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物語道州制(12) 大宜味村-「リタイア・アクティブ・コミュニティ」ぶながやに逢える里 きみは、「ぶながや」を見たことがあるかい。ぼくは一度だけある。大病をしてね、医者が家族にね、あと半年の命だと伝えているのを、聞いてしまったんだ。ぼくは、残り半年の命なら、心残りのないように過ごそうと、前からの憧れだった沖縄のやんばるへ来たんだ。 シークヮーサーを育てる農家に頼み込んで働かせてもらった。シークヮーサーって知ってるかい。温州みかんを一回り小さくした形だ。4月になると3センチぐらいの白い花を咲かせるんだ。熟すと黄色くなる。こいつをもいでそのまま口に絞り流すと、酸っぱいなかに爽やかな甘みが広がって、沖縄の暑さにはピッタリなんだ。 ぼくが、ぶながやを見たのはそのときだった。シークヮーサーの木の葉陰にいたんだ。小学校1~2年ぐらいの背丈で人間に似た格好だった。でも似ているのはそれだけ。顔は真っ赤で、髪の毛も真っ赤。軽くウェーブが掛かっている。目の色は外人みたいにブルーだった。裸で腰に木の葉をまとっていた。 ぼくがびっくりしていると、人懐っこく話しかけてきた。「こんにちは」ってね。ぼくも反射的に、「こんにちは」って答えた。かれは(かのじょかもしれない)は言った。「君はここ、やんばるの自然のなかで、どんどん元気になっていくよ。もう心配は要らないよ」って言ったんだ。そしてそのまま木陰に消えてしまった。 ぼくはお世話になっている農家へ帰って、その家の、100歳になるおばあに早速聞いてみた。「あんたは幸せだよ。ぶながやに見守られているんだから。ぶながやは悩んでいたり、苦しんでる人を助けてくれるんだよ。もう大丈夫だ、何も心配することはない」とおばあは言った。 何でも先の戦争が始まる前には、沖縄のあっちこっちに、ぶながやがいたらしい。土地によってはキジムナーともいうようだが。でも戦争の間や戦後になって、人々の心が荒むにしたがってぶながやの住めるところはなくなり、今ではこのやんばるにしか棲んでいない、という。 ああ、そうそう。病気はいつの間にか消えてしまった。ぶながやのいう通りだった。やはり、やんばるの自然が体のなかから元気にしてくれたのかもしれない。ぼくは、やんばるに永住するつもりだ。定住コミュニティの街づくり 州の北部の国頭郡は「やんばる」と言われ、大部分が森林に覆われ、自然環境に恵まれたエリアである。人口は少ないが、それだけに古来からの純朴な人間関係が残され、伝統的な祭事などもよく伝承されている。州内でも長寿の里と知られ、生活環境が良好な地域である。そこで州では、地元の要望をも良く聞いて、この地に仕事の第一線を退いた人々が第2の人生を過ごせる定住コミュニティをつくることとした。 基本コンセプトは、リタイヤした人たちが、スポーツや趣味を楽しみながら、活動的に楽しく暮らせる街とした。同世代の住人が多いところから、仲間づくりもできる。またインターネット回線が完備し、仕事もできる。そのうえ新伊江島空港まで30分程度であり、日本全国に容易にアクセスできる。都市機能が完備 概要は、人口が6000世帯、1万人である。居住者の平均年齢は60歳(55歳以上が入居条件となっている)。全体が大規模な分譲住宅となっている。団地内には、プールやテニスコートがあるリクリエーションセンター、図書館、公民館、映画館、劇場、美術館などの都市機能が完備している。ショッピングモールがあり、銀行のATMなども完備している。快適な生活をおくるだけの都市機能は一通りそろっている。ユーティリティも上下水道、電気、ガスなどをすべて使うことができる。 コミュニティ内の移動は、戸口から戸口まで送迎してくれるコミュニティバス、ないしは多くの家庭が、ゴルフカート、自転車をもっていてそれで移動する。コミュニティ外への移動は、路線バスまたは自家用車を利用する。村役場までは10分程度であり、高速道路が開通したので名護や那覇までも20~40分で行くことができる。ネイチャースクール 州と大宜味村では、このようなコミュニティができて、人口も増え、地域活性化もできた。当初、人口3000人程度の小さな地域に、1万人もの外からの移住で、両者のあつれきが出ないか、心配されたが、大きなトラブルは出なかった。村と州では、発展策の第2弾を用意している。「ネイチャースクール」である。宿泊施設を用意して、日本全国や海外から、子どもたちを集めて、自然を学ぶ学校をつくったのである。講師には、地元の農林漁業をしている人やコミュニティの住民が当たる計画となっている。
2007.09.28
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物語道州制(11) 名護市-アジア流通拠点都市北山王、攀安知 「もはやこれまでか。それにしても本部平原の奴め、腹心と思って信用しきっていたオレが馬鹿だったということか」。北山王の攀安知は譜代相伝の宝刀の千代金丸の鞘を払い、一気に喉を掻っ切った。北山王朝の滅亡である。 琉球に統一王国が成立する前には、北山、中山、南山の三つの小国家が並立し、それぞれが王を名乗り対抗した時代があった。今帰仁(なきじん)グスクを拠点に沖縄本島の北部地域を支配したのが北山王朝であり、最後の主は攀安知(はんあんち)であった。腹心の本部平原(もとぶてーはら)とともに、武力の強化に努め、周辺の按司達から恐れられた存在であった。 攀安知は、最大のライバルである沖縄本島中部を拠点とする中山王国を攻め取ることを目論んでいたが、周辺の按司たちは攀安知の力が増大することを恐れ、逆に中山王に働きかけ攀安知を討滅するように画策した。格好の機会とみて中山王は息子・尚巴志(しょうはし)に北山攻略を命じたのである。 尚巴志は、1416年に3000人からなる連合軍を結集し今帰仁グスクを攻めた。しかし、天然の要塞である今帰仁グスクは難攻不落、連合軍の昼夜・三日間に渡る攻撃を撃退した。全長1.5キロに渡り、直角な、高さ10メートルの石垣が築かれ、中山軍の兵士が石垣を登ろうとするところに矢を射掛けるばかりか、熱湯や石どころか汚物を落とすなどして襲撃を防いだである。 このままでは攻略が難しいとみた尚巴志は、密かに攀安知の腹心の本部平原に使者を送り、今帰仁が中山王朝の手に落ちたときには、国王とするという偽りの交換条件で裏切るよう説得した。本部平原はまんまとこれにのり、口実をつくって攀安知を騙し、北山軍を城外の攻防におびき出すことに成功した。その隙に、北山軍の別働隊が城内に侵入し、手薄となっていた北山城を一気に制圧した。結果、今帰仁グスクを攻落された北山軍は兵力が決め手の野戦では強みが生かせず、一気に滅亡したのである。 新伊江島空港で国際物流都市 沖縄本島を中心に円を描くと、日本本土はもちろん、東京、ソウル、北京、上海、マニラがすっぽりと入る。つまり飛躍するアジア経済の中心に位置するのだ。歴史的にも、琉球といわれた昔から、このエリアのなかで通商国家として繁栄した歴史ももつ。そしてこの国際性が、多様性を容認する人々の気風をつくりあげ、人々を魅了し続けてきているのが沖縄である。 このような優れた特長をもつところから、唯一の受け入れ口となってきた那覇空港と那覇港は容量がいっぱいとなり、海上滑走路や物流ターミナルを拡張することとなった。州政府は、より競争力を高めるために、空港をもう1つ創る決定をした。そしてその場所を沖縄本島の中間にあり、東シナ海に大きく突き出る本部半島の沖合い9キロに浮かぶ伊江島にもとめた。 伊江島には沖縄国際海洋博を機に建設された1500メートルの滑走路をもつ伊江島空港が既にあるが、これを拡張して、長さ4000メートルの滑走路を2本備え、24時間全天候型の国際空港とすることにした。新伊江空港は、観光客も迎え入れるものの、沖縄州の中間に位置する優位性を活かして、国内他州やアジア、ヨーロッパ、ロシア、アメリカなどとの輸出入の物流機能拠点を目指した。 今では新伊江島空港の周辺には、物流不動産専門会社による賃貸施設も数多く立地していて、伊江島を中心とする住民の多くが働いている。また伊江島から本部半島には橋が架けられ、9キロという至近距離から、今帰仁や本部、名護からも多くの人が通勤している。金融業務機能の集積 近場の拠点である名護市には、貿易会社や金融機関が数多く立地する。金融ネットワークは、東京周辺に集中しているものの、地震の少ない利点もあり、バックアップ機能が集積するためである。場所は名護市役所から中央公園のあたりで、名護保健所、市立中央病院、県立北部病院などもある。ここに多くの企業が事務所を構え、住宅も建てられた。大きな中心市街地が今では形成されている。 この新空港ができたことで、来沖する人々にとって、交通の足の代替肢ができたことになり沖縄の魅力を増大させることとなった。また州内でもこれまで活性化に遅れをとってきた北部各地域の活性化にも大きな寄与を及ぼしている。
