ユーカリの木陰で里の行
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オーストラリアのほとんどの学校では小学校のころからキャンプ活動を取り入れている。うちの子どもたちの学校でも、子どもたちをキャンプ環境に向け徐々に鍛えてゆこう!的プログラムが組まれている。幼稚園部にあたるサイクル1では、家族も一緒のファミリーキャンプ。小学校1~3年生にあたるサイクル2では、昼間は遠足で夜は学校宿泊のプレ・キャンプ体験。4~6年生のサイクル3では、晴れてスクールキャンプというように。とはいえスクールキャンプと言っても、ほとんどの小学校ではテントを張るわけじゃあなく、ロッジ(といえばなんだか聞こえがいいけれど、たぶん林間学校ふうひたすら素朴な宿泊施設ね)に泊るんだそうな。中高校ともなると本格的にテントを張るところが多いと聞くけれど。サイクル1のファミリーキャンプも、ロッジ宿泊である。案内には、「寝室は2段ベッドで他の家族とシェア、トイレ、シャワー、洗面所は共有」となっている。参加は強制ではなく、自由参加である。私たちは幸い、じゃなくて残念ながら毎年他の行事と当たってしまって、今まで一度も参加したことはなかったのだった。だってトイレ、シャワー、洗面所共有だし、寝室も他の家族とシェアだし…。それにボーイスカウトよろしく6時起床、朝食7時、9時ハイキングに、12時ピクニックとか、忙しなくアクティビティの予定が詰まっていたりしたら、超疲れそうだし…。その時間に子どもたちを叩き起こして準備を済ませて、定刻に活動参加しなくてはならない…と考えただけでも、あわわわ、目眩がしそうだ。だいたい私はアウトドアが苦手である。海辺の砂浜に坐って、の~んびり読書とか、森林の木陰でやわらか~な木漏れ日を浴びつつ瞑想するとか、ゆる~りナチュラル系なら心も躍ってしまうのだけど、岩をよじのぼったり、渓谷を下ったりのサバイバル系なんて、即その場でリタイアして脱落してしまいたい。旅行といえば、トロピカルなリゾートホリデーも遺跡や美術館巡りの観光旅行も、温泉旅行も大いに出かけたいところではあるが、キャンプ旅行では…途端に腰が重た~~~くなってくる。テントなんて張りたかないし、寝袋なんかで寝たくもないし、飯盒でご飯は炊きたくないし、木陰をおトイレにもしたくない~て、違うか…、スクールキャンプじゃテントは張らんか。とはいえ、今年は下の子もサイクル1の最終学年である。ファミリーキャンプもこれが最後のチャンスということで、今年は思い切って参加することにした。ほとんど清水の舞台から飛び降りる!の気概で決意ね。けれど、だがだが、、、ファミリーキャンプの週末が近づくにつれて浮き足立つ子どもたちとは裏腹に、気が重た~~~くなってきた。それにその週末はチベット仏教センターで、Vajrasattva Empowermentがあると聞き、ますます行く気が萎えてしまう。キャンプ行くより、浄化の行をしていたい~~~などと思っていたら、スクールキャンプの数日前から娘が咳込み始めた!そうして前々日の水曜日には熱まで出して学校を休んでしまった!このぶんでいけば幸運にも、お~っといかん訂正、残念なことに、近日中に今度は息子の方にうつってしまって、うまくすれば、あっ違った訂正、遺憾ながら、キャンプには行けなくなってしまうであろう。。。そしたら晴れて私も、おお~っとまたまたいかん、いかんじゃないかっ、棚ボタ式に(あ、これじゃ変わらんか)Vajrasattvaのエンパワーメントに参加できる~~~!ラリホー!!!と舞い上がりかけて、ハタと反省した。子どもたちは楽しみにしているのに…なんて自分勝手な…、自己本位な…と心を入れ替える。その甲斐あってか(?)娘の熱も下がり、息子にうつることもなく、無事、スクールキャンプに参加できたのだった!パオ~ン(涙)思いっきり腰が引けながら参加したスクールキャンプではあったけど、やはり案じるよりは産むが易し、ですね。