混迷の時代に逆戻りすることも心配される。そうなるとまた日本経済は停滞の時代に突入しかねない。 この事態をどう克服していくか。国民の政治不信の元は、年金不安にある。とすれば、安倍さんや自民党のメンツに拘らず、民主党の案を真正面に受け取るしかない。そのために民主党から厚労相を迎え入れる。これが究極の打開策だと思う。反対されたら「殺されてもやる」と言えばよい。 ただ、双方の案は水と油。そのままでは内閣は分裂し余計に国民の不安を煽るだけだ。そこで政府、自民党、民主党は合同で、「年金システム再生諮問会議」をつくり、3年ほどかけて中長期的な年金制度を検討する。議長には民間から識見のあるしっかりとした人物を招聘する。 その間、安倍さんと菅厚労大臣は、年金記録漏れ問題を解決し、国民の不安・不信を払拭することに努める。ケガの治療でいえばまず出血を止めることだ。 私が夢想したことはざっと上記の内容だ。これが発展すると政治の再編成につながる可能性はある。呉越同舟的な基本的な政策の違いが自民、民主の双方にあるからだ。むしろ再編成となった方がスッキリして、私たち国民にわかりやすいと思う。最悪はこのままレームダック状態が続いて、この国が重要なことを何も国民や世界に発信できなくなることだ。国内外に日本リスクが再燃する。停滞の時代にタイムスリップすることとなる。■17文字の小宇宙┗■ きょうの感動: 千切れ雲 └──────────────────────────── ┗■ 熱暑でも 入り相涼し 千切れ雲 ねっしょでも いりあいすずし ちぎれぐも └──────────────────────────── ┗■ その心 きのうは立秋、暦のうえでは秋ですが、むしろ暑さはこれから 暫くが本番です。それでも日の暮れる時刻が早くなり、確実に季 節は移ろいつつあることがわかります。 └────────────────────────────
2007.08.09
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地方活性化の新発想 私なりの方法論を考えてみた。発想だけである。類似取組や規制やデータの分析などはしていない。面倒なことが第一だが、それほど重要ではないなとも考えた。○地方はこのままでは衰退するばかり 前世紀終わりから始まったグローバル経済は、地方を疲弊させるばかりだ。工場は賃金の安いアジアで生産し地方は空洞化する。それでもマネー経済の下で大都市は地価上昇などで繁栄する。この地方と大都市の格差・二極化は世界共通のものであり、資本の論理からは不可避の流れだ。将来、揺り戻しがあるとしても流れは変わることはないだろうな、と思う。○財源を国にはもう頼れない もはや国には地方を支える体力は残されていない。地方も国の細い脛に頼ることはできない。ではどうしたらよいか、となるとこの国の誰もがアイデアをもっていない。これまで税金(補助金、交付金、地方税)に頼るしかアタマになかったからだ。○日本人のもっている金融資産を活用する 06年度の国内総生産は510兆円、対して国民総所得は525兆円である。差額の15兆円は日本人が海外から受け取る利子・配当などだ(共に名目値の国民経済計算による)。家計だけでもその規模は3兆円に上る。 この個人資金3兆円のなかから1割だけでも、地方の経済活性化に回れば、3000億円の資金が地方活性化のために活用できることとなる。何とかならないものか。○そのためには利回り改善を 最近になって出始めたミニ地方債は国債に準じた利回りを設定している。それでも募集を始めるとあっという間に枠が埋まってしまう。そこそこの利回りが保証され、安全性も高ければ、日本人なのだから自国の発展に協力したいと考える人々が多い、ということを示している。 但し、国債と同じ利回り水準であるなら需要はそれほど多くは期待できないのではないか。ポートフォリオにもっと利回り期待の高い金融商品を加えることによってこの問題をクリアーすることはできないのだろうか。外国債券、国内・外国株式などである。本体そのものではなく既存の投資信託を組み入れるという方法も考えられる。そうして現在より3倍程度利回り改善ができれば投資魅力は高まると思う。○活性化戦略を明確に ミニ地方債は用途が明確なことも人気をよぶ理由のひとつである。投資家から見ると資金が何に使われるかわからないものよりも、使用目的が明確な債券の方が、安心であるし、自分の参加意欲も高まるのではないか。○活性化戦略:候補1:コンパクトシティ計画 既に国策があることは承知しているが、個人の資金を呼び込むという発想は今のところないだろう。そこに着眼したい。 日本の地方都市は、人口が増加した時期に、野放図に市街地が拡大していった。一方、中心市街地は特長もなく魅力のないものとなり廃れていった。