2007.09.26
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週刊未来経済 07.9.24号 (月曜発行) ●今週(9/24~9/30)の焦点 サブプライム・ローンに端を発した信用不安は、当面、危機を脱した感じ がある。今週は実体経済への影響を探る展開となる。なかでも新興国の成長 もあり、一時ほどの影響力はないにしても、アメリカの浮沈は世界経済を左 右する。とくに国内に推進力のない日本にとっては気になるところだ。 日本の政局は影響がない。誰もが中継ぎ政権と見ている。福田さんは得意 満面の様子だが、政権維持の構想は開けているのか疑問だ。早ければ、テロ 特措法問題で国会が停滞し、年内解散となるのではないか。もっともそうい う事態になると、予算成立が遅れ日本は景気後退に陥ることとなるが。 それにしても代々の総裁は世襲ばかりだ。新鮮味はゼロだ。日本は本当に 民主主義国なのか。少なくとも海外ではそう見るかもしれない。●市場動向(先週9/17~21の市場動向) とりあえず金融ショックは収まったといえるのではないか。NYダウはショ ック前の7月の高値水準まで戻った。FRBの政策金利を引き下げたことが 安心感を呼んだ形だ。 東京市場は1万6000円の下値は確認できたものとみる。かといって 上に向かう材料もない。外的要因に振られやすい現状では、為替が気になる。 アメリカの景気減速が相変わらず懸念される。またインフレ、ドル離れもド ル安を示唆する。そうなると株価には圧迫要因となる。心配なのは新興市場。 株価面では割安となっているが、8月からまた下降トレンドに入っている。 NYダウ 13820.19 (+2.8%) 米国債金利 4.626 (+3.7%) ドル円 115.41-47(115.30-36) WTI原油先物 81.62 (+3.2%) 金先物 738.9 (+2.9%) 日経平均 16312.61 (+1.1%) TOPIX 1552.07 (+0.5%) 日経ジャスダック 1819.38 (▲0.7%) マザーズ指数 625.93 (▲1.8%) ヘラクレス指数 1066.17 (▲1.4%)(今週の市場予測) 株価は戻った。しかしアメリカ経済は景気減速リスクがある。また原油 価格の高騰が気になる。油漬け社会のアメリカの消費者心理に悪影響を与 える可能性がある。 日本は、今週も1万6000~6500円の間を行ったりきたりの推移 をすると見る。自民党総裁が誰になろうと選挙管理内閣の位置づけである。 問題は新興株の不振。材料はなく時間を待つしかないのが現実だ。この新 興市場は内需型の産業が多いやめ、国内の景況に活力が必要だ。個人的に はやはり政治だという感じがする。 ●指標発表と予想値 ずばりアメリカの景気がどうなるかが気になる。 9/24(月)(日)東京休場 25(火)(米)9月消費者信頼感指数 26(水)(米)8月耐久財受注 27(木)(米)9/23までの週の失業保険申請件数 (米)8月新築住宅販売件数 ●FPの視点-江戸幕府崩壊プロセスとそっくり、現在の自民党政権 安倍さんのサプライズ辞任を受け、福田康夫氏が自民党の新総裁となった。 今回も圧倒的な支持率であった。昨年も雪崩的な安倍さんの勝利となったが、 この高支持率はくせ者だ。その後の政策運営に推進力が失せるためである。 ところで安倍さんの行動には、批判の嵐が浴びせられている。四面楚歌状 態である。確かに辞め方については愚かさが見られたものの、彼が戦後シス テムの総決算として成し遂げた枠組みづくりはもっと評価されてよい。メデ ィアは感情論に左右され過ぎ、世論も流されているという気がする。 閑話休題。安倍、福田という自民党トップの交代劇を見ていると徳川幕府 の14代将軍の家茂、15代の慶喜と妙に似ている。14代目の将軍、家茂 は13歳という幼さで征夷大将軍の地位を継いだ。尊王攘夷のコンセプトか ら長州征伐に打って出たが病に倒れ20歳の若さで死去する。この点で攻め の政治を志向したものの自滅した安倍政治と似ているように見える。 後継は徳川慶喜である。知られるように250年の江戸幕府に幕を引いた 人物だ。未だ勝敗の帰趨がつかなかった早期の時点で、大政奉還という逃げ をうち、政権を投げ出してしまう。慶喜の本当の狙いは、幕府が主導権をも ちながらの、薩長などの反体制派との連合政権をつくるところにあったと思 われるが、実際には内戦状態となってしまった。体制派が考える以上に、幕 府の屋台骨が腐っていたためである。また相手方はこの機会にぜひとも倒幕 に追い込みたかった。結果は、よく知るように、反体制派が勝利して明治政 権が誕生することとなるのだ。 この流れを現在に当てはめると、新総裁は野党との実質的な連立政権を模 索するものの、総選挙に追い込まれ、自民党は政権を失う事態を想定できる。 理由も徳川末期と同じ。自民党政権を支えた構造が既に崩壊しているためだ。 ひとつ例を挙げれば、自民党-農水省(農協)-農村社会という「鉄のネッ トワーク」が既に崩壊していることだ。また野党は千載一遇のチャンスとば かり政権奪取にはしるだろう。詳細は長くなるので別に述べたい。 ちなみに明治以降の歴史は、日本は活力を得て少なくとも経済社会も変化 して人口も増えていくことになる。政治が世の中を変える契機となることは 事実だ。今年から来年にかけて起こるであろうこの国の動乱も、後から見れ ばこの国の一大転機だったのだと評価されるのかもしれない。その時、人々 が長い沈滞から脱して再び活力を取り戻せればよいのだが。 以上
2007.09.24
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物語道州制(10) 沖縄州糸満-新エネルギー都市 きょうは糸満ハーレーが行われた きょうは糸満ハーレーの当日である。糸満漁港の近くに全長2160メートルのコースが設けられている。糸満ハーレーは、ウミンチュ(漁師)の街、糸満の海の恵みに感謝し、大漁と航海安全を祈願する祭りだ。古くは3つの集落であるムラの代表が集落の名誉をかけて、日頃、漁業に使うサバニという漁舟でスピードを競うものだった。 現在では、中学生や青年団、職域のチームができて、今や街をあげての一大イベントとなっている。しかし昔からの伝統は変化していない。当日の朝は、ヌル(ノロ)を中心に、参加者全員が集まり御願(ウガン)を行うことから始まる。沖縄では、過去と現在が有機的に一体化している。毎年多くの観光客が訪れるのは、昔の私たちの暮らしに思いを馳せ未来を考えるためなのだ。 サバニには12人が乗舟する。漕ぎ手が10人、舵取り1人、鉦打ち1人である。シンカ(仲間)のいでたちは、赤いさーじ(頭に巻く布)に白い鉢巻を締める。ゆったりとした、うちかけは白だ。サバニの舷側には大きなカジキマグロの絵が描かれている。 旗が振られそれを合図に、ソーレ、ソーレの掛け声と共にレースが始まった。皆のリズムを合せるために鉦がしきりに叩かれる。半分ほどいったところで1艘が転覆した。サバニは船速を高め横揺れに強くするため、舟の幅が狭く転覆しやすいのだ。ハーレーシンカは力を合わせ、急いで舟を元に戻し再び漕ぎ出す。サバニは転覆しやすいものの、水を汲み出せば再びすぐ使える。昔は、台風などが来たとき、船を沈め嵐が過ぎ去るのを待ったぐらいの汎用性の高い舟なのである。 決着がついた。今年は2年ぶりに西村が勝利した。シンカは喜んでカチャーシーを踊りだす。敗者も見物の人々も三線の音に合せて皆でそれに合せる。これが終わると糸満は名実ともに夏を迎える。 自然エネルギータウン:糸満 沖縄州は、自然エネルギーの導入にも積極的である。化石エネルギーは地球環境面からももはや限界である。一方、道州制移行前に日本政府が推し進めていた原子力利用は、住民の根強い不安が大きい他、放射性廃棄物の処理問題でも根本的な解決にはなり得ない。そこで沖縄州は、自然エネルギーの活用を州是とし、10年後に、カロリーベースで、自然エネルギーのシェアを20%に高める目標をつくった。 糸満市は、沖縄本島の南端にあり、市役所庁舎で全面的な太陽光発電をするなど、かねてより、自然エネルギーへの取組が積極的である。そこで、糸満市に新エネルギーの研究拠点を設けることとした。 国道バイパス沿いに、市がこれまで埋立造成をしてきた西崎町や潮崎町は、既に工業団地やニュータウンなどもある。すこし前には市役所も移転してきた。ショッピングセンターもオープンした。ここに移転してきたのが、独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)である。 NEDOは、この分野での最大規模の機関である。自ら研究機能をもつというよりは、研究テーマを公募して研究開発を支援するのがメインである。そのため職員数は1000人程度だが、年間2000億円の予算をもつ。本部は、神奈川・川崎市にあったが、道州制の採用により、移転場所を探していたところ、沖縄州が誘致に成功したのである。NEDO誘致の効果 NEDOが当地に進出したことによる効果の第一が、応募した企業などが、1回は当地を訪問することで、宿泊などのニーズ需要が出たことである。また糸満は、市内に見所がが多い他、那覇市やうるま市などの観光地にも近く、それらへの拠点ともなったことで観光収入が増加した。 そのうち、企業自身が当地へ事務所や工場を進出させる動きが大きくなった。また拠点性が高まることによって、ベンチャーなどの誕生も高まるなどの相乗効果が生じた。市ではインキュベーションセンターを建設するなどでこの動きをさらに強めた。新エネルギーベンチャーを育成する仕組みも採用した。今では、国際的にも競争力のある新エネルギータウンなっている。