思ったほど悲惨じゃなかったのよ(笑)。実際、宿泊施設は貧相なものだったけど。ベッド数に比べて、トイレやシャワーの数が致命的に少ないとか。洗面所は、トイレ後の手洗い機能くらいしか備えてなさそうな、極々小さ~~~な流しだったとか。だけどそれも三日くらい顔を洗わなくても大した支障はない、と腹をくくったら、別にどーってことなかったし。何よりも嬉しかったのは、寝室を他の家族とシェアせずに済んだことである。どうやら「寝室シェア」の項目に、皆さんも腰が引けたようで、参加家族が極端に少なかったのだ。お陰で、2段ベッドが4つ並んだだけで、クロゼットも椅子もないという小狭い空間ではあったけど、贅沢にも家族4人で独占することができた!のだった。しかも、活動予定は、限りなく緩~~~く温めに組まれていた。下の子はまだお昼寝という家族も多かったせいか、アクティビティの定刻予定は一切なし!予め組まれたスケジュールといえば、食事の時間くらいであった。それもアバウトに朝食7時半ごろから9時半ごろまでとか、モーニングティーは10時半ごろから11時半くらいまで、とか。そのうえ食事の回数がとにかく多かった!ブレックファストに始まって、モーニングティーに、ランチ、アフタヌーンティーに、ディナーと、ほぼ一日中、何かしらを食べていた感じである。食事の量も多いうえに、メニューもなかなかにリッチで。モーニングティーは、手作りのケーキにマフィンにフルーツとか。しかも食事にいちいちケーキとかデザートまで付いてくる。サバイバルどころか、3日間で肥えて帰還。なにか私の抱いてきたキャンプのイメージからは激しくかけ離れたスクールキャンプだった。唯一、キャンプらしいアクティビティといえば、キャンプファイヤーだろうか。土曜日の夕食後に企画されたキャンプファイヤーでは、マシュマロを焼いて食べると言うことで、子どもたちはと~~~っても楽しみにしていたのだった。実は私もキャンプファイヤーは初めてである。昔々の青春ドラマか映画でしか見たことのないそれを体験できる!ということで、内心、楽しみにしていた。夕食後7時15分から半ごろにかけて(ね、アバウトでしょ)ブッシュに囲まれた空き地の掘立小屋近くに集合ということで、子どもたちとマシュマロの袋を抱え、うきうきと向かった。こじんまりと組まれた薪に火が点けられ――、さあ、いよいよ、皆で燃え盛る炎を囲んで、歌でも合唱するのかと思っていたら、輪になって坐ることもなく、談笑することも、歌うこともなく――ほんと~にマシュマロを棒の先につけて、焼くだけであった。そのうえメルボルンは夏時間で、8時でもまだまだ明るいため、こじんまりと組まれた薪をちょろちょろ舐めるような炎では、迫力も風情もあったものじゃない。キャンプファイヤーというよりも、これじゃあ囲炉裏?とはいえ子どもたちは、溶けて、焼けて、焦げ付いて時に炭となったマシュマロを頬張っては、歓声を上げていた。うちの子どもたちも初めてのキャンプに大はしゃぎだった。マシュマロ焼きはもちろん、ミニゴルフも、ゲームルームの卓球も(キャンプなのにこんなのもあったのだ)、ロバ(もいたのよ、2匹だけ)も、案山子も、木々の間に張られたロープ渡りも、森林アスレチックもなにもかもすご~~~く楽しかったのだそう。二人とも声をそろえて「来年も行きたい~~~!」だが、年が明ければサイクル2に上がる息子に、来年はないのであった。私もこんなことならもっと早くトライすれば良かった、去年、一昨年も参加すれば良かった、と反省するも、時遅し。やはり食わず嫌いは損、ですね。思い込みや偏見は自らの世界を狭くする、と実感したスクールキャンプの週末でした。ちゃんちゃん。ちなみに写真は囲炉裏端、ではなくて、これでもいちおーキャンプファイヤーでした。
2012.11.11
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