クルマや電車など移動手段も発達したため、遠くて魅力のない自分の住む中心よりもっと楽しい大都会へと移動する指向を強めた。 環境は大きく変わりつつある。高齢化で人々の移動範囲は限界が出てくる。人口減少のためこれまでのような広大な土地も必要ない。 そこで新たに魅力のある中心市街地を形成し、人々が周辺に寄り添って生活するコンパクト・シティで都市改造を図ることが考えられる。行政サービス拠点、商業拠点、住民生活サービス拠点の再設計を行い、周辺に人々が生活するというというイメージだ。都市の大改造となるため多額の資金を必要とする。 このためにミニ地方債を発行し発行元は都市施設の賃料を原資に投資家に返済するというものだ。金融機関が融資してそこが証券化してもよい。方法論はいくらでも考えられるだろう。○課題は山積 地方債券市場の整備(現状の債券市場に準じたもの)、法律等の整合性(地方債を発行するときの規制がいろいろあるだろう)、地方政府(上記のアイデアだとマーケティング主体ということになる)の能力、格付け機関の整備(S&Pのようなもの)、情報提供機関(モーニングスターのようなもの)などいろいろ乗り越えなければならないハードルは数多いと思われる。 しかし株式市場や債券市場など現実にあるのだから実現は不可能ではないと考えられる。■17文字の小宇宙┗■ きょうの感動: 蝉(セミ) └──────────────────────────── ┗■ この六十歳 賢くなりや 蝉が問う このむとせ かしこくなりや せみがとう └──────────────────────────── ┗■ その心 きのうは62回目の原爆忌でした。中継のマイク越しにセミ の鳴き声が聴こえていました。この60年間も相変わらず核兵 器の脅威は去ることがありません。あの日もセミが鳴いていた でしょう。そのセミに「人類は少しは歴史から勉強したのか」 と問われているような気持ちになりました。 └────────────────────────────
2007.08.07
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未来経済通信 07.8.6号 (月曜発行) ●今週(8/6~8/12)の焦点 このところ内需の弱さが目立つ。企業の好決算はアジアなど外需や円安に支え られ面が大きい。中小企業セクターの弱さが出始めた。また相変わらず個人消費 には弱さが見られる。 このような微妙なときに追い討ちをかけるのが政治の不安定さである。今週は 国会が開かれるが、期待したいのは先行きに不安をもつ国民に、安心を抱かせる 明確なメッセージだ。目先のアメ玉を見せることでは解決しない。 ●市場動向(先週7/30~8/3の市場動向) 海外では信用リスク問題、国内は加えて政局の不安が相場の撹乱要因となった 1週間であった。なかでも米国市場が落ち着くかが焦点だったが、100ドル以上 の上げ下げを繰り返し、振幅の大きい展開となった。結局、NYダウはこの1週間 で▲0.6%低下した。 さらに深刻なのが東京株式市場である。新たに政局不安という火種を抱え、内 憂外患のダブルパンチを浴びた。確かにPER水準から見ると割安であるし、テクニ カル指標を見ても底入れのサインがあるが、国内政治が混乱すると見て外国勢力 や国内機関家が売りに回る状況では、個人投資家がいくら買いで対抗しても灯篭 に斧だ。結局、日経平均はNYダウを上回る▲1.8%低下して終わった。 NYダウ 13181.91(▲0.6%) 米国債金利 4.688(▲1.6%) ドル円 118.02-08(118.58-64) WTI原油先物 75.48(▲0.7%) 金先物 684.8(+3.1%) 日経平均 16979.86(▲1.8%) TOPIX 1672.54(▲1.9%) 日経ジャスダック 2035.05(▲0.4%) マザーズ指数 834.57(▲2.2%) ヘラクレス指数 1340.16(▲2.4%)(今週の市場予測) 先週半ばに落ち着くかに見えた米国株式市場は、3日(金)に再び300ドル近 く下げてまだ動揺が収まっていない。サブプライムローンの損失がどこまで広が るか先が読めないのが投資家の不安をよんでいる。この先、消費指標がどうな るかが要チェック。 より深刻なのは日本だ。レームダック化しつつある政治が、外国人投資家の日 本不信をさらに昂進する可能性がある。いくら割安でも問題を抱えた国の資産は 買えない、という投資家心理に発展する心配がある。 ●発表指標と予想値 やはり気がかりは米国の経済動向である。特別に重要な経済指標の発表はないが、 強いてあげれば6月の消費者信用残高だ。堅調な消費に陰りが見えるようだとやや 深刻な状況となる。FOMCの政策金利は現状維持と見られるが声明で安心を与えら れるか、がポイント。