2007.09.21
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(9)沖縄州・浦添市-IT学園都市 (浦添てだこまつり) 今、浦添てだこまつりを観にきている。浦添の夏を彩る祭りだ。「てだこ」とは、かつて浦添が琉球の王府として繁栄した時代の英祖(えいそ)王を、てだこ(太陽の子)と敬称したことに由来している。祭りは2日間に渡って開催され、太鼓カーニバル、伝統芸能を披露する演舞コンテスト、エイサー、牧港(まきみなと)のハーリー大会などが行われる。沖縄は祭りのふるさとだ。 祭りの圧巻は何といってもエイサーだ。地元の青年が20人ぐらい、独特の衣装で太鼓を打ち鳴らし、三線が奏でる沖縄民謡にあわせて勇壮に踊る。音楽の哀調を帯びたメロディーと、青年たちが掛け声をかけながら打つ太鼓のコントラストが、心を浮き立たせる。青年たちは、頭に、さーじと呼ばれる紫の布を巻いている。先端が尖った形だが、1枚の布をどうしたらあんな風に巻けるのだろうか。白い襦袢のうえに黒い内掛という、ベストのようなものを羽織っている。白い襦袢と黒い内掛のコントラストが鮮やかだ。そして黒い琉球袴を履き、足元に赤い脚絆をつけている。 前日に、浦添城址のようどれを訪れた。古琉球の中山王陵である。ようどれは夕凪の意味で、死者が眠る清浄の地にふさわしい銘々である。しかしここに、その後の琉球の貿易国として飛躍する基礎をつくった察度王の墓はない。浦添とは「浦々を襲う(支配する)土地」を意味するのだが、ここにその土台をつくった察度が葬られていないのは、いかにも不可解だが、実は察度の墓の場所が不明なためである。 主観ではあるが、てだことして敬愛されるべきは、むしろ察度王だと思う。彼の生きた14世紀後半は沖縄の三山時代、まだ群雄割拠時代である。尚氏による絶対王朝はまだ先の話だ。この時期に中山王に就いた察度は、政策の柱を明(中国)と朝鮮や東南アジアとの中継貿易に求めた。1372年には、進貢船第一号を明国に派遣した。それを機に明国から得た産物をアジア諸国に転売して利益を得たのである。 後の琉球国はこのネットワークを発展させて、中継貿易に止まらず琉球産の砂糖など産業振興を図って貿易立国としての存在感を確立したのだ。本土の薩摩藩・江戸幕府はこの利権を狙って琉球に干渉していくこととなる。 つまりこの貿易立国の礎をつくったのは、浦添を拠点とした中山王国の察度なのである。今風に言えばグローバリゼーションの時代を切り開いたのである。その意味からいえば浦添は偉大な地である。もっとプライドをもってよい。(情報工学ブレーン都市) 浦添市は、近年は、那覇市のベッドダウン化するなど那覇との一体感を強めてきた。経済中心地の那覇市を補完する形で、金融業務特区として、進出企業を受け入れてきたが、この経緯を受けて、さらに特長を伸ばす形で、州立の沖縄情報工学大学(OIT)を設立した。21世紀は情報工学が実用化される時代の始まりと捉え、浦添を世界有数の情報工学ブレーン都市として発展させようとする狙いである。 生命工学、インターネット・テクノロジー、航空・宇宙工学、材料化学技術、新世代エネルギー工学、金融テクノロジー、などを主な研究分野である。日本はもちろんのこと海外からも多くの学生が学んでいる。なかでも沖縄州の立地の有利さから、発展著しいアジアからの留学生も多い。 人気の高い理由は、州及び市の優遇制度にもある。学費、滞在費などの面で手厚い補助がある。留学生にとっては、教育レベルは境最高峰であるうえに、留学費用が安価であるので人気も高いはずである。卒業後3年間は、州内企業への就職が義務づけられてはいるものの、州内や日本国内の企業への就職も可能であり、大人気となっている。 場所は、国道に近く、那覇市との連絡もよい。近くには、浦添市役所、浦添運動公園、浦添ニュータウンなどがあり、ここにOITが、設置されたことで、市街地としての中心性がより高まった。最近では、独立行政法人の理化学研究所も移転して、ますます世界のなかでの存在感を高めつつある。なお、計画として、近傍に、ベンチャーのインキュベーションセンターをつくることが決定されており、今後、ITベンチャーの育成もしていく構想である。 このRITと関連するのが、道州制に至る前に計画されていた「沖縄科学技術大学院大学」である。世界最高水準を目指す、教授陣・学生の半分以上を外国から招くという壮大な構想を掲げ、を恩納村に計画されて一部、工事も始まっていたが、そもそも大学の立地だけでは定住人口の伸びが限定的であること、大学の機能を支える向背人口が少ないということなどで問題が大きくなった。道州制への移行もありこの計画を白紙とし、このOITの設立に結びついたのである。
2007.09.19
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週刊未来経済 07.9.17号 (月曜発行) ●今週(9/17~9/23)の焦点 アメリカの消費者のモチベーションがさほど低下していなかったことが 分かってやや安心した。とりあえずは、「大地震」の再来がなければ短期 的には安定するのではないか。 翻って日本では相変わらず、ぱっとしない状況が続く。政治に注目する のはそれがこの国の形の鏡であるからだ。政治の液状化が止み、安定しな い限り、経済も株価も回復しないのではないか。どんなに自民党が頑張っ てみても年内か年明けの早い段階で衆議院の総選挙となるだろう。そのと きが未来を見渡すことができる「峠」になるのだと思う。 峠といえば世界経済も峠だ。アメリカの貿易赤字、日本を含めたアジア の黒字という不均衡が許されるのは、ドル帝国が続くということが前提。 もはや前提は崩れている。 ●市場動向(先週9/10~14の市場動向) アメリカはマクロの経済は総じて底堅かった。住宅産業の問題が、消費 に与える影響も最悪の状況は免れたという感じがする。利下げ期待もあり 株価は上昇した。 日本は国内要因で株価を押上げるようなポジティブ材料はなかった。か といって政局流動が下げ要因にもなっていない。10日に付けた日経平均 1万5700円台が下限と見てよいかもしれない。週末には1万6000 円を上回って終えることができた。但し、新興市場の惨状に見られるよう に投資家の心理は悪化の底は見えない。 NYダウ 13442.52 (+2.5%) 米国債金利 4.462 (+1.8%) ドル円 115.30-36(113.34-40) WTI原油先物 79.10 (+3.1%) 金先物 717.8 (+1.1%) 日経平均 16127.42 (0.0%) TOPIX 1544.71 (▲0.8%) 日経ジャスダック 1831.77 (▲2.7%) マザーズ指数 637.25 (▲9.6%) ヘラクレス指数 11081.66 (▲5.2 %)(今週の市場予測) アメリカ経済はとりあえず小康状態を保っているが、この先、改善に向か う材料があるわけではない。FRBの利下げも既に織り込まれている。こ れが失望を呼ぶようだと株価は低落の可能性もある。不気味なのがこのと ころの原油の上昇。クルマ社会のアメリカの消費者心理に悪影響を与える 可能性がある。 日本は下値で安定する可能性が強い。株価上昇を支援する材料がないも のの、既に下がりきっているからだ。1万6000~6500円の間を行ったり きたりの推移をすると見る。何といっても円ドルレートに左右される展開とな なるだろう。政局は情けないことに、短期ではほとんど影響はないだろう。 ●指標発表と予想値 引き続き、アメリカの経済指標が注目の的だ。とくにニューヨーク連銀 製造業景況指数、ZEW景況感指数が注目される。動乱となった8月の後 の9月のものだけに注目である。 一方、日本では日銀の政策決定会合と自民党の総裁選があるが、ほと んど材料とはならない。 9/17(月)(日)東京休場 (米)9月ニューヨーク連銀製造業景気指数 18(火)(ユ)9月ZEW景況感指数 (米)FOMC政策金利発表 19(水)(米)8月消費者物価指数 (米)8月住宅着工件数 ●FPの視点-この国がもつ不安 私はひとりのFPとして、一人一人の生活者にライフプランの作成を薦 める。この作業はまずライフデザインからスタートする。どんな人生をす ごしたいのか、ということである。どんな方法で所得を得て、どんな価値 観で生活をするか、ということだ。例えば、サラリーマンを辞めて故郷に 帰り、農業をやるということもライフデザインである。形式はない。夢想 でオーケーである。 次に、キャッシュフローの作成をお奨めしている。収入と支出を全生涯 にわたって書き込み、収支を計算するのである。そうすると生涯にわたる 収支のバランスがどうなるか明確になる。もちろん将来のことは誰もわか らない。しかしこの作業をすることによって、安心感が生ずる。収支の合 わない人にとっても何をするべきか、が感じ取れるからだ。つまり重要な ことは、将来どうなるのだろうか、という不安を拭うことなのだと思う。 誰もが、何となく日本に元気がないと感じていると思う。その背景には 将来不安があるだろう。人口の減少、経済成長ストップ、犯罪の多発、不 祥事、環境など、など誰もが肌身に逆境を感じている。だから人々はモノ を買うことを控えるし、他人を顧みようとする余裕を失いギスギスする。 本人が言うのだから確かだ。日本経済の不活性の背景はここにあると思う。 こんなとき政治家が、人々を安心させる役割を果たすべきだが、全く機 能を果たしてくれない。安倍さんに代わる総裁を選ぶ選挙が行われている が、これに期待する人はほとんどいないだろう。あれだけ皆で推した安倍 さんを、手の平を返すように、今度は皆で足を引っ張って辞めさせてしま った醜さをみれば、この人たちは信頼できない、もはや自民党には政権を 任せることはできない、と思うのは私だけだろうか。 FPの立場からみるともはや処方箋は、政権交代しかない。今の日本経 済社会の歪の元を辿れば、自民党の長期政権支配に行き着く。例えば、農 業の減反政策である。これまで減反の規模の大枠は自民党・農水省と都道 府県・農協との間で決められる。次に市町村農協が、各農家に割り当てる。 各地区の農業者は「隣組」的に組織されているので個々の農家が勝手な行 動を取ることはできない。つまり政治と官僚によるカネを絡めた支配体制 が完成されている。 このようにカネと地縁でがんじがらめにすることで産業としての発展を 妨げているのが農業の世界なのだ。農業以外にもこのような構造が温存さ れているのがこの国だ。この出口のない社会の閉塞感こそが問題だ。 したがって日本を変えるためには、この自民党・役人(地方公務員を含 む)の支配構造、知られた言葉でいうと、55年体制を打破することがど うしても必要だ。自ら55年体制をつくった自民党には自浄力を期待する ことはできない。 実際に政権を失う方向に進んでいくだろう。民主党の単独政権となるか、 政界の再編成となるかはわからないが、少なくともそのときが、この国が 活性化され、私たちの不安が一部晴れるときになると思う。経済も成長し、 株価も上昇していくことになるだろう。 以上
2007.09.17
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物語道州制(8) 道州制下の那覇市(那覇大綱挽き) 朝9時というのに既に那覇は30度を優に越えている。澄み切った青い空にアカバナー(ハイビスカス)が映え、いかにも南国の雰囲気だ。10月8日の日曜日、きょうはウチナンチューが待ちに待った、「那覇大綱挽き」の日だ。ギネスブックにものるほど有名で今年は内外から20万人が訪れた。 まず国際通りを東西7旗ずつの計14旗の旗頭が練り歩く。幟型の旗であるが、大きさが尋常ではない。高さは9メートル、重さも45キロを超える。これを一人で持ち上げ、次々に担ぎ手を代えていくのだ。サー、サー、サーと気合を入れながら、八の字を描くように歩を進める。旗の上についた吹流しで風の方向を見定め、旗の位置も変えていくのだ。 旗頭のパレードは州政府庁舎を左に見て、国際通りから御成橋通りへ入る。突き当りの久茂地の交差点、州道58号線が大綱挽きの会場だ。事前に細い綱を皆でより合せて、直径1メートル、長さ180メートル、重さ10トンの大綱が路上に用意されている。観光客も含めた沢山の人が東西に分かれ大綱をもつ。旗の合図と共に、綱挽きが開始される。参加者はハーイヤ、ハーイヤと掛け声を合わせ懸命に力を合せて綱を挽く。両雄相譲らず優劣がつけ難い。勝負がついたのは、開始後14分経ってからであった。東の勝利、4年ぶりのことだった。五穀豊穣、家内安全、無病息災を祈って沖縄州各地に伝わるこの行事だが、今ではすっかり一大イベントなっている。(那覇は相変わらずの賑わい) 那覇市は、2030年の現在でも沖縄州第一の大都市として、繁栄を続けている。中心部の国際通りや首里城などの観光資源の魅力が大きいためである。しかし本部の伊江島に第2空港ができてからは、人々の流れは変化している。 これまでは、人の入りと出が、すべて那覇に一極集中する形となっていたが、今では、那覇は、本島の南部や中部へ移動するための拠点としての位置づけが高くなっている。一方で、第2空港に近い、名護市は、北部エリアへの移動拠点としての存在感を強めている。このように人々の動線は分散化されている。 那覇市内でアンケートをした。魅力は、暖かい亜熱帯の自然、どこか懐かしさを感じさせる多様で奥の深い文化、過去の遺跡が豊富に残されていることなどが挙げられた。しかしもっとも多かったのが、琉球人の気質である。おおらかさ、他人への優しさ・・である。お年寄りを大事にする気分もそこから生ずる。1度、来たらまた来たくなる、次は、永住したくなる、そんな魅力をこの島はもっている。(路面電車で混雑解消)しかし不満も多い。その第一が混雑である。観光資源も都市機能も那覇中心に集中している。例えば、州庁、市役所、警察、議会などの公共施設、ショッピング施設、観光客がみな訪れる観光資源などが、国際通りの周辺に集中している。道路は常に渋滞状況となっている。このため地元の住民はもちろん、観光客からもクレームが多く寄せられていた。 そこで州と市は、市内を通る大小の道路で車を通行禁止として、市内の各方面に路面電車網を設置した。那覇市内に入る人々は、周辺に設置された無料駐車場にクルマを駐め、中心部への移動には、電気バスか、路面電車を利用するのである。バスや路面電車は低床として自転車を載せることもでき便利だ。行政側で補助を出しているので運賃も安価だ。 路面電車の駅は概ね500メートルごとに設置され、市内のどこからでも5分ほど歩けば、路面電車の駅に行ける。駅はバス停にも連続していて、乗り換えもスムーズにできる。 この路面電車網は、民間の業者が資金を拠出して建設された。資金を集めるに当たっては、低利で融資を受けることができた。減価償却などでも優遇されている。路面電車の運営サイドは、運賃収入などを原資として返済を行う。建設サイドは、建設にかかった資金を証券化して一般の投資家に買ってもらう手法を採った。(街中に憩いのスペース) この事業は大成功を収めた。市内からクルマを追放した効果は、混雑の解消だけに止まらない。空いた面積を利用して、各所に小公園が造られた。近隣公園を一回り小さくしたこのスペースには、緑が多く配され、地域住民や観光客の憩いの広場となっている。公園内にはカフェなどもあり、広場のベンチで飲食することもできる。なかには縁台で将棋をしたり、話に興ずる人たちもいる。一日中、ベンチに腰掛けて、人々を観察するお年よりもいる。ヨーロッパのカフェや中近東のチャイハナに似た雰囲気だ。 一昔前の日本にもこういう光景があった。今は死語に近いが、長屋に住む人々が、路地に縁台を出しては、花火をしたり、西瓜割りをして、近所同士の友好を図った。那覇の「車追い出し作戦」は、このようなコミュニティの再生効果をも生み出した。またクルマがない街は、新たな観光資源ともなり、観光客の増加も生み出した。日本や世界の各地から、視察に訪れる人々が次々と訪れて、これも観光振興の大きな力となっている。
2007.09.14