後は労働生産性か。 8/6(月) 14:00 (日)6月景気動向調査・速報(先行指数) 80.0% 8/7(火) 21:30 (米)第2四半期非農業部門労働生産性(前期比) +2.0% 27:15 (米)FOMC政策金利発表 28:00 (米)6月消費者信用残高 +60億USD 8/8(水) 8:50 (日)6月機械受注(前月比) ▲1.0% 8:50 (日)7月マネーサプライM2+CD(前年比) +1.9% 14:00 (日)7月景気ウォッチャー調査(先行きDI) 8/10(金) 8:50 (日)7月企業物価指数(前月比) +0.6%●FPのつぶやき-住民参加型ファンド市場の育成を図れないか- 日本の貯蓄は巨大なものがある。それらのほとんどは預貯金され、残りが株式に 投資される他、外国債券などで運用されている。このことが為替の円安の原因とな っているくらい盛んだ。もっと国内投資させる努力をすべきだ。お金の行き先を分 散させないと、相場の不安定を増すばかりである。 例えば、まだ始まったばかりだが、ミニ地方公募債というものが注目されている。 普通、地方債は単位が大きいので私募形式で発行されるが、この場合は1万円 程度と低額とし、地域の市民生活に役立つよう、目的を絞って発行されるものであ る。したがって購入できる個人は地元住民に限定される。利回りは国債に準じてい る。またコミュニティ・ファンドというようなものも出てきた。なかには風力発電に投資 するファンドもある。 これらは利益を得ながら社会貢献にも繋がるという特長があるところから募集す ると瞬く間に枠が埋まってしまうという。もっといろいろなファンドが登場して欲しい ものだ。守銭奴のように目の色変えて儲けるだけが投資ではない。 とはいっても最終的には、利回り勝負となることは、資本主義であるので仕方が ない。ミニ公募債のように国債程度の利回りではやはり魅力は薄い。商品の組成 の段階で一部を株式投信で運用するなどの工夫も図れるはずだ。 今の一般公募型投信のように身近なシステムができないものか考えている。例え ば地方の中核都市の都市インフラに投資する住民参加型ファンドがいくつもあって、 そこそこの利回りがあり、且つ、流通市場も整備されている、そんなイメージをもつ。■17文字の小宇宙┗■ きょうの花: 独活(うど) └──────────────────────────── ┗■ 陽は残る 夏山黒く 独活白し ひはのこる なつやまくろく うどしろし └──────────────────────────── ┗■ 能書き 夏の夕方5時は日向では真昼でも、さすがに遠くの山には届か ず 向こうは暗くなっています。傍らには小さな花を傘を広げ たようにつけた独活の花の白が対照的で面白いな、と思いました。 「季節の花300」から写真をいただきました。 http://www.hana300.com/udo000.html └────────────────────────────
2007.08.06
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過剰反応 大相撲の朝青龍問題は異論がある。全治6週間の診断書を出しながらモンゴルへ帰ってサッカーをしていたことへの処分として2場所の出場禁止、減俸だけでも十分であるはずなのに、おかしなオマケをつけた。部屋、病院、自宅以外の出歩きを禁止するというものだ。江戸時代に戻ったようなアナクロ謹慎処分である。 世論の硬化を受けた相撲協会が配慮したものだろうが、行き過ぎだ。確かにウソを付き公務をサボったのであるから、それなりの処分は仕方がない。国技などといわずとも、課税の減免を受けている公益団体としては当然のことかもしれない。 但し、処分の範囲はあくまで出場停止、減俸までである。行動の自由まで奪う権限など誰にもないはずだ。倫理面で問題はあったとしても犯罪行為をしているわけではない。 また情状酌量の余地もある。国の英雄である朝青龍にしてみれば、国王から依頼されれば断ることは事実上難しかっただろうからだ。 私の見方からすれば明らかに過剰反応であり、行き過ぎの判断である。世間がどう評価するかは今後の問題だが、これを良しとするようであれば危険な風潮である。 過剰反応といえば、7月下旬から再びクローズアップされたサブプライム・ローン問題から波及した信用リスクをどう見るか、で東京株式市場は株価の値動きが荒くなっている。楽観派と悲観派の見方が大きく異なるからだ。 個人的には不透明要因が多いため暫くは静観したことの方が賢明と考える。発端はサブプライム・ローン問題であったが、今は、信用リスクが顕在化するかというテーマに変質している。言い換えれば過剰マネーが今後も資産投資を続けるか、それともより安全な債券や現金にポジションを移すか、という局面にある。