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物語道州制(7) 沖縄州のあらまし(街づくり公聴会) 午後5時になった。早速、帰り支度をする。遊びにいくわけではない。7時から自宅近くの公民館で自治体主催の公聴会があるのだ。きょうの議題は、農地転用を認めるべきか否かを住民皆で話し合うというもの。決定権はないものの、自治体の開発許可に影響を与える性格の住民集会である。この政策住民参加制度は、興味の分野は選べるものの地域住民の義務となっている。私は、自分で菜園もつくっているので、農業部門を選んでいる。 私も農作業の手伝いに行くので、よく知っているサトウキビ農家が、畑を東京の業者に売りたいとして自治体に申請したのだ。業者はリゾート施設をつくりたい意向のようだ。以前であれば、役所とは別組織の公務員である農業委員会が審査することになっていたが、今は廃止され、自治体に移管されているのだ。 土地の所有権はもちろん農家がもつが、今では勝手に処分することはできない。土地は地域社会全体のものだという精神から地域住民が決定に参画するのである。もちろん住民側も農作業の手伝いなどで貢献をする。一定面積以上のすべての開発計画が対象となる。地域内に大型店が出店するようなときにも住民が意見を述べ合う。住民参加型の街づくりが徹底している。なかでも農地転用は環境保護の面から人々の関心は高い。 地域住民100人ほどが集まって公聴会が始まった。農地所有者とデベロッパーの意見を聞く。その後、自治体事務局の進行で住民が意見を述べ合う。私は賛成意見を表明した。理由は、街の環境を乱さない限りは、所有者の意思を尊重するべきだからだ。開発計画も街の雰囲気を壊すものではない。もちろん反対意見もあった。1時間ほど皆で議論して、最終的にはこの農地尾転用に賛成という意見が過半数を超えた。(沖縄の道州制) 沖縄県は、道州制の移行に合せて、沖縄州となった。沖縄は本来、独立国家である。しかし、日本本土に併合され、実情に合わない各種の政策を強いられてきた、という不信を、沖縄州民は強くもっている。したがって州制導入に当たっては、独自の沖縄発展モデルをつくることに最も力点が置かれた。 沖縄本島は、南部、中部、北部の3つの地域に分けられるが、これまで那覇への一極集中であり、州を訪問する人々は、那覇空港に降り立った後、各地へ分散していくという形を採らざるを得なかった。欠点は、那覇周辺の混雑・渋滞と、他の地域が発展から取り残されることだ。州への移行を機会に沖縄州内でも各地域が活性化するべきだという認識である。具体的には、人口増加と就業場所の拡大が必要と考えられた。これまで日本政府が主導してきたハコ物建設型では、経済効果は一過性に終わると考えた。○二院制による議会制度 議会は衆議院と参議院の二院制である。衆議院は州民の直接選挙で選ばれる。参議院は、州内の各市町村議会の代表と、州民の代表であるパートナー議員から構成される。ユニークなのがこのパートナー議員制度だ。党利党略的となりがちの議会運営に市民としての常識力を注入するためである。○本部半島の沖の伊江島に新空港を建設 これまでのように、人やモノの出入りを那覇に集中させる方式は、富の偏在や交通混を招きふさわしくない。そこで那覇から70キロほど離れた、北部の本部半島海上の伊江島に第2空港がつくられた。沖縄州の経済拡大を図るなかで那覇の容量に限界が見込まれることと、北部地域の振興のテコとするためである。○米軍基地の全面撤去 既に米国の力は低下して今や世界の警察として君臨することは不可能になっていた。世界は、欧州(EU)、アジア共同体(AU)、米国の3極体制となっている。アジアでは、時間はかかったものの、経済面では既に結合されていることもあり、緩やかな統合が実現した。したがって日米安保条約は友好的に廃止された。米軍の日本駐留はこの点からも意味がなくなった。これをメディアは「日本海の壁の崩壊」と呼んだ。 このような背景から、米軍は今では、沖縄全州から撤退している。州本島の20%にも及ぶ広大な跡地をどう利用するかは、まだ具体的に決まっていない。とくに嘉手納飛行場跡地には、州都を移転させる構想やITタウンをつくろうという話がでたが、州民から、「またハコモノを増やすのか」という批判があり、立ち消えとなった。 州が基幹産業と位置づける農業の作付用地にしようという構想もある。農業は21世紀の花形産業であり、自給率の低い日本ではぜひとも強化しなければならない。但し、これまでの米軍の使用で土壌が汚染されている可能性がある。したがって州では様子を見ることとし、とりあえず自然公園として利活用することとした。地権者にはこれまでの基地時代と同様に州政府から借地料が支払われる。また1万人近い基地関係の従業員の雇用にも配慮が行われた。○高福祉・高負担の社会 これまで日本は相対的に低負担低福祉の社会であった。そのため経済成長が鈍ると格差が拡大する病根があった。沖縄州では、州民投票を行って賛同が得られたので、高福祉・高負担型の北欧型システムを採っている。GDPに占める租税負担率は50%と高い(日本国は25%)が、福祉面では、北欧にも負けない充実したものとなっている(なお社会保険料を加えた国民負担率は65%となり、スウェーデンの70%には及ばないもののフランス並みとなっている)。 主な制度は以下である。いずれも所得制限はあるものの、概ね50%以上の人が享受できる。・高校を卒業するまでの教育費は無料。・医療費の本人負担は無料。・65歳以上の人に月額3万円の州独自の年金を生涯にわたり給付。・15歳までの子どもがいる家庭には、児童手当を1人当たり月額3万円支給。・ブロードバンド回線を全州に整備し、インターネット通信料は無料。○内需振興の経済戦略 人々が豊かさを実感できる経済は、出し手も受け手も地域で完結する内需型産業の振興である。そこで下記の施策を強力に展開している。・全員起業家を目指す 一人一人が、生きがいをもち、且つ経済的に豊かになる社会を目指して、コミュニティビジネスの振興をしている。地域のコミュニティセンターに「起業窓口」をつくる。窓口には、ビジネスマンのOBが常駐、起業希望者がビジネスプランを持ち寄り、相談にのる。開業に当っては、開業資金や当面の運営費を低利で融資する。事業運営や顧客開拓にも最大限の支援を行う。このことで州政府は、開業率の飛躍的なアップを狙っている。・企業誘致の積極化 州になる前の沖縄県は、一国二制度の特典を受けて、工場などの誘致を行ってきたが、あまりうまくいっていなかった。国の方でいろいろ条件をつけるためである。州では優遇条件を拡充して、国内外からの企業誘致を強化した。とくに雇用拡大につながる事業をする企業や、州内にノウハウが残りやすい高度の地術をもつ企業が望ましい。・沖縄の文化を世界に発信 沖縄は琉球王朝の頃より、刀の代わりに三線を床の間に飾るといわれるように、芸能や芸術が盛んな土地柄であった。今でもその精神は息づいており、次から次へとポップカルチャーが誕生し続けている土地柄である。これを発展させて文化産業大国沖縄のブランドを世界に広げる。○脱ハコモノ路線 沖縄県時代は、米軍基地を一手に沖縄に負担させている沖縄への迷惑料として多額の補助金が交付されてきた。県や地元もタダ金ということからか、相も変わらずリゾートハコモノを各地に乱立させた。 発想が安易であるのでうまく行くはずはない。収入に対して経費の方が多くかかるというお荷物を抱え込むこととなった。雇用の増大にも人材の育成にもつながらなかった。また観光客は所詮、短期間とどまるだけで、持続的な地域活性化はできようがないのである。 州政府は、地域振興の基本戦略として脱ハコモノを掲げた。施策を考えるに当たっては、4つの原則をつくった。定住促進、人材育成、雇用増大、住民の意見尊重である。
2007.09.12
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週刊未来経済 07.9.10号 (月曜発行) ●今週(9/10~9/16)の焦点 先週末に発表された雇用統計で、アメリカの景気減速が明確となったよ うだ。やはり危惧していたように、実体経済に悪い影響を与え始めたのだ ろうか。そうなれば利下げということになろうが、これはまた、新たな問 題が生ずる。インフレ懸念と、再度のバブルマネーの招来である。 そうなると頼みは新興国の景気だ。中国の景気は相変わらず好調のよう だし、株価も天井知らずで騰がり続けている。しかし食料品の価格が高騰 していると聞く。これが社会不安を呼ばないか。また外国人の存在が許さ れていない市場は既にバブルといわれて久しい。膨らみすぎたシャボン玉 いつか弾ける。但し、「いつか」は誰にもわからないのだが。 こう考えてくると世界経済は、悪い方向に向かっていると考えざるを得 ない。考えると今世紀以降の世界同時好景気は長く続きすぎた。大宴会は そろそろお開きとなるのは確か。大宴会の締めを告げる幹事役は、アメリ カか、中国か。 ●市場動向(先週9/3~7の市場動向) アメリカの株式市場は、一進一退であったが、先週末の雇用統計の悪材 料で大きく低下して一週間を終えた。インフレを嗅ぎ取って、原油と金の 価格は上昇した。 東京市場は、全く精彩がない。個人の買い意欲が乏しかった。相場を上 に動かす材料が不在であった。そうなると少しの売りでも下がることとな る。また為替の高安で相場が振られる。 NYダウ 13113.38 (▲1.8%) 米国債金利 4.385 (▲3.2%) ドル円 113.34-40(115.75-81) WTI原油先物 76.70 (+3.6%) 金先物 709.7 (+4.1%) 日経平均 16122.16 (▲2.7%) TOPIX 1557.02 (▲3.2%) 日経ジャスダック 1882.20 (▲1.4%) マザーズ指数 704.82 (▲3.4%) ヘラクレス指数 1140.43 (▲4.3 %)(今週の市場予測) 雇用統計でアメリカ景気に黄色信号が点ったが、小売業売上、設備稼働 率が8月にどうだったかが気になる。またミシガン大学の消費者信頼感指 数は最新の9月のものだけに注目する。 東京市場は、こうなるとテクニカル分析も役に立たない。引き続き増益 が予想されている企業決算も所詮、外部頼み。とりあえず下げて始まるだ ろうが、日経平均で1万6000円を守れるか。守ることができれば、1 万6500円までの圏内を行ったり、来たりの推移となるだろう。守るこ とができなければ、8/17の直近安値の1万5262円まではいかないと しても2番底を探る展開となるだろう。気になるのは為替だ。アメリカが 動揺する限り、ドル円も乱高下せざるを得ないだろう。 それにしてもイライラするのは、政治家が市場を元気づけるようなことを 何ひとつ言えないこと。投信などを含めれば国民の多くが投資家であること を分かっているのだろうか。政策出動が無理ならば、この国の未来に明るい 展望を抱かせるような何かを言って欲しい。全く鈍感な人たちばかりだ。 ●指標発表と予想値 9/10(月)(日)第2四半期CDP・二次速報 (日)8月景気ウォッチャー調査 11(火)(日)7月機械受注 12(水)(日)8月消費者態度指数 13(木)(ユ)ECB月例報告 14(金)(米)8月小売売上高 (米)8月設備稼働率 (米)ミシガン大消費者信頼感指数 ●FPの視点-日本を家計に例えれば収入不足 FPの視点で考えてみた。日本の財政を家計に例えると、以下のようになる。 収入が少ないので親類や知人に多額の借金をしている。借金の支払いと金利 を払うことが必要なので、家計で使えるお金は6割しか残らない。残りの6割だけ で生活しなければならない。但し、どう、やりくりしても出ていくお金が多すぎる。 残ったわずかなお金で、家電製品など耐久消費財を買いまくる。結果的に、家 族の福祉のために使えるお金は僅かに残るだけだ。救いは、土地持ち一戸建て に住んでいることだが、そう簡単に処分することはできない。 国の財政と家計を比較するのは難点もある。例えば、日本が外国に対しても っている資産などは無視されている。もっとも、わかりやすいし、実体は概ね 捉えているのではないか。 日本の国民負担率(税金と社会保険料の合計)は、直近の値でGDPの43 %である。諸外国は、低い順にアメリカ38%、イギリス51%、ドイツ56 %、フランス65%、スウェーデン70%となっている。つまり日本は低負担 で、国の収入が少ないのだ。国情が異なるので、単純に他国と比較しても意味 がないとの声もあるが、参考にはなるのではないか。 税金などが安いことは一般論では歓迎できる。しかし、日本では公共投資の GDP比が下がりつつあるとはいえ、まだ先進国のなかでは高い。かつ、国の 消費も少ない。政府最終消費支出というものだ。これには、国防や警察、公共 サービスなど、どうしても支出しなけらばならない費用が含まれるので、結果 的に医療や年金、教育、文化などに使われる政府支出はぐっと少なくなる。こ れは、国民経済計算では、個別政府消費支出というが、アメリカを除き、先進 国では最低の水準なのである。つまりは、日本は低福祉の国であるのだ。 今、日本では格差が大きな問題となっているが、その真因は、このような低 福祉低負担という、この国の形にあるのではないだろうか。この問題は、経済 の成長が続く限りば矛盾は表面化しないが、、低成長みなると矛盾が露呈する。 日本は、未だに発展途上国型の財政システムを引きずっているのが現実だ。 政治にねじれが生じたことで、国民のいやがる増税などは議論できない雰囲 気が広がっているが、いつかはこの問題に取り組まざるを得ない。新聞を読む と今後は、与野党協議が政治運営の推進力となるそうだが、政治家は上記のよ うな負担と福祉の問題にも焦点を当てて欲しい。個人的には、高負担であって も国の活力が高くなれば好いのでは、と思っている。アイスランドが一例だ。 一番悪いのは痛みを恐れて何もしないことだ。90年代の失敗の後遺症で、私 たちが今苦しんでいる状況を、再び子どもたちに味わわせてはならない。 以上
2007.09.10
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おとぎ話(6) 2030年のアメリカ-再び凋落へ ここで物語の進行を、一時、中断して戦後世界を支配してきたアメリカの今を、考えてみよう。盛者必衰の理を地で行ったのが米国である。盛時においても謙虚さを忘れない精神がいかに大切であるかを如実に物語るアメリカの小史である。(ゴールデンエイジ) アメリカは、第二次世界大戦で一人勝ちした。金融や経済の面でも、ブレトンウッズ体制を構築して、アメリカ帝国を完成した。つまり世界の工場となることで、商品を世界に輸出しまくり経済を支配したのだ。金融面でも、各国にドルとの交換比率を一定に保たせる代わりに、金といつでも交換可能という安保システムをつくり、世界にドルをばら撒いたのである。少なくともこのシステム、1960年代までは機能した。(世界支配に綻び) しかし光輝いたアメリカの宴は、長く続くことはなかった。国内の景気悪化によって71年には、ドルと金の交換停止を打ち出さざるを得なくなり、73年には為替を変動相場制に移行した。このことは、世界の金庫番と自認するアメリカが、自ら、その役割を放棄することを意味し、世界にとっては金融波乱の種を撒かれたことを意味する。(停滞の80年代) この時期、アメリカは成功しすぎて失敗する、という諺を自ら体現した。60年代の成功は、大量生産システムが永続的に機能することを前提としていた。しかし世界は2度のオイルショックを契機として、大量消費から質への消費へと転換してきており、アメリカは一種の驕りから、自国のテイラーイズムに代表される、自国の大量生産システムを変えることができなかった。またそのスキを小回りでモノを作ることができる、日本企業などに突けこまれることとなった。自動車産業などがその典型である。(繁栄の90年代以降) しかしアメリカは、低迷の80年代に、ただ縮こもっていたわけではない。この期間には政府も企業もリストラを重ね、強靭な体質をつくることに専念した。そのなかで大きな役割を果たしたのがインターネット関連のIT技術であった。この結果、生産性は飛躍的に高まり、80年代から始まった貿易や金融自由化の波にのって、世界に先駆けてITを経済活性化の武器に転化できた。アメリカ経済が再び、世界を支配することになる。いわゆるニューエコノミーと称される時代であった。(米国の時代の終わり) これまでの米国は、伸張、停滞を繰り返してきた。そのキーワードがグローバリゼーションであった。60年代が生産流通革命であったし、90年代がIT革命であった。今、米国は2つの課題を抱えている。しかし結局は米国は、世界の潮流を読み間違い、長期低落に至ることを余儀なくされた。 第1の読み誤りは、環境軽視ということだった。世界の地球環境重視の流れに逆らい、石油依存に代表されるように、資源多消費のテーゼを変えなかった。国際的な地球温暖化対策からもひとり離脱した。いつまでも自国の覇権が続くという、自信過剰に拠るものだ。 第2の過失は、グローバリゼーションへの過度の信仰である。今や、世界は多極化している。日本を含めたアジア、EUを作ったヨーロッパという3極となっている。ヨーロッパに倣ってアジアでも共同体づくりが進んでいる。経済や金融が、しばしば危機に陥る背景は、米国の一極支配によるものだという認識で共通し、貿易や金融の自由化が全アジアで広がりつつある。米国寄りのIMFに代わり、AMFをつくる動きも始まった。またアジアのインフラを整備するため、アジア債券市場も具体化を進めている。米国は欧州に続き、アジアからも締め出されつつある。 今、米国は経済面でも苦境にある。米国経済を支えてきたのは、海外から資金を集め、国内景気を刺激させ、世界に再び、資金を還流させるところにあった。しかしアジアの経済統合が進み、経済成長で潤うマネーは米国の株式や債券に向かず、アジアの株式・債券市場へと流れを変えた。 