したがって商品相場なども含めて眺める時期である。 もうひとつは国内の政局の不透明さだ。現状では現政権は明らかにレームダック状態だが、先行きが少し見えてくるのは1~2ヶ月後だろう。状況次第では反改革の動きが顕在化して日本はまた混迷する可能性もある。そうなれば海外勢力は日本売りを明確にするだろう。長期的には明るいと見ているのでその時に参戦しても遅くはないはずだ。■17文字の小宇宙┗■ きょうの花: 稲(イネ) └──────────────────────────── ┗■ 夏来たと 南風波泳ぐ 稲の海 なつきたと はえなみおよぐ いねのうみ └──────────────────────────── ┗■ 能書き やっと梅雨が明けた昨日は、南よりの風が強く、田のイネが 緑葉を右に左にそよがせていました。遠くからみると緑の海を 泳いでいるように見えました。 「季節の花300」から写真をいただきました。 http://www.hana300.com/inaho01.html └────────────────────────────
2007.08.03
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サブプライム・リスクと三つの心配 米住宅ローン問題が波及し世界的に株価が低落する一方、原油価格が最高値を更新する動きを見せている。原油には、供給不安や需要増など高騰を正当化する事情はあるにせよ投機マネーが少なからず入っていることは確かだ。いずれにせよリスクマネーそのものが今回のサブプライム問題のなかで萎縮しているわけではないことがわかる。今のところは。 この先の心配がいくつかある。第一は原油価格の急落懸念。需要からみた適正価格を60ドルとしても今の水準はそれを3割も上回る位置にあり、かなりの投機マネーが流入していることになる。これが低落の動きを見せたときにはマネー収縮の負の連鎖を呼ぶ動きになる恐れがある。サブプライム問題で毎日のように新たな悪いニュースが出る。またこの問題は長引く可能性がある。 第二は、実体経済へ波及の恐れ。公式見解は、サブプライム問題は米国の住宅産業のそれも一部の問題に過ぎない、米国経済そのものは傷んでいないし、そもそも今の世界好景気を牽引するのは中国などアジア経済の成長によるものだ、というものだ。安全資産への逃避が高進し、新興国の株式市場や為替市場からリスクマネーがさらに引き上げるような動きを見せたときには、経済本体への影響は避けられない。アジア経済の実体に影響が出るようだと世界景気は失速する。かつてのアジア金融・経済危機が頭によぎる。 第三の気掛かりは国内の政局だ。昨日の株式市場は、400円近い日経平均の大幅な下げを示した。5割を超える外国人による取引シェアを見る限り、外国からの日本売りが背景にあることは誰でも推測できる。参院選挙の敗北を受けて、国内の政治が停滞すると見ているものと写る。 世界的な投資家の動揺が連鎖反応的に広がっている。ヘッジファンドがそこに付け入り少しでの値動きでもレバレッジを利かして大量の資金を動かすため相場は乱高下する傾向をもつ。投資家同様、国内の政治も動揺している。これもヘッジファンドにとっては付け入る格好の好機を与えている。しばらくは株式投資から手を引いた方がよい。 それにしても安倍さんは、センスの無さをまた出している。早々に続投すると言ってみたり、内閣を9月に改造するなどと、のんきなことを言う。また間の抜けたときに赤城農相に引導を渡した。この間の悪さは何なのだろうか。空気を読むという感受性がないのだろうか。先送りしている間にも党内外のムードは悪くなっていく。政治だけの問題で収まらず、経済や株式市場にも悪影響を与えていることに気がつかないのか。誰かが○○につける薬はない(きょうの広告に載っていた週刊誌の見出し)と言っている。損切りは早めにが鉄則だ(人のことは言えない)。■17文字の小宇宙┗■ きょうの花: 白山千鳥(はくさんちどり) └──────────────────────────── ┗■ 霧が晴れ 白山千鳥の 茜山 きりがはれ はくさんちどりの あかねやま └──────────────────────────── ┗■ 能書き 白山千鳥はこの時季に高山の草地に花を咲かせます。私はまだ 見たことがないのですが、赤紫の花だそうです。私はこの花が咲 きそろっている姿を遠景から見た光景をイメージしました。行っ たことはありませんが、さぞや桃源郷に来た感じがするかもしれ ません。 └────────────────────────────
2007.08.02
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