米国の市場では何が起こったか。債券の価格が下がり、長期金利が上がった。株式市場にも外国の資金が入ってこなくなり、低迷している。住宅バブルが崩壊したことで、住宅の担保価値が下がり、消費も落ち込んでいる。加えて問題なことは、相変わらずのガソリンがぶ呑み社会のため、原油価格が高止まりして、物価が高いままとなっている。中央銀行が金利を下げようとしても、長期金利が高いため手を打てない。政府が財政出動しようにも、外国からのマネーが入って来ない現況では、財政破壊を防止するためこれもできない。結局は、何の手も打てずに、事態の好転を待つしかないのが米国の現状である。(日はまた昇る) しかし良識ある一部の人は、アメリカはいつか再び立ち上がると信じている。「人間万事塞翁が馬」の諺にもあるように、人も組織も良いときがあれば、苦難のときもある。落としたボールは地表に当たり、再び跳ね返るものだ。失われた時間はいつかは蘇る。 我々は忘れてはいない。貧しかったあの頃、眩しかったアメリカの文明を。世界に輝かしい夢の世界を見せてくれたアメリカを。我々の目標はいつもアメリカだった・ アメリカ人はチャレンジする精神と、それを受け入れるのに寛容な社会の精神風土がある。今の逆境を耐えつつも、そのなかから復活の日を求めて、再び這い上がってくるだろう。アメリカとはそんな国である。不屈の若い国、アメリカよ万歳。
2007.09.07
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おとぎ話(5) 2030年の日本 きょうは、2030年の元旦である。家族で初詣に出かけようと、電気を賄う家庭用燃料電池から、コードを繋いでクルマに充電作業をする。その間に、インターネットからダウンロードした電子ペーパー新聞を読む。 アメリカが大変なことになっている。原油が高騰し、物価が前の月に比べ10%以上騰がっている。世界に背を向け省エネを怠ってきたツケだ。双子の赤字で景気も最悪だ。当分、あの国は立ち直れないだろう。アジア共通通貨のAUCが対ドルでまた高くなっている。ドル安でアメリカがデフォルトするかもしれないという分析が載っている。 ページをめくって、株式欄を開く。アジア株価指数が2000ポイントを超えた。アメリカ経済が低迷しても、今の日本は躍進するアジア経済との連携が深いのでほとんど影響はない。 30分ほどで電気自動車の充電が完了した。今では、ガソリンを使用したクルマは環境税がかけられ、電気自動車の3倍の値段だ。またガソリンもアフリカの国々の経済成長で、天文学的な値段だ。今やガソリン自動車は高値の花だ。 さあ出かけよう。ふしぎなものだ。こんなに科学が発達しても日本人は新年の初詣を欠かさない。日本人の遺伝子だろうか。クルマに家族で乗り込んで、ナビの自動操縦装置をオンにして出発する。しかし道路の混雑は相変わらず。まあ排気ガスが出ないだけよいが。ナビの立体テレビのスイッチを入れる。何気なく視ていると、エアカーが、いよいよ発売されるという。この一人乗り用は便利そうだ。早くこの交通混雑から解消されたい。 道州制が施行されてから20年が経過した。2030年の今では、日本は中央政府と11の州から成っている。中央政府(京都)は新憲法を制定して、今では、国防、外交など必要最小限の機能を担い、その他の行政は全て各々の道州に移管されている。○日本連邦共和国 道州制の採用を受けて憲法が改定されている。基本的な理念は変えていないが、日本連邦国民としての連帯を求めながらも、州政府の権限を全面的に認め、各州が独自に州法を定めることを認めている。また平和主義を前面に立てながらも、交戦権を認め、多国籍軍への参加を認めている。○州と中央政府の役割分担 中央政府は全ての税金を徴収したうえで、各州の人口と面積に合せて比例配分する機能を担う。なお、連邦共和国では全州統一の税法体系をもつが、個々の州が上乗せをしたり、新たな税を創設することも認められている。このことで、州は独自のデザインに基づいた政策を進めることができるようになった。なおこれまであった、独立行政法人、特殊法人、国が関与した公益法人などはゼロベースで廃止を前提に検討されることになった。○年金・雇用・医療保険と国債管理は中央政府に 道州制を実施するに当たって、現状、特別会計で運営されている以下の4つを、従来どおりそのまま維持することとした。つまり厚生年金、国民年金、労働保険、国債整理の4特別会計である。 このなかでとくに問題とされたのが、国債整理基金特別会計であった。巨額に積み上がる借金を減らすために、国と地方が保有する資産の売却が具体的に検討された。また、特殊法人への政府出資額、財政投融資残高にもメスが入れられた。その結果、5割の公債残高を減らすことができた。社会保険関係の特別会計は、基本的に保険料で運営されているのでそのまま維持することとした。 社会保険料はこれまでどおり、中央政府が集め年金などを給付する。これと併せ、これまでは地方が運営していた公的医療保険も中央政府に移管した。またスリム化した公債も、各州が税収から拠出して長期的に残高を減らしていくこととなった。○中央政府の組織 新しい日本連邦協和国議会は、直接選挙制の衆議院と、各州の代表者からなる参議院からなる。最低限、中央政府が機能を果たすべきことは、防衛、外務、国債整理、州間の政策調整、環境、高等教育・科学技術、社会保障省、エネルギー、中央銀行の9部門だという結論に至った。その維持に必要な経費をは州が拠出する。(防衛省) 東アジア共同体の構築や日米安保条約の廃棄によってその役割は変化した。これまでのような重装備の軍備は必要としなくなっている。災害救助、テロ防止、PKO活動など国連中心の活動に焦点が移っている。(外務省) 新たにできた東アジア共同体及び国連中心の活動に中心が移っている。経済面や環境面の世界の格差を解消するためにも役割が高まり、組織も強化されている。(国債整理省) 国有財産の売却、特別会計や独立行政法人、特殊法人の改廃、中央政府の関与する公益法人の整理などで、国の借金は半分ほどに減っている。これを各州独自経済成長による税収繰り入れによって当面、GDP比70%を目標に減少させていく計画だ。(州間政策調整省) 各州の政策が、中央政府との整合性を保つように、調整を図る役所。また州間の経済格差などに基づいて税源を調整する原案をつくる役割をもつ。(環境省) 環境優先は、日本連邦共和国の国是となっている。地球温暖化防止で世界のリーダーシップをとるために、組織も大幅に強化されている。(高等教育・科学技術省) 基本的に教育政策は、各州の所管であるが、高度な教育や科学技術政策は中央政府が担っている。この分野でも日本連邦共和国は世界最先端となることを目指している。(社会保障省) 医療、雇用、年金など、社会保障に関する業務は、引き続いて、中央政府が行っている。(エネルギー省) エネルギー政策は、長期にわたる戦略をもつことが必要なことや、国家間での調整が必要なこともあり、引き続き、国が主に担っている。但し、政策の基本は原子力を除いた再生可能エネルギーに重点が置かれている。(中央銀行) 金融調節、為替管理などであり、国や州とは独立した機関が行っている。○道州の区分け 現在では、全国は、以下の11州に分けられている。各州の人口とGDPは以下のようになる。州の区分けにおいては、歴史や文化の同質性が重視された。・北海道 600万人(人口)20000(10億円)・東北州 1000 33000・北関東州 700 27000・南関東州 2100 69000・東京州 1200 82000・甲信越州 900 32000・中京州 1400 64000 旧静岡、愛知、三重、岐阜県・関西州 2000 79000 滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山・中四国州 1200 42000・九州 1300 43000・沖縄州 130 3500
2007.09.05
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週刊未来経済 07.9.3号 (月曜発行) ●今週(9/3~9/9)の焦点 今回の信用不安の元となった米国で、サブプライム・ローンに苦しむ最終借り手 を救済する考えを打ち出している。それだけこの問題が、景気実体の悪化に繋 がりかねない不安を当局が認識していることが改めて確認された形である。何 か不吉な予感を感じる。 それにしても一連の金融・経済政策の打ち手を見ていると、素早く断固たる意 思を打ち出していることが特筆される。国際間の連携もスムーズだ。今のところ パニックの再来が勃発するリスクは低いとみることができる。 今週の注目は米国の経済指標である。なかでも週末に発表される雇用統計だ。 米国の景気に揺らぎがないことが確認されれば、ひとまず今回の騒動は峠を越え たといえるのではないか。 ●市場動向(07.8月の市場動向) 米国ダウは7月半ば直近高値をつけ、調整のきっかけを待っていた形であった が、そこに信用不安問題が持ち上がり、8月半ばに底値をつけて、その後に回復 基調にある。チャート的には良い方向にある。 東京市場はニューヨーク市場の写真相場であり、先週の終値で25日移動線を 上回ってきた。新興市場株も動意が出てきた。しかしひとり蚊帳の外にあるのが 小売株である。小売経済指標もパッとしない。 NYダウ 13357.74 (+1.1%:8月間騰落) 米国債金利 4.531 (▲4.5%) ドル円 115.75-81(118.52-58) WTI原油先物 74.04 (▲5.3%) 金先物 6681.9 (+0.4%) 日経平均 16569.09 (▲3.9%) TOPIX 1608.25 (▲5.7%) 日経ジャスダック 1907.96 (▲7.2%) マザーズ指数 729.66 (▲15.6%) ヘラクレス指数 1191.55 (▲13.7%)(今週の市場予測) 負債を抱える住宅取得者への米国の総合対策方針が打ち出されたもののまだ 具体的な施策はこれからである。ただ最悪期は脱したとみることができる。あとは 米国の経済実態がどうか、それが注目される。予想を大幅に下回らない数字なら 落ち着きを取り戻そうだ。 米国次第の一語に尽きる。情けないことではあるが、今の東京市場の命運は外 国人の動向が担っている。時価総額でも中国に抜かれた。 ●指標発表と予想値 出血は止まった格好だが米国の経済指標なかでも雇用統計が大注目だ。それ にしても注目指標が米国発ばかりという事態は嘆かわしい。日本経済は本当に 回復基調にあるのだろうか? 9/3(月) (米)株式市場休場 4(火) (米)8月ISM製造業景況指数 5(水) (米)8月ADP全国雇用者数 (米)地区連銀経済報告(ベージュブック) 6(木) (米)第2四半期非農業部門労働生産性 (米)8月ISM非製造業景況指数 7(金) (日)7月景気動向調査 (米)8月失業率 (米)8月非製造業部門雇用者数 ●FPの視点-農業問題の絡んだ糸を解かなければならない 食糧自給率が40%を割ったということが明らかとなった。1960年代には 70%を超えていた、ということなので確かに異常な事態である。先日の新聞 にわかりやすい例示があった。仮に国内生産だけで食事を賄うとすると、夕 食は、ご飯1杯、焼きいも1本、焼き魚1切れ、だという。みそ汁は2日に1杯 、牛乳に至っては、6日にコップ1杯だという。いまさら生活水準を下げること はできないのだから事はかなり深刻だ。 一方で、事態は悪化し続けている。発展途上国の食生活向上のため、輸入 超大国の日本は、そのうちいくらお金を払っても、食糧を手に入れられなくなる 可能性もある。そのよい例が漁価高で、買負け続けている水産会社の株価が 下げ止まらない。個人的には買いを入れたい気分だが、底なし沼のようでこわ いような株価低落だ。 抜本的な手を打つべきなのだが、今議論されているのは、自給率の原因は何 か専ら犯人探しばかり。その1:国民が悪い、食の欧風化を無自覚に追い求め たからだ、肉など畜産物の消費は4倍も増えたではないかというもの。 その2:企業が悪い、目の前の利益に目がくらんで輸入を拡大した。消費者 は、国産品を買いたくても売り場に輸入品ばかりが並んでいては、選びようが ないじゃないか、小売業者に不満をぶつける。 その3:農協が悪い、例えば牛肉などは国内生産も少なくないが、トウモロコ シなどの肥料は多くが輸入ではないか。元凶は農協だ。農協が農民に無理や り輸入飼料を買わせる一方、自らは、金を貸して利ざやをとることに没頭して いる。農協から寺銭を巻き上げている農林中央金庫も、投資会社などを買収 してマネーゲームにいそしんで、本来やるべきことを忘れている。 その4:農民が悪い、例えば農地転用問題だ。農業委員会はできゲーム・有 名無実化しており、農地は農民が好きなときにカネに代えることができる、農 民の貯金箱のようなものだ。だからまともに農業をやろうとする農民はごく少 数派となっている。 その5:農水省が悪い、以上のような既得権集団のなかで、右往左往してい るではないか。減反すれば補助金を出す、とか株式会社の農業参入を阻むな ど猫の目行政のオンパレードだ。 農業問題をマンガ風にすると以上のような構図となる。勝手にあっちこっち 向いて活力が出ない、今のニッポンの縮図だ。しかしもはや、犯人を捜しをす る余裕はない。FTA・EPAなど国際問題などまで考えずとも、そのうちカネを 積み上げても食糧を買えない時代がくるかもしれない。その日本のカネも経済 力低下のため、無くなるかもしれない。やはり元の農業国に戻ることを考えた方 がよいかもしれない。農業立国になれば地域格差の問題もなくなる。いや、農 業はこれからの世界のリーディング産業だと思うのだが。 問題は政治だ。今の総理大臣は「色男、カネと力はなかりけり」といわれる。色 男かどうかは主観の問題であるが、腕力のないことはそのとおりである。
2007.09.03
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おとぎ話(4) 道州制の採用を決定○自民・民主の再編成(前回までのあらすじ) 安倍は政策や判断のミスを繰り返し、有権者の不信をかい夏の参院選で大敗した。自らの理念を貫きたいとの思いから繰り出したのが、政敵である民主党と連立政権を組むというものであった。しかし継ぎ接ぎの政治がうまくいくはずはなく、予算を増やしたい官僚の画策もあって、バラマキ財政の再来となってしまった。折からの景気低落もあって財政赤字は拡大して日本財政は非常事態となった。○両党内が共に政策で対立 このなか、連立した自民党と民主党は共に揺れていた。この先、採るべき政策で党内が大きく二分されていたのである。バラマキ財政を継続しようという路線、もう一方が財政再建を優先させるという路線である。 第一のバラマキを続けようというグループの主張はこうである。わが国は外国から借金しているわけではない。経常収支は黒字であるし、所得収支も黒字だ。だから何も問題はない。大いにカネを使って景気の好くなるのを待とう。カネが国民家計に回れば、消費も活発になり景気も回復するというのがかれらの主張である。要は、バブル崩壊後に採ってきたことをまたやっていこうというものだった。 第二の財政再建路線グループの主張はこうである。財政赤字が膨れれば膨れるほど、予算のなかで借金の利払い費と返済費が増え、その分、国民、とくに地方のために使える生きたカネが減る。国は不活性となり長期低迷に陥る。バブル崩壊後、10年以上も続いた日本経済の低迷の真因は、必要な手術を先延ばししてきたからだ、これをまた繰り返すことはできない、というものであった。○地方分権のイメージ 両グループは、共に地方分権を進めるということで一致していたが、その最終イメージは異なっていた。バラマキ財政路線グループは、あくまで税金を取る権利を国に置き、交付金や補助金などで分配をしていくというものである。あくまで明治以来、採用してきた大方針を変えるべきではない、というのである。 第二のグループは、道州制を採用し、各地域に立法機能をもたせ、徴税なども自主性に任せるというものである。したがって経済・社会政策も独自性をもたせる、というものだ。そもそも国が税金を集めて地方へ配分するというやり方が、官の肥大化や驕りを生じさせた。また地方が住民の声を聞かず、国ばかりを見る逆立ちした形の温床になってきたのだ。もはやこのシステムは保たない。個々の地域が実情に合せて税金を集め地域のために使う、というやり方に変えることで、日本は再び活力を取り戻す。これが道州制を推進する側の意見であった。○国民投票で国民に意思を問う 両派の決着はつかず、安倍政権で成立した国民投票法に則って国民の意見に従おうという結論となった。テーマは道州制の是非で、過半数を得れば、道州制を採用し、過半数に至らなければ、現状のままでいこうというものであった。 道州制の話題は新聞やテレビなどで広く取り上げられた。メリットとデメリット、海外事例なども頻繁に紹介された。国民の関心はきわめて高くなった。 審判の日がやってきた。投票率が締め切られて、80%という高水準の投票率に人々は驚いた。これまで間接選挙に名を借りた国民不在の政治が一貫して行われてきた経緯があるだけに、否が応でも国民の関心が高まったのである。即日で開票結果が確定した。全国民の70%が道州制を支持するというものであった。
2007